• ガス事業託送供給約款料金算定規則

ガス事業託送供給約款料金算定規則

平成24年3月23日 改正
第1章
総則
第1条
【定義】
この省令において使用する用語は、ガス事業法(以下「法」という。)、ガス事業法施行規則(以下「施行規則」という。)、ガス事業会計規則(以下「会計規則」という。)、一般ガス事業供給約款料金算定規則(以下「一般ガス料金算定規則」という。)及びガス事業託送供給収支計算規則(以下「託送収支規則」という。)において使用する用語の例による。
第2章
一般ガス事業者の託送供給約款料金原価の算定
第2条
【大口・卸供給部門原価及び託送供給部門原価の算定】
法第22条第1項の規定により定めようとする、又は同条第2項の規定により変更しようとする託送供給約款で設定する料金(以下「託送供給約款料金」という。)を算定しようとする一般ガス事業者は、原価算定期間として、当該一般ガス事業者の事業年度の開始の日又はその日から六月を経過する日を始期とする一年を単位とする一年以上の期間を定め、一般ガス料金算定規則第2条第2項から第10条の5まで(これらの規定を一般ガス料金算定規則第15条第2項において準用する場合を含む。)、第18条第20条及び第22条の規定により、大口・卸供給部門原価及び託送供給部門原価を算定しなければならない。
前項の規定にかかわらず、一般ガス料金算定規則第14条の2の規定により届出供給約款料金原価を算定し、法第22条第2項の規定により変更しようとする託送供給約款料金を算定しようとする一般ガス事業者は、原資算定期間として、当該一般ガス事業者の事業年度の開始の日又はその日から六月を経過する日を始期とする一年を単位とする一年以上の期間を定め、一般ガス料金算定規則第14条の2の規定により、減少部門別原価として、大口・卸供給部門原価及び託送供給部門原価を算定しなければならない。
参照条文
第3条
【託送供給約款料金原価の算定】
一般ガス料金算定規則第3条第2項第1号の値により同条第1項のガス需給計画を策定した一般ガス事業者は、託送供給約款料金原価として、一般ガス料金算定規則第10条(一般ガス料金算定規則第10条の2第1項の事業者にあっては、一般ガス料金算定規則第10条の5)により算定した大口・卸供給部門原価の機能別原価の項目であって一般ガス料金算定規則第10条第2項に規定する託送供給部門に属する各項目の額の合計額を算定しなければならない。
一般ガス料金算定規則第3条第2項第2号の値により同条第1項のガス需給計画を策定した一般ガス事業者は、託送供給約款料金原価として、一般ガス料金算定規則第10条(一般ガス料金算定規則第10条の2第1項の事業者にあっては、一般ガス料金算定規則第10条の5)により算定した大口・卸供給部門原価の機能別原価の項目であって一般ガス料金算定規則第10条第2項に規定する託送供給部門に属する各項目の額の原単位(一般ガス料金算定規則別表第五に掲げる機能別原価の各項目の額を、それぞれ、当該各項目に係る配分基準の算定の諸元のうち大口・卸供給に係るもので除したものをいう。)を超えない額に託送供給の需要想定に係る算定の諸元を乗じて得た額の合計額を算定しなければならない。
前二項に掲げる者以外の一般ガス事業者(前条第1項の1般ガス事業者をいう。)は、一般ガス料金算定規則第10条(一般ガス料金算定規則第10条の2第1項の事業者にあっては、一般ガス料金算定規則第10条の5)により算定した託送供給部門原価の額を託送供給約款料金原価とする。
前三項の場合において、一般ガス事業者は、託送供給約款料金原価を様式第一に整理しなければならない。
第3条の2
前条の規定にかかわらず、第2条第2項の1般ガス事業者は、減少託送供給部門原価(同項により減少部門別原価として算定した大口・卸供給部門原価及び託送供給部門原価をいう。)に属する機能別原価を様式第一の二第一表に整理しなければならない。
前項の一般ガス事業者は、減少託送供給部門原価を次の各号に掲げるいずれかの方法により、託送供給約款料金引下げ原資と付加的託送供給約款料金引下げ原資(第16条第1項及び第2項の規定により設定した同条第1項に規定する付加的託送供給約款料金の引下げのための原資をいう。以下同じ。)に配分しなければならない。この場合において、託送供給約款料金引下げ原資と付加的託送供給約款料金引下げ原資のいずれかに特定することができるものは、これをいずれかに特定して配分するものとする。
原資算定期間における託送供給約款料金及び付加的託送供給約款料金のそれぞれの変更前料金収入額(変更前の託送供給約款料金又は付加的託送供給約款料金により想定される料金収入をいう。以下同じ。)の比率による配分
原資算定期間における託送供給約款料金及び付加的託送供給約款料金のそれぞれのガスの供給量の需要想定の比率による配分
前各号に掲げる配分の方法に類する方法であって一般ガス事業者の事業活動の実情に応じた合理的かつ適切な方法による配分
前項の一般ガス事業者は、託送供給約款料金原価として、変更前料金収入額から託送供給約款料金引下げ原資を差し引いた額を算定し、様式第一の二第二表に整理しなければならない。
参照条文
第4条
【承認一般ガス事業者の特例】
承認一般ガス事業者が、法第22条第1項の規定により託送供給約款で設定する料金を算定しようとする場合においては、第2条第1項の規定にかかわらず、当該承認一般ガス事業者が供給約款を定める場合において算定した大口・卸供給部門原価を第3条第1項又は第2項の規定による託送供給約款料金原価の算定に用いることができる。
参照条文
第3章
ガス導管事業者の託送供給約款料金原価の算定
第5条
【ガス導管事業総原価の算定】
法第37条の8において準用する法第22条第1項の規定より定めようとする、又は同条第2項の規定により変更しようとする託送供給約款で設定する料金(以下「託送供給約款料金」という。)を算定しようとするガス導管事業者(以下単に「ガス導管事業者」という。)は、原価算定期間として、当該ガス導管事業者の事業年度の開始の日又はその日から六月を経過する日を始期とする一年を単位とする一年以上の期間を定め、当該期間においてガス導管事業を運営するに当たって必要であると見込まれる原価に利潤を加えて得た額(以下「ガス導管事業総原価」という。)を算定しなければならない。
前項のガス導管事業総原価は、第7条の規定により算定される営業費の額、第8条の規定により算定される営業費以外の項目の額及び第9条の規定により算定される事業報酬の額の合計額から第10条の規定により算定される控除項目の額を控除して得た額とする。
参照条文
第6条
【ガス導管事業の需要想定】
ガス導管事業者は、ガス導管事業に関連するガス需給計画及び設備投資計画を需要想定及び事業環境の将来の見込みに基づき策定し、様式第二第一表及び第二表に整理しなければならない。
前項の場合において、ガス需給計画を策定する際に用いる託送供給の需要想定の値は、ガス導管事業者の託送供給の実績が乏しい場合その他の確実な需要想定の実施が困難な場合にあっては、次の各号の需要想定の値のいずれかによることができる。
大口・卸供給の販売量の需要想定の値
過去の大口・卸供給の需要の伸び率その他を勘案し合理的な試算の方法により想定した値
参照条文
第7条
【ガス導管事業の営業費の算定】
ガス導管事業者は、ガス導管事業の営業費として、別表第一第一表(1)に掲げる項目ごとに、同表に掲げる方法により算定される額を、様式第三に整理しなければならない。
参照条文
第8条
【ガス導管事業の営業費以外の項目の算定】
ガス導管事業者は、ガス導管事業の営業費以外の項目として、別表第一第一表(2)に掲げる項目ごとに、同表に掲げる方法により算定される額を、様式第三に整理しなければならない。
参照条文
第9条
【ガス導管事業の事業報酬の算定】
ガス導管事業者は、ガス導管事業の事業報酬として、レートベースに事業報酬率を乗じて得た額(以下「事業報酬額」という。)を算定し、様式第四に整理しなければならない。
前項のレートベースは、ガス導管事業の効率的な実施のために投下された有効かつ適切な事業資産の価値として、別表第一第二表に規定する方法により算定した額とする。
第1項の事業報酬率は、ガス導管事業者の健全な財務体質を維持しつつ、安定的かつ安全なガスの供給を確保する適正な設備投資を円滑に実施するために必要となる事業報酬の額を算定するために十分な率として、別表第一第二表に規定する方法により算定した値とする。
参照条文
第10条
【ガス導管事業の控除項目の算定】
ガス導管事業者は、ガス導管事業の控除項目として、別表第一第三表に掲げる項目ごとに、同表に掲げる方法により算定される額を、様式第五に整理しなければならない。
参照条文
第11条
【ガス導管事業総原価の整理】
ガス導管事業者は、ガス導管事業総原価として、第6条から前条までの規定により算定した営業費、営業費以外の項目、事業報酬及び控除項目の額を様式第六第一表に整理しなければならない。
第12条
【ガス導管事業総原価の機能別原価への配分】
ガス導管事業者は、ガス導管事業総原価を、別表第二第一表に掲げる方法及び別表第二第二表に掲げる配分基準に基づき、機能別原価として、別表第三の項目に配分し、様式第六第二表に整理しなければならない。
参照条文
第13条
【機能別原価の部門別原価への配分】
ガス導管事業者は、機能別原価を別表第三に掲げる項目ごとに、別表第四に掲げる配分基準に基づき、当該配分基準の算定の諸元のうち次の各号に掲げる項目のそれぞれについて求めたものとその合計値との比として算定した配分比を用いて、部門別原価として、次の各号に掲げる項目に配分し、様式第六第三表に整理しなければならない。
大口・卸供給部門原価
託送供給部門原価
第13条の2
【減少事業報酬額の算定】
ガス導管事業者(法第37条の8において準用する法第22条第1項ただし書の承認を受けたガス導管事業者であって法第37条の8において準用する法第22条の2第1項に規定する届出を行っていないガス導管事業者及び託送収支規則の規定により公表した直近の当期内部留保相当額(当該額が零を下回る場合にあっては、零。以下「当期内部留保相当額」という。)が零のガス導管事業者を除く。)は、減少事業報酬額を算定し、様式第六第四表を作成しなければならない。
減少事業報酬額は、次項の規定によりガス導管事業者が定める還元額に第4項の規定により算定される内部留保相当額控除額を加えた額とする。
還元額は、当期内部留保相当額の範囲内を上回らない額であって、ガス導管事業者が定める額とする。
内部留保相当額控除額は、当期内部留保相当額から前項の規定によりガス導管事業者が定めた額を原価算定期間の年数で除して得た額に百分の五十を乗じて得た額を控除して得た額に第9条第3項の規定により算定した事業報酬率を乗じて得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額とする。
第13条の3
【減少事業報酬額の減少機能別原価への配分】
前条のガス導管事業者は、減少機能別原価として、前条第1項の規定により算定した減少事業報酬額を別表第三に掲げる各項目ごとに整理した事業報酬額とその合計値との比として算定した配分比を用いて、別表第三に掲げる機能別原価の各項目に配分し、様式第六第五表に整理しなければならない。
参照条文
第13条の4
【減少事業報酬額に係る減少機能別原価の減少部門別原価への配分】
第13条の2のガス導管事業者は、減少部門別原価として、前条により算定した減少機能別原価を別表第三に掲げる項目ごとに、別表第四に掲げる配分基準に基づき、第13条第1項に掲げる部門別原価に配分し、様式第六第六表に整理しなければならない。
参照条文
第13条の5
【部門別原価の整理】
第13条の2のガス導管事業者は、部門別原価として、第13条の規定により整理した部門別原価から前条の規定により整理した減少部門別原価を差し引いた額を、様式第六第七表に整理しなければならない。
参照条文
第14条
【託送供給約款料金原価の算定】
第6条第2項第1号の値により同条第1項のガス需給計画を策定したガス導管事業者は、託送供給約款料金原価として、第13条第13条の2の規定により減少事業報酬額を算定したガス導管事業者にあっては、第13条の5)により算定した大口・卸供給部門原価の機能別原価の各項目(大口・卸供給特定原価を除く。)の額の合計額を算定しなければならない。
第6条第2項第2号の値により同条第1項のガス需給計画を策定したガス導管事業者は、託送供給約款料金原価として、第13条第13条の2の規定により減少事業報酬額を算定したガス導管事業者にあっては、第13条の5)により算定した大口・卸供給部門原価の機能別原価の各項目(大口・卸供給特定原価を除く。)の額の原単位(別表第四に掲げる機能別原価の各項目の額を、それぞれ、当該各項目に係る配分基準の算定の諸元のうち大口・卸供給に係るもので除したものをいう。)を超えない額に託送供給の需要想定に係る算定の諸元を乗じて得た額の合計額を算定しなければならない。
前二項に掲げる者以外のガス導管事業者は、第13条第13条の2の規定により減少事業報酬額を算定したガス導管事業者にあっては、第13条の5)により算定した託送供給部門原価の額を託送供給約款料金原価とする。
前三項の場合において、ガス導管事業者は、託送供給約款料金原価を様式第六第八表に整理しなければならない。
参照条文
第4章
託送供給約款料金の算定
第15条
一般ガス事業者及びガス導管事業者(以下「事業者」という。)は、託送供給約款料金を、第3条第3条の2又は前条の規定により整理された託送供給約款料金原価を基に、ガスの供給圧力が高圧又は中圧の場合と低圧の場合とに区分し、定額基本料金(ガスの供給量及び託送供給契約において確保する導管の容量にかかわらず支払いを受けるべきものをいう。以下同じ。)、流量基本料金(ガスの供給量にかかわらず支払いを受けるべき料金であって、託送供給契約において確保する導管の容量に応じて支払いを受けるべきものをいう。以下同じ。)若しくは従量料金(ガスの供給量に応じて支払いを受けるべき料金をいう。以下同じ。)として、又はこれらを組み合わせたものとして設定しなければならない。
事業者は、託送供給約款料金として、一般託送供給約款料金のほか、その事業の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に資すると見込まれる場合には、選択的託送供給約款料金を設定することができる。
事業者は、託送供給約款料金を、託送供給約款料金原価と原価算定期間又は原資算定期間中の託送供給約款に係るガスの供給量により算定される託送供給約款料金による収入額(以下「料金収入」という。)が一致するように設定しなければならない。
事業者は、様式第七第一表の託送供給約款料金原価と料金収入の比較表(選択的託送供給約款料金を設定した場合には、同表及び様式第七第二表の選択的託送供給約款料金種別一覧表)を作成しなければならない。
第5章
付加的託送供給約款料金の算定
第16条
事業者は、その事業の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に資すると見込まれる場合には、前条第2項の規定により設定した選択的託送供給約款料金とは異なる選択的託送供給約款料金(以下「付加的託送供給約款料金」という。)を、ガスの供給圧力が高圧又は中圧の場合と低圧の場合とに区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金として、又はこれらを組み合わせたものとして設定することができる。
前項の規定により付加的託送供給約款料金を設定する事業者は、付加的託送供給約款料金原価として、既に法第22条第1項及び第2項(ガス導管事業者にあっては、法第37条の8において準用する法第22条第1項及び第2項)の規定により届け出た託送供給約款料金原価(以下「直近託送供給約款料金原価」という。)の機能別原価の各項目の額の原単位(一般ガス事業者にあっては、当該一般ガス事業者が直近託送供給約款料金原価を第3条第1項又は第2項の規定により算定した場合にあっては第3条第2項の原単位を、第3条第3項の規定により算定した場合にあっては直近託送供給約款料金原価に係る一般ガス料金算定規則別表第五に掲げる機能別原価の各項目の額を、それぞれ、当該各項目に係る配分基準の算定の諸元のうち託送供給に係るもので除したものをいい、ガス導管事業者にあっては、当該ガス導管事業者が直近託送供給約款料金原価を第14条第1項又は第2項の規定により算定した場合にあっては第14条第2項の原単位を、第14条第3項の規定により算定した場合にあっては直近託送供給約款料金原価に係る別表第四に掲げる機能別原価の各項目の額を、それぞれ、当該各項目に係る配分基準の算定の諸元のうち託送供給に係るもので除したものをいう。)を超えない額に託送供給の需要想定であって付加的託送供給約款料金を適用しようとするものに係る算定の諸元を乗じて得た額の合計額を算定しなければならない。
第15条第3項の規定は、第1項及び第2項の規定により付加的託送供給約款料金を設定する事業者に準用する。この場合において、同条第2項中「託送供給約款料金」とあるのは「付加的託送供給約款料金」と、「託送供給約款料金原価」とあるのは「付加的託送供給約款料金原価」と読み替えるものとする。
第1項の規定にかかわらず、事業者は、収支等予測期間(付加的託送供給約款に係るガスの供給を開始する日から起算して五年以内の期間であって事業者が定める期間をいう。以下同じ。)において、その事業者の事業の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に特に資すると見込まれる場合であって、当該収支等予測期間における事業者の託送供給に係る収支に影響が生じない場合には、付加的託送供給約款料金を、ガスの供給圧力が高圧又は中圧の場合と低圧の場合とに区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金として、又はこれらを組み合わせたものとして設定することができる。
第1項の規定により付加的託送供給約款料金を設定した事業者は、様式第八第一表の付加的託送供給約款料金原価と料金収入の比較表及び様式第八第三表の付加的託送供給約款料金種別一覧表を、前項の規定により付加的託送供給約款料金を設定した事業者は、様式第八第二表の収支等予測表及び様式第八第三表の付加的託送供給約款料金種別一覧表を作成しなければならない。
参照条文
第6章
雑則
第17条
【特定導管ごとの料金】
ガス導管事業者は、その事業の用に供する特定導管が地理的に複数の地域に分かれている場合であって、その運用方法が著しく異なる場合その他託送供給約款料金を特定導管ごとに定めることが適当であると認められる場合においては、託送供給約款料金を特定導管ごとに定め、又は変更することができる。この場合において、ガス導管事業総原価の算定及び配分は特定導管ごとに行わなければならない。
前項の場合のほか、ガス導管事業者は、その事業の用に供する同一の特定導管のうちに帳簿価額が著しく異なる部分が存在する場合その他特定導管の一部に係る託送供給約款料金を定めることが特に必要であると認められる場合においては、第15条の規定による託送供給約款料金(前項の託送供給約款料金を含む。)のほか、当該特定導管の一部について託送供給約款料金を定め、又は変更することができる。この場合において、ガス導管事業総原価の算定及び配分は、当該特定導管の一部について、その他の部分と区分して行わなければならない。
前二項のガス導管事業総原価の算定、配分及び料金の設定は、第5条から前条までに規定する方法その他これに類する方法であってガス導管事業者の事業活動の実情に応じた適正かつ合理的な方法により行わなければならない。
第18条
【事業者の定める算定方法】
ガス導管事業者は、当該ガス導管事業者の事業実施に係る特別な状況が存在する場合であって、当該状況を勘案せずに託送供給約款料金を算定することが合理的でないと認められる場合においては、第12条から第15条までの規定にかかわらず、適正かつ合理的な範囲内において、これらの規定の趣旨に基づくものであって、これらの規定とは異なる料金の算定方法を定めることができる。この場合において、ガス導管事業者は当該算定方法を、様式第九に整理しなければならない。
前項の場合において、経済産業大臣は、施行規則第22条の2第1項第1号又は第2項第3号(これらの規定を施行規則第97条の8において準用する場合を含む。)の規定により提出された様式第九の書類を公表しなければならない。
参照条文
第19条
【届出書への添付書類】
一般ガス事業者が、施行規則第22条の2第1項第1号又は第2項第3号の規定により提出すべき書類は、様式第一及び様式第七(第15条第2項の規定により一般託送供給約款料金のみを設定した場合には様式第七第一表。以下同じ。)並びに一般ガス事業料金算定規則様式第一、様式第二第一表、様式第三第一表、様式第四第一表並びに様式第五第一表、第二表、第二表補足及び第四表(第10条の2第1項の事業者にあっては、これらの書類並びに様式第五の二及び様式第五の三)とする。
第2条第2項の1般ガス事業者が、施行規則第22条の2第1項第1号又は第2項第3号の規定により提出すべき書類は、前項の規定にかかわらず、様式第一の二及び様式第七並びに一般ガス料金算定規則様式第七第二表及び第三表(一般ガス料金算定規則第14条の2第4項の託送供給約款制定事業者にあっては、これらの書類並びに一般ガス料金算定規則様式第五の二第一表及び第二表)とする。
第1項の1般ガス事業者が地方公共団体である場合においては、同条中「様式第三第一表」とあるのは、「様式第三第三表」と読み替えるものとし、一般ガス料金算定規則第4条第2項又は第22条の規定により営業費を算定した一般ガス事業者である場合においては、「様式第五第一表、第二表、第二表補足」とあるのは、「様式第五第二表、第二表補足、第三表」と読み替えるものとする。
ガス導管事業者が、施行規則第97条の8において準用する施行規則第22条の2第1項第1号又は第2項第3号の規定により提出すべき書類は、様式第二から様式第六まで(第13条の2のガス導管事業者以外のガス導管事業者にあっては、様式第六第四表から第七表までを除く。)及び様式第七とする。
前項の場合において、第18条に規定する異なる算定方法を定めるガス導管事業者が、施行規則第97条の8において準用する施行規則第22条の2第1項第1号又は第2項第3号の規定により提出すべき書類は、前項に規定する書類のほか、様式第九の書類とする。
付加的託送供給約款料金を設定しようとする事業者が、施行規則第22条の2第2項第3号(施行規則第97条の8において準用する場合を含む。)の規定により提出すべき書類は、様式第八(第16条第1項の規定により付加的託送供給約款料金を設定した場合には様式第八第一表及び第三表、同条第4項の規定により付加的託送供給約款料金を設定した場合には様式第八第二表及び第三表)とする。
別表第一
【第7条、第8条、第9条、第10条関係】
第1表
ガス導管事業総原価の分類及び算定方法(ガス導管事業者(営業費等))
(1) 営業費
項目算定方法
労務費 原価算定期首における実績又は直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した適正な額とする。
修繕費 原価算定期間中における通常予想される経常修繕に要する適正な見積額とする。
租税課金(法人税及び住民税のうち法人税割を除く。)A.固定資産税、事業税等の諸税は、各税法の定めるところにより算定した適正な額とする。
B.報償金、道路占用料等の公課は、原価算定時において、契約され又は変更されることが確実なものの適正な見積額とする。
減価償却費 原価算定期間を通じて存する固定資産の帳簿価額及び原価算定期間中増加する固定資産の期間計算を行った帳簿価額に対し、当該事業者が採用している減価償却の計算方法により算定した額とする。この場合において、耐用年数及び残存価額は、法人税法の定めるところによるものとする。ただし、新規に導管を敷設する場合であって、次のイ及びロに定める方法により算定した額が上記の計算方法により算定した額よりも低い場合においては、イ又はロに定める方法により算定した額とすることができる。
 イ ガス導管の耐用年数を30年として、定額法又は定率法
 ロ 次の数式を用いて算定する方法
  導管取得原価×0.9×原価算定期間想定利用量÷見積総利用可能量
その他の諸経費(上記以外の営業費をいう。) 原価算定期間中におけるガス需給計画等に対応した適正な見積額とする。


(2) 営業費以外の項目
項目算定方法
営業外費用A.株式交付費償却及び社債発行費償却は、原価算定期間における株式の交付及び社債の発行計画等に基づく適正な見積額とする。
B.雑支出は原価算定期間中における適正な見積額とする。
法人税及び住民税(法人税割に限る。) 法人税は、原価算定期間中の平均資本金額に適正な配当率を乗じて得た配当金及び利益準備金を基礎として算定した適正な額とする。この場合において、税率は法人税法に定めるところによるものとする。
 住民税は地方税法に定めるところによるものとする。

第2表
ガス導管事業総原価の分類及び算定方法(ガス導管事業者(事業報酬))
項目算定方法
レートベース ガス導管事業に係る設備投資計画等により、一般ガス料金算定規則別表第1第2表のレートベースの欄に掲げる方式に準じて算定するものとする。
事業報酬率 次により算定した自己資本報酬率及び他人資本報酬率を資本構成比率により加重平均した率とする。
 A.自己資本報酬率
   当期純利益と自己資本を基に算定する。
 B.他人資本報酬率
   原価算定期間の直近年度の平均有利子負債利子率を基に算定した率とする。
 C.資本構成比率
   自己資本比率の実態水準を勘案して算定した率とする。
 ただし、一般電気事業者が行うガス導管事業にあっては、一般電気事業供給約款料金算定規則(平成11年通商産業省令第105号)に基づき算定された直近の料金改定時の率としなければならない。

(注) 次のいずれにも該当する特定導管を自ら維持し、及び運用する事業者は、当該特定導管又はその一部以外の導管についてこの表に掲げるレートべース、事業報酬率を用いて算定した事業報酬額に、当該特定導管又はその一部に係るレートべースに5年を超えない範囲内において当該事業者が任意に定める一定の期間で算定した導管投資に係る投下資本利益率の範囲内において適切に設定した率を乗じて得た額を加えることができる。
 (1) 一般ガス事業者の供給区域以外の地域に設置される部分が総延長の過半を占める導管
 (2) ガス供給設備(15トン/h以上の気化装置を有するガス供給設備又は天然ガス田におけるガス供給設備に限る。)に連結する導管又は当該導管に直接若しくは間接に連結する導管第3表
ガス導管事業総原価の分類及び算定方法(ガス導管事業者(控除項目))
項目算定方法
営業雑益(第6条第2項の規定によるときは託送供給収入を含む。) 実状に応じた適正な見積額とする。
雑収入(賃貸料等) それぞれ実状に応じた適正な見積額とする。
 賃貸料は、事業報酬算定の基礎となった資産から生じたものに限るものとする。


別表第二
【第12条関係】
第1表
ガス導管事業総原価の機能別原価への配分方法(ガス導管事業者)
(1) 大口・卸供給部門、託送供給部門に特定できるものを抽出しそれぞれに直課する。
(2) 上記(1)以外のものについて、内容に応じて機能別原価のいずれかに直課できるものは可能な限り当該機能別原価に直課し、それ以外のものについては、当該配分基準により、各機能別原価に配分(帰属)するものとする。
(3) 供給販売部門全般に係る管理費用的なもの及び客観的かつ合理的な基準を設定できない費用については、各機能別原価金額比により、各機能別原価に配分(配賦)するものとする。
第2表
ガス導管事業総原価の機能別原価への配分基準表(ガス導管事業者)
項目直課帰属(括弧内は例示)配賦
労務費 人員比 
諸経費修繕費内容に応じて直課人員比(器具備品等の少額資産等)
固定資産金額比
 
租税課金内容に応じて直課  
  設備関連 導管延長比(道路占用料等)
固定資産金額比(固定資産税・都市計画税等)
 
  その他 人員比(自動車税等) 
その他諸雑費内容に応じて直課導管延長比(導管関連等)
人員比(導管関連以外等)
 
減価償却費内容に応じて直課人員比(器具備品等の少額資産等)
固定資産金額比
 
営業外費用内容に応じて直課レートベース比機能別原価金額比
事業報酬額 レートベース比 
法人税・住民税 レートベース比 
営業雑益内容に応じて控除レートベース比により控除機能別原価金額比により控除
雑収入内容に応じて控除レートベース比により控除機能別原価金額比により控除


別表第三
【第12条、第13条関係】
機能別原価の分類表(ガス導管事業者)
機能別原価項目機能別原価に関する費用の内容
LNG圧送原価LNGの圧送設備の建設・維持・管理に関する費用
その他工場原価(導管の圧力制御に関する費用に限る。)その他工場設備の建設・維持・管理に関する費用(導管の圧力制御に関する費用に限る。)
高圧導管原価高圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧導管原価中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧A導管原価と中圧B導管原価に区分するときは 
 中圧A導管原価導管への供給圧力0.3MPa以上1.0MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
 中圧B導管原価導管への供給圧力0.1MPa以上0.3MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
低圧導管原価低圧導管の建設・維持・保全に関する費用
供給管原価供給管の建設・維持・保全に関する費用
メーター原価ガスメーターの設置・維持・管理に関する費用
検針原価ガスメーターの検針に係る費用
集金原価ガス料金の調定・料金収納に係る費用
大口・卸供給特定原価大口・卸供給部門に特定される費用
託送供給特定原価託送供給部門に特定される費用


別表第四
【第13条、第14条、第16条関係】
機能別原価の部門別原価への配分基準表(ガス導管事業者)
機能別原価項目配分基準
LNG圧送原価ピーク最大流量比(ピーク月の1日(※1)又は時間最大(※2)のガスの流量比)
その他工場原価(導管の圧力制御に関する費用に限る。)ピーク最大流量比
高圧導管原価ピーク最大流量比
中圧導管原価1時間当たりの最大流量比(ガスメーターの最大流量の累計の比)とピーク最大流量比が1:1の複合基準
 中圧A導管原価と中圧B導管原価に区分するときは 
 中圧A導管原価ピーク最大流量比
 中圧B導管原価1時間当たりの最大流量比
低圧導管原価1時間当たりの最大流量比
供給管原価1時間当たりの最大流量比
メーター原価1時間当たりの最大流量比
検針原価延べ検針件数比(原価算定期間における検針件数の比)
集金原価延べ調定件数比(原価算定期間における需要家の調定件数(定例の検針に係るガス料金請求書の発行枚数)の比)
大口・卸供給特定原価大口・卸供給部門に直課
託送供給特定原価託送供給部門に直課

(※1)ピーク月の1日の例:ピーク月における1日平均 :ピーク月における最大送出日 :ピーク月における最大送出量上位3日の平均
(※2)時間最大の例   :最大送出日又はピーク月における最大送出時間帯(例えば連続する4時間)の送出量(又は1日最大送出時間帯の送出量上位3日の平均)様式第2(第6条関係)
様式第3(第7条、第8条関係)
様式第4(第9条関係)
様式第5(第10条関係)
様式第6(第11条、第12条、第13条、第13条の2、第13条の3、第13条の4、第13条の5、第14条関係)
様式第7(第15条関係)
様式第8(第16条関係)
様式第9(第18条関係)
附則
第1条
(施行期日)
この省令は、公布の日から施行する。
第2条
(経過措置)
電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律附則第九条第一項に規定する一般ガス事業者が同項の規定により定めようとする託送供給約款で設定する料金を算定しようとする場合においては、第二条の規定にかかわらず、当該一般ガス事業者が供給約款を定める場合において算定した大口・卸供給部門原価を第三条第一項又は第二項の規定による託送供給約款料金原価の算定に用いることができる。
前項の場合において、同項の供給約款を定める場合に大口・卸供給部門原価を算定していない一般ガス事業者は、大口・卸供給部門原価に代えて総原価を用いて前項の算定をすることができる。この場合における当該一般ガス事業者の託送供給約款料金原価の算定については、第三条第一項の規定は適用せず、同条第二項中「大口・卸供給部門原価」とあるのは「総原価」と、「大口・卸供給に係る」とあるのは「ガス事業に係る」と読み替えるものとする。
附則
平成18年12月28日
第1条
(施行期日)
この省令は、平成十九年四月一日から施行する。
第2条
(経過措置)
この省令の施行の際ガス事業法(以下「法」という。)第二条第二項に規定する一般ガス事業者が法第二十二条第一項の規定により定めようとする託送供給約款で設定する料金を算定しようとする場合においては、ガス事業託送供給約款料金算定規則(以下「託送料金算定規則」という。)第二条の規定にかかわらず、当該一般ガス事業者が法第十七条第一項の認可を受けた供給約款又は同条第四項の届出を行った供給約款を定める場合において算定した大口・卸供給部門原価(一般ガス事業供給約款料金算定規則(以下「一般ガス料金算定規則」という。)第十条第一項第二号に掲げる大口・卸供給部門原価をいう。以下同じ。)を託送供給約款料金原価(託送料金算定規則第三条第一項又は第二項に規定する託送供給約款料金原価をいう。以下同じ。)の算定に用いることができる。
前項の場合において、法第十七条第一項の認可を受けた供給約款若しくは同条第四項の届出を行った供給約款を定める場合に大口・卸供給部門原価を算定していない、又は大口・卸供給部門原価に一般ガス料金算定規則別表第四に規定する低圧導管原価がない一般ガス事業者は、大口・卸供給部門原価に代えて一般ガス料金算定規則第二条第一項に規定する総原価を用いて前項の算定をすることができる。この場合における当該一般ガス事業者の託送供給約款料金原価の算定については、託送料金算定規則第三条第一項の規定は適用せず、同条第二項中「大口・卸供給部門原価」とあるのは「総原価」と、「大口・卸供給に係る」とあるのは「ガス事業に係る」と読み替えるものとする。
附則
平成24年3月23日
第1条
(施行期日)
この省令は、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律の施行の日(平成二十四年四月一日)から施行する。
第6条
(ガス事業託送供給約款料金算定規則の一部改正に伴う経過措置)
この省令の施行の際現にガス事業法第二十二条第一項及び第二項の規定により届け出られた託送供給約款並びに同条第三項ただし書に基づく承認を受けた料金その他の供給条件については、なお従前の例による。
この省令の施行の際、事業者がガス事業法第二十二条第一項及び第二項の規定により届け出た託送供給約款料金原価において算定の対象としているLNG気化圧送原価についてのこの省令による改正後のガス事業託送供給約款料金算定規則(以下この項において「新規則」という。)別表第三及び別表第四に規定する機能別原価の分類及び配分基準の適用並びに新規則様式第一及び様式第六の整理については、平成三十年三月三十一日までの間、なお従前の例によることができる。

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