• 漁業信用基金協会の事業報告書、貸借対照表及び損益計算書並びに計算に関する命令

漁業信用基金協会の事業報告書、貸借対照表及び損益計算書並びに計算に関する命令

平成21年4月20日 改正
第1章
資産及び負債の評価
第1条
【資産及び負債の評価】
漁業信用基金協会(以下「協会」という。)の貸借対照表及び損益計算書に記載すべき資産及び負債に付すべき価額については、この章の定めるところによるものとする。
第2条
【流動資産の評価】
流動資産については、その取得価額を付さなければならない。ただし、時価が取得価額より著しく低いときは、その価格が取得価額まで回復すると認められる場合を除き、時価を付さなければならない。
前項の規定は、時価が取得価額より低いときは、時価を付するものとすることを妨げない。
参照条文
第3条
【固定資産の評価】
固定資産については、その取得価額又は製作価額を付するとともに、償却すべきものにあっては、毎決算期において相当の償却をしなければならない。ただし、予測することができない減損が生じたとき又は減損損失を認識すべきときは、相当の減額をしなければならない。
第4条
【金銭債権の評価】
金銭債権については、その債権金額を付さなければならない。ただし、債権金額より高い代金で買い入れたときは相当の増額を、債権金額より低い代金で買い入れたときその他相当の理由があるときは相当の減額をすることができる。
前項の場合において、金銭債権につき取立不能のおそれがあるときは、取り立てることができない見込額を控除しなければならない。
市場価格のある金銭債権については、第1項の規定にかかわらず、時価を付するものとすることができる。
参照条文
第5条
【有価証券の評価】
有価証券については、その取得価額を付さなければならない。ただし、その取得価額が有価証券の額面金額と異なるときは、相当の増額又は減額をすることができる。
市場価格のある有価証券については、その保有目的により、満期まで所有する意図をもって保有する債券(以下「満期保有目的の債券」という。)又は満期保有目的の債券以外の有価証券(以下「その他有価証券」という。)に区分しなければならない。
第2条第1項ただし書及び第2項並びに前条第3項の規定は市場価格のある有価証券について、同条第2項の規定は市場価格のない有価証券について、それぞれ準用する。
第6条
【出資の評価】
出資による持分については、その取得価額を付さなければならない。
出資先である法人の資産状態が著しく悪化したときは、相当の減額をしなければならない。
第7条
【負債の評価】
負債については、債務額を付さなければならない。ただし、時価又は適正な価格を付すことが適当な負債については、時価又は適正な価格を付すことができる。
第8条
【引当金】
特定の支出又は損失に備えるための引当金は、その事業年度の費用又は損失とすることを相当とする額に限り、貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。ただし、各資産に係る引当金は、当該各資産に対する控除項目として計上するものとする。
第2章
事業報告書等の記載事項等
第1節
総則
第9条
【事業報告書等の記載事項等】
中小漁業融資保証法(以下「法」という。)第33条第1項に規定する事業報告書、貸借対照表及び損益計算書(以下それぞれ「事業報告書」、「貸借対照表」及び「損益計算書」という。)に記載すべき事項及びその記載の方法は、この章の定めるところによる。
第10条
【作成の基本原則】
事業報告書は、協会の状況を正確に判断することができるよう明瞭に記載しなければならない。
貸借対照表及び損益計算書は、協会の財産及び損益の状態を正確に判断することができるよう明瞭に記載しなければならない。
前二項の規定は、貸借対照表及び損益計算書に附属する書類の記載に準用する。
第11条
【会計方針の注記等】
資産の評価の方法、固定資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上の方法その他の重要な貸借対照表又は損益計算書の作成に関する会計方針は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。ただし、第2条第1項に規定する評価の方法その他その採用が原則とされている会計方針については、この限りでない。
貸借対照表又は損益計算書の作成に関する会計方針は、正当な理由なく、これを変更してはならない。
貸借対照表又は損益計算書の作成に関する会計方針を変更したときは、その旨及びその変更による増減額を貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。ただし、その変更又は変更による影響が軽微であるときは、その旨又は変更による増減額の記載を要しない。
前項の規定は、貸借対照表又は損益計算書の記載方法を変更したときに準用する。
第12条
【注記の記載方法】
貸借対照表又は損益計算書に記載すべき注記は、貸借対照表又は損益計算書の末尾に記載しなければならない。ただし、他の適当な箇所に記載することを妨げない。
特定の科目に関連する注記については、その関連が明らかになるように記載しなければならない。
第13条
【注記の追加】
この章に定めるもののほか、貸借対照表又は損益計算書により協会の財産及び損益の状態を正確に判断するために必要な事項は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
第14条
【金額の表示の単位】
事業報告書、貸借対照表、損益計算書並びに貸借対照表及び損益計算書に附属する書類に記載すべき金額は、千円単位をもって表示することができる。
第2節
事業報告書
第15条
事業報告書には、次に掲げる事項その他協会の状況に関する重要な事項を記載しなければならない。
事業の概要
過去三年間以上の事業成績及び財務の状況の推移並びにこれらについての説明
総会の開催状況及び議事の概要
重要な事項の議決状況
会員数及び出資金の増減
理事及び監事の氏名並びに協会での役職
職員数の増減その他の職員の状況
保証債務の状況
保証収支の状況
基金の状況
資金の状況
保証債務の弁済能力の充実の状況を示す比率(弁済能力比率)
協会が対処すべき重要な課題
決算期後に生じた協会の状況に関する重要な事実
第3節
貸借対照表
第16条
【貸借対照表の様式】
貸借対照表の様式は、勘定式によるものとする。
参照条文
第17条
【区分】
貸借対照表には、資産の部、負債の部及び純資産の部を設け、各部にはその部の合計額を記載しなければならない。
第18条
【資産の部】
資産の部は、流動資産、固定資産及び保証債務見返の各部に区分し、固定資産の部は、更に有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産の各部に区分しなければならない。
参照条文
第19条
前条の各部は、現金及び預金、建物及び構築物その他の資産の性質を示す適当な名称を付した科目に細分しなければならない。
第20条
【未収金等】
未収金その他事業取引によって生じた金銭債権は、流動資産の部に記載しなければならない。ただし、これらの金銭債権のうち求償権、破産債権、更生債権その他これらに準ずる債権で決算期後一年以内に弁済を受けられないことが明らかなものは、投資その他の資産の部に記載しなければならない。
参照条文
第21条
【預金等】
預金、貸付金その他前条に掲げる金銭債権以外の金銭債権で、その履行期が決算期後一年以内に到来するもの又は到来すると認められるものは、流動資産の部に記載しなければならない。ただし、当初の履行期が一年を超えるもの又は超えると認められたものは、投資その他の資産の部に記載することができる。
参照条文
第22条
【取立不能の見込額】
前二条の規定により流動資産の部に記載された金銭債権について取立不能のおそれがある場合には、その金銭債権が属する科目ごとに、取立不能の見込額を控除する形式で記載しなければならない。ただし、取立不能の見込額を控除した残額のみを記載することを妨げない。
前項ただし書の場合においては、取立不能の見込額を注記しなければならない。
取立不能の見込額は、二以上の科目について一括して記載することを妨げない。
参照条文
第23条
【短期保有の有価証券】
決算期後一年以内に償還期限の到来する有価証券は、流動資産の部に記載しなければならない。ただし、当初の償還期限が一年を超えるものは、投資その他の資産の部に記載することができる。
前条の規定は、前項の有価証券のうち市場価格のないものに準用する。
参照条文
第24条
【前払費用】
費用の前払で決算期後一年以内に費用となるものは、流動資産の部に記載しなければならない。ただし、当初一年を超えた後に費用となるものとして支出されたものは、投資その他の資産の部に記載することができる。
参照条文
第25条
【時価が著しく低い場合の注記】
重要な流動資産につきその時価が取得価額より著しく低い場合において、取得価額を付したときは、その旨を注記しなければならない。
前項の規定は、市場価格のある有価証券に準用する。
第26条
【有形固定資産の償却】
有形固定資産は、その資産が属する科目ごとに、減価償却累計額を控除する形式で記載しなければならない。ただし、減価償却累計額を控除した残額のみを記載することを妨げない。
前項ただし書の場合においては、減価償却累計額を注記しなければならない。
減価償却累計額は、二以上の科目について一括して記載することを妨げない。
第27条
【有形固定資産の減損】
有形固定資産は、その資産が属する科目ごとに、減損損失累計額を控除した残額を記載しなければならない。ただし、減損損失累計額を控除する形式で記載することを妨げない。
減損損失累計額は、二以上の科目について一括して記載することを妨げない。
第28条
【建設中の有形固定資産】
建設中又は製作中の有形固定資産は、特別の科目を設けて記載しなければならない。
第29条
【無形固定資産の償却及び減損】
無形固定資産については、減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した残額を記載しなければならない。
第30条
【償却年数等の変更の注記】
固定資産の償却年数又は残存価額を変更したときは、その旨を注記しなければならない。ただし、その変更が軽微であるときは、この限りでない。
第31条
【リースにより使用する固定資産】
リース契約により使用する重要な固定資産は、注記しなければならない。ただし、資産の部に計上するものは、この限りでない。
第32条
【所有権が留保された固定資産】
割賦販売等により購入した重要な固定資産の所有権が売主に留保されているときは、その旨及び代金未払額を注記しなければならない。ただし、他の資産又は他の債務と区別して記載するときは、この限りでない。
第33条
【長期前払費用】
第24条の規定により流動資産の部に記載した費用の前払以外の費用の前払は、投資その他の資産の部に記載しなければならない。
第34条
【長期金銭債権】
第20条及び第21条の規定により流動資産の部に記載された金銭債権以外の金銭債権は、投資その他の資産の部に記載しなければならない。
第22条の規定は、前項の金銭債権について準用する。
前項の規定にかかわらず、第20条ただし書の規定により投資その他の資産の部に記載された求償権について取立不能のおそれがある場合には、取立不能の見込額を控除する形式で求償権償却引当金の科目をもって記載しなければならない。
第35条
【役員に対する金銭債権】
理事又は監事との間の取引による理事及び監事に対する金銭債権は、その総額を注記しなければならない。
第36条
【長期保有の有価証券等】
第23条の規定により流動資産の部に記載した有価証券以外の有価証券は、投資その他の資産の部に記載しなければならない。
前項の規定は、出資による持分について準用する。
第22条の規定は、第1項の規定により投資その他の資産の部に記載すべき有価証券のうち市場価格のないものに準用する。
第37条
【担保に供されている資産】
資産が担保に供されているときは、その旨を注記しなければならない。
第38条
【保証債務見返】
保証債務の額は、保証債務見返の部に記載しなければならない。
第39条
【負債の部】
負債の部は、流動負債、固定負債、特別法上の準備金及び保証債務の各部に区分しなければならない。
参照条文
第40条
前条の各部は、短期借入金、長期借入金その他の負債の性質を示す適当な名称を付した科目に細分しなければならない。
第41条
【未払金等】
未払金その他事業取引によって生じた金銭債務は、流動負債の部に記載しなければならない。
参照条文
第42条
【借入金等】
借入金その他前条に掲げる金銭債務以外の金銭債務で、その履行期が決算期後一年以内に到来するもの又は到来すると認められるものは、流動負債の部に記載しなければならない。
参照条文
第43条
【納付準備金】
協会が法第69条第1項又は第2項に規定する保険関係(以下単に「保険関係」という。)に基づき独立行政法人農林漁業信用基金に対して負う回収して納付すべき額は、固定負債の部に納付準備金の科目をもって記載しなければならない。
第44条
【特別準備金】
特定の政策目的の実現に資する資金の円滑な供給に資するため、協会が求償権の償却その他協会の財務基盤の強化を図るために要する経費として都道府県その他の団体から助成された金銭は、固定負債の部に特別準備金の科目をもって記載しなければならない。
第45条
【長期金銭債務】
第41条及び第42条の規定により流動負債の部に記載された金銭債務以外の金銭債務は、固定負債の部に記載しなければならない。
第46条
【役員に対する金銭債務】
理事又は監事との間の取引による理事及び監事に対する金銭債務は、その総額を注記しなければならない。
第47条
【損害賠償義務等】
手形遡求義務、重要な係争事件に係る損害賠償義務その他これらに準ずる債務は、注記しなければならない。ただし、負債の部に計上するものは、この限りでない。
第48条
【債務保証損失引当金】
債務保証の損失に備えるための引当金は、負債の部に債務保証損失引当金の科目をもって記載しなければならない。
前項の債務保証の損失に備えるための引当金は、事業年度終了の時の保証残高を被保証者の被保証債務の履行状況その他の状況に応じて被保証者ごとに区分し、当該区分ごとの事故率(被保証者の区分ごとの保証残高に対する弁済した保証債務の額の総額の割合をいう。)及び回収不能率(協会が保証債務の弁済をしたことにより取得した求償権の額に対する当該求償権の額から求償権の行使により取得した額及び償却した求償権の額を控除した額の割合をいう。)を用いた合理的な基準により算出しなければならない。
前項の事故率及び回収不能率は、直近の事業年度を最終事業年度とする三年以上(履行状況が正常なものにあっては、一年以上)の連続した期間を算定期間(事故率及び回収不能率を合理的に算定するために必要な期間をいう。)とし、三以上の算定期間を用いて算出しなければならない。
第49条
【保証責任準備金】
協会が保証業務を行う場合において、通常の予測を超えて発生する事故による損失に備えるための準備金は、特別法上の準備金の部に保証責任準備金の科目をもって記載しなければならない。
前項の準備金は、保証債務の額を基礎として付録に掲げる算式により算出しなければならない。
第50条
【純資産の部】
純資産の部は、出資金、交付金、繰入金、準備金、繰越利益金又は繰越欠損金及び当期利益金又は当期損失金の各部に区分しなければならない。
その他有価証券につき時価を付するものとした場合には、その有価証券の評価差額金(当期利益金又は当期損失金として計上したものを除く。)は、前項の規定にかかわらず、純資産の部に別にその他有価証券評価差額金の部を設けて記載しなければならない。
第51条
【交付金】
法第43条第1項に規定する都道府県その他の団体から交付された金銭は、純資産の部に交付金の科目をもって記載しなければならない。
参照条文
第52条
【貸借対照表の記載方法】
貸借対照表の記載方法については、第16条から前条までの規定によるほか、別紙様式第1号の定めるところによる。
第4節
損益計算書
第53条
【損益計算書の様式】
損益計算書の様式は、勘定式によるものとする。
第54条
【区分】
損益計算書には、経常損益の部及び特別損益の部を設けなければならない。
参照条文
第55条
【経常損益の部】
経常損益の部は、保証料、保険料その他の収益又は費用の性質を示す適当な名称を付した科目に細分しなければならない。
第56条
【特別損益の部】
特別損益の部には、固定資産売却損益その他の異常な利益又は損失について、その内容を示す適当な名称を付した科目を設けて記載しなければならない。
参照条文
第57条
【当期損益】
経常利益又は経常損失の額に、前条の利益の合計額と損失の合計額を加減した額は、当期利益金又は当期損失金として記載しなければならない。
参照条文
第58条
【損益計算書の記載方法】
損益計算書の記載方法については、第54条から前条までの規定によるほか、別紙様式第2号の定めるところによる。
第3章
雑則
第59条
【貸借対照表及び損益計算書に附属する書類】
貸借対照表及び損益計算書に附属する書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
純資産の部の増減
長期借入金及び短期借入金の増減
固定資産の取得及び処分並びに減価償却の明細
資産の担保権の明細
有価証券の明細
納付準備金内訳
保証責任準備金内訳
特別準備金内訳
引当金の明細並びにその計上の理由及び額の算定方法
役員との取引の明細
役員に支払った報酬額
共通収益及び費用配賦率
貸借対照表及び損益計算書に附属する書類には、前項に掲げる事項のほか、貸借対照表及び損益計算書の記載を補足する重要な事項を記載しなければならない。
貸借対照表又は損益計算書の作成に関する会計方針を変更したときは、貸借対照表及び損益計算書に附属する書類にその変更の理由を記載しなければならない。ただし、変更が軽微であるときは、この限りでない。
貸借対照表及び損益計算書に附属する書類の記載方法については、前各項の規定によるほか、別紙様式第3号の定めるところによる。
附則
この命令は、平成二十年四月一日から施行する。ただし、次項の規定については、平成二十一年四月一日から施行する。
保証責任準備金については、当分の間、第四十九条第二項の規定にかかわらず、区分された資金種類ごとに付録に掲げる算式により算出される額の合計額が前年度までに積み立てられた保証責任準備金の額を超える場合には、その超える額に六分の一を乗じて得た額に前年度までに積み立てられた保証責任準備金の額を加えた額とすることができる。
附則
平成21年4月20日
この命令は、公布の日から施行する。
この命令による改正後の漁業信用基金協会の事業報告書、貸借対照表及び損益計算書並びに計算に関する命令別紙様式第一号は、平成二十一年三月三十一日以後に終了する事業年度に係るものについて適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。

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