• 採血の業務の管理及び構造設備に関する基準

採血の業務の管理及び構造設備に関する基準

平成18年9月19日 改正
第1章
総則
第1条
【定義】
この省令で「採血」とは、血液製剤等の原料とする目的で、業として、人体から血液を採取することをいう。
この省令で「健康診断」とは、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(以下「法」という。)第24条第1項に規定する健康診断をいう。
この省令で「資材」とは、採血の実施に際し一回限りの使用で使い捨てる器具及び表示に用いる材料をいう。
この省令で「移動採血車」とは、採血所(法第21条第1項に規定する採血所をいう。以下同じ。)の構造設備の一部であって、採血の用に供する車両をいう。
第2章
採血の業務の管理
第2条
【採血の業務の管理】
採血事業者は、採血所ごとに、採血に係る業務を管理する採血責任者を置かなければならない。ただし、移動採血車において採血を行う場合は、移動採血車ごとに、採血所の採血責任者とは別に、採血責任者を置かなければならない。
採血事業者は、必要があると認めるときは、あらかじめ、採血責任者の業務を統括する者(以下「採血統括者」という。)を選任し、担当する区域を定めて、採血責任者の設置その他採血事業者の業務の一部を委任することができる。
第3条
【採血基準書】
採血事業者は、採血に係る業務を適正に行うため、採血所ごとに、次に掲げる事項について記載した採血基準書を作成し、備え付けなければならない。ただし、移動採血車については、その属する採血所の採血基準書を備え付けなければならない。
健康診断に関すること。
採血の実施に関すること。
採血に係る業務の工程の管理に関すること。
採血により得られた血液の保管及び管理に関すること。
構造設備の管理に関すること。
健康診断のために採取された血液の検査に用いる試薬及び試液(以下「試薬等」という。)並びに資材の規格、使用方法及び管理に関すること。
採血に従事する者(以下「採血従事者」という。)の衛生管理に関すること。
その他必要な事項
第4条
【採血指図書】
採血事業者又はその委任を受けた採血統括者(以下「採血事業者等」という。)は、採血責任者に対し採血を指図するときは、採血指図書を作成しなければならない。
前項の採血指図書には、製造予定品目別又は採血容器の種類別及び血液型別の予定数量を記載しなければならない。ただし、原料血漿 を製造するために成分採血を行う場合はこの限りではない。
第5条
【採血責任者】
採血事業者等は、採血責任者に、採血基準書に基づき、次の各号に掲げる採血に係る業務を適正に行わせなければならない。
採血に係る業務の遂行について、採血従事者を統括指揮すること。
採血指図書に基づき採血が行われたことを確認すること。
採血により得られた血液が適正に搬出されるよう確認すること。
次に掲げる業務を自ら行い、又は業務の内容に応じてあらかじめ指定した者に行わせること。
健康診断を適正に実施すること。
採血指図書に基づき採血すること。
採血により得られた血液及び資材を適正に保管し、及び出納を行い、並びにその記録を作成すること。
構造設備の清浄を確認し、その記録を作成すること。
採血従事者の衛生管理を行い、その記録を作成すること。
構造設備を定期的に点検し、及び整備し、並びにその記録を作成すること。
試薬等及び資材を定期的に点検し、その記録を作成すること。
その他必要な業務
採血により得られた血液に関する記録を作成すること。
前項第4号ハ及び第5号に掲げる記録は、作成の日から三十年間保存しなければならない。
第1項第4号ニ、ホ、ヘ及びトに掲げる記録は、作成の日から五年間保存しなければならない。
第6条
【手順に関する文書】
採血事業者は、採血所ごとに、採血に係る業務及び次条から第10条までに規定する業務(以下「採血所における業務」という。)を適正に行うため、自己点検、苦情処理、採血によって献血者等の健康が害された場合の措置及び教育訓練の手順に関する文書(以下「手順に関する文書」という。)を作成し、備え付けなければならない。
第7条
【自己点検】
採血事業者等は、あらかじめ指定した者に、手順に関する文書に基づき、次の各号に掲げる業務を行わせなければならない。
採血所における業務について定期的に自己点検を行うこと。
自己点検の結果の記録を作成し、その作成の日から五年間保存すること。
採血事業者等は、前項第1号の自己点検の結果に基づき、採血所における業務に関し、改善が必要な場合には、所要の措置を講ずるとともに、当該措置の記録を作成し、その作成の日から五年間保存しなければならない。
参照条文
第8条
【苦情処理】
採血事業者等は、採血により得られた血液に関して製造販売業者又は製造業者から苦情があったときは、その苦情に係る事項が当該採血所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その採血所の採血責任者に、手順に関する文書に基づき、次の各号に掲げる業務を行わせなければならない。
苦情に係る事項の原因を究明し、採血所における業務の実施に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
苦情の内容、原因の究明及び改善措置を記載した苦情処理記録を作成し、その作成の日から五年間保存すること。
第9条
採血事業者等は、採血所における業務の実施に関して献血者等から苦情があったときは、その苦情に係る事項が当該採血所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その採血所の採血責任者に、手順に関する文書に基づき、次の各号に掲げる業務を行わせなければならない。
苦情に係る事項の原因を究明し、採血所における業務の実施に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
苦情の内容、原因の究明及び改善措置を記載した苦情処理記録を作成し、その作成の日から五年間保存すること。
第9条の2
【採血によって献血者等の健康が害された場合の措置】
採血事業者等は、採血によって献血者等の健康が害された場合は、あらかじめ指定した者に、手順に関する文書に基づき、次の各号に掲げる業務を行わせなければならない。
採血によって健康が害された献血者等を適切に処遇すること。
採血によって健康が害された献血者等の処遇の状況に関する記録を作成し、その完結の日から五年間保存すること。
第10条
【教育訓練】
採血事業者等は、あらかじめ指定した者に、手順に関する文書に基づき、次の各号に掲げる業務を行わせなければならない。
採血従事者に対して、採血所における業務に関する教育訓練を計画的に実施すること。
教育訓練の実施状況を採血事業者等に対して文書により報告すること。
教育訓練の実施の記録を作成し、その作成の日から五年間保存すること。
参照条文
第10条の2
【採血によって健康が害された献血者等に対する補償措置】
採血事業者は、あらかじめ、採血所ごとに、採血によって献血者等に生じた健康被害の補償のために、必要な措置を講じておかなければならない。
第3章
採血所の構造設備
第11条
【採血所の構造設備】
採血所の構造設備に関する基準は、次のとおりとする。
採光、照明及び換気が適正であり、かつ、清潔であること。
常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区分されていること。
採血の業務を適正に行うのに支障のない面積を有すること。
構造設備の清浄及び採血従事者の衛生管理のために必要な設備を有しているとともに、そのために必要な器具を備えていること。
健康診断を実施するのに必要な設備を有しているとともに、そのために必要な器具を備えていること。
採血に必要な設備を有しているとともに、そのために必要な器具を備えていること。
採血により得られた血液を適正に保管するために必要な設備を有し、又はその保管及び搬出のために必要な器具を備えていること。
献血者等の応急の処置を行うための設備を有しているとともに、そのために必要な器具を備えていること。
附則
この省令は、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成十五年七月三十日)から施行する。
附則
平成16年7月9日
第1条
(施行期日)
この省令は、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成十七年四月一日)から施行する。
第9条
この省令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成18年9月19日
この省令は、平成十八年十月一日から施行する。

キーボードでも操作できます

  (テンキーを利用する場合は

    NumLockして下さい)

「1」+「4」+「Enter」 ⇒ 14条

「Esc」 or 「テンキーの/」 ⇒ クリア