• 特定目的信託財産の計算に関する規則

特定目的信託財産の計算に関する規則

平成23年11月16日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この府令は、資産の流動化に関する法律(以下「法」という。)の規定により委任された特定目的信託財産の計算に関する事項その他の事項について、必要な事項を定めることを目的とする。
第2条
【定義】
この府令において「特定資産」、「資産の流動化」、「特定目的信託」、「資産信託流動化計画」、「受益証券」、「受託信託会社等」、「代表権利者」、「特定信託管理者」、「特定目的信託契約」、「原委託者」、「元本持分」、「利益持分」又は「社債的受益権」とは、それぞれ法第2条第223条第224条第226条又は第230条に規定する特定資産、資産の流動化、特定目的信託、資産信託流動化計画、受益証券、受託信託会社等、代表権利者、特定信託管理者、特定目的信託契約、原委託者、元本持分、利益持分又は社債的受益権をいう。
この府令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
税効果会計 貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等(法人税、住民税及び事業税(利益に関連する金額を課税標準として課される事業税をいう。)をいう。以下同じ。)の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。
資産除去債務 有形固定資産(特定資産の部に表示される資産であってこれに相当するものを含む。以下この号において同じ。)の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じる当該有形固定資産の除去に関する法律上の義務及びこれに準ずるものをいう。
会計方針 計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下同じ。)の作成に当たって採用する会計処理の原則及び手続をいう。
遡及適用 新たな会計方針を当該計算期間より前の計算期間に係る計算書類に遡って適用したと仮定して会計処理をすることをいう。
表示方法 計算書類の作成に当たって採用する表示の方法をいう。
会計上の見積り 計算書類に表示すべき項目の金額に不確実性がある場合において、計算書類の作成時に入手可能な情報に基づき、それらの合理的な金額を算定することをいう。
会計上の見積りの変更 新たに入手可能となった情報に基づき、当該計算期間より前の計算期間に係る計算書類の作成に当たってした会計上の見積りを変更することをいう。
誤謬 意図的であるかどうかにかかわらず、計算書類の作成時に入手可能な情報を使用しなかったこと又は誤って使用したことにより生じた誤りをいう。
誤謬の訂正 当該計算期間より前の計算期間に係る計算書類における誤謬を訂正したと仮定して計算書類を作成することをいう。
金融商品 金融資産(金銭債権、有価証券及びデリバティブ取引(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第14項に規定するデリバティブ取引をいう。以下この号において同じ。)により生じる債権(これらに準ずるものを含む。)をいう。)及び金融負債(金銭債務及びデリバティブ取引により生じる債務(これらに準ずるものを含む。)をいう。)をいう。
賃貸等不動産 たな卸資産に分類される不動産以外の不動産であって、賃貸又は譲渡による収益又は利益を目的として所有する不動産をいう。
第3条
【信託帳簿等の作成】
信託法第37条第1項の規定による信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録(以下この条及び第6条において「信託帳簿」という。)の作成又は電磁的記録の作成は、この条の定めるところによる。
信託帳簿は、一の書面その他の資料として作成することを要せず、他の目的で作成された書類又は電磁的記録をもって信託帳簿とすることができる。
第4条
【会計慣行のしん酌】
この府令の用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならない。
第5条
【資産の評価】
資産については、信託帳簿に信託価額を付さなければならない。
償却すべき資産については、計算期間の末日(計算期間の末日以外の日において評価すべき場合にあっては、その日。以下この条において同じ。)において、相当の償却をしなければならない。
次の各号に掲げる資産については、計算期間の末日において当該各号に定める価格を付すべき場合には、当該各号に定める価格を付さなければならない。
計算期間の末日における時価がその時の信託価額より著しく低い資産(当該資産の時価がその時の信託価額まで回復すると認められるものを除く。) 計算期間の末日における時価
計算期間の末日において予測することができない減損が生じた資産又は減損損失を認識すべき資産 その時の信託価額から相当の減額をした額
取立不能のおそれのある債権については、計算期間の末日においてその時に取り立てることができないと見込まれる額を控除しなければならない。
債権については、その信託価額が債権金額と異なる場合その他相当の理由がある場合には、適正な価格を付すことができる。
次に掲げる資産については、計算期間の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。
計算期間の末日における時価がその時の信託価額より低い資産
市場価格のある資産(満期保有目的の債券(満期まで所有する意図をもって保有する債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)をいう。)を除く。)
前二号に掲げる資産のほか、計算期間の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な資産
参照条文
第6条
【負債の評価】
負債については、信託帳簿に債務額を付さなければならない。
次に掲げる負債については、計算期間の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。
将来の費用又は損失(収益の控除を含む。以下この号において同じ。)の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該計算期間の負担に属する金額を費用又は損失として繰り入れることにより計上すべき引当金
前号に掲げる負債のほか、計算期間の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な負債
参照条文
第7条
【重要な会計方針に係る事項に関する注記】
会計方針に関する次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
資産の評価基準及び評価方法
固定資産の減価償却の方法
引当金の計上基準
収益及び費用の計上基準
第7条の2
【会計方針の変更に関する注記】
一般に公正妥当と認められる会計方針を他の一般に公正妥当と認められる会計方針に変更した場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
当該会計方針の変更の内容
当該会計方針の変更の理由
遡及適用をした場合には、当該計算期間の期首における元本等に対する影響額
当該計算期間より前の計算期間の全部又は一部について遡及適用をしなかった場合には、計算書類の主な項目に対する影響額
第7条の3
【表示方法の変更に関する注記】
一般に公正妥当と認められる表示方法を他の一般に公正妥当と認められる表示方法に変更した場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
当該表示方法の変更の内容
当該表示方法の変更の理由
第7条の4
【会計上の見積りの変更に関する注記】
会計上の見積りの変更をした場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
当該会計上の見積りの変更の内容
当該会計上の見積りの変更の計算書類の項目に対する影響額
当該会計上の見積りの変更が当該計算期間の翌計算期間以降の財産又は損益に影響を及ぼす可能性があるときは、当該影響に関する事項
第7条の5
【誤謬の訂正に関する注記】
誤謬の訂正をした場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
当該誤謬の内容
当該計算期間の期首における元本等に対する影響額
第8条
【重要な後発事象に関する注記】
当該特定目的信託財産の計算期間の末日後、当該特定目的信託財産の翌計算期間以降の財産又は損益に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合における当該事象は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
第8条の2
【金融商品に関する注記】
金融商品に関する次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
金融商品の状況に関する事項
金融商品の時価に関する事項
第8条の3
【賃貸等不動産に関する注記】
賃貸等不動産に関する次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
賃貸等不動産の状況に関する事項
賃貸等不動産の時価に関する事項
第9条
【関連当事者との取引に関する注記】
当該特定目的信託財産と関連当事者との間に取引がある場合における次に掲げる事項であって重要なものは、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
当該関連当事者に関する次に掲げる事項
その名称(当該関連当事者が個人であるときは、その氏名)
当該特定目的信託財産と当該関連当事者との関係
取引の内容
取引の種類別の取引金額
取引条件及び取引条件の決定方針
取引により発生した債権又は債務に係る主な項目別の当該計算期間の末日における残高
取引条件の変更があったときは、その旨、変更の内容及び当該変更が計算書類に与えている影響の内容
関連当事者との間の取引のうち次に掲げる取引については、前項に規定する注記を要しない。
一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当金の受取りその他取引の性質からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
当該特定目的信託の受託信託会社等に対する信託報酬(法第282条第1項に規定する報酬をいう。以下同じ。)の給付
当該特定目的信託の代表権利者又は特定信託管理者に対する報酬(法第258条法第260条第5項において準用する場合を含む。)に規定する報酬をいう。)の給付
前三号に掲げる取引のほか、当該取引に係る条件につき市場価格その他当該取引に係る公正な価格を勘案して一般の取引の条件と同様のものを決定していることが明白な場合における当該取引
関連当事者との取引に関する注記は、第1項各号に掲げる区分に従い、関連当事者ごとに表示しなければならない。
前三項に規定する「関連当事者」とは、次に掲げる者をいう。
当該特定目的信託の受託信託会社等
当該特定目的信託の受託信託会社等の親会社(会社法第2条に規定する親会社をいう。以下この項において同じ。)
当該特定目的信託の受託信託会社等の子会社(当該受託信託会社等が会社(会社法第2条に規定する会社をいう。以下この項において同じ。)である場合にあっては子会社(会社法第2条に規定する子会社をいう。以下この項において同じ。)をいい、当該受託信託会社等が会社でない場合にあっては子会社に相当するものをいう。)
当該特定目的信託の受託信託会社等の親会社の子会社(当該親会社が会社でない場合における当該親会社の子会社に相当するものを含む。)
当該特定目的信託の受託信託会社等の関連会社(会社等(会社(外国会社(会社法第2条に規定する外国会社をいう。)、組合(外国における組合に相当するものを含む。)その他これらに準ずる事業体をいう。以下この項において同じ。)が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該他の会社等(子会社を除く。)をいう。以下この項において同じ。)及び当該関連会社の子会社(当該関連会社が会社でない場合における子会社に相当するものを含む。)
当該特定目的信託の受託信託会社等のその他の関係会社(当該受託信託会社等が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社をいう。以下この項において同じ。)並びに当該その他の関係会社の親会社(当該その他の関係会社が株式会社でない場合における親会社に相当するものを含む。)及び子会社(当該その他の関係会社が会社でない場合における子会社に相当するものを含む。)
当該特定目的信託の受託信託会社等の主要株主(自己又は他人の名義をもって当該受託信託会社等の総株主又は総出資者の議決権の総数の百分の十以上の議決権(次に掲げる株式(出資を含む。以下この号において同じ。)に係る議決権を除く。)を保有している株主又は出資者をいう。)及びその近親者(二親等内の親族をいう。以下この項において同じ。)
信託業を営む者が信託財産として所有する株式
金融商品取引業(金融商品取引法第2条第8項に規定する金融商品取引業をいう。以下同じ。)を行う者が引受け又は売出しを行う業務により取得した株式
金融商品取引法第156条の24第1項に規定する業務を行う者がその業務として所有する株式
当該特定目的信託の受託信託会社等の役員(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者をいう。)及びその近親者
前二号に掲げる者が他の会社等の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合における当該会社等及び当該会社等の子会社(当該会社等が会社でない場合における子会社に相当するものを含む。)
当該特定目的信託の代表権利者又は特定信託管理者及びそれらの近親者
第10条
【注記の表示方法】
貸借対照表又は損益計算書に表示すべき注記は、貸借対照表又は損益計算書の末尾に表示しなければならない。ただし、他の適当な箇所に表示することを妨げない。
特定の項目に関連する注記については、その関連が明らかになるように表示しなければならない。
第11条
【追加情報の注記】
この府令に定めるもののほか、貸借対照表又は損益計算書により特定目的信託の財産及び損益の状態を正確に判断するために必要な事項は、貸借対照表又は損益計算書に注記しなければならない。
第12条
【表示の原則】
貸借対照表、損益計算書及び信託財産の管理及び運用に係る報告書並びにこれらの附属明細書(以下「計算関係書類」という。)に表示すべき金額は、一円単位又は千円単位をもって表示するものとする。
計算関係書類は、日本語をもって表示するものとする。ただし、その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない。
第2章
貸借対照表
第13条
【貸借対照表の区分】
貸借対照表は次に掲げる部に区分して表示しなければならない。
資産
負債
元本等
資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付さなければならない。
第14条
【資産の部の区分】
資産の部は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。
特定資産
その他の資産
第15条
【特定資産の部】
特定資産は、特定資産の部に表示しなければならない。
特定資産の部は、適当な項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。
法第226条第1項第2号の規定により資産信託流動化計画に表示すべき特定資産の価額は、注記しなければならない。
第16条
【その他の資産の部】
特定資産以外の資産(信託期間中における特定資産の管理又は処分により得られる利益を含む。)は、その他の資産の部に表示しなければならない。ただし、法第266条の規定により特定資産とすることとされた利益については、この限りでない。
その他の資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
流動資産
固定資産
繰延資産
固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
有形固定資産
無形固定資産
投資その他の資産
前二項の各項目は、現金及び預金、受取手形、建物その他のその他の資産の部に表示すべき資産の性質を示す適当な名称を付した項目に細分しなければならない。
第17条
【資産の内容】
次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
次に掲げる資産 流動資産
現金及び預金(一年内(計算期間の末日から起算して一年以内の日をいう。以下同じ。)に期限の到来しない預金を除く。)
受取手形(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものを除く。)
事業未収入金(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものを除く。)
売買目的有価証券(時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。以下同じ。)及び一年内に満期の到来する有価証券
商品(販売の目的をもって所有する土地、建物その他の不動産を含む。)
製品、副産物及び作業くず
半製品
原料及び材料
仕掛品及び半成工事
消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの
前渡金(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該前渡金を除く。)
前払費用であって、一年内に費用となるべきもの
未収収益
次に掲げる繰延税金資産
(1)
流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金資産
(2)
特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産であって、一年内に取り崩されると認められるもの
その他の資産であって、一年内に現金化することができると認められるもの
次に掲げる資産 有形固定資産
建物及び暖房、照明、通風等の付属設備
構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。)
機械及び装置並びにホイスト、コンベヤー、起重機等の搬送設備その他の付属設備
船舶及び水上運搬具
鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具
工具、器具及び備品(耐用年数が一年以上のものに限る。)
土地
建設仮勘定(イからトまでに掲げる資産で事業の用に供するものを建設した場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。)
その他の有形資産であって、有形固定資産に属する資産とすべきもの
次に掲げる資産 無形固定資産
特許権
借地権(地上権を含む。)
商標権
実用新案権
意匠権
鉱業権
漁業権(入漁権を含む。)
ソフトウエア
その他の無形資産であって、無形固定資産に属する資産とすべきもの
次に掲げる資産 投資その他の資産
流動資産に属しない有価証券
出資金
長期貸付金
次に掲げる繰延税金資産
(1)
有形固定資産、無形固定資産若しくは投資その他の資産に属する資産又は固定負債に属する負債に関連する繰延税金資産
(2)
特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産であって、一年内に取り崩されると認められないもの
その他の資産であって、投資その他の資産に属する資産とすべきもの
その他の資産であって、流動資産、有形固定資産、無形固定資産又は繰延資産に属しないもの
繰延資産として計上することが適当であると認められるもの 繰延資産
第18条
【貸倒引当金等の表示】
各資産に係る引当金は、次項の規定による場合のほか、当該各資産の項目に対する控除項目として、貸倒引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した項目をもって表示しなければならない。ただし、流動資産、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産又は繰延資産の区分に応じ、これらの資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。
各資産に係る引当金は、当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の金額として表示することができる。
前項の場合においては、各資産の資産項目別の引当金の金額を注記しなければならない。ただし、一括して注記することが適当な場合にあっては、流動資産、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産又は繰延資産ごとに一括した引当金の金額を表示することを妨げない。
第19条
【有形固定資産に対する減価償却累計額の表示】
各有形固定資産に対する減価償却累計額は、次項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の項目に対する控除項目として、減価償却累計額の項目をもって表示しなければならない。ただし、これらの有形固定資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。
各有形固定資産に対する減価償却累計額は、当該各有形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示することができる。
前項の場合においては、各資産の資産項目別の減価償却累計額を注記しなければならない。ただし、一括して注記することが適当な場合にあっては、各資産について一括した減価償却累計額のみを表示することを妨げない。
参照条文
第20条
【有形固定資産に対する減損損失累計額の表示】
各有形固定資産に対する減損損失累計額は、次項及び第3項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の金額(前条第2項の規定により有形固定資産に対する減価償却累計額を当該有形固定資産の金額から直接控除しているときは、その控除後の金額)から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示しなければならない。
減価償却を行う各有形固定資産に対する減損損失累計額は、当該各有形固定資産の項目に対する控除項目として、減損損失累計額の項目をもって表示することができる。ただし、これらの有形固定資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。
前条第1項及び前項の規定により減価償却累計額及び減損損失累計額を控除項目として表示する場合には、減損損失累計額を減価償却累計額に合算して、減価償却累計額の項目をもって表示することができる。
前項の場合においては、減価償却累計額に減損損失累計額が含まれている旨を注記しなければならない。
第21条
【無形固定資産の表示】
各無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額は、当該各無形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各無形固定資産の金額として表示しなければならない。
第22条
【リースにより使用する固定資産に関する注記】
リースにより使用する固定資産に関する事項であって、ファイナンス・リース取引(リース取引のうち、リース契約に基づく期間の中途において当該リース契約を解除することができないもの又はこれに準ずるもので、リース物件(当該リース契約により使用する物件をいう。以下この条において同じ。)の借主が、当該リース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じる費用等を実質的に負担することとなるものをいう。以下この条において同じ。)の借主である受託信託会社等が当該ファイナンス・リース取引について通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行っていない場合におけるリース物件(固定資産に限る。以下この条において同じ。)に関する事項は、注記しなければならない。この場合において、当該リース物件の全部又は一部に係る次に掲げる事項(各リース物件について一括して注記する場合にあっては、一括して注記すべきリース物件に関する事項)を含めることを妨げない。
当該計算期間の末日における信託価額相当額
当該計算期間の末日における減価償却累計額相当額
当該計算期間の末日における未経過リース料相当額
前三号に掲げるもののほか、当該リース物件に係る重要な事項
第23条
【繰延資産の表示】
各繰延資産に対する償却累計額は、当該各繰延資産の金額から直接控除し、その控除残高を各繰延資産の金額として表示しなければならない。
第24条
【担保に供されている資産】
資産が担保に供されているときは、次に掲げる事項を注記しなければならない。
資産が担保に供されていること。
前号の資産の内容及びその金額
担保に係る債務の金額
第25条
【負債の部の区分】
負債の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、事業未払金、未払費用、借入金その他の負債の性質を示す適当な名称を付した項目に細分しなければならない。
流動負債
固定負債
第26条
【負債の内容】
次の各号に掲げる負債は、当該各号に定めるものに属するものとする。
次に掲げる負債 流動負債
事業未払金
前受金
引当金(資産に係る引当金及び一年内に使用されないと認められるものを除く。)
未払費用
前受収益
次に掲げる繰延税金負債
(1)
流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金負債
(2)
特定の資産又は負債に関連しない繰延税金負債であって、一年内に取り崩されると認められるもの
資産除去債務のうち、一年内に履行されると認められるもの
その他の負債であって、一年内に支払われ、又は返済されると認められるもの
次に掲げる負債 固定負債
長期借入金
引当金(資産に係る引当金及び前号ハに掲げる引当金を除く。)
次に掲げる繰延税金負債
(1)
有形固定資産、無形固定資産若しくは投資その他の資産に属する資産又は固定負債に属する負債に関連する繰延税金負債
(2)
特定の資産又は負債に関連しない繰延税金負債であって、一年内に取り崩されると認められないもの
資産除去債務のうち、前号トに掲げるもの以外のもの
その他の負債であって、流動負債に属しないもの
第27条
【重要な係争事件に係る損害賠償義務等】
重要な係争事件に係る損害賠償義務、手形遡求義務その他これらに準ずる債務(受託信託会社等が信託事務を処理するため自己に過失なくして受けた損害を含む。)は、注記しなければならない。ただし、負債の部に計上するものは、この限りでない。
参照条文
第28条
【繰延税金資産等の表示】
流動資産に属する繰延税金資産の金額及び流動負債に属する繰延税金負債の金額については、その差額のみを繰延税金資産又は繰延税金負債として流動資産又は流動負債に表示しなければならない。
固定資産に属する繰延税金資産の金額及び固定負債に属する繰延税金負債の金額については、その差額のみを繰延税金資産又は繰延税金負債として固定資産又は固定負債に表示しなければならない。
繰延税金資産(その算定に当たり繰延税金資産から控除された金額がある場合における当該金額を含む。)及び繰延税金負債がある場合には、重要でないものを除き、その発生の主な原因を注記しなければならない。
第29条
【元本等の部の区分】
元本等の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
元本
留保金
評価・換算差額等
元本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、第3号に掲げる項目については、控除項目とする。
社債的受益権
社債的受益権以外の受益権
自己受益権
前項第1号又は第2号に掲げる項目について金銭の分配を受ける方法が異なる種類の受益権を定める場合(利益持分を定める場合を含む。)には、その種類ごとに区分して表示しなければならない。
第2項第2号の項目について、当該事業年度に係る金銭の分配の額が当該事業年度終了の時における純資産価格(その有する資産の帳簿価格の合計額からその有する負債の帳簿価格の合計額を減算した金額をいう。)から元本の額を控除した金額を上回る金額がある場合には、その上回る部分の金額を受益権調整引当額として表示しなければならない。
留保金の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。
任意積立金
次期繰越利益又は次期繰越損失
前項第1号に掲げる項目は、適当な名称を付した項目に細分しなければならない。
第5項第2号に掲げる項目には、当期純利益金額又は当期純損失金額を付記しなければならない。
評価・換算差額等に係る項目は、次に掲げる項目その他適当な名称を付した項目に細分しなければならない。
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
参照条文
第30条
削除
第31条
削除
第32条
削除
第33条
削除
第34条
削除
第35条
削除
第36条
削除
第37条
削除
第38条
削除
第39条
削除
第40条
削除
第41条
削除
第42条
削除
第43条
削除
第44条
削除
第45条
削除
第46条
削除
第47条
削除
第48条
削除
第49条
削除
第50条
削除
第51条
削除
第52条
削除
第53条
削除
第54条
削除
第55条
【元本等の欠損の注記】
貸借対照表上の純資産額から資産につき時価を付すものとした場合(第5条第3項及び第6項第1号の場合を除く。)における当該資産の評価差額金(利益又は損失として計上したものを除く。)を控除した額が、元本の額を下回る場合には、その差額を注記しなければならない。
第56条
【自己の受益権に関する注記】
法第271条第3項に規定する受益権の処分の方法及び当該処分の状況は、注記しなければならない。
第57条
【未払費用等に関する注記】
未払費用又は前払費用のうち、信託財産に関して負担する費用として受託信託会社等が負担する費用、信託報酬又は信託財産の管理及び処分に係る業務を委託した場合のその費用を当該費用の性質を示す適当な名称を付して区分して表示していない場合には、当該費用に係る金額を当該費用の性質を示す適当な名称を付して注記しなければならない。
前項の金額のうち、法第247条第248条第253条において準用する場合を含む。)、第258条第260条第5項において準用する場合であって、あらかじめ特定目的信託契約の定めにより信託財産に関して負担するものとされたときを含む。)及び第271条第2項の規定により信託財産に関して負担する費用として受託信託会社等が負担する費用に係る金額は、種類ごとに内訳を明らかにしなければならない。
第1項の信託財産に関して負担する費用として受託信託会社等が負担する費用に係る金額のうち前項以外のものは、資産信託流動化計画に表示された種類ごとに内訳を明らかにしなければならない。
参照条文
第3章
損益計算書
第58条
【損益計算書の区分】
損益計算書は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。この場合において、各項目について細分することが適当な場合には、適当な項目に細分することができる。
営業収益
営業費用
営業外収益
営業外費用
特別利益
特別損失
特別利益に属する利益は、前期損益修正益その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。
特別損失に属する損失は、前期損益修正損、減損損失(特別損失の性質を有する場合に限る。)、災害による損失その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。
前二項の規定にかかわらず、前二項の各利益又は各損失のうち、その金額が重要でないものについては、当該利益又は損失を細分しないこととすることができる。
損益計算書の各項目は、当該項目に係る収益若しくは費用又は利益若しくは損失の性質を示す適当な名称を付さなければならない。
第59条
【営業損益金額】
資産の流動化に関する業務及びその附帯業務に関する収益又は費用は、営業収益又は営業費用の項目に表示しなければならない。
営業収益から営業費用を減じて得た額(以下「営業損益金額」という。)は、営業利益金額として表示しなければならない。
前項の規定にかかわらず、営業損益金額が零未満である場合には、零から営業損益金額を減じて得た額を営業損失金額として表示しなければならない。
第60条
【経常損益金額】
営業損益金額に営業外収益を加えて得た額から営業外費用を減じて得た額(以下「経常損益金額」という。)は、経常利益金額として表示しなければならない。
前項の規定にかかわらず、経常損益金額が零未満である場合には、零から経常損益金額を減じて得た額を経常損失金額として表示しなければならない。
第61条
【税引前当期純損益金額】
経常損益金額に特別利益を加えて得た額から特別損失を減じて得た額(以下「税引前当期純損益金額」という。)は、税引前当期純利益金額として表示しなければならない。
前項の規定にかかわらず、税引前当期純損益金額が零未満である場合には、零から税引前当期純損益金額を減じて得た額を税引前当期純損失金額として表示しなければならない。
第62条
【税等】
次に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した項目をもって、税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額の次に表示しなければならない。
当該事業年度に係る法人税等
法人税等調整額(税効果会計の適用により計上される前号に掲げる法人税等の調整額をいう。)
法人税等の更正、決定等による納付税額又は還付税額がある場合には、前項第1号に掲げる項目の次に、その内容を示す名称を付した項目をもって表示するものとする。ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合は、同号に掲げる項目の金額に含めて表示することができる。
参照条文
第63条
【当期純損益金額】
第1号及び第2号に掲げる額の合計額から第3号及び第4号に掲げる額の合計額を減じて得た額(以下「当期純損益金額」という。)は、当期純利益金額として表示しなければならない。
税引前当期純損益金額
前条第2項に規定する場合(同項ただし書の場合を除く。)において、還付税額があるときは、当該還付税額
前条第1項第1号及び第2号に掲げる項目の金額
前条第2項に規定する場合(同項ただし書の場合を除く。)において、納付税額があるときは、当該納付税額
前項の規定にかかわらず、当期純損益金額が零未満である場合には、零から当期純損益金額を減じて得た額を当期純損失金額として表示しなければならない。
参照条文
第64条
削除
参照条文
第65条
【当期未処分利益又は当期未処理損失】
次に掲げる額は、その内容を示す適当な名称を付して前条の当期純利益金額又は当期純損失金額の次に表示しなければならない。
前期繰越利益又は前期繰越損失の額(遡及適用又は誤謬の訂正(以下「遡及適用等」という。)をした場合にあっては、遡及適用等をした後の額をいう。)
一定の目的のために留保した利益のその目的に従う取崩しの額
前項第1号に規定する前期繰越利益又は前期繰越損失の額につき遡及適用等をした場合にあっては、遡及適用等をする前の前期繰越利益又は前期繰越損失の額及びこれに対する影響額を区分表示しなければならない。
第63条の当期純利益金額又は当期純損失金額に第1項各号に掲げる額を加減した額は、当期未処分利益又は当期未処理損失として表示しなければならない。
社債的受益権を発行している場合にあっては、当期未処分利益の額から社債的受益権に対する収益分配金を控除した額は、社債的受益権収益分配後当期未処分利益として表示しなければならない。
第66条
【利益処分計算又は損失処理計算】
受託信託会社等は、この条から第71条までの規定の定めるところにより、前条第3項及び第4項の当期未処分利益(社債的受益権を発行している場合にあっては、社債的受益権収益分配後当期未処分利益)又は当期未処理損失に係る利益処分計算又は損失処理計算をしなければならない。
前項の利益処分計算又は損失処理計算の結果は、損益計算書に含めて表示するものとする。
第67条
【利益処分計算】
利益処分計算においては、次に掲げる項目に従って利益処分の内容を明らかにしなければならない。
当期未処分利益(社債的受益権を発行している場合にあっては、社債的受益権収益分配後当期未処分利益)
利益処分額
次期繰越利益
資産につき時価を付すものとした場合(第5条第3項及び第6項第1号の場合を除く。)においては、その資産の評価差額金(利益又は損失として計上したものを除く。)は、前項第1号の当期未処分利益から当該金額を控除する形式により、当該評価差額金を示す名称を付した項目をもって表示しなければならない。
第68条
第29条第4項の場合において、受益権調整引当額を当期の利益処分に充当する場合には、当該受益権調整引当額は、前条第1項第1号の当期未処分利益(社債的受益権を発行している場合にあっては、社債的受益権収益分配後当期未処分利益)に当該金額を加算する形式により、受益権調整引当益として表示しなければならない。
第69条
第29条第5項第1号の任意積立金を取崩して当期の利益処分に充当する場合には、当該取崩金額は、第67条第1項第1号の当期未処分利益(社債的受益権を発行している場合にあっては、社債的受益権収益分配後当期未処分利益)に当該金額を加算する形式により、当該積立金取崩高を示す名称を付した項目をもって表示しなければならない。
第70条
第67条第1項第2号の利益処分額は、次に掲げる項目に細分しなければならない。
社債的受益権以外の受益権収益分配金
任意積立金
前項第1号の社債的受益権以外の受益権収益分配金は、資産信託流動化計画に表示された受益権の種類ごとに表示しなければならない。
第1項第2号の任意積立金は、その内容を示す適当な名称を付した項目に細分しなければならない。
第67条の利益処分により、第29条第4項の受益権調整引当額を減算する場合には、当該減算額は受益権調整戻入額として表示しなければならない。
第71条
【損失処理計算】
損失処理計算においては、次に掲げる項目に従って損失処理の内容を明らかにしなければならない。
当期未処理損失
任意積立金取崩額
受益権調整引当益(第68条の受益権調整引当益をいう。)
受益者分配額
次期繰越損失
前項第2号の任意積立金取崩額は、前条第3項の規定により細分された項目に従って内訳を明らかにしなければならない。
第71条の2
【損益計算書に関する注記】
信託財産に関して負担する費用として受託信託会社等が負担する費用、信託報酬又は信託財産の管理及び処分に係る業務を委託した場合のその費用を当該費用の性質を示す適当な名称を付して区分して表示していない場合(第57条に規定する場合を除く。)には、当該費用に係る金額を当該費用の性質を示す適当な名称を付して注記しなければならない。
第71条の3
【包括利益】
損益計算書には、包括利益に関する事項を表示することができる。
第4章
信託財産の管理及び運用に係る報告書
第72条
【信託財産の管理及び運用に係る報告書】
信託財産の管理及び運用に係る報告書には、次に掲げる事項その他特定目的信託の状況に関する重要な事項を表示しなければならない。
特定目的信託契約及び資産信託流動化計画の概要(その計算期間において当該特定目的信託契約又は資産信託流動化計画が変更された場合にはその変更の内容を含む。)その他資産の流動化の基本的仕組み
受益権の状況その他の特定目的信託の現況
当該計算期間における事業の経過及びその成果(信託財産の管理及び処分の概況、資金調達の状況並びに設備投資の状況を含む。)
直前三計算期間(当該計算期間の末日において三計算期間が終了していない場合には、信託設定後の各計算期間)の財産及び損益の状況
受託信託会社等による信託事務の処理の状況及び受託信託会社等が対処すべき課題
代表権利者又は特定信託管理者に関する事項
特定目的信託の受益者及び委託者の権利の行使の状況(権利者集会による場合にあっては開催時期及び決議内容、代表権利者、特定信託管理者又は各受益証券の権利者による場合にあっては行使時期及び行使内容を含む。)
主要な借入先、借入額及び当該借入先が有する受益権の元本持分の割合
法第271条第1項に規定する場合において取得した自己の受益権につき、その計算期間中に取得したものの種類、元本持分又は利益持分の割合及び取得価額の総額、その計算期間中に処分又は失効の手続をしたものの種類、元本持分又は利益持分の割合及び処分価額の総額並びに計算期間の終了の日において保有するものの種類及び元本持分又は利益持分の割合
受託信託会社等が固有財産として有する受益証券の状況
原委託者との関係(法第237条ただし書に規定する原委託者の義務に関する事項、法第284条第1項に規定する信託財産の管理及び処分に係る業務の委託に関する事項、法第286条第1項に規定する原委託者が行う受益証券の募集等に関する事項その他特定目的信託との間の取引による債権債務関係に関する事項を含む。)
受益証券(社債的受益権に係るものを除く。)の発行価額の総額及びその発行時における次に掲げる事項
外国投資家(所得税法第2条第1項第5号に規定する非居住者又は同項第7号に規定する外国法人をいう。ロにおいて同じ。)の取得価額の総額
外国投資家以外の者の取得価額の総額
計算期間の終了の日後に生じた特定目的信託の状況に関する重要な事実
前項第3号に掲げる信託財産の管理及び処分の概況の表示は、特定資産の種類が二以上である場合にはその種類ごとに、信託財産の処分については貸付け、譲渡、交換又は担保提供の別ごとに、資金の借入れについてはその使途ごとにしなければならない。
第1項第4号に掲げる事項については、当該計算期間における過計算期間事項(当該計算期間より前の計算期間に係る貸借対照表、損益計算書又は信託財産の管理及び運用に係る報告書に表示すべき事項をいう。以下この項において同じ。)が会計方針の変更その他の正当な理由により当該計算期間より前の計算期間に係る貸借対照表、損益計算書又は信託財産の管理及び運用に係る報告書に表示したものと異なっているときは、修正後の過計算期間事項を反映した事項とすることを妨げない。
第1項第6号に規定する「代表権利者又は特定信託管理者に関する事項」とは、次に掲げる事項その他代表権利者又は特定信託管理者に関する重要な事項とする。
氏名又は名称
他の法人その他の団体の代表者その他これに類する者であるときは、その事実
当該計算期間に係る代表権利者又は特定信託管理者ごとの報酬等の総額
当該計算期間に係る代表権利者又は特定信託管理者の報酬等の額又はその算定方法にかかる決定に関する方針を定めているときは、当該方針の決定の方法及びその方針の内容の概要
当該計算期間中に辞任し、又は解任された代表権利者又は特定信託管理者(権利者集会の決議によって解任されたものを除く。)があるときは、当該代表権利者又は特定信託管理者の氏名又は名称
当該計算期間における代表権利者又は特定信託管理者の重要な兼職の状況(第2号に掲げる事項を除く。)
第1項第12号の表示は、受益証券の発行ごと及び内容の異なる数種類の受益証券を発行する場合にはその種類ごとにしなければならない。
第5章
附属明細書
第73条
【附属明細書】
附属明細書には、この府令に定めるもののほか、貸借対照表、損益計算書並びに信託財産の管理及び運用に係る報告書の表示を補足する重要な事項を表示しなければならない。
貸借対照表又は損益計算書の作成に関する会計方針を変更したときは、附属明細書にその変更の理由を表示しなければならない。ただし、変更が軽微であるときは、この限りでない。
第74条
附属明細書には、次に掲げる事項を表示しなければならない。
元本及び任意積立金の増減
長期借入金及び短期借入金の増減
その他の資産の部における固定資産の取得及び処分並びに減価償却費の明細
特定資産の取得(法第266条の規定により利益を特定資産とすることを含む。)及び処分並びに減価償却費の明細
重要な係争事件に係る損害賠償債務その他の第27条の債務の明細
引当金の明細並びにその計上の理由及び額の算定の方法(貸借対照表に注記したものを除く。)
第三者との間の取引で特定目的信託と受託信託会社等、代表権利者又は特定信託管理者との利益が相反するものの明細
特定目的信託の信託財産として取得し、又は所有している会社、特定目的会社その他の法人の発行済株式又は出資の持分(これらに係る信託受益権を含む。)の明細(種類及び銘柄並びに発行済株式の総数又は出資の金額の総額に占める割合を含む。)
営業収益及び営業費用の明細
前項第1号の増減の明細は、第29条第2項及び第3項の区分に従って表示しなければならない。
第1項第4号の明細は、特定資産の種類が二以上である場合はその種類ごとに表示しなければならない。
附則
この府令は、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日(平成十二年十一月三十日)から施行する。
附則
平成14年3月28日
第1条
(施行期日)
この府令は、平成十四年四月一日から施行する。
第2条
(商法等の一部を改正する法律に関する経過措置)
商法等の一部を改正する法律(以下この条において「商法等改正法」という。)附則第三条第一項前段の規定によりなお従前の例によることとされた種類の株式は、商法等改正法による改正前の商法(以下この条において「旧商法」という。)第二百四十二条第一項ただし書の規定又は同条第二項の定款の定めにより当該株式につき株主が議決権を有するものとされる場合を除き、商法等改正法による改正後の商法第二百十一条ノ二第四項に規定する種類の株式とみなして、この府令による改正後のそれぞれの府令の規定を適用する。
商法等改正法附則第六条第一項の規定によりなお従前の例によることとされた新株の引受権は、新株予約権とみなして、この府令(第七条、第十二条、第十三条及び第四十一条を除く。以下この条において同じ。)による改正後のそれぞれの府令の規定を適用する。
商法等改正法附則第七条第一項の規定によりなお従前の例によることとされた転換社債又は新株引受権付社債は、新株予約権付社債とみなして、この府令による改正後のそれぞれの府令の規定を適用する。
前項の新株引受権付社債を発行する際に旧商法第三百四十一条ノ十三第一項の規定に基づき発行する新株引受権証券は、新株予約権証券とみなして、この府令による改正後のそれぞれの府令の規定を適用する。
第二項の新株の引受権、第三項の転換社債若しくは新株引受権付社債又は前項の新株引受権証券についての第七条の規定による改正前の財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則、第十二条の規定による改正前の連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則、第十三条の規定による改正前の中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則及び第四十一条の規定による改正前の中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の規定の適用については、なお従前の例による。
第9条
(特定目的信託財産の貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書に関する規則の一部改正に伴う経過措置)
施行日前に計算期間が開始した特定目的信託財産についての第四十七条の規定による改正後の特定目的信託財産の貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書に関する規則(以下この条において「新特定目的信託財産計算書類規則」という。)の規定の適用については、なお従前の例による。ただし、新特定目的信託財産計算書類規則第五十四条から第五十五条の二までの規定の適用を妨げない。
第13条
(罰則の適用に関する経過措置)
施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成15年3月28日
第1条
(施行期日)
この府令は、商法等の一部を改正する法律の施行の日(平成十五年四月一日)から施行する。
第10条
(特定目的信託財産の計算書類等に関する経過措置)
この府令の施行前に到来した決算期に関して作成すべき特定目的信託財産の貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書(次項において「計算書類等」という。)の記載の方法に関しては、この府令の施行後も、なお従前の例による。
前項の規定は、第二十九条の規定による改正後の特定目的信託財産の貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書に関する規則の規定に基づき計算書類等を作成する旨を決定した特定目的信託財産については、適用しない。この場合においては、同項の貸借対照表に、その旨の注記をしなければならない。
附則
平成18年4月20日
第1条
(施行期日)
この府令は、会社法の施行の日から施行する。
第13条
(特定目的信託財産の貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書に関する規則の一部改正に伴う経過措置)
施行日前に到来した最終の決算期に係る貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書の表示方法については、なお従前の例による。
第十七条の規定による改正後の特定目的信託財産の計算に関する規則第七条の規定は、この府令の施行後最初に到来する計算期間の末日に係る貸借対照表及び損益計算書の注記については、適用しない。この場合においては、第十七条の規定による改正前の特定目的信託財産の貸借対照表、損益計算書、信託財産の管理及び運用に係る報告書並びに附属明細書に関する規則第三十四条、第四十四条及び第四十八条の規定を適用する。
附則
平成19年2月8日
第1条
(施行期日)
この府令は、公布の日から施行する。
附則
平成19年8月9日
第1条
(施行期日)
この府令は、平成十九年九月三十日から施行する。
第8条
(罰則の適用に関する経過措置)
施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成20年12月12日
この府令は、公布の日から施行する。
附則
平成21年3月24日
第1条
(施行期日)
この府令は、公布の日から施行する。
附則
平成21年6月24日
第1条
(施行期日)
この府令は、平成二十一年七月一日から施行する。
第17条
(特定目的信託財産の計算関係書類に関する経過措置)
この府令による改正後の特定目的信託財産の計算に関する規則(以下「新特定目的信託財産計算規則」という。)第二条第二項第四号並びに第二十六条第一号ト及び第二号ニの規定は、平成二十二年四月一日前に開始する計算期間に係る特定目的信託財産(資産の流動化に関する法律第二条第十三項に規定する特定目的信託の信託財産をいう。次項において同じ。)の計算関係書類(新特定目的信託財産計算規則第十二条第一項に規定する計算関係書類をいう。以下この条において同じ。)については、適用しない。ただし、同日前に開始する計算期間に係る計算関係書類のうち、施行日以後に作成されるものについては、これらのすべての規定により作成することができる。
新特定目的信託財産計算規則第二条第二項第五号及び第六号、第八条の二並びに第八条の三の規定は、平成二十二年三月三十一日前に終了する計算期間に係る特定目的信託財産の計算関係書類については、適用しない。ただし、同日前に終了する計算期間に係る計算関係書類のうち、施行日以後に作成されるものについては、これらのすべての規定により作成することができる。
第19条
(罰則の適用に関する経過措置)
この府令の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成22年9月30日
第1条
(施行期日)
この府令は、公布の日から施行する。
第17条
(特定目的信託財産の計算に関する規則の一部改正に伴う経過措置)
特定目的信託財産において、平成二十年十二月五日から平成二十二年三月三十一日までに売買目的有価証券(特定目的信託財産の計算に関する規則第十七条第一号ニに規定する売買目的有価証券をいう。以下この条において同じ。)又はその他有価証券(売買目的有価証券及び満期保有目的の債券(この府令による改正前の特定目的信託財産の計算に関する規則第五条第六項第二号に規定する満期保有目的の債券をいう。以下この条において同じ。)以外の有価証券をいう。)を満期保有目的の債券へ変更した場合における当該変更後の満期保有目的の債券についての第十五条の規定による改正後の特定目的信託財産の計算に関する規則第五条第六項の規定の適用については、なお従前の例による。
附則
平成23年7月8日
第1条
(施行期日)
この府令は、公布の日から施行する。
第4条
(特定目的信託財産の計算に関する規則の一部改正に伴う経過措置)
第三条の規定による改正後の特定目的信託財産の計算に関する規則の規定は、平成二十三年四月一日以後に開始する計算期間に係る計算書類(同令第二条第二項第三号に規定する計算書類をいう。以下この条において同じ。)について適用し、同日前に開始する計算期間に係る計算書類については、なお従前の例による。
附則
平成23年11月16日
第1条
(施行期日)
この府令は、資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(平成二十三年十一月二十四日)から施行する。
第3条
(特定目的信託財産の計算に関する規則の一部改正に伴う経過措置)
第五条の規定による改正後の特定目的信託財産の計算に関する規則第七十二条第一項及び第五項の規定は、施行日以後に終了する計算期間に係る信託財産の管理及び運用に係る報告書について適用し、施行日前に終了した計算期間に係る信託財産の管理及び運用に係る報告書については、なお従前の例による。
第5条
(罰則の適用に関する経過措置)
この府令の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの府令の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

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