一 ATの測定方法
別図第一は、ガラス製の立方体(縦百センチメートル・横百センチメートル・高さ百センチメートル)の箱で天井中央部に試料つり下げ具Aがある。一方の側面には、五個の穴があけてあり、ガラス管又はテフロン管で活せんBに連結している。反対の側面には、三個の穴があけてあり、ガラス管又はテフロン管で活せんCに連結している。活せんCは、さらに、ガラス管又はテフロン管で容積六十〜百ミリリツトルのガラス製の吸引管Dに連結している。
この装置を摂氏二十プラス・マイナス三度、相対湿度五十プラス・マイナス五パーセントで一時間以上放置する。次に、Aに試料を使用状態にしてつり下げ、箱を密閉し、活せんB及びCを閉じる。この状態で十時間放置したのち、活せんB及びCを開き、吸引口より毎分一リツトルの割合で六十分間吸引する。なお、吸収管Dには、あらかじめ、n—ヘキサン二十ミリリツトルを入れ、吸引を始める三十分以上前から外部より氷水で冷却しておく。
吸引したのち、n—ヘキサンを加えて二十・〇ミリリツトルとし検液とする。この液一〜十マイクロリツトルの一定量を正確にガスクロマトグラフ用マイクロシリンジ中に採取し、この物につき三の操作条件でガスクロマトグラフ法によつて試験を行ない、DDVPのピーク面積ATを半値幅法によつて求める。
二 Asの測定方法
DDVP約二百ミリグラムを精密に量り、n—ヘキサンを加えて百・〇ミリリツトルとする。この液二・〇ミリリツトルをとり、n—ヘキサンを加えて百・〇ミリリツトルとする。さらに、この液二・〇ミリリツトルをとり、n—ヘキサンを加えて百・〇ミリリツトルとし標準液とする。この液につき一の検液の採取量と同じ量をマイクロシリンジ中にとり、一と同様に操作し、DDVPのピーク面積ASを半値幅法によつて求める。
三 操作条件
(一) 検出器 熱イオン放射型検出器
(二) 分離管 内径三〜四ミリメートル・長さ一〜二メートルのガラスカラムに充てん剤(シリコン処理した硅藻土担体にシリコン系樹脂を三パーセント被覆したもの)を充てんする。
(三) 検出器温度 摂氏百八十〜二百二十度の一定温度
(四) 分離管温度 摂氏百六十〜二百度の一定温度
(五) 試料注入口(気化室)温度 摂氏二百〜二百五十度の一定温度
(六) キヤリヤーガス及び流速 窒素、毎分四十〜六十ミリリツトルの一定量
(七) 水素 最も高い感度を得るように調節する。(通例、毎分四十〜五十ミリリツトルの一定量)
(八) 空気圧 一平方センチメートルあたり約〇・八キログラム
(九) 注意 あらかじめ、DDVP標準液を用いて定量に使用可能なピークが出ることを確めておくこと。