船員電離放射線障害防止規則
平成15年12月22日 改正
第3条
【定義】
2
この省令において、「放射性物質」とは、放射線を放出する同位元素(以下「放射性同位元素」という。)、その化合物及びこれらの含有物であつて、次の各号のいずれかに該当するもの(固体のものでその濃度が七十四ベクレル毎グラム以下のもの及び密封されたものでその数量が三・七メガベクレル以下のものを除く。)をいう。
①
放射性同位元素が一種類のものにあつては、次の表の上欄に掲げる種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる数量を超えるもの
種類 | 数量 |
ストロンチウム九十又はアルファ線を放出する同位元素(トリウム及びウランを除く。) | 三・七キロベクレル |
物理的半減期が三十日を超える放射性同位元素(トリチウム、ベリリウム七、炭素十四、硫黄三十五、鉄五十五、鉄五十九、ストロンチウム九十及びアルファ線を放出するものを除く。) | 三十七キロベクレル |
物理的半減期が三十日以下の放射性同位元素(弗素十八、クロム五十一、ゲルマニウム七十一、タリウム二百一及びアルファ線を放出するものを除く。)、硫黄三十五、鉄五十五又は鉄五十九 | 三百七十キロベクレル |
トリチウム、ベリリウム七、炭素十四、弗素十八、クロム五十一、ゲルマニウム七十一、タリウム二百一、トリウム又はウラン | 三・七メガベクレル |
第4条
【管理区域の明示】
1
5
船舶所有者は、管理区域内の見やすい場所に、第12条第3項に規定する放射線測定器の装着に関する注意事項、放射性物質の取扱い上の注意事項、事故が発生した場合の応急措置等船員の放射線による障害の防止に必要な事項を掲示しなければならない。
第5条
【線量当量率等の測定】
1
船舶所有者は、管理区域の外部放射線による線量当量率及び空気中の放射性物質の濃度を、一月以内(第3条第3項第1号の放射線業務に係る管理区域については一週間以内、使用の方法及び遮へい物の位置が一定しており、かつ、固定して使用する放射線装置(エックス線装置及び放射性物質装備機器をいう。以下同じ。)又は装備している放射性物質の数量が三・七ギガベクレル以下である放射性物質装備機器に係る管理区域については六月以内)ごとに一回、放射線測定器を用いて測定し、その都度次の事項を記録し、これを五年間保存しなければならない。
第6条
【放射線業務従事者の線量の限度】
1
船舶所有者は、管理区域内において放射線業務に従事する船員(以下「放射線業務従事者」という。)の受ける実効線量(男子並びに妊娠不能と診断された女子及び妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た女子にあつては、第38条第1項第3号に掲げる線量に係る実効線量を除く。)が五年間につき百ミリシーベルトを超えないようにし、かつ、一年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。
2
船舶所有者は、女子の放射線業務従事者(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た者を除く。)の受ける実効線量については、三月間につき五ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。
3
船舶所有者は、前項の規定にかかわらず、女子の放射線業務従事者の申出等により妊娠の事実を知ることとなつた時から出産までの間(以下「妊娠中」という。)にあつては、当該放射線業務従事者の受ける実効線量については、汚染された空気を吸入することにより被ばくすること(以下「内部被ばく」という。)について、一ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。
第9条
【一般船員の線量の限度】
船舶所有者は、放射線業務船に乗り組む船員であつて放射線業務従事者以外の者(以下「一般船員」という。)の受ける線量(第38条第1項第3号に掲げる線量を除く。)が一年間につき次に掲げる値を超えないようにしなければならない。
⊟
参照条文
第10条
【緊急作業時における線量の限度】
1
⊟
参照条文
第12条
【線量の測定】
3
第1項に規定する外部被ばくによる線量の測定は、胸部(女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た者を除く。)にあつては腹部)及び次の各号に掲げる場合にあつては当該部位に、フィルムバッジ、ポケット線量計等の放射線測定器を装着させることにより行うものとする。ただし、放射線測定器を用いて当該線量を測定することが著しく困難な場合には、線量当量率を測定できる放射線測定器によりその値を算出し、これが著しく困難な場合には、計算によりその値を算出することができる。
①
頭部及びけい部、胸部及び上腕部並びに腹部及び大たい部(次号において「体幹部」という。)のうち、被ばくする線量が最大となるおそれのある部位が胸部及び上腕部以外(女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た者を除く。)にあつては腹部及び大たい部以外)の部位であるときは、当該部位
4
第1項に規定する内部被ばくによる線量の測定は、国土交通大臣が告示で定める方法により、放射線業務従事者については三月(一月に受ける実効線量が一・七ミリシーベルトを超えるおそれのある女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た者を除く。)及び妊娠中の女子については、一月)に一回、管理区域に立ち入る一般船員については三月(女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た者を除く。)にあつては、一月)に一回、緊急作業に従事する船員については当該作業に従事した後速やかに行うものとする。
第13条
【線量の測定結果の確認及び記録】
2
船舶所有者は、前条の規定による測定又は計算の結果に基づき、遅滞なく、次に掲げる放射線業務従事者の受けた線量を国土交通大臣が告示で定める方法により算出し、その都度記録するとともに、算出の結果を当該船員に知らせなければならない。
①
男子又は妊娠不能と診断された女子若しくは妊娠の意思のない旨を船舶所有者に書面で申し出た女子の実効線量の三月ごとの合計及び一年ごとの合計(一年間の実効線量が二十ミリシーベルトを超えた者にあつては、当該一年間を含む五年ごとの合計)
⊟
参照条文
第15条
【放射線装置室】
第18条
【撮影時の措置】
船舶所有者は、胸部集検用間接撮影エックス線装置又は胸部集検用間接撮影エックス線装置以外のエックス線装置を用いて撮影を行う場合には、前条に規定する措置を講ずるほか、国土交通大臣が告示で定める措置を講ずるものとする。
第22条
【放射性物質取扱作業室】
1
船舶所有者は、放射性物質を取り扱う作業を行なう場合には、専用に設けられた作業室において行なわなければならない。ただし、密封された放射性物質を、作業を行なう場所の周辺に必要のない者を立ち入らせないようにすることその他船員の放射線による障害を防止するための措置を講じて取り扱う場合には、この限りでない。
⊟
参照条文
第25条
【飛来防止用具等】
船舶所有者は、放射性物質を取り扱うことにより放射性物質の飛沫又は粉末が飛来するおそれがある場合には、船員とその放射性物質との間に、板、幕その他これに類する物を使用することによりその飛沫又は粉末が船員の身体又は衣服、はきもの、作業衣、保護具その他の身体に装着している物(以下「装具」という。)に附着しないようにしなければならない。ただし、板、幕その他これに類するものを使用することが作業の性質上著しく困難な場合において、当該作業に従事する船員に第33条に規定する保護具を使用させるときは、この限りでない。
第27条
【放射性物質がこぼれたとき等の措置】
1
船舶所有者は、粉状又は液状の放射性物質がこぼれる等により汚染が生じた場合には、直ちに、その汚染の拡大を防止する措置を講じ、かつ、汚染のおそれがある区域を標識により明示し、当該区域に必要のない者を立ち入らせないようにしなければならない。
第31条
【持出し物品の汚染検査】
2
船舶所有者及び船員は、前項の規定による検査により当該物品が表面汚染限度の十分の一を超えて汚染されていると認められる場合には、その物品を持ち出してはならない。ただし、危険物船舶運送及び貯蔵規則第80条に規定する放射性輸送物とし、又は当該放射性輸送物とすることが著しく困難なものについて外部放射線を遮へいするため若しくは汚染の拡大を防止するための有効な措置を講じて、汚染を除去するための施設、放射性物質若しくは汚染された物を貯蔵するための施設又は他の放射性物質取扱作業室まで運搬する場合には、この限りでない。
第32条
【保護具】
船舶所有者は、第27条第1項の規定により明示した区域内の作業又は緊急作業であつて、空気中濃度限度を超えて汚染された空気を吸入するおそれがあるものに船員を従事させる場合には、その汚染の程度に応じて防じんマスク、防毒マスク、ホースマスク、酸素呼吸器等の有効な呼吸用保護具をその作業に従事する船員に使用させなければならない。
第33条
第35条
【保護具等の汚染除去】
船舶所有者は、前三条の規定により船員に使用させる保護具又は作業衣が表面汚染限度(保護具又は作業衣の船員に接触する部分にあつては、その限度の十分の一。以下この条において同じ。)を超えて汚染されていると認められる場合には、あらかじめ洗浄等により表面汚染限度以下になるまで汚染を除去しなければ、船員に使用させてはならない。
⊟
参照条文
第35条の2
【飲食等の禁止】
第36条
【退避】
第39条
【健康診断】
1
3
船舶所有者は、第1項の健康診断の際に、当該船員が前回の健康診断後に受けた線量(これを計算によつても算出することができない場合にはこれを推定するために必要な資料、その資料がない場合には放射線を受けた状況を知るために必要な資料)を医師に示さなければならない。
⊟
参照条文
第45条
【放射線測定器等の備付け】
船舶所有者は、この省令に規定する義務を遂行するために必要な放射線測定器及び放射線による障害を防止するために必要な保護具(他の法令の規定により備えなければならないものを除く。)を、放射線業務船に備えなければならない。
⊟
参照条文
第49条
【報告】
1
⊟
参照条文
附則
昭和59年6月22日
第2条
(経過措置)
この省令の施行前に次の表の上欄に掲げる行政庁が法律若しくはこれに基づく命令の規定によりした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下「処分等」という。)は、同表の下欄に掲げるそれぞれの行政庁がした処分等とみなし、この省令の施行前に同表の上欄に掲げる行政庁に対してした申請、届出その他の行為(以下「申請等」という。)は、同表の下欄に掲げるそれぞれの行政庁に対してした申請等とみなす。北海海運局長北海道運輸局長東北海運局長(山形県又は秋田県の区域に係る処分等又は申請等に係る場合を除く。)東北運輸局長東北海運局長(山形県又は秋田県の区域に係る処分等又は申請等に係る場合に限る。)及び新潟海運監理部長新潟運輸局長関東海運局長関東運輸局長東海海運局長中部運輸局長近畿海運局長近畿運輸局長中国海運局長中国運輸局長四国海運局長四国運輸局長九州海運局長九州運輸局長神戸海運局長神戸海運監理部長札幌陸運局長北海道運輸局長仙台陸運局長東北運輸局長新潟陸運局長新潟運輸局長東京陸運局長関東運輸局長名古屋陸運局長中部運輸局長大阪陸運局長近畿運輸局長広島陸運局長中国運輸局長高松陸運局長四国運輸局長福岡陸運局長九州運輸局長