• 試験研究の用に供する原子炉等の設計及び工事の方法の技術基準に関する規則

試験研究の用に供する原子炉等の設計及び工事の方法の技術基準に関する規則

平成25年6月28日 改正
第1章
総則
第1条
【適用範囲】
この規則は、次に掲げる原子炉並びにその附属施設について適用する。
試験研究の用に供する試験研究用等原子炉(船舶に設置するものを除く。)
船舶に設置する軽水減速加圧軽水冷却型原子炉(減速材及び冷却材として加圧軽水を使用する原子炉であつて蒸気発生器が構造上原子炉圧力容器の外部にあるものをいう。)であつて研究開発段階にある試験研究用等原子炉
参照条文
第2条
【定義】
この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
「試験研究用原子炉」とは、前条第1号に掲げる試験研究用等原子炉(第3号に規定するものを除く。)をいう。
「研究開発段階原子炉」とは、前条第2号に掲げる試験研究用等原子炉をいう。
「ナトリウム冷却型高速炉」とは、前条第1号に掲げる試験研究用等原子炉のうち、一次冷却材としてナトリウムを用い、かつ、その原子核分裂の連鎖反応が主として高速中性子により行われるものをいう。
「安全設備」とは、次に掲げる設備であつて、その故障、損壊等により公衆に放射線障害を及ぼすおそれを直接又は間接に生じさせるものをいう。
一次冷却設備、制御設備その他の運転時において試験研究用等原子炉の安全を確保する上で必要な設備及びこれらの附属設備(原子炉容器を除く。)
非常用冷却設備(非常用炉心冷却設備を含む。以下同じ。)、安全保護回路、非常用制御設備、非常用電源設備その他の試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に試験研究用等原子炉の安全を確保する上で必要な設備及びこれらの附属設備
原子炉格納容器及びその附属設備
「放射線」とは、試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則(以下この条において「規則」という。)第1条の2第1号に掲げる放射線をいう。
「放射性廃棄物」とは、規則第1条の2第2号に掲げる放射性廃棄物をいう。
「燃料体」とは、規則第1条の2第3号に掲げる燃料体をいう。
「管理区域」とは、規則第1条の2第4号に掲げる管理区域をいう。
「周辺監視区域」とは、規則第1条の2第6号に掲げる周辺監視区域をいう。
「放射線業務従事者」とは、規則第1条の2第7号に掲げる従事者をいう。
第3条
【特殊な方法による施設】
この規則の規定によらないで試験研究用等原子炉施設を施設することにつき特別の理由がある場合にあつては、原子力規制委員会の認可を受けて、この規則の規定によらないで試験研究用等原子炉施設を施設することができる。
前項の認可を受けようとする者は、その理由及び施設方法を記載した申請書に関係図面を添付して申請しなければならない。
第4条
【試験研究用等原子炉施設の機能】
試験研究用等原子炉施設は、通常運転時において原子核分裂の連鎖反応を安全に持続することができ、かつ、試験研究用等原子炉施設に故障が発生した場合において原子核分裂の連鎖反応を無制御に継続することがないものでなければならない。
船舶に施設する試験研究用等原子炉施設は、波浪により生じる動揺、傾斜その他の要因により機能が損なわれることがないものでなければならない。
第5条
【機能の確認等】
試験研究用等原子炉施設は、原子炉容器その他の試験研究用等原子炉の安全を確保する上で必要な設備の機能の確認をするための検査又は試験及びこれらの機能を健全に維持するための保守又は修理ができるものでなければならない。
第6条
【耐震性等】
試験研究用等原子炉施設(船舶に施設するものを除く。次項において同じ。)は、これに作用する地震力による損壊により公衆に放射線障害を及ぼすことがないように施設しなければならない。
前項の地震力は、試験研究用等原子炉施設の構造及びこれが損壊した場合における災害の程度に応じて、基礎地盤の状況、その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度、地震活動の状況その他の要因を考慮して算定しなければならない。
試験研究用等原子炉を船舶に設置する場合にあつては、原子炉格納容器に近接する船体の部分は、衝突、座礁その他の要因による原子炉格納容器の機能の喪失を防止できる構造でなければならない。
第7条
【材料、構造等】
試験研究用等原子炉施設に属する容器、管、弁及びポンプ(以下「機器」という。)並びにこれらを支持する構造物並びに燃料体、減速材及び反射材を支持する構造物のうち、試験研究用等原子炉施設の安全を確保する上で重要なもの(以下この項において「機器等」という。)の材料及び構造は、当該機器等がその設計上要求される強度を確保できるものでなければならない。
試験研究用等原子炉施設には、試験研究用等原子炉施設の安全を確保する上で重要な機器に作用する圧力の過度の上昇を適切に防止する性能を有する逃がし弁、安全弁、破壊板又は真空破壊弁(第11条において「逃がし弁等」という。)を必要な箇所に設けなければならない。
試験研究用等原子炉施設に属する機器のうち、試験研究用等原子炉施設の安全を確保する上で重要なものは、適切な耐圧試験又は漏えい試験を行つたとき、これに耐え、かつ、著しい漏えいがないように施設しなければならない。
試験研究用等原子炉施設に属する容器であつて、その材料が中性子照射を受けることにより著しく劣化するおそれがあるものの内部には、監視試験片を備えなければならない。
第8条
【しやへい】
試験研究用等原子炉を設置する工場又は事業所(原子力船を含む。)内の外部放射線による放射線障害を防止する必要がある場所には、次に掲げるところによりしやへい設備を施設しなければならない。
放射線障害を防止するために必要なしやへい能力を有するものであること。
開口部又は配管その他の貫通部がある場合であつて放射線障害を防止するために必要がある場合には、放射線の漏えいを防止するための措置が講じられているものであること。
自重、熱応力その他の荷重に耐えるものであること。
第9条
【換気】
試験研究用等原子炉施設内の放射性物質により汚染された空気による放射線障害を防止する必要がある場所には、次に掲げるところにより換気設備を施設しなければならない。
放射線障害を防止するために必要な換気能力を有するものであること。
放射性物質により汚染された空気が逆流するおそれがない構造であること。
ろ過装置を設ける場合にあつては、ろ過装置の放射性物質による汚染の除去又はろ過装置の取替えが容易な構造であること。
吸気口は、放射性物質により汚染された空気を吸入し難いように施設すること。
第10条
【放射性物質を含む系統の隔離】
放射性物質を含む一次冷却材その他の流体を内包する容器又は管に放射性物質を含まない流体を導く管には、逆止め弁を設けなければならない。ただし、放射性物質を含む流体が放射性物質を含まない流体を導く管に逆流するおそれがない場合は、この限りでない。
第11条
【放射性物質による汚染の防止】
試験研究用等原子炉施設は、通常運転時において機器から放射性物質を含む流体が漏えいする場合には、これを安全に廃棄しうるように施設しなければならない。
試験研究用等原子炉施設は、逃がし弁等から排出される流体が放射性物質を含む場合には、これを安全に廃棄しうるように施設しなければならない。
試験研究用等原子炉施設は、試験研究用等原子炉を設置する工場又は事業所の外に排水を排出する排水路(湧水に係るものであつて、放射性物質により汚染するおそれがある管理区域内に開口部がないものを除く。以下この項において同じ。)の上に、当該施設の放射性物質により汚染するおそれがある管理区域内の床面がないように施設しなければならない。ただし、液体状の放射性廃棄物を廃棄する設備が設置される施設(液体状の放射性廃棄物の漏えいが拡大するおそれがある部分に限る。)以外の施設であつて当該施設の放射性物質により汚染するおそれがある管理区域内に当該排水路の開口部がない場合並びに当該排水路に放射性物質を含む排水を安全に廃棄する設備及び第27条第2号に掲げる事項を計測する設備を施設する場合は、この限りでない。
試験研究用等原子炉施設のうち、人が頻繁に出入りする建物又は船舶の内部の壁、床その他の部分であつて、放射性物質により汚染されるおそれがあり、かつ、人が触れるおそれがあるものの表面は、放射性物質による汚染を除去しやすいものでなければならない。
参照条文
第2章
試験研究用原子炉に係る試験研究用等原子炉施設
第12条
【試験研究用原子炉に係る試験研究用等原子炉施設】
試験研究用原子炉に係る試験研究用等原子炉施設は、この章の規定により施設しなければならない。
第13条
【安全設備】
安全設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
二以上の原子力施設(加工施設、試験研究用等原子炉施設、発電用原子炉施設、再処理施設、廃棄物埋設施設、廃棄物管理施設及び使用施設等をいう。)において共用しないこと。ただし、試験研究用等原子炉の安全を確保する上で支障がない場合にあつては、この限りでない。
試験研究用等原子炉の安全を確保する機能を維持しうるように、当該安全設備自体又は当該安全設備が属する系統として多重性を有すること。ただし、原子炉格納容器その他多重性を有することなく試験研究用等原子炉の安全を確保する機能を維持しうる設備にあつては、この限りでない。
火災により損傷を受けるおそれがある場合には、可能な限り不燃性又は難燃性の材料を使用するとともに、必要に応じて防火壁の設置その他の適切な防火措置を講ずること。
蒸気タービン又はポンプの損壊に伴う飛散物により損傷を受けるおそれがある場合には、防護施設の設置その他の適切な損傷防止措置を講ずること。
参照条文
第14条
【炉心等】
燃料体、減速材及び反射材の材料は、運転時における圧力、温度及び放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
燃料体、減速材及び反射材は、自重、最高使用圧力その他の荷重に耐えるものでなければならない。
燃料体、減速材及び反射材並びにこれらを支持する構造物は、冷却材の循環その他の要因により生じる振動により損傷を受けることがないように施設しなければならない。
参照条文
第14条の2
【熱しやへい材】
原子炉容器の材料が中性子照射を受けることにより著しく劣化するおそれがある場合には、これを防止するため、次に掲げるところにより熱しやへい材を施設しなければならない。
熱応力による変形により試験研究用等原子炉の安全に支障を及ぼすおそれがないこと。
冷却材の循環その他の要因により生じる振動により損傷を受けることがないこと。
参照条文
第15条
【核燃料物質取扱設備】
核燃料物質取扱設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
通常運転時において取り扱う必要がある燃料体又は使用済燃料(以下この条及び次条において「燃料体等」と総称する。)を取り扱う能力を有するものであること。
燃料体等が臨界に達するおそれがないこと。
燃料体等の崩壊熱を安全に除去しうるものであること。
取扱いの際に燃料体等が破損するおそれがないこと。
燃料体等を封入する容器は、取扱いの際の衝撃及び熱に耐え、かつ、容易に破損しないものであること。
前号の容器は、燃料体等を封入した場合に、その表面及び表面から一メートルの距離における線量当量率がそれぞれ原子力規制委員会の定める線量当量率を超えないものであること。ただし、管理区域内においてのみ使用されるものについては、この限りでない。
燃料体等を取り扱うための動力の供給が停止した場合に、燃料体等を安全に保持しているものであること。
参照条文
第16条
【核燃料物質貯蔵設備】
核燃料物質貯蔵設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
燃料体等が臨界に達するおそれがないこと。
燃料体等の崩壊熱を安全に除去しうるものであること。
使用済燃料その他高放射性の燃料体等を貯蔵する核燃料物質貯蔵設備は、前項に定めるところによるほか、次に掲げるところにより施設しなければならない。
燃料体等の被覆が著しく腐食することを防止しうるものであること。
使用済燃料その他高放射性の燃料体等を液体中で貯蔵する場合は、前号に掲げるところによるほか、次に掲げるところによること。
液体があふれ、又は漏えいするおそれがないものであること。
液体の漏えいを適切に検知しうるものであること。
参照条文
第17条
【一次冷却材】
一次冷却材は、運転時における圧力、温度及び放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
参照条文
第18条
【一次冷却材の排出】
放射性物質を含む一次冷却材(次条第1項第4号の設備から排出される放射性物質を含む流体を含む。)を通常運転時において系統外に排出する場合には、これを安全に廃棄しうるように施設しなければならない。
参照条文
第19条
【冷却設備等】
試験研究用等原子炉施設には、次に掲げる設備を施設しなければならない。ただし、試験研究用等原子炉の安全を確保する上で支障がない場合にあつては、この限りでない。
原子炉容器内において発生した熱を除去することができる容量の冷却材その他の流体を循環させる設備
液体の一次冷却材を用いる試験研究用等原子炉にあつては、運転時における原子炉容器内の液位を自動的に調整する設備
密閉容器型原子炉(燃料体及び一次冷却材が容器(原子炉格納施設を除く。)内に密閉されている試験研究用等原子炉をいう。)にあつては、原子炉容器内の圧力を自動的に調整する設備
一次冷却材に含まれる放射性物質及び不純物の濃度を試験研究用等原子炉の安全に支障を及ぼさない値以下に保つ設備
原子炉停止時における原子炉容器内の残留熱を除去する設備
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じたときに想定される最も厳しい条件の下において原子炉容器内において発生した熱を除去できる非常用冷却設備
前項の設備は、冷却材の循環その他の要因により生じる振動により損傷を受けることがないように施設しなければならない。
参照条文
第20条
【液位の保持】
液体の一次冷却材を用いる試験研究用等原子炉に係る試験研究用等原子炉施設にあつては、一次冷却材の流出を伴う異常が発生した場合において原子炉容器内の液位の過度の低下を防止し、炉心全体を冷却材中に保持する機能を有する設備は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等に伴う温度の変化その他の要因による荷重の増加に耐えるものでなければならない。
第20条の2
【原子炉冷却材圧力バウンダリ】
原子炉冷却材圧力バウンダリ(一次冷却設備に係る設備の損壊等に伴い自動的に弁が閉鎖されることにより、圧力障壁を形成する部分をいう。以下同じ。)を有する試験研究用等原子炉施設にあつては、当該原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等に伴う衝撃、反応度の変化その他の要因による荷重の増加に耐えるものでなければならない。
第21条
【計装】
試験研究用等原子炉施設(次項に該当するものを除く。)には、次に掲げる事項を計測する設備を施設しなければならない。この場合において、当該事項を直接計測することが困難な場合は、これを間接的に計測する設備をもつて替えることができる。
熱出力及び炉心における中性子束密度
炉周期
制御棒(固体の制御材をいう。以下同じ。)の位置
一次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質及び不純物の濃度
原子炉容器内における温度、圧力、流量及び液位
気体の一次冷却材を用いる試験研究用等原子炉に係る試験研究用等原子炉施設であつて熱交換器を有するもの(以下「ガス冷却型試験研究用等原子炉に係る試験研究用等原子炉施設」という。)には、次に掲げる事項を計測する設備を施設しなければならない。この場合において、当該事項を直接計測することが困難な場合は、これを間接的に計測する設備をもつて替えることができる。
前項第1号から第3号までに定める事項
一次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質及び不純物の濃度
原子炉容器の入口及び出口における温度、圧力及び流量
二次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質及び不純物の濃度
一次冷却材の熱を取り出す熱交換器の入口及び出口における温度並びに入口における圧力及び流量
試験研究用等原子炉施設には、その設備の機能の喪失、誤操作その他の要因により試験研究用等原子炉の安全を著しく損なうおそれが生じたとき、第27条第1号の放射性物質の濃度若しくは同条第3号の線量当量が著しく上昇したとき又は液体状の放射性廃棄物を廃棄する設備から液体状の放射性廃棄物が著しく漏えいするおそれが生じたときに、これらを確実に検知して速やかに警報する設備を施設しなければならない。
参照条文
第22条
【安全保護回路】
試験研究用等原子炉施設には、試験研究用等原子炉の出力の著しい上昇、地震の発生その他の要因により試験研究用等原子炉を安全に運転することができなくなるおそれが生じたときに、試験研究用等原子炉を停止するための設備の作動を速やかに、かつ、自動的に開始させる安全保護回路を施設しなければならない。
試験研究用等原子炉施設には、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等により多量の放射性物質が漏えいする可能性が生じたときに、これを抑制又は防止するための設備を速やかに作動させる必要がある場合には、当該設備の作動を速やかに、かつ、自動的に開始させる安全保護回路を施設しなければならない。
前二項の安全保護回路は、試験研究用等原子炉の安全を確保する上で必要な場合には、運転条件に応じてその作動設定値を変更しうるものでなければならない。
参照条文
第23条
【制御設備等】
制御設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
運転時において、燃料の許容設計限界(試験研究用等原子炉を継続して安全に運転する上で、安全設計上許容される燃料体の損傷の限界をいう。以下同じ。)を超えることなく試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができ、かつ、想定される最も低い温度で試験研究用等原子炉を臨界未満に維持できるものであること。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じた場合において、速やかに試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができ、かつ、想定される最も低い温度で試験研究用等原子炉を臨界未満に維持できるものであること。
制御棒を用いる場合にあつては、一本の制御棒が固着した場合においても、前二号の機能を有するものであること。
通常運転時において、燃料の許容設計限界を超えることがないように反応度を制御できるものであること。
非常用制御設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
通常運転時において、燃料の許容設計限界を超えることなく試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができるものであること。
制御設備とは独立に施設すること。
制御材は、運転時における圧力、温度及び放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
制御材を駆動する設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
試験研究用等原子炉の特性に適合した速度で制御材を駆動しうるものであること。
制御材を駆動するための動力の供給が停止した場合に、制御材が反応度を増加させる方向に動かないものであること。
制御棒の落下その他の衝撃により燃料体、制御棒その他の設備を損壊することがないものであること。
第24条
【原子炉制御室等】
試験研究用等原子炉施設には、原子炉制御室を施設しなければならない。
原子炉制御室には、試験研究用等原子炉を適切に運転しうるように、試験研究用等原子炉の運転状態を表示する装置、試験研究用等原子炉の安全を確保するための設備を操作する装置、異常を表示する警報装置その他の試験研究用等原子炉の安全を確保するための主要な装置を集中して施設しなければならない。
原子炉制御室及びこれに連絡する通路には、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じた場合において、放射線業務従事者が試験研究用等原子炉の運転の停止その他の措置を採るために支障なく原子炉制御室に入り、かつ、一定期間とどまることができるように、しやへい設備の設置その他の適切な放射線防護措置を講じなければならない。
試験研究用等原子炉施設には、火災その他の要因により原子炉制御室が使用できない場合に、原子炉制御室以外の場所から試験研究用等原子炉の運転を停止し、かつ、安全な状態に維持することができる設備を施設しなければならない。ただし、試験研究用等原子炉の安全を確保する上で支障がない場合にあつては、この限りでない。
第25条
【廃棄物処理設備】
放射性廃棄物を廃棄する設備(放射性廃棄物を保管廃棄する設備を除く。)は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
周辺監視区域の外の空気中及び周辺監視区域の外側の境界における水中の放射性物質の濃度が、それぞれ原子力規制委員会の定める濃度限度を超えないように試験研究用等原子炉施設において発生する放射性廃棄物を廃棄する能力を有するものであること。
放射性廃棄物以外の廃棄物を廃棄する設備と区別して施設すること。ただし、放射性廃棄物以外の流体状の廃棄物を流体状の放射性廃棄物を廃棄する設備に導く場合において、流体状の放射性廃棄物が放射性廃棄物以外の流体状の廃棄物を取り扱う設備に逆流するおそれがないときは、この限りでない。
化学薬品の影響その他の要因により著しく腐食するおそれがないものであること。
気体状の放射性廃棄物を廃棄する設備は、排気口以外の箇所において気体状の放射性廃棄物を排出することがないものであること。
気体状の放射性廃棄物を廃棄する設備にろ過装置を設ける場合にあつては、ろ過装置の放射性物質による汚染の除去又はろ過装置の取替えが容易な構造であること。
液体状の放射性廃棄物を廃棄する設備は、排水口以外の箇所において液体状の放射性廃棄物を排出することがないものであること。
液体状の放射性廃棄物を廃棄する設備(液体状の放射性廃棄物を保管廃棄する設備を除く。以下この項において同じ。)が設置される施設(液体状の放射性廃棄物の漏えいが拡大するおそれがある部分に限る。)は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
施設内部の床面及び壁面は、液体状の放射性廃棄物が漏えいし難いものであること。
施設内部の床面は、床面の傾斜又は床面に設けられた溝の傾斜により液体状の放射性廃棄物がその受け口に導かれる構造であり、かつ、液体状の放射性廃棄物を廃棄する設備の周辺部には、液体状の放射性廃棄物の漏えいの拡大を防止するための堰が施設されていること。
施設外に通じる出入口又はその周辺部には、液体状の放射性廃棄物が施設外へ漏えいすることを防止するための堰が施設されていること。ただし、施設内部の床面が隣接する施設の床面又は地表面より低い場合であつて液体状の放射性廃棄物が施設外へ漏えいするおそれがないときは、この限りでない。
参照条文
第26条
【保管廃棄設備】
放射性廃棄物を保管廃棄する設備は、崩壊熱及び放射線の照射により発生する熱に耐え、かつ、化学薬品の影響その他の要因により著しく腐食するおそれがないように施設しなければならない。
固体状の放射性廃棄物を保管廃棄する設備が設置される施設は、放射性廃棄物による汚染が広がらないように施設しなければならない。
前条第2項の規定は、液体状の放射性廃棄物を保管廃棄する設備が設置されている施設について準用する。
第27条
【放射線管理施設】
試験研究用等原子炉を設置する工場又は事業所には、次に掲げる事項を計測する放射線管理施設を施設しなければならない。この場合において、当該事項を直接計測することが困難な場合は、これを間接的に計測する施設をもつて替えることができる。
放射性廃棄物の排気口又はこれに近接する箇所における排気中の放射性物質の濃度
放射性廃棄物の排水口又はこれに近接する箇所における排水中の放射性物質の濃度
管理区域における外部放射線に係る原子力規制委員会の定める線量当量及び空気中の放射性物質の濃度
参照条文
第28条
【原子炉格納施設】
試験研究用等原子炉施設(次条に該当するものを除く。)にあつては、原子炉格納施設は、その内部を負圧状態に維持しうるものであり、かつ、その内部における試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に原子炉格納施設から気体状の放射性物質が排出されることにより公衆に放射線障害を及ぼすおそれがないように、当該放射性物質の排出を抑制しうるものでなければならない。ただし、公衆に放射線障害を及ぼすおそれがない場合にあつては、この限りでない。
第28条の2
ガス冷却型原子炉に係る試験研究用等原子炉施設にあつては、原子炉格納施設は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
原子炉格納施設の内部における試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際の漏えい率が公衆に放射線障害を及ぼすおそれがないものであり、かつ、その際に生じるものと想定される最大の荷重に耐えるものであること。
原子炉格納施設の開口部には、気密性の扉を設けること。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に原子炉格納施設から気体状の放射性物質が漏えいすることにより公衆に放射線障害を及ぼすおそれがないように、当該放射性物質の濃度を低下させる設備を施設すること。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に生じる可燃性ガス及び酸素により原子炉格納施設の安全に支障が生じるおそれがある場合は、当該可燃性ガス及び酸素の濃度を低下させる設備を施設すること。
前項の試験研究用等原子炉施設に属する原子炉格納容器は、定期的に漏えい率試験ができるものでなければならない。
第1項の試験研究用等原子炉施設に属する原子炉格納容器を貫通する管には、当該貫通箇所の内側及び外側の当該貫通箇所に近接した箇所にそれぞれ一個の閉鎖隔離弁(ロック装置が付されているものに限る。)又は自動隔離弁(隔離機能がない逆止め弁を除く。)(以下この条において「隔離弁」と総称する。)を設けなければならない。ただし、当該貫通箇所の内側又は外側において、湿気その他の要因により隔離弁の機能が著しく低下するおそれがある場合には、当該貫通箇所の内側及び外側に替え、当該貫通箇所の他方の側の当該貫通箇所に近接した箇所に二個の隔離弁を設けるものとする。
前項の規定にかかわらず、原子炉格納容器を貫通する管であつて、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に損壊するおそれがないもの(一次冷却設備に係る設備に接続するもの並びに原子炉格納容器の内側及び外側に開口部があるものを除く。)及び試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に構造上内部に液体が滞留することにより原子炉格納容器内の放射性物質が外部へ漏えいするおそれがないものには、当該貫通箇所の内側又は外側の当該貫通箇所に近接した箇所に一個の隔離弁を設けなければならない。ただし、当該貫通箇所の内側又は外側において、湿気その他の要因により隔離弁の機能が著しく低下するおそれがある場合には、当該貫通箇所の他方の側の当該貫通箇所に近接した箇所に一個の隔離弁を設けるものとする。
前二項の規定にかかわらず、原子炉格納施設に属する安全設備に係る管その他隔離弁を設けることにより安全に支障が生じるおそれがある管又は試験研究用等原子炉施設の安全を確保する上で支障がない管には、隔離弁を設けることを要しない。
参照条文
第29条
【非常用電源設備】
試験研究用等原子炉施設には、外部電源系統からの電気の供給が停止した場合において、試験研究用等原子炉施設の安全を確保するために必要な設備の機能を維持するために、内燃機関を原動力とする発電設備又はこれと同等以上の機能を有する設備を施設しなければならない。ただし、試験研究用等原子炉施設の安全を確保する上で支障がない場合にあつては、この限りでない。
試験研究用等原子炉の安全を確保する上で特に必要な設備には、無停電電源装置又はこれと同等以上の機能を有する設備を施設しなければならない。
第30条
【主要な実験設備】
主要な実験設備は、その故障、損壊等により試験研究用等原子炉の安全を損なわないように施設しなければならない。
参照条文
第3章
研究開発段階原子炉に係る試験研究用等原子炉施設
第31条
【研究開発段階原子炉に係る試験研究用等原子炉施設】
研究開発段階原子炉に係る試験研究用等原子炉施設は、この章の規定により施設しなければならない。
第32条
削除
第33条
【冷却設備等】
試験研究用等原子炉施設には、次に掲げる設備を施設しなければならない。
原子炉容器内において発生した熱を除去することができる容量の冷却材を循環させる設備
運転時において一次冷却材が減少した場合に、これを自動的に補給する設備
原子炉容器内の圧力を自動的に調整する設備
一次冷却材に含まれる放射性物質及び不純物の濃度を試験研究用等原子炉の安全を確保する上で支障を及ぼさない値以下に保つ設備
原子炉停止時における原子炉容器内の残留熱を除去する設備
前項の設備は、冷却材の循環、沸騰その他の要因により生じる振動により損傷を受けることがないように施設しなければならない。
参照条文
第34条
【非常用炉心冷却設備】
試験研究用等原子炉施設には、一次冷却設備がその機能を喪失した場合に原子炉容器内において発生した熱を除去する非常用炉心冷却設備を施設しなければならない。
非常用炉心冷却設備は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じたときに想定される最も厳しい条件の下において、燃料材の溶触及び燃料体の著しい破損を防止しうるものであり、かつ、被覆材と冷却材との反応により著しく多量の水素を生じることがないものでなければならない。
第35条
【原子炉冷却材圧力バウンダリ】
原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等に伴う衝撃、反応度の変化その他の要因による荷重の増加に耐えるものでなければならない。
第36条
【蒸気タービン】
蒸気タービン及びその附属設備は、その故障、損壊等により試験研究用等原子炉施設の安全を損なうことがないように施設しなければならない。
参照条文
第37条
【計装】
試験研究用等原子炉施設には、次に掲げる事項を計測する設備を施設しなければならない。この場合において、当該事項を直接計測することが困難な場合は、これを間接的に計測する設備をもつて替えることができる。
熱出力及び炉心における中性子束密度
炉周期
制御棒の位置及び液体の制御材を使用する場合にあつては、その濃度
一次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質及び不純物の濃度
原子炉容器の入口及び出口における温度、圧力及び流量
原子炉容器(加圧器がある場合は加圧器)内又は蒸気ドラム内における水位
二次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質の濃度
蒸気発生器の出口における温度、圧力及び流量
蒸気発生器内における水位
第38条
【制御設備等】
制御設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
運転時において、燃料の許容設計限界を超えることなく試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができ、かつ、想定される最も低い温度で試験研究用等原子炉を臨界未満に維持できるものであること。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じた場合において、非常用炉心冷却設備と併せて又は単独で、速やかに試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができ、かつ、想定される最も低い温度で試験研究用等原子炉を臨界未満に維持できるものであること。
制御棒を用いる場合にあつては、一本の制御棒が固着した場合においても、前二号の機能を有するものであること。
通常運転時において、燃料の許容設計限界を超えることがないように反応度を制御できるものであること。
非常用制御設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
通常運転時において、燃料の許容設計限界を超えることなく高温状態で試験研究用等原子炉を臨界未満にできるものであること。
制御設備とは独立に施設すること。
制御材は、運転時における圧力、温度及び放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
制御材を駆動する設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
試験研究用等原子炉の特性に適合した速度で制御材を駆動しうるものであること。
制御材を駆動するための動力の供給が停止した場合に、制御材が反応度を増加させる方向に動かないものであること。
制御棒の落下その他の衝撃により燃料体、制御棒その他の設備を損壊することがないものであること。
試験研究用等原子炉を船舶に設置する場合にあつては、当該船舶が沈没した場合においても、制御棒を挿入した状態で保持できるものであること。
第39条
【原子炉格納施設】
原子炉格納施設は、第28条の2第1項第1号から第3号までに定めるところによるほか、次に掲げるところにより施設しなければならない。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に生じる原子炉格納容器内の圧力及び温度の上昇により原子炉格納施設の安全に支障が生じることを防止するため、原子炉格納容器内において発生した熱を除去する設備(以下「格納容器熱除去設備」という。)を施設すること。
格納容器熱除去設備は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に生じる原子炉格納容器内の圧力及び温度につき想定される最も厳しい条件の下においても機能が損なわれないものであること。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に生じる水素及び酸素により原子炉格納施設の安全に支障が生じるおそれがある場合は、当該水素及び酸素の濃度を低下させる設備を施設すること。
試験研究用等原子炉を船舶に設置する場合にあつては、原子炉格納容器には、船舶が沈没した場合に水圧により当該容器が損壊することを防止するための圧力平衡装置を施設しなければならない。
第40条
【非常用電源設備】
試験研究用等原子炉施設(船舶に施設するものを除く。)には、外部電源系統及び当該試験研究用等原子炉施設において常時使用されている発電設備からの電気の供給が停止した場合において、試験研究用等原子炉施設の安全を確保するために必要な設備の機能を維持するために、内燃機関を原動力とする発電設備又はこれと同等以上の機能を有する設備を施設しなければならない。
船舶に施設する試験研究用等原子炉施設には、主電源からの電気の供給が停止した場合において安全を確保するために必要な設備の機能を維持するために、内燃機関を原動力とする発電設備又はこれと同等以上の機能を有する設備を施設しなければならない。
試験研究用等原子炉の安全を確保する上で特に必要な設備には、無停電電源装置又はこれと同等以上の機能を有する設備を施設しなければならない。
参照条文
第41条
【準用】
第13条から第18条まで、第21条第3項第22条第24条第1項から第3項まで及び第4項本文、第25条から第27条まで並びに第28条の2第2項から第5項までの規定は、研究開発段階原子炉に係る試験研究用等原子炉施設について準用する。この場合において、第14条第3項及び第14条の2第2号中「循環」とあるのは「循環、沸騰」と、第18条中「次条第1項第4号」とあるのは「第33条第1項第4号」と、第27条中「工場又は事業所」とあるのは「工場又は事業所(原子力船を含む。)」と、第28条の2第5項中「原子炉格納施設」とあるのは「非常用炉心冷却設備に係る管、原子炉格納施設」と、「おそれがある管又は試験研究用等原子炉施設の安全を確保する上で支障がない管」とあるのは「おそれがある管」と読み替えるものとする。
第4章
ナトリウム冷却型高速炉に係る試験研究用等原子炉施設
第42条
【ナトリウム冷却型高速炉に係る試験研究用等原子炉施設】
ナトリウム冷却型高速炉に係る試験研究用等原子炉施設は、この章の規定により施設しなければならない。
参照条文
第43条
【ナトリウムの漏えいによる影響の防止】
試験研究用等原子炉施設がナトリウムの漏えいによる物理的又は化学的影響(ナトリウム及びナトリウム化合物が関与する腐食が構造物及び機器に及ぼす影響を含む。)を受けることにより、試験研究用等原子炉施設の安全に支障が生じるおそれがある場合には、その影響を抑制するための適切な措置を講じなければならない。
第44条
【炉心等】
燃料体及び反射材の材料は、運転時における圧力、温度及び放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
燃料体及び反射材は、自重、最高使用圧力その他の荷重に耐えるものであり、かつ、冷却材による炉心の冷却機能を損なうおそれがないものでなければならない。
反射材は、原子炉容器の材料が中性子照射を受けることにより著しく劣化するおそれがある場合には、これを防止できるように施設しなければならない。
燃料体及び反射材並びにこれらを支持する構造物は、冷却材の循環その他の要因により生じる振動により損傷を受けることがないように施設しなければならない。
第45条
【ナトリウムの取扱い】
ナトリウムを取り扱う機器は、ナトリウムとの共存性を考慮して適切な材料を使用しなければならない。
ナトリウムを取り扱う系統は原則として密閉したものとするとともに、当該系統に属する機器のうち内部に液面を有するものは、その液面上をカバーガス(ナトリウムの自由液面部を覆うことを主たる目的とする不活性ガスをいう。以下同じ。)で覆う構造としなければならない。
放射性物質を含むナトリウムを通常運転時において系統外に排出する場合には、これを安全に廃棄しうるように施設しなければならない。
第46条
【カバーガスの取扱い】
カバーガスは、ナトリウムに対して化学的に安定な性質を有し、かつ、運転時における放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
カバーガスを取り扱う系統には、圧力が過度に上昇することを防止しうる設備を施設しなければならない。
放射性物質を含むカバーガスを通常運転時において系統外に排出する場合には、これを安全に廃棄しうるように施設しなければならない。
第47条
【冷却設備等】
試験研究用等原子炉施設には、次に掲げる設備を施設しなければならない。
原子炉容器内において発生した熱を除去することができる容量の冷却材を循環させる設備
運転時における原子炉容器内の液位を調整する設備
一次冷却材及び原子炉カバーガス(カバーガスのうち、一次冷却材に係るものをいう。以下同じ。)に含まれる放射性物質及び不純物の濃度並びに二次冷却材に含まれる不純物の濃度を試験研究用等原子炉の安全に支障を及ぼさない値以下に保つ設備
一次冷却材及び二次冷却材の温度を試験研究用等原子炉の運転に支障を及ぼさない値以上に保つ設備
原子炉停止時における原子炉容器内の残留熱を除去する設備
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じたときに想定される最も厳しい条件の下において原子炉容器内において発生した熱を除去できる非常用冷却設備。ただし、第1号又は前号に掲げる設備がこれと同等以上の機能を有する場合にあつては、この限りでない。
二次冷却材と三次冷却材(二次冷却材の熱を、熱交換器により取り出すための流体をいう。)との化学反応が生じた場合に、その影響を緩和する設備
前項の設備は、冷却材の循環その他の要因により生じる振動により損傷を受けることがないように施設しなければならない。
第48条
【原子炉冷却材圧力バウンダリ等】
原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等に伴う温度の変化その他の要因による荷重の増加に耐えるものでなければならない。
原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器には、原子炉冷却材圧力バウンダリの破損が生じた場合においても冷却材の液位を必要な高さに保持するための措置を講じなければならない。
原子炉カバーガス等のバウンダリ(ナトリウム冷却型高速炉の通常運転時に原子炉カバーガス又は一次冷却材を内包する部分のうち、原子炉冷却材圧力バウンダリを除いたものをいう。)を構成する機器は、試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等に伴う温度の変化による荷重の増加に耐えるものでなければならない。
第49条
【計装】
試験研究用等原子炉施設には、次に掲げる事項を計測する設備を施設しなければならない。この場合において、当該事項を直接計測することが困難な場合は、これを間接的に計測する設備をもつて替えることができる。
熱出力及び炉心における中性子束密度
炉周期
制御棒の位置
一次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質及び不純物の濃度
原子炉容器の入口及び出口における温度及び流量
原子炉容器内及び主要な機器内における液位
二次冷却材に関する次の事項
含有する放射性物質及び不純物の濃度
一次冷却材の熱を取り出す熱交換器の入口における温度及び流量
主要な機器内における液位
原子炉カバーガスに関する次の事項
含有する放射性物質の濃度
圧力
第50条
【制御設備等】
制御設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
制御棒を用いるものであること。
運転時において、一本の制御棒が固着した場合においても、燃料の許容設計限界を超えることなく試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができ、かつ、想定される最も低い温度で試験研究用等原子炉を臨界未満に維持できるものであること。
試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等が生じた場合において、一本の制御棒が固着した場合においても、速やかに試験研究用等原子炉を臨界未満にすることができ、かつ、想定される最も低い温度で試験研究用等原子炉を臨界未満に維持できるものであること。
通常運転時において、燃料の許容設計限界を超えることがないように反応度を制御できるものであること。
非常用制御設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
通常運転時において、燃料の許容設計限界を超えることなく高温状態で試験研究用等原子炉を臨界未満にできるものであること。
制御設備とは独立に施設すること。
制御棒は、運転時における圧力、温度及び放射線につき想定される最も厳しい条件の下において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
制御棒を駆動する設備は、次に掲げるところにより施設しなければならない。
試験研究用等原子炉の特性に適合した速度で制御棒を駆動しうるものであること。
制御棒を駆動するための動力の供給が停止した場合に、制御棒が反応度を増加させる方向に動かないものであること。
制御棒の落下その他の衝撃により燃料体、制御棒その他の設備を損壊することがないものであること。
第51条
【準用】
第13条第15条から第17条まで、第21条第3項第22条第24条から第27条まで、第28条の2第1項同項第4号を除く。)から第5項まで、第30条第36条並びに第40条第1項及び第3項の規定は、ナトリウム冷却型高速炉に係る試験研究用等原子炉施設について準用する。この場合において、第28条の2第4項中「おそれがないもの(一次冷却設備に係る設備に接続するもの並びに原子炉格納容器の内側及び外側に開口部があるものを除く。)及び試験研究用等原子炉施設の故障、損壊等の際に構造上内部に液体が滞留することにより原子炉格納容器内の放射性物質が外部へ漏えいするおそれがないもの」とあるのは「おそれがないもの(一次冷却設備に係る設備に接続するもの並びに原子炉格納容器の内側及び外側に開口部があるものを除く。)」と、第40条第1項中「試験研究用等原子炉施設(船舶に施設するものを除く。)」とあるのは「試験研究用等原子炉施設」と読み替えるものとする。
附則
この命令は、公布の日から施行する。
附則
昭和63年7月26日
この府令は、昭和六十四年四月一日から施行する。
附則
平成2年12月17日
この府令は、公布の日から施行する。
附則
平成4年3月26日
第1条
(施行期日)
この府令は、公布の日から施行する。
附則
平成12年10月20日
この府令は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附則
平成12年12月15日
この府令は、公布の日から施行する。ただし、第二条の規定は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附則
平成24年9月14日
この省令は、原子力規制委員会設置法の施行の日(平成二十四年九月十九日)から施行する。
附則
平成25年6月28日
第1条
(施行期日)
この規則は、原子力規制委員会設置法(以下「設置法」という。)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(平成二十五年七月八日)から施行する。

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