託送供給収支の算定方法
1.ガス事業に係る収益のうち、次に掲げるものを、託送収益として整理すること。
(1) 「託送供給収益」は、託送供給によって得た収益を整理すること。
(2) 社内取引項目の「自社大口需要家からの託送収益」は、当該事業者の個別の大口需要家に、託送供給料金を適用した場合の託送供給収益に相当する額として算定すること。なお、法第22条第1項ただし書の承認を受けた事業者にあっては、当該事業者の大口販売量に大口・卸供給部門託送供給関連原価単価(注1)を乗じて算定すること。
(3) 社内取引項目の「自社卸先事業者からの託送収益」は、当該事業者の個別の卸先事業者に、託送供給料金を適用した場合の託送供給収益に相当する額として算定すること。なお、法第22条第1項ただし書の承認を受けた事業者にあっては、当該事業者の卸供給販売量に大口・卸供給部門託送供給関連原価単価(注1)を乗じて算定すること。
(4) 社内取引項目の「自社規制需要家からの託送収益」は、当該事業者の規制需要販売量に、小口部門託送供給関連原価単価(注2)を乗じて算定すること。
(5) 「その他託送供給関連収益」は、上記(1)から(4)まで以外の社内取引項目を含む託送供給に係る収益を整理すること。
(6) 「(補償料収入)」及び「(附帯サービス料収入)」は、その他託送供給関連収益中における当該収入額を、当該内訳として整理すること。
(7) 「(償却分区域外工事負担金収入)」は、会計規則第4条に規定する工事負担金のうち、供給区域外において行うガスの供給に係る契約に基づくもの(以下「区域外工事負担金収入額」という。)について、当該区域外工事負担金収入額を当期に一括して整理せず、導管に係る資産額において事業者が採用している減価償却費の計算方法及び法人税法の定める耐用年数により分割して整理するものとした場合には、当該額をその他託送供給関連収益の内訳として整理すること。この場合において、全ての区域外工事負担金収入額の整理については、同一の方法によることとし、かつ、毎期継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。
(注)
1 大口・卸供給部門託送供給関連原価単価は、直近の料金改定時の大口・卸供給部門の、LNG圧送原価、その他工場原価(導管の圧力制御に関する費用に限る。)、高圧導管原価、中圧導管原価、低圧導管原価、供給管原価、メーター原価、検針原価及び集金原価の合計額を大口・卸供給部門の販売量の需要想定の値で除した値とすること。
2 小口部門託送供給関連原価単価は、直近の料金改定時の小口部門の、LNG圧送原価、その他工場原価(導管の圧力制御に関する費用に限る。)、高圧導管原価、中圧導管原価、低圧導管原価、供給管原価、メーター原価、検針原価及び集金原価の合計額を小口部門の販売量の需要想定の値で除した値とすること。
2.ガス事業に係る費用のうち、次に掲げるものを、託送費用として整理すること。
(1) ガス事業に係る費用のうち、託送費用として特定できるものは、直接配賦すること。
(2) 事業税を除く営業費用(製造費、供給販売費及び一般管理費をいう。)については、1から3までに規定する方法によって第2表の各項目に整理すること。
1 製造費及び供給販売費は、第1表の基準によって配賦すること。
2 一般管理費は、業務内容に応じて区分し、第2表に掲げる費用の各項目のいずれかに特定できるものは当該各項目に直接配賦し、それ以外のもので客観的かつ合理的な基準を設定できるものは当該基準により機能別原価項目(一般ガス料金算定規則別表第4に掲げる項目をいう。以下この別表において同じ。)に配賦し、客観的かつ合理的な基準を設定できないものは機能別原価項目の金額比によって配賦すること。
3 2の規定にかかわらず、当該事業年度の前事業年度末におけるガスメーター取付数が1万個未満の一般ガス事業者で、供給販売費と一般管理費を区分して整理している者は、機能別原価項目の金額比によって一般管理費を配賦し、供給販売費と一般管理費を併せて整理している者は、第1表の供給販売費の基準によって供給販売費及び一般管理費を配賦すること。
(3) ガス導管事業者にあっては(2)の規定にかかわらず、託送料金算定規則別表第2の方法及び基準によって配賦することができる。
(4) 事業税(利益に関連する金額を課税標準とするものを除く。)は、課税標準となる収入に対する託送収益の比によって配賦すること。
3.ガス事業に係る次に掲げる収益又は費用を、それぞれ次の比率又は方法により、託送供給関連部門の収益又は費用に整理すること。
(1) 資金運用に係る営業外収益 料金収入比(製品売上、営業雑収益及び附帯事業収益の合計額に占める1.に定めるところにより託送収益として整理した額の合計額の割合をいう。以下この別表において同じ。)
(2) 雑収入(一般ガス料金算定規則別表第1第3表(ガス導管事業者にあっては、託送料金算定規則別表第1第3表)に掲げるものに限る。) 発生の主たる要因に応じて直接配賦。ただし、これにより難い場合にあっては、機能別原価項目の金額比
(3) その他の営業外収益 発生の主たる要因に応じて直接配賦。ただし、これにより難い場合にあっては、機能別原価項目の金額比
(4) 特別利益 発生の主たる要因に応じて直接配賦。ただし、これにより難い場合にあっては、料金収入比
(5) 資金調達に係る営業外費用 固定資産金額比
(6) 雑支出等(一般ガス料金算定規則別表第1第1表(2)(ガス導管事業者にあっては、託送料金算定規則別表第1第1表(2))に掲げる営業外費用に限る。) 発生の主たる要因に応じて直接配賦。ただし、これにより難い場合にあっては、機能別原価項目の金額比
(7) その他の営業外費用 発生の主たる要因に応じて直接配賦。ただし、これにより難い場合にあっては、機能別原価項目の金額比
(8) 特別損失 発生の主たる要因に応じて直接配賦。ただし、これにより難い場合にあっては、機能別原価項目の金額比
(9) 法人税等 法定実効税率を用いて算定。ただし、零を下回る場合にあっては、零。
4.1.から3.により整理した託送収益及び託送費用を基に、様式第1の託送収支計算書を作成すること。
第1表
託送費用関連配賦基準表
項目 | 配賦基準 |
製造費 | 労務費 | 人員比 |
修繕費 | 固定資産金額比 |
電力料 | 電力使用量比 |
水道料 | 水道使用量比 |
消耗品費 | 人員比 |
租税課金 | 固定資産金額比 |
固定資産除却費 | 固定資産金額比 |
減価償却費 | 固定資産金額比 |
その他製造費 | 人員比 |
供給販売費 | 労務費 | 人員比 |
修繕費 | 固定資産金額比 |
消耗品費 | 人員比 |
賃借料 導管関連 その他 | 導管延長比 人員比 |
租税課金(事業税を除く。) 固定資産税 道路占用料 その他 | 固定資産金額比 導管延長比 人員比 |
固定資産除却費 | 固定資産金額比 |
減価償却費 | 固定資産金額比 |
その他供給販売費 | 人員比 |
第2表
項目 | 費用の内容 |
製造需要費 | LNG圧送費用 | LNGの圧送設備の建設・維持・管理に関する費用 |
その他工場費用(導管の圧力制御に関する費用に限る。) | その他工場設備の建設・維持・管理に関する費用(導管の圧力制御に関する費用に限る。) |
供給需要費 | 高圧導管費用 | 高圧導管の建設・維持・保全に関する費用 |
中圧導管費用 (中圧A導管費用と中圧B導管費用に区分するときは) | 中圧導管の建設・維持・保全に関する費用 |
中圧A導管費用 | 導管への供給圧力0.3MPa以上1.0MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用 |
中圧B導管費用 | 導管への供給圧力0.1MPa以上0.3MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用 |
低圧導管費用 | 低圧導管の建設・維持・保全に関する費用 |
需要家費用 | 供給管・メーター費用 | 供給管の建設・維持・保全、及びガスメーターの設置・維持・管理に関する費用 |
検針費用 | ガスメーターの検針に係る費用 |
集金費用 | ガス料金の調定・料金収納に係る費用 |
託送供給関連部門特定費用 | 託送供給関連部門に特定される費用 |
事業税 | 営業費用に計上されるものに限る。 |