特定多目的ダム法施行規則
平成19年3月31日 改正
第1条
【基本計画の公示】
1
特定多目的ダム法(以下「法」という。)
第4条第5項の規定による多目的ダム(
法第2条第1項に規定する多目的ダムをいう。以下同じ。)の建設に関する基本計画(以下この条において「基本計画」という。)の作成の公示は、
同条第2項各号に掲げる事項を官報に掲載して行うものとする。
2
基本計画の変更の公示は
前項の規定に準じて、基本計画の廃止の公示はその旨を、官報に掲載して行うものとする。
第1条の2
【分離費用の算出方法】
令
第4条の規定による多目的ダムの建設の目的である各用途について多目的ダムの建設に替えて当該用途を除く他の用途のすべてに供されるダムでこれらの用途について多目的ダムが有する効用と同等の効用を有するものを設置する場合に要する推定の費用の額は、当該用途を除いた場合に生ずる貯留量の減少等を勘案して算出するものとする。
第2条
【身替り建設費の算出方法】
1
令
第2条第1項第2号及び
第3条第1項に規定する身替り建設費については、多目的ダム及び多目的ダムの関連施設(令
第2条第1項第2号に規定する多目的ダムの関連施設をいう。以下同じ。)で多目的ダムの建設の目的である各用途のすべてに供されるものが有する機能に相当する機能を有する施設又は工作物を、多目的ダム及び多目的ダムの関連施設で多目的ダムの建設の目的である各用途のすべてに供されるものを設置する場所(国土交通大臣が関係行政機関の長と協議して定める場合にあつては、当該場所以外の場所)において設置するものとして算出するものとする。
2
発電の用途に係る身替り建設費の算出において、当該用途について多目的ダム及び多目的ダムの関連施設が有する効用と同等の効用は、当該多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の設置により発生される有効出力及び有効電力量とする。この場合における有効出力及び有効電力量の計算方法については、
第4条第2項に定めるところによる。
第3条
身替り建設費の算出に際しては、多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の設置の完了前にその設置に要する費用に充てる資金について支払わなければならない社債、地方債又は借入金の利息がある場合においても、当該利息は、身替り建設費に算入しないものとする。
第4条
【妥当投資額の算出方法】
1
令
第6条に規定する多目的ダムの建設の目的である各用途について多目的ダム及び多目的ダムの関連施設が有する効用を金銭に見積つたものは、次の各号に掲げるものとする。
①
洪水調節の用途にあつては、当該多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の設置により生ずる次に掲げる効用を時価に換算した金額の合計額
イ
堤防、護岸、水制、河道その他河川に生ずる被害の復旧に要する費用の減少
ロ
道路、橋りよう、鉄道その他の交通施設に生ずる被害の復旧に要する費用の減少
ハ
はん濫による農作物の減産、農地の流失又は埋没、家屋その他の財産の被害の防止又は減少
ニ
河道における土砂の沈積によるしゆんせつ維持費の減少
②
かんがいの用途にあつては、当該多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の設置により増産される農作物の金額に標準純益率を乗じた金額、当該用途に係る既存の施設の運転及び維持に要する費用の減少する金額及び営農に要する労力費用の減少する金額の合計額。この場合において、増産される農作物の金額の計算は、米については国の買上価格、米以外のものについては時価を基準として、作物の種類及び反収、作付の増産形態ごとに行うものとする。
③
発電の用途にあつては、キロワット及びキロワット時当りの山元発電単価に当該多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の設置により発生される有効出力及び有効電力量をそれぞれ乗じた金額の合計額
④
水道及び工業用水道の用途にあつては、単位水量当りの水の価格に当該多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の設置により供給される水量を乗じた額
2
前項第2号に規定する標準純益率、
同項第3号に規定する山元発電単価並びに有効出力及び有効電力量の計算方法並びに
同項第4号に規定する単位水量当りの水の価格の算出方法については、国土交通大臣が関係行政機関の長と協議して定める。
第5条
【ダム使用権設定前の多目的ダムの利用の許可の申請】
法第13条の規定による許可を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
①
ダム使用権の設定を受ける前に流水を特定用途(
法第2条第1項に規定する特定用途をいう。以下同じ。)に供する理由
第6条
【建設の完了の公示】
法第14条の規定による多目的ダムの建設の完了の公示は、官報に掲載して行うものとする。
第7条
【ダム使用権の設定の申請】
1
ダム使用権の設定を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
③
ダム使用権により貯留を確保しようとする流水の最高及び最低の水位並びに量
2
前項の申請書には、次の各号に掲げる書類及び図面を添付しなければならない。
①
流水の占用の計画を示す書類
イ
ダム使用権の設定を受けようとする目的が発電の場合にあつては、発電所の位置及び名称、取水河川名、取水口及び放水口の位置、貯水池の利用方法の基準、占用する水量(最大及び常時の水量をいう。)、落差(占用する水量の最大及び常時の別の総落差及び有効落差をいう。)並びに発電力(最大、常時、常時尖頭、渇水期平均及び渇水期尖頭の発電力をいう。)を記載し、貯水池の水位、貯水池へ流入する流水の量及び占用する水量の一覧表(別記様式第一)及び発生電力量の一覧表(別記様式第二)を添付すること。
ロ
ダム使用権の設定を受けようとする目的が水道の場合にあつては、水道の名称、取水河川名、取水口の位置、給水区域、給水人口、貯水池の利用方法の基準並びに占用する水量及び給水量(最大及び常時の別の一日当たり及び一秒当たりの量をいう。)を記載し、貯水池の水位、貯水池へ流入する流水の量及び占用する水量の一覧表(別記様式第一)を添付すること。
ハ
ダム使用権の設定を受けようとする目的が工業用水道の場合にあつては、工業用水道の名称、取水河川名、取水口の位置、給水区域、給水工場の名称、種類及び敷地面積、貯水池の利用方法の基準並びに占用する水量及び給水量(最大及び常時の別の一日当たり及び一秒当たりの量をいう。)を記載し、貯水池の水位、貯水池へ流入する流水の量及び占用する水量の一覧表(別記様式第一)を添付すること。
⑤
流水を当該特定用途に供することについて、及び流水を当該特定用途に供することによつて営もうとする事業について必要な行政庁(国土交通大臣を除く。)の許可、認可その他の処分を受けていること又は受ける見込みが十分であることを示す書類
⑥
計画一覧図縮尺は、五万分の一とし、多目的ダム及び多目的ダムの関連施設の位置を記入すること。
⑦
主要構造図多目的ダムの関連施設で主要なものについて作成すること。
第8条
【立札による掲示の様式等】
1
令
第18条に規定する立札による掲示は、別記様式第五により行うことを例とする。ただし、放流する日時、河川及びその付近の状況等により特別の必要があると認められるときは、その都度、さらに別記様式第六により行うことを例とする。
2
令
第18条に規定するサイレン及び警鐘による警告の方法は、次の表に定めるところによるものとする。
サイレン | 警鐘 |
図表 (略) | 図表 (略) |
備考 一 警告は、適宜の時間継続すること。 二 必要があればサイレン及び警鐘を併用すること。 | |
第9条
【延滞金】
法第36条第2項に規定する延滞金は、
同条第1項に規定する負担金等の額につき年十・七五パーセントの割合で、納期限の翌日からその負担金等の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した額とする。
第10条
【権限の委任】
法に規定する国土交通大臣の権限のうち、次に掲げるものは、地方整備局長及び北海道開発局長に委任する。
附則
昭和40年3月13日
第1条
(施行期日)
この省令は、法の施行の日(昭和四十年四月一日)から施行する。
附則
昭和42年6月1日
2
この省令の施行前に建設大臣が実施計画調査に着手した多目的ダムの建設に要する費用の負担については、なお従前の例による。
附則
昭和45年5月1日
2
改正後の特定多目的ダム法施行規則第九条の規定は、この省令の施行の日の前日以後に到来する納期限に係る延滞金の額の計算について適用し、同日前に到来した納期限に係る延滞金の額の計算については、なお従前の例による。
附則
平成12年11月20日
(施行期日)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。