身体障害者補助犬法施行規則
平成20年11月28日 改正
第1条
【盲導犬の訓練基準】
1
身体障害者補助犬法(以下「法」という。)
第3条第1項に規定する訓練のうち盲導犬に係るものは、次に掲げる訓練により行わなければならない。この場合において、
第1号に掲げる基礎訓練及び
第2号に掲げる歩行誘導訓練は、並行して行うことができる。
①
基礎訓練(視覚障害により日常生活に著しい支障がある身体障害者であって盲導犬を使用しようとするもの(以下「盲導犬使用予定者」という。)がこれを同伴して不特定かつ多数の者が利用する施設等を利用する場合において他人に迷惑を及ぼさないことその他適切な行動をとることができるようにするための基本動作の訓練をいう。)
②
歩行誘導訓練(盲導犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助に応じ、道路の通行及び横断、階段の昇降、不特定かつ多数の者が利用する施設等の利用等を安全に行うための歩行誘導を確実に行うことができるようにするための訓練をいう。)
③
合同訓練(盲導犬使用予定者が盲導犬とするための訓練を受けている犬(ハからホまで及び
次項において「訓練犬」という。)に指示をして、基本動作及び歩行誘導を適切に行わせることができるようにするための次に掲げる訓練及び指導をいう。)
イ
盲導犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助に応じた訓練
ハ
盲導犬使用予定者に対する訓練犬との意思疎通の手段の指導
ニ
盲導犬使用予定者に対する訓練犬の飼育管理、健康管理その他の管理に関する指導
ホ
盲導犬使用予定者が訓練犬を不特定かつ多数の者が利用する施設等に同伴する訓練
2
前項第2号に掲げる歩行誘導訓練については、盲導犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助についての正しい評価に基づいて作成された訓練計画により行うとともに、盲導犬使用予定者と訓練犬との適合性の評価をできる限り早期に行わなければならない。
3
盲導犬訓練事業者(
身体障害者福祉法第33条に規定する盲導犬訓練施設を経営する事業を行う者をいう。以下同じ。)は、
前項に規定する訓練計画の作成及び適合性の評価その他
第1項各号に掲げる訓練を行うに当たって、医師、獣医師、社会福祉士その他の専門的な知識を有する者との連携を確保するとともに、必要に応じ福祉サービスを提供する者その他の関係者(以下「福祉サービスを提供する者等」という。)の協力を得なければならない。
4
盲導犬訓練事業者は、育成した盲導犬の健康状態並びに基本動作及び歩行誘導の状況について、これを使用する身体障害者から定期的に報告を求め、その障害の状況及び必要とする補助、屋内外の生活環境等の変化に対応するための補充訓練、追加訓練その他の再訓練を継続的に行わなければならない。
第2条
【介助犬の訓練基準】
1
法第3条第1項に規定する訓練のうち介助犬に係るものは、次に掲げる訓練により行わなければならない。この場合において、
第1号に掲げる基礎訓練及び
第2号に掲げる介助動作訓練は、並行して行うことができる。
①
基礎訓練(肢体不自由により日常生活に著しい支障がある身体障害者であって介助犬を使用しようとするもの(以下「介助犬使用予定者」という。)がこれを同伴して不特定かつ多数の者が利用する施設等を利用する場合において他人に迷惑を及ぼさないことその他適切な行動をとることができるようにするための基本動作の訓練をいう。)
②
介助動作訓練(介助犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助に応じ、物の拾い上げ及び運搬、着脱衣の補助、体位の変更、起立及び歩行の際の支持、扉の開閉、スイッチの操作、緊急の場合における救助の要請その他の肢体不自由を補う介助動作を確実に行うことができるようにするための訓練をいう。)
③
合同訓練(介助犬使用予定者が介助犬とするための訓練を受けている犬(ハからホまで及び
次項において「訓練犬」という。)に指示をして、基本動作及び介助動作を適切に行わせることができるようにするための次に掲げる訓練及び指導をいう。)
イ
介助犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助に応じた訓練
ハ
介助犬使用予定者に対する訓練犬との意思疎通の手段の指導
ニ
介助犬使用予定者に対する訓練犬の飼育管理、健康管理その他の管理に関する指導
ホ
介助犬使用予定者が訓練犬を不特定かつ多数の者が利用する施設等に同伴する訓練
2
前項第2号に掲げる介助動作訓練については、介助犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助についての正しい評価に基づいて作成された訓練計画により行うとともに、介助犬使用予定者と訓練犬との適合性の評価をできる限り早期に行わなければならない。
3
介助犬訓練事業者(
身体障害者福祉法第4条の2第3項に規定する介助犬訓練事業を行う者をいう。以下同じ。)は、
前項に規定する訓練計画の作成及び適合性の評価その他
第1項各号に掲げる訓練を行うに当たって、医師、獣医師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士その他の専門的な知識を有する者との連携を確保するとともに、必要に応じ身体障害者社会参加支援施設その他の福祉サービスを提供する者等の協力を得なければならない。
4
介助犬訓練事業者は、育成した介助犬の健康状態並びに基本動作及び介助動作の状況について、これを使用する身体障害者から定期的に報告を求め、その障害の状況及び必要とする補助、屋内外の生活環境等の変化に対応するための補充訓練、追加訓練その他の再訓練を継続的に行わなければならない。
第3条
【聴導犬の訓練基準】
1
法第3条第1項に規定する訓練のうち聴導犬に係るものは、次に掲げる訓練により行わなければならない。この場合において、
第1号に掲げる基礎訓練及び
第2号に掲げる聴導動作訓練は、並行して行うことができる。
①
基礎訓練(聴覚障害により日常生活に著しい支障のある身体障害者であって聴導犬を使用しようとするもの(以下「聴導犬使用予定者」という。)がこれを同伴して不特定かつ多数の者が利用する施設等を利用する場合において他人に迷惑を及ぼさないことその他適切な行動をとることができるようにするための基本動作の訓練をいう。)
②
聴導動作訓練(聴導犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助に応じ、ブザー音、電話の呼出音、その者を呼ぶ声、危険を意味する音等を聞き分け、その者に必要な情報を伝え、及び必要に応じ音源への誘導を行う聴導動作を確実に行うことができるようにするための訓練をいう。)
③
合同訓練(聴導犬使用予定者が聴導犬とするための訓練を受けている犬(ハからホまで及び
次項において「訓練犬」という。)に指示をして、基本動作及び聴導動作を適切に行わせることができるようにするための次に掲げる訓練及び指導をいう。)
イ
聴導犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助に応じた訓練
ハ
聴導犬使用予定者に対する訓練犬との意思疎通の手段の指導
ニ
聴導犬使用予定者に対する訓練犬の飼育管理、健康管理その他の管理に関する指導
ホ
聴導犬使用予定者が訓練犬を不特定かつ多数の者が利用する施設等に同伴する訓練
2
前項第2号に掲げる聴導動作訓練は、聴導犬使用予定者の障害の状況及び必要とする補助についての正しい評価に基づいて作成された訓練計画により行うとともに、聴導犬使用予定者と訓練犬との適合性の評価をできる限り早期に行わなければならない。
3
聴導犬訓練事業者(
身体障害者福祉法第4条の2第3項に規定する聴導犬訓練事業を行う者をいう。以下同じ。)は、
前項に規定する訓練計画の作成及び適合性の評価その他
第1項各号に掲げる訓練を行うに当たって、医師、獣医師、言語聴覚士、社会福祉士その他の専門的な知識を有する者との連携を確保するとともに、必要に応じ手話通訳者その他の福祉サービスを提供する者等の協力を得なければならない。
4
聴導犬訓練事業者は、育成した聴導犬の健康状態並びに基本動作及び聴導動作の状況について、これを使用する身体障害者から定期的に報告を求め、その障害の状況及び必要とする補助、屋内外の生活環境等の変化に対応するための補充訓練、追加訓練その他の再訓練を継続的に行わなければならない。
第4条
【身体障害者補助犬の表示】
法第12条第1項の規定による表示は、様式
第1号により身体障害者補助犬の胴体に見やすいように行わなければならない。
第5条
【法第十二条第二項に規定する厚生労働省令で定める書類】
法第12条第2項に規定する厚生労働省令で定める書類は、身体障害者補助犬の衛生の確保のための健康管理に関する次に掲げる事項を記載した書類(以下「身体障害者補助犬健康管理記録」という。)及び
第9条第5項の規定により交付された身体障害者補助犬認定証その他身体障害者補助犬であることを証明する書類とする。
①
身体障害者補助犬の予防接種及び検診の実施に関する記録(予防接種及び検診を実施した診療機関等の名称及び獣医師の署名又は記名押印がなければならない。)
②
前号に掲げるもののほか、身体障害者補助犬の衛生の確保のための健康管理に関する記録
第6条
【指定の申請手続】
1
法第15条第1項の規定による指定を受けようとする者は、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
2
前項に規定する申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
④
身体障害者補助犬の訓練を目的とする法人にあっては、訓練を行う者の氏名及び訓練に関する実績を記載した書類
⑤
身体障害者補助犬の研究を目的とする法人にあっては、研究者の氏名及び研究に関する実績を記載した書類
⑥
法第16条に規定する認定の業務(以下「認定業務」という。)の実施に関する規程
⑦
次条第5号に規定する審査委員会の運営に関する規程並びに委員の氏名及び略歴を記載した書類
第7条
【指定の基準】
法第15条第1項の規定による指定は、身体障害者補助犬(介助犬及び聴導犬に限る。以下同じ。)の種類ごとに、次に掲げる基準に適合している者について行う。
③
認定業務を安定して行うために必要な経理的基礎を有すること。
④
身体障害者補助犬の訓練の業務その他認定業務以外の業務を行うことにより認定業務が不公正になるおそれがないこと。
⑤
認定業務を適切かつ確実に行うために必要な知識経験及び技能を有する者により構成された審査委員会が置かれていること。
第8条
【認定の申請手続】
1
法第16条第1項の規定による認定(以下「認定」という。)を受けようとする者は、様式
第2号による申請書を
法第15条第2項に規定する指定法人(以下「指定法人」という。)に提出しなければならない。
2
前項に規定する申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
①
当該申請に係る身体障害者補助犬とするために育成された犬(以下「育成犬」という。)を身体障害者補助犬として使用しようとする身体障害者(以下「当該申請に係る身体障害者」という。)に対し、
身体障害者福祉法第15条第4項の規定により交付された身体障害者手帳の写し
②
当該申請に係る育成犬について避妊又は去勢の手術を行ったことを証明する書類
③
当該申請に係る育成犬の訓練について次に掲げる事項を記載した書類
ロ
第2条第2項又は
第3条第2項に規定する訓練計画(当該訓練計画を作成した者及び作成に協力した者の署名又は記名押印がなければならない。)
ハ
介助犬に係る訓練にあっては、訓練を行った者及び医師、獣医師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士その他の専門的な知識を有する者による訓練の総合的な評価
ニ
聴導犬に係る訓練にあっては、訓練を行った者及び医師、獣医師、言語聴覚士、社会福祉士その他の専門的な知識を有する者による訓練の総合的な評価
ホ
当該申請に係る育成犬との適合状況についての当該申請に係る身体障害者の意見
第9条
【認定の方法等】
1
指定法人は、認定を行うに当たっては、当該申請に係る育成犬について
第2条第1項各号又は
第3条第1項各号に掲げる訓練が適正に実施されていることを確認するため、書面による審査並びに当該申請に係る育成犬の基本動作についての実地の検証及び介助動作又は聴導動作についての実地の確認を行わなければならない。
2
介助犬に係る
前項に規定する実地の検証及び実地の確認は、身体障害者補助犬の訓練を行う者(当該申請に係る育成犬の訓練を行った者を除く。)並びに医師、獣医師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士その他の必要な知識経験及び技能を有する者により構成された審査委員会で行わなければならない。
3
聴導犬に係る
第1項に規定する実地の検証及び実地の確認は、身体障害者補助犬の訓練を行う者(当該申請に係る育成犬の訓練を行った者を除く。)並びに医師、獣医師、言語聴覚士、社会福祉士その他の必要な知識経験及び技能を有する者により構成された審査委員会で行わなければならない。
4
第1項に規定する実地の検証及び実地の確認は、当該申請に係る身体障害者を同伴させ、屋内のほか、不特定かつ多数の者が利用する施設等においても行わなければならない。
5
指定法人は、認定を行ったときは、様式
第1号により作成した表示、身体障害者補助犬健康管理記録及び様式
第3号により作成した身体障害者補助犬認定証を当該申請に係る身体障害者に交付しなければならない。
6
指定法人は、認定を行ったときは、次に掲げる事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
①
前項に規定する身体障害者補助犬認定証に記載した認定番号
④
身体障害者補助犬を使用する身体障害者の氏名、住所及び生年月日
⑤
身体障害者補助犬の訓練を行った事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)
第10条
【報告の徴収等】
1
指定法人は、認定を行った身体障害者補助犬の健康状態並びに基本動作及び介助動作又は聴導動作の状況について、これを使用する身体障害者から定期的に報告を求めなければならない。
2
指定法人は、認定を行った身体障害者補助犬について、
法第16条第1項に規定する能力をあらためて検証する必要があると認めたときは、速やかに実地の検証を行わなければならない。
第11条
【認定の取消し】
1
指定法人は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定を取り消さなければならない。
①
認定を行った身体障害者補助犬を使用する身体障害者から当該身体障害者補助犬の使用中止の報告があったとき。
②
前条第2項の規定による実地の検証を行った結果、認定を行った身体障害者補助犬が
法第16条第1項に規定する能力を欠くこととなったと認められるとき。
③
認定を行った身体障害者補助犬を使用する身体障害者の指示に従わず施設等又はこれらを利用する者に著しい損害を与えたときその他明らかに
法第16条第1項に規定する能力を欠くこととなったと認められるとき。
2
指定法人は、
法第16条第2項の規定による認定の取消しを行ったときは、
第9条第5項の規定により交付した表示、身体障害者補助犬健康管理記録及び身体障害者補助犬認定証を返還させなければならない。
第12条
【厚生労働大臣への報告等】
1
指定法人は、毎事業年度の事業計画書及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に厚生労働大臣に提出しなければならない。これを変更するときも同様とする。
2
指定法人は、毎事業年度の事業報告書、収支決算書、財産目録及び貸借対照表を作成し、当該事業年度経過後三月以内に厚生労働大臣に提出しなければならない。
3
指定法人は、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名並びに
第6条第2項各号(
同項第2号を除く。)に掲げる書類の記載事項に変更があったときは、速やかにその旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第13条
【廃止等の届出】
1
指定法人は、認定業務を廃止し、休止し、又は再開したときは、次に掲げる事項を速やかに厚生労働大臣に届け出なければならない。
③
廃止し、又は休止した場合にあっては、当該指定法人が認定を行った身体障害者補助犬を現に使用している身体障害者に対する措置
2
厚生労働大臣は、
前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。
附則
第1条
(施行期日)
この省令は、法の施行の日(平成十四年十月一日)から施行する。ただし、第二条及び第三条の規定は、平成十五年四月一日から施行する。
第2条
(認定に関する経過措置)
1
平成十五年三月三十一日までの間、第七条第二号中「訓練の業務(第二条第一項第三号又は第三条第一項第三号に掲げる合同訓練のみを行うものを含む。)」とあるのは「訓練の業務」と、第八条第二項第三号イ中「第二条第一項各号又は第三条第一項各号に掲げる訓練」とあるのは「訓練」と、同号ロ中「第二条第二項又は第三条第二項に規定する訓練計画」とあるのは「訓練計画」と、第九条第一項中「第二条第一項各号又は第三条第一項各号に掲げる訓練」とあるのは「訓練」と読み替えるものとする。
2
平成十五年三月三十一日以前に身体障害者補助犬とするための訓練を開始した犬についての第八条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは「第一号、第二号並びに第三号イ及びホ」とする。
第3条
(認定を受けていない犬を使用する場合の表示に関する経過措置)
1
法附則第三条の規定による表示は、様式第五号によるものとする。
2
法附則第三条の規定による表示を行おうとする身体障害者は、様式第六号により厚生労働大臣に届け出なければならない。
3
厚生労働大臣は、前項の規定による届出を行った身体障害者に対し、届出を行った旨の証明書を交付するものとする。
4
法附則第三条の規定による表示を行う身体障害者は、当該表示を行う犬の衛生の確保のための健康管理に関する次に掲げる事項を記載した書類及び前項に規定する証明書を所持し、関係者の請求があるときは、これらを提示しなければならない。
附則
平成17年3月7日
第1条
(施行期日)
この省令は、不動産登記法の施行の日(平成十七年三月七日)から施行する。
附則
平成20年11月28日
第1条
(施行期日)
この省令は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の施行の日(平成二十年十二月一日)から施行する。