• 警衛要則

警衛要則

平成6年6月24日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この規則は、天皇の行幸、皇后、皇太后、皇太子及び皇太子妃の行啓並びにその他の皇族のお成りの場合の警衛に関し必要な基本的事項を定め、もってその適正な実施を図ることを目的とする。
第2条
【警衛の本旨】
警衛は、天皇及び皇族の御身辺の安全を確保するとともに、歓送迎者の雑踏等による事故を防止することを本旨とする。
警衛の実施に当たっては、諸般の情勢を総合的に判断し、形式にとらわれることなく、効果的、かつ、皇室と国民との間の親和を妨げることのないようにしなければならない。
第3条
【警衛の主体】
警衛は、都道府県警察が実施する。
御身辺の直近の護衛及び御用邸内の警備は、前項の規定にかかわらず、原則として皇宮警察が担当する。
皇宮警察及び都道府県警察は、警衛を実施するに当たり、緊密な連絡を保ち、相互に協力しなければならない。
第4条
【情報の収集】
皇宮警察本部長並びに警視総監、道府県警察本部長及び方面本部長(以下「警察本部長等」という。)は、常に、治安情勢及び警衛に関連する情勢に留意し、警衛上必要な情報の収集に努めなければならない。
皇宮警察本部長及び警察本部長等は、前項の情報のうち重要なものについて、速やかに、警察庁長官(以下「長官」という。)及び管区警察局長(皇宮警察本部長、警視総監及び道警察本部長にあっては長官、方面本部長にあっては長官及び道警察本部長。以下同じ。)に報告するとともに、皇宮警察本部長、関係管区警察局長及び関係警察本部長に通報しなければならない。
第2章
警衛員
第5条
【警衛員の心構え】
警衛に従事する者を警衛員とする。
警衛員は、その職責の重要性を自覚し、おう盛な士気と周到な注意力を持ち、一致協力し、全力を挙げて任務を遂行しなければならない。
警衛員は、突発事案の発生に際しては、冷静沈着かつ迅速的確に対処し、御身辺の安全を確保しなければならない。
警衛員は、品位の保持に努めるとともに、歓送迎者等に対し、親切な接遇をするよう心掛けなければならない。
第6条
【随従員】
随従員は、行幸啓に随従して警衛に当たるものとし、行幸の場合は次に掲げる者、行啓の場合は長官が定める者をもって充てる。
長官又は長官が指定する者
警察庁の警衛主管課長又は警衛室長
皇宮警察本部長
警視総監又は警視庁の警衛主管部長
行幸先(お召自動車の御通過地を含む。)の道府県の警察本部長及び方面本部長
警視総監又は道府県警察本部長は、前項の規定にかかわらず、長官の承認を得て同項第4号又は第5号に掲げる者に代えて都道府県警察又は方面本部の上級の職員に随従の全部又は一部を行わせることができる。
関東管区警察局の管轄区域内への恒例的な行幸については、第1項の規定にかかわらず、同項第1号及び第2号に掲げる者の代理者として関東管区警察局長又は同管区警察局の上級の職員が随従することができる。
都の区域における行幸については、第1項第1号から第3号までに掲げる者は、特に必要がある場合を除き、随従しないものとする。
御用邸又はお泊所に継続的に御滞在になる場合の行幸については、特に必要がある場合を除き、御滞在中の随従は行わないものとする。
第3章
 警衛の実施
第7条
【行幸啓又はお成りの内報】
皇宮警察本部長及び警察本部長等は、行幸啓又はお成りの内報を受けた場合は、速やかに、これを長官及び管区警察局長に報告するとともに、皇宮警察本部長、関係管区警察局長及び関係警察本部長等に通報するものとする。
参照条文
第8条
【関係機関との連絡】
皇宮警察及び都道府県警察は、警衛を実施するに当たり、宮内庁、海上保安庁、都道府県、市町村、運輸機関、施設管理者等(以下「関係機関」という。)と緊密な連絡を保たなければならない。
第9条
【実地踏査】
第7条の内報又は通報を受けた警察本部長等は、速やかに、当該行幸啓先又はお成り先、御順路等について実地踏査を行い、警衛上の支障の有無その他参考となる事項を長官及び管区警察局長に報告するとともに、関係機関に対し、必要な意見を申し入れるものとする。
第10条
【警衛準備計画及び警衛準備本部】
行幸啓先の都道府県の警察本部長等は、警衛準備業務を総合的かつ効果的に推進するため、警衛準備計画を作成するとともに、警衛準備本部を設置するものとする。ただし、都の区域における行幸啓及び恒例的な行幸啓については、これを省略することができる。
第11条
【警衛実施計画】
警察本部長、警察本部長等及び警察署長は、警衛の実施に関し、警衛実施計画を作成するものとする。
第12条
【警衛実施本部】
警察本部長等及び警察署長は、行幸啓の警衛を実施するに際し、それぞれの管轄区域内の警衛全般を統括し、関係機関と緊密な連絡を取るため、警視庁、道府県警察本部、方面本部及び警察署にそれぞれ警衛実施本部を設置するものとする。
お成りの場合については、特に必要がある場合に限り、警衛実施本部を設置するものとする。
第13条
【事前調査】
警察庁は、行幸啓先(お召自動車の御通過地を含む。)又はお成り先(御乗用自動車の御通過地を含む。)を管轄する都道府県警察が実施する警衛について必要な指導を行うため、警衛の事前調査を行うものとする。ただし、都の区域における行幸啓、恒例的な行幸啓及びお成りの場合の警衛の事前調査については、特に必要がある場合を除き、行わないものとする。
宮内庁の行う事前調査には、必要により警察庁、皇宮警察、管区警察局又は都道府県警察の係官が立ち会うものとする。
第14条
【教養訓練】
警察本部長等は、警衛員に対し、あらかじめ、警衛の実施に必要な事項について、教養訓練を行わなければならない。
第15条
【事前措置】
本部長等は、一般治安情勢、管内の特殊事情等を考慮し、警衛情報の収集、危険物対策等警衛の実施に必要な事前措置を講ずるものとする。
第16条
【警衛の引継ぎ等に関する協議等】
警衛が二以上の都道府県警察の管轄区域にわたる場合においては、関係都道府県警察は、あらかじめ、警衛の引継ぎ、警衛員の管轄区域外における職権行使等について協議し、必要な事項を定めておくものとする。
前項の場合において、突発事案の発生に伴う混乱を回避し、その他警衛員の活動の一体性を確保することが必要であると認められるときは、関係警察本部長(関係都道府県警察の警視総監又は警察本部長をいう。)は、警察法次項において「法」という。)第61条の2第1項の規定に基づき、関係都道府県警察の一の警察官に指揮を行わせるものとする。
前項の一の警察官の任務その他同項の指揮に関し必要な事項は、法第61条の2第1項の規定により相互に協議して定めるものとするほか、警衛実施計画に定めるものとする。
第1項の場合において、警察庁及び管区警察局は、必要により調整を行うものとする。
関係都道府県警察は、第1項の場合に係る警衛の実施に当たっては、相互に緊密な連携を図らなければならない。
第17条
【報告】
皇宮警察本部長及び警察本部長等は、警衛実施計画、警衛実施状況の概要、特異事案その他必要な事項について、長官及び管区警察局長に報告するものとする。
第4章
雑則
第18条
【軽易な御視察等の場合の警衛】
軽易な御視察等の場合の警衛は、その都度関係者と協議して定めるところにより、努めて目立たないように実施するものとする。この場合においては、警衛の一部を省略することができる。
第19条
【訓令への委任】
この規則に特別の定めがあるもののほか、この規則の実施のため必要な事項は、長官が定める。
附則
この規則は、昭和五十四年三月一日から施行する。
警衛規則は、廃止する。
附則
昭和58年4月5日
この規則は、昭和五十八年四月五日から施行する。
附則
平成5年4月23日
この規則は、平成五年四月二十三日から施行する。
附則
平成6年6月24日
この規則は、平成六年六月二十四日から施行する。

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