踏切道改良促進法施行規則
平成23年3月31日 改正
第1条
【定義】
1
この省令で「保安設備」とは、踏切遮断機、踏切警報機、踏切警報時間制御装置、二段型遮断装置、大型遮断装置、オーバーハング型警報装置及び踏切支障報知装置(障害物検知装置により発炎信号、発光信号又は発報信号を現示する装置を動作させることができるものに限る。以下同じ。)をいう。
2
この省令で「一日当たりの踏切自動車交通遮断量」とは、当該踏切道における自動車(二輪のものを除く。以下同じ。)の一日当たりの交通量に一日当たりの踏切遮断時間を乗じた値をいう。
3
この省令で「一日当たりの踏切歩行者等交通遮断量」とは、当該踏切道における歩行者及び自転車の一日当たりの交通量に一日当たりの踏切遮断時間を乗じた値をいう。
第2条
【立体交差化の指定基準】
1
踏切道改良促進法(以下「法」という。)
第3条第1項の規定により立体交差化を実施すべきものとして指定を行う踏切道は、次のいずれかに該当する踏切道とする。
①
平成二十七年度末における一日当たりの踏切自動車交通遮断量が一万以上になると認められるもの
②
平成二十七年度末における一日当たりの踏切自動車交通遮断量と一日当たりの踏切歩行者等交通遮断量の和が五万以上になり、かつ一日当たりの踏切歩行者等交通遮断量が二万以上になると認められるもの
④
平成二十三年度以降の五箇年間において改築(舗装を除く。以下同じ。)が行われる一般国道の区間に係るもの
⑤
平成二十三年度以降の五箇年間において行われる道路(高速自動車国道及び一般国道を除く。)の改築、停車場の改良、鉄道の複線化等の工事に係るもので、立体交差化を実施することにより交通の円滑化に著しく効果があると認められるもの
2
前項の基準に該当する踏切道で次の各号のいずれかに該当するものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により立体交差化を実施すべきものとして指定を行わないことができる。
①
地形上立体交差化を実施することが著しく困難なもの
③
臨港線又は市場線である鉄道が港又は市場に近接して道路と交差する場合において、立体交差化を実施することによって鉄道又は道路の効用が著しく阻害されるもの
④
立体交差化の工事に要する費用が立体交差化によって生ずる利益を著しく超えるもの
第3条
【構造の改良の指定基準】
1
法第3条第1項の規定により構造の改良を実施すべきものとして指定を行う踏切道は、次のいずれかに該当する踏切道とする。
①
平成二十七年度末における一日当たりの踏切自動車交通遮断量が二千以上になると認められるもので次のいずれかに該当するもの
イ
踏切道における車道(
道路構造令第2条第4号に規定する車道をいう。以下同じ。)の幅員と踏切道に接続する道路の車道の幅員との差が一メートル以上のもの
ハ
踏切道に接続する道路の踏切道の両側から十メートルまでの区間が踏切道の部分を含めて直線でないもの
ニ
踏切道に接続する道路の踏切道の両側から三十メートルまでの区間の縦断こう配が四パーセント以上のもの
②
踏切道における歩道(道路の一般通行の用に供することを目的とする部分のうち、車道以外の部分をいう。以下同じ。)の幅員が踏切道に接続する道路の歩道の幅員未満のもの
③
一時間の踏切遮断時間が四十分以上になるもので、構造の改良により事故の防止に効果があると認められるもの
④
構造の改良により事故の防止に著しく効果があると認められるもの
2
前項の基準に該当する踏切道で次のいずれかに該当するものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により構造の改良を実施すべきものとして指定を行わないことができる。
①
地形上構造の改良を実施することが著しく困難なもの
③
構造の改良の工事に要する費用が構造の改良によって生ずる利益を著しく超えるもの
④
前項第1号ホのみに該当するもので、保安設備が設置されているもの、
法第3条第1項の規定により保安設備の整備を実施すべきものとして国土交通大臣が指定を行うもの又は運転回数が極めて少ない鉄道に係るもの
⑤
法第3条第1項の規定により立体交差化を実施すべきものとして国土交通大臣が指定を行うもの
第4条
【歩行者等立体横断施設の整備の指定基準】
1
法第3条第1項の規定により歩行者等立体横断施設の整備を実施すべきものとして指定を行う踏切道は、次のいずれかに該当する踏切道とする。
②
四線以上の区間にあるものその他踏切道の長さが著しく長いもの
③
歩行者等立体横断施設の整備により事故の防止又は交通の円滑化に著しく効果があると認められるもの
2
前項の基準に該当する踏切道で次のいずれかに該当するものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により歩行者等立体横断施設の整備を実施すべきものとして指定を行わないことができる。
①
地形上歩行者等立体横断施設の整備を実施することが著しく困難なもの
③
周辺に歩行者又は自転車が安全かつ円滑に鉄道を横断するための立体的な施設が存するもの
④
歩行者等立体横断施設の整備の工事に要する費用が歩行者等立体横断施設の整備によって生ずる利益を著しく超えるもの
⑤
法第3条第1項の規定により立体交差化又は構造の改良を実施すべきものとして国土交通大臣が指定を行うもの
第5条
【保安設備の整備の指定基準】
1
法第3条第1項の規定により踏切遮断機(踏切遮断機を設置することが技術上著しく困難であると認められる踏切道にあっては、踏切警報機。以下この条において同じ。)を設置すべきものとして指定を行う踏切道は、次のいずれかに該当する踏切道とする。
①
自動車が通行できるものであって、
道路交通法第4条第1項の規定により自動車の通行が禁止されているもの(禁止される予定のものを含む。)以外のもの
②
平成二十三年四月一日以後の日を含む三年間において三回以上又は平成二十三年四月一日以後の日を含む一年間において二回以上の事故が発生し、かつ、踏切遮断機の設置によって事故の防止に効果があると認められるもの
③
複線以上の区間にあるもので、踏切遮断機の設置によって事故の防止に効果があると認められるもの
④
踏切道を通過する列車の速度が百二十キロメートル毎時以上のもの
⑤
付近に幼稚園又は小学校があることその他の特別の事情により危険性が大きいと認められるもの
2
前項の基準に該当する踏切道で、踏切警手の配置その他の理由により、踏切遮断機を設置した場合と同等の安全が確保されていると認められるものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により踏切遮断機を設置すべきものとして指定を行わないことができる。
第6条
1
法第3条第1項の規定により踏切警報時間制御装置を設置すべきものとして指定を行う踏切道は、次の各号に該当する踏切道とする。
①
列車の速度が異なること等により、列車ごとの警報の開始から列車の到達までの時間について三十秒以上の差があるもの
②
一時間の鉄道交通量(踏切道を通過する列車(入換車両及び新設軌道の車両を含む。)の数を
別表に掲げる換算率により換算した数値をいう。
第8条において同じ。)が十五を超えるもの
2
前項の基準に該当する踏切道で次の各号のいずれかに該当するものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により踏切警報時間制御装置を設置すべきものとして指定を行わないことができる。
①
踏切警報時間制御装置の設置による踏切遮断時間の短縮の効果があると認められないもの
②
踏切警手の配置その他の理由により、踏切警報時間制御装置を設置した場合と同等の安全が確保されていると認められるもの
第7条
1
法第3条第1項の規定により二段型遮断装置、大型遮断装置又はオーバーハング型警報装置を設置すべきものとして指定を行う踏切道は、踏切遮断機が設置されている踏切道であって当該踏切道を通過する列車の速度が百二十キロメートル毎時を超えるもののうち、次のいずれかに該当する踏切道とする。
①
一日当たりの踏切自動車交通遮断量が二千以上のもの
②
平成二十三年四月一日以後の日を含む五年間において一回以上の事故が発生し、かつ、当該保安設備の設置によって事故の防止に効果があると認められるもの
2
前項の基準に該当する踏切道で、踏切警手の配置その他の理由により、二段型遮断装置、大型遮断装置又はオーバーハング型警報装置を設置した場合と同等の安全が確保されていると認められるものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により二段型遮断装置、大型遮断装置又はオーバーハング型警報装置を設置すべきものとして指定を行わないことができる。
第8条
1
法第3条第1項の規定により踏切支障報知装置を設置すべきものとして指定を行う踏切道は、踏切遮断機が設置されている踏切道であって次のいずれかに該当する踏切道とする。
①
当該踏切道を通過する列車の速度が百二十キロメートル毎時を超えるもののうち、次のいずれかに該当するもの
イ
一日当たりの踏切自動車交通遮断量が二千以上のもの
ロ
平成二十三年四月一日以後の日を含む五年間において一回以上の事故が発生し、かつ、当該保安設備の設置によって事故の防止に効果があると認められるもの
③
一日当たりの踏切自動車交通遮断量が五万以上のもの
2
前項の基準に該当する踏切道で、踏切警手の配置その他の理由により、踏切支障報知装置を設置した場合と同等の安全が確保されていると認められるものは、
同項の規定にかかわらず、
法第3条第1項の規定により踏切支障報知装置を設置すべきものとして指定を行わないことができる。
第9条
【歩行者等立体横断施設】
法第3条第1項の国土交通省令で定める施設は、次のとおりとする。
③
前二号に掲げるもののほか、歩行者又は自転車が安全かつ円滑に鉄道を横断するための立体的な通路
第10条
【立体交差化計画等】
1
法第4条第1項の立体交差化計画等には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
①
立体交差化等を実施する踏切道の名称及び位置並びに当該踏切道に係る鉄道の線区名及び道路の路線名
2
前項の立体交差化計画等には、踏切道付近の略図及び工事の概要を説明するために必要な図面を添付しなければならない。
第11条
【保安設備整備計画】
1
法第4条第12項の保安設備整備計画には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
2
前項の保安設備整備計画には、踏切道付近の略図及び保安設備の配置の概要図を添付しなければならない。
第12条
【補助の申請】
法第8条第1項の規定による補助を受けようとする鉄道事業者は、保安設備整備計画に係る改良の工事が完了した日(保安設備整備計画に係る改良の工事が完了した日において当該完了した日の属する年(保安設備整備計画に係る改良の工事が完了した日が一月一日から二月末日までである場合には、その前年)の四月一日の属する事業年度の前事業年度(以下「前事業年度」という。)の決算が終了していない場合は、当該決算の終了の日。以下「申請期間の開始の日」という。)から翌年(申請期間の開始の日が一月一日から三月十日までである場合には、その年)の三月十日までに、保安設備整備費補助金交付申請書(
第1号様式)に次の書類を添付し、地方運輸局長を経由して国土交通大臣に提出しなければならない。
第13条
【保安設備整備工事完了届】
法第8条第1項の規定により補助を受けようとする鉄道事業者は、保安設備整備計画に係る改良の工事が完了したときは、遅滞なく、保安設備整備工事完了届(
第3号様式)を地方運輸局長を経由して国土交通大臣に提出しなければならない。
第14条
【補助金の交付が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じて行われる場合の特例】
法第8条第3項の規定により、
同項に規定する補助金の交付が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じて行われる場合には、前二条中「地方運輸局長を経由して」とあるのは「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じて」と、
第1号様式及び
第3号様式中「国土交通大臣」とあるのは「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事長」とする。
第16条
【各事業に関連する営業外収益等の配賦】
鉄道事業者が鉄道事業(軌道業を含む。以下同じ。)以外の事業を経営する場合においては、各事業に関連する営業外収益、営業外費用及び事業用固定資産の価額は、次に掲げる割合により鉄道事業に配賦するものとする。
②
営業外費用にあっては、次に掲げる割合
イ
支払利子にあっては、各事業に専属する事業用固定資産につき
第12条第3号の貸借対照表に記載された貸借対照表価額の百分率
ロ
支払利子以外の営業外費用にあっては、各事業の営業費の百分率
③
事業用固定資産の価額にあっては、各事業に専属する事業用固定資産につき
第12条第3号の貸借対照表に記載された貸借対照表価額の百分率
第17条
【立体交差化工事施行者になろうとする者の申請の手続】
1
立体交差化工事施行者になろうとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出するものとする。これを変更する場合も、同様とする。
①
次に掲げる事項を記載した特定連続立体交差化工事(
令第5条に規定する特定連続立体交差化工事をいう。以下同じ。)に関する工事実施計画
ロ
特定連続立体交差化工事に要する費用の総額及びその内訳
②
次に掲げる事項を記載した特定連続立体交差化工事に関する資金計画
④
特定連続立体交差化工事を適確に行うに足りる能力があることを説明した書類
2
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。
①
既存の法人にあっては、次に掲げる書類
ハ
株式会社にあっては、発行済株式の総数の五パーセント以上の株式を所有する株主の名簿
ニ
最近の事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書
②
法人を設立しようとする者にあっては、次に掲げる書類
ハ
株式の引受け、出資又は財産の寄附の状況又は見込みを記載した書類
第18条
【立体交差化工事施行者の決定の通知】
国土交通大臣は、
前条第1項の申請をした者が
令第6条の要件に適合すると認めるときは、当該申請をした者並びに関係都道府県及び市町村に対し、その旨を通知するものとする。
第19条
【貸付申請の手続】
前条の通知を受けた都道府県又は市町村は、
法第9条第1項の国の貸付けを受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出するものとする。
①
都道府県又は市町村の当該年度における特定連続立体交差化工事に係る貸付けの金額及びその時期
②
都道府県又は市町村の貸付けを受ける立体交差化工事施行者の当該年度における特定連続立体交差化工事に関する工事実施計画の明細
③
都道府県又は市町村の貸付けを受ける立体交差化工事施行者の当該年度における特定連続立体交差化工事に関する資金計画の明細
第20条
【令第五条の国土交通省令で定める踏切道】
令第5条の国土交通省令で定める踏切道は、次のいずれかに該当する踏切道とする。
①
平成二十七年度末における一日当たりの踏切自動車交通遮断量が五万以上になると認められるもの
②
平成二十七年度末における一日当たりの踏切自動車交通遮断量と一日当たりの踏切歩行者等交通遮断量の和が五万以上になり、かつ平成二十七年度末における一日当たりの踏切歩行者等交通遮断量が二万以上になると認められるもの
第21条
【報告の徴収】
1
鉄道事業者又は国土交通大臣以外の道路管理者は、
法第11条の規定により国土交通大臣から踏切道の改良の実施の状況その他必要な事項について報告を求められたときは、報告書を提出しなければならない。
2
国土交通大臣は、
前項の報告を求めるときは、報告書の様式、報告書の提出期限その他必要な事項を明示するものとする。
第22条
【書類の経由】
法第3条第2項の規定による申出(保安設備の整備に係るものに限る。)、
法第4条第12項の規定による保安設備整備計画の提出及び
前条第1項の規定による報告書の提出(鉄道事業者が行うものに限る。)は、当該踏切道の所在地を管轄する地方運輸局長を経由してしなければならない。
別表
【第六条関係】
種別 | 換算率 |
入換車両 | 〇・五 |
線区を通じて最高速度が四〇キロメートル毎時以下であり、かつ、長さが三〇メートル以下である列車 | 〇・七 |
その他の列車 | 一・〇 |
第1号様式
第2号様式
第3号様式
附則
第2条
(踏切道の保安設備の整備に関する省令及び踏切道の立体交差化及び構造の改良に関する省令の廃止)
附則
平成18年3月31日
第1条
(施行期日)
この省令は、運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成十八年四月一日)から施行する。