• 公正取引委員会の審判に関する規則

公正取引委員会の審判に関する規則

平成21年8月28日 改正
第1章
総則
第1条
【この規則の趣旨・定義】
公正取引委員会(以下「委員会」という。)が行う審判手続については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(水産業協同組合法第95条の4及び中小企業等協同組合法第108条において準用する場合を含む。以下「法」という。)に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。ただし、法第53条第1項及び第70条の12第1項に規定する審判手続については、別に定めるところによる。
この規則において使用する用語であって、法において使用する用語と同一のものは、これと同一の意味において使用するものとする。
第2条
【期間の計算】
期間の計算については、民法の期間に関する規定に従う。
期間の末日が行政機関の休日に関する法律第1条第1項各号に掲げる日に当たるときは、期間は、その翌日に満了する。
第3条
【用語】
審判手続においては、日本語を用いる。
第4条
【公示送達の方法】
委員会は、公示送達があったことを官報又は新聞紙に掲載することができる。外国においてすべき送達については、委員会は、官報又は新聞紙への掲載に代えて、公示送達があったことを通知することができる。
第5条
【文書の作成】
審判手続において作成すべき文書には、特別の定めのある場合を除いて、年月日を記載して記名押印しなければならない。
前項の文書が委員会において作成すべき謄本の場合には、当該謄本を作成した職員が、その記載に接続して当該謄本が原本と相違ない旨を付記し、かつ、これに記名押印して、毎葉に契印又はこれに準ずる措置をしなければならない。
第6条
【文書の訂正】
審判手続において文書を作成するには、文字を改変してはならない。文字を加え、削り、又は欄外に記載したときは、これに認印しなければならない。この場合において、削った部分は、これを読むことができるように字体を残さなければならない。
第7条
【文書のファクシミリによる提出】
審判手続において提出すべき文書は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
第56条第1項の規定により審判官が行う法第47条第1項各号に掲げる処分に基づき提出すべき文書
審判請求書及び審判請求の取下書
第35条第1項の規定による異議申立ての文書
第75条の規定による異議申立ての文書
審判手続をするのに必要な授権又は代理人の権限を証明する文書その他の審判手続上重要な事項を証明する文書
ファクシミリを利用して文書が提出された場合は、委員会が受信した時に、当該文書が委員会又は審判官に提出されたものとみなす。
委員会又は審判官は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した文書を提出させることができる。
第8条
【審判官に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供】
審判官は、必要があると認める場合において、審査官又は被審人若しくはその代理人が審判官に提出した書面又は提出しようとする書面に記載した情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)を有しているときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって審判官の定めるものにより審判官に提供することを求めることができる。
第2章
審判手続の開始
第9条
【審判請求書】
第49条第6項又は法第50条第4項の規定による審判の請求は、法第52条第1項に規定する審判請求書を委員会に提出してしなければならない。
第52条第1項の審判請求書は、様式第1号によるものとし、審判請求書には、できる限り、審判請求を理由づける主張を具体的に記載し、かつ、立証しようとする事由ごとに、当該主張に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。
委員会は、審判請求が法第52条第1項及び第2項の規定に従っていないもので補正することができるものであると認めるときは、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、不備が軽微なものであるときは、委員会は、職権で補正することができる。
第10条
【審判請求の取下げ】
第52条第4項の規定による審判請求の取下げは、様式第2号によりしなければならない。
第11条
【審判手続の開始】
第55条第1項に規定する審判開始通知書には、次の事項を記載しなければならない。
原処分の表示
審判事件の番号
被審人又はその代理人が審判期日に出頭すべき旨
第3章
審判官の指定・審判関係者
第12条
【審判官の指定】
委員会は、審判手続を開始した後、法第56条第1項の規定により事件ごとに審判官を指定し、当該事件に係る審判手続の全部又は一部を行わせることとしたときは、その氏名を被審人又はその代理人に通知しなければならない。
前項の場合において、審判官に行わせる審判手続の範囲を限定するときは、委員会は、前項に規定する審判官の氏名に加えて、審判官に審判手続を行わせる範囲についても被審人又はその代理人に通知しなければならない。
第1項の場合において、複数の審判官に審判手続を行わせることとしたときは、委員会は、その審判官のうち一人を審判手続に係る事務を指揮する者として指名し、その旨を被審人又はその代理人に通知しなければならない。
前項に規定する場合においては、当該事件に係る審判手続における審判官の処分は、この規則に別段の定めがある場合を除き、当該複数の審判官の合議体が行う。この場合において、合議体の合議は、過半数により決する。
参照条文
第13条
【審判官の職務権限】
審判官は、法第56条の規定及びこの規則の定めるところにより、審判手続に関して委員会の有する権限を行使するものとする。
審判官は、その職務を公正迅速に、かつ、独立して行わなければならない。
第14条
【審判事務職員】
委員会は、その職員に審判に関する事務を行わせる。
前項の職員(以下「審判事務職員」という。)は、第12条第3項の審判手続に係る事務を指揮する者として指名された者(法第56条第1項の規定により指定された審判官が一人であるときは当該審判官。以下「審判長」という。)の命を受けて、審判手続における調書その他の書類の作成、保管、送達及び送付に関する事務並びにこの規則の規定による通知に関する事務を行う。
第15条
【代理人】
弁護士又は弁護士法人である代理人の権限は、文書をもってこれを証明しなければならない。
前項の文書には、代理人の所属弁護士会の名称及び代理人の事務所を記載し、かつ、代理権の範囲を明確に表示しなければならない。
代理人が弁護士法人である場合には、当該弁護士法人の社員としてその事件を担当する弁護士の氏名、当該弁護士の所属する弁護士会の名称及び各弁護士がその事件について行うことのできる事務(業務)の範囲を第1項の文書で明らかにしなければならない。
被審人は、弁護士又は弁護士法人以外の者を代理人とする旨の承認を求めようとするときは、その者の氏名、住所及び職業を記載し、かつ、被審人との関係その他代理人として適当であるか否かを知るに足る事項を記載した文書を審判官に提出しなければならない。
前項の文書には、代理人の権限及びその範囲を明確に表示した書面を添付しなければならない。
審判官は、第4項の文書の提出を受けた場合において、申立てに係る者を代理人として承認することとしたとき、又は承認しないこととしたときは、その旨を被審人及び審査官に通知しなければならない。
代理人の代理権が消滅したときは、遅滞なく文書をもってその旨を審判官に届け出なければならない。
第16条
【参加のための審尋及び決定】
委員会は、法第70条の3ただし書の規定により被審人及び第三者を審尋する場合には、文書をもってこれを行うことができる。
委員会は、前項の審尋を審判官に行わせることができる。この場合において、審尋を行った審判官は、意見を付して審尋の結果を委員会に報告しなければならない。
委員会は、第三者を当事者として参加させる決定をしたときは、被審人及び当該第三者(以下「参加人」という。)にその旨を通知しなければならない。
第17条
【参加人の行為】
参加人は、審判手続において、事実上及び法律上の陳述をし、又は証拠の申出その他必要な行為をすることができる。
第18条
【適正かつ迅速な審理の実現】
審判官は、二年以内のできるだけ短い期間内に審判手続を終結させることを目標として、充実した手続を実施することにより、当該目標を実現するよう努めるものとする。
審判官、審査官及び被審人又はその代理人は、適正かつ迅速な審理の実現のため、審判手続の計画的な進行を図らなければならない。
第4章
審判期日及びその準備
第19条
【審判期日の指定等】
審判期日は、審判官がこれを指定する。
審査官及び被審人又はその代理人に対する審判期日の通知は、出頭すべき日時、場所その他必要事項を記載した通知書により行わなければならない。ただし、審判期日に出席又は出頭している者に対しては、口頭で告知することができる。
審判官は、必要があると認める場合には、審判期日を変更することができる。
審判官は、前項の規定により審判期日を変更したときは、速やかに、その旨を審査官及び被審人又はその代理人に通知しなければならない。
第20条
【審判廷】
期日における審判は、委員会の審判廷でこれを行う。ただし、審判官は、必要があると認めるときは、当該期日における審判に適当な場所を審判廷に定めることができる。
審判官は、前項ただし書の規定により当該期日における審判に適当な場所を審判廷に定めたときは、速やかに、その旨を審査官及び被審人又はその代理人に通知しなければならない。
第21条
【審判の列席者】
審判期日には、審判官及び審判事務職員が列席し、かつ、審査官が出席して審判を開く。
被審人又はその代理人は、審判期日に出頭するものとする。
第22条
【被審人又はその代理人の不出頭の届出】
被審人又はその代理人は、審判期日に出頭することができないときは、その理由を明らかにして、遅滞なく、その旨を審判官に届け出なければならない。
第23条
【非公開の申出】
審判の非公開の申出は、非公開とすべき範囲、理由及び期間を明らかにして、これを行わなければならない。
審判官は、審判を非公開とするときは、その旨及び理由を述べなければならない。
第24条
【冒頭手続】
被審人又はその代理人は、審判手続の冒頭において、審判請求書に基づく審判請求の趣旨及び理由の陳述をしなければならない。
審査官は、前項に基づく被審人又はその代理人の陳述に続いて、準備書面(審判期日において陳述しようとする事項を記載した書面をいう。以下同じ。)に基づき、原処分の内容並びに原処分の原因となる事実及び法令の適用並びに原処分が相当であることを陳述しなければならない。
前項の陳述に係る準備書面には、審判請求に係る排除措置命令書又は課徴金納付命令書の謄本を添付しなければならない。
第25条
【陳述の擬制】
被審人又はその代理人が審判期日に出頭しないときは、審判官は、当該被審人又はその代理人が提出した審判請求書又は準備書面に記載した事項を陳述したものとみなすことができる。
第26条
【証拠調べ】
審判官は、申出により又は職権で必要と認める証拠調べをすることができる。
証拠調べは、次章に規定する手続に従い、これを行う。
証拠調べは、この規則に特別の定めのある場合を除いて、審判期日において、これを行わなければならない。
第27条
【最終意見陳述】
証拠調べが終わった後、審査官は、原処分の原因となる事実及び法令の適用並びに原処分が相当であることについて意見を陳述することができる。
被審人又はその代理人には、最終に意見を陳述する機会を与えなければならない。
前項の期日に、被審人又はその代理人が正当な理由なく出頭しない場合には、改めて意見を陳述する機会を与えることなく、審判手続を終結することができる。
第28条
【審査官の主張変更】
審査官は、事件の同一性を失わせることとならない範囲内において、法第58条第2項の規定に基づき、原処分の原因となる事実及び法令の適用についての主張を変更することができる。
審査官は、前項の変更により著しく審判手続を遅滞させることとなるときは、前項の規定にかかわらず、当該変更をすることができない。
審査官が第1項の変更をしたときは、審判官は、これにより被審人の防御に実質的な不利益を生ずることとならないよう配慮しなければならない。
審判官は、審査官による第1項の変更を認めないときは、審判期日において、その旨及びその理由を明らかにしなければならない。
第29条
【秩序維持】
審判長は、審判廷の秩序を維持するのに必要な事項を命じ、又は措置をとることができる。
第30条
【弁論の制限】
審判長は、審査官、被審人又はその代理人の行う陳述が既に行った陳述と重複し、又は事件と関係のない事項にわたるときその他特に必要があると認めるときは、これを制限することができる。
第31条
【釈明権・発問権】
審判長は、事件関係を明らかにするため、審判期日又は審判期日外において、事実上及び法律上の事項に関し、審査官、被審人又はその代理人に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。
審判長以外の審判官は、審判長に告げて、前項に規定する措置をすることができる。
審査官、被審人又はその代理人は、相手方の陳述の趣旨が明らかでないときは、審判期日又は審判期日外において、審判長に発問を求め、又は審判長の許可を得て直接に相手方に発問することができる。
審判長又は審判長以外の審判官が、審判期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について第1項又は第2項の規定による措置をしたときは、その内容を相手方に通知しなければならない。
第32条
【審判の併合及び分離】
審判官は、法第64条の規定により審判手続を併合し、又は分離するときは、その旨を審査官及び被審人又はその代理人に通知しなければならない。
審判手続の併合は、第一回審判期日前においてもすることができる。
第33条
【審判の終結及び再開】
審判官は、適当と認めるときは、職権で又は申出により、審判手続を終結し、又は終結した審判手続を再開することができる。
審判官は、前項の規定により審判手続を再開するときは、その旨を審査官及び被審人又はその代理人に通知しなければならない。
参照条文
第34条
【審判官に対する異議の申立て】
審査官、被審人又はその代理人は、審判官の行った審判手続に関する処分(法第56条第1項の規定に基づいて審判官がした法第47条第1項各号の処分を除く。)に不服のあるときは、遅滞なく、審判官の合議体(法第56条第1項の規定により指定された審判官が一人であるときは当該審判官。以下この条において同じ。)に異議の申立てをすることができる。
前項の審判官の合議体は、異議の申立てに理由があると認めるときは、異議を申し立てられた処分を撤回し、取り消し又は変更するものとする。
第1項の審判官の合議体は、異議の申立てを却下したときは、その理由を示さなければならない。
第35条
【委員会に対する異議の申立て】
第56条第1項の規定に基づいて審判官がした法第47条第1項各号の処分を受けた者は、当該処分に不服のあるときは、処分を受けた日から一週間以内に、その理由を記載した文書をもって、委員会に異議の申立てをすることができる。
委員会は、異議の申立てに理由があると認めるときは、異議を申し立てられた処分の撤回、取消し又は変更を審判官に命じ、その旨を申立人に通知するものとする。
委員会は、異議の申立てを却下したときは、その旨を申立人に通知しなければならない。この場合においては、その理由を示さなければならない。
参照条文
第36条
【準備書面】
審判期日における主張は、準備書面で準備しなければならない。
準備書面は、これに記載した事項について相手方が準備をするのに必要な期間をおいて、審判官に提出しなければならない。
第37条
【準備書面等の提出期間】
審判長は、準備書面の提出又は証拠の申出をすることができる期間を定めることができる。
第38条
【準備手続】
審判官は、適当と認める場合は、事件の争点及び証拠を整理するため、審査官の出席及び被審人又はその代理人の出頭を求めて準備手続をすることができる。この場合において、必要があると認めるときは、この方法に代え、又はこれを補うため、審査官又は被審人若しくはその代理人に対し、準備書面その他の文書を提出させることができる。
審判官は、準備手続の期日において、文書(第50条に規定する物件を含む。)の証拠調べをすることができる。
審判官は、準備手続の期日において、相当と認める者の傍聴を許すことができる。ただし、被審人又はその代理人が申し出た者については、手続を行うのに支障を生ずるおそれがあると認める場合を除き、その傍聴を許さなければならない。
審判官は、被審人又はその代理人が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、審判官並びに審査官及び被審人又はその代理人のいずれもが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、準備手続の期日における手続を行うことができる。この場合において、当該期日に出頭しないで準備手続に関与した被審人又はその代理人は、当該期日に出頭したものとみなす。
前項の規定により、審判官、審査官及び被審人又はその代理人のいずれもが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって準備手続の期日における手続を行うときは、審判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
審査官及び被審人又はその代理人は、審判期日において、準備手続の結果を陳述しなければならない。
参照条文
第5章
証拠
第1節
証拠の申出・証拠決定
第39条
【証拠の申出の順序】
審査官は、証拠調べの始めに、事件の審判に必要と認める証拠の申出をしなければならない。
被審人又はその代理人は、前項の申出があった後、事件の審判に必要と認める証拠の申出をすることができる。
第40条
【証拠の申出の方式】
証拠の申出は、証拠方法及びこれにより証明する事項を表示した文書をもって行わなければならない。
第41条
【参考人等の審尋の申出】
参考人の審尋の申出は、参考人の氏名、住所、職業、審尋事項及び審尋の必要性を明らかにして、これを行わなければならない。
被審人本人の審尋の申出は、その氏名、住所、審尋事項及び審尋の必要性を明らかにして、これを行わなければならない。
第42条
【検証の申出】
検証の申出は、検証の目的及び必要性を表示して、これを行わなければならない。
第43条
【鑑定の申出】
鑑定の申出は、鑑定事項及び必要性を明らかにして、これを行わなければならない。
第44条
【鑑定書】
審判長は、法第56条第1項の規定に基づいて法第47条第1項第2号の規定により鑑定人に鑑定をさせたときは、鑑定書によってその経過及び結果を報告させなければならない。
第45条
【書証の申出】
書証の申出は、文書を提出し、又はこれを所持する者にその提出を命ずることを申し立てて、これを行わなければならない。
文書を提出して書証の申出をするときは、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目及び立証趣旨を明らかにして、これを行わなければならない。
文書の提出は、審判長の許可を得た場合は、写しをもって原本に代えることができる。
第46条
【文書等提出命令の申立て】
文書その他の物件の提出命令の申立ては、次の事項を明らかにした文書をもって、これを行わなければならない。
文書その他の物件の表示
文書の趣旨
文書その他の物件の所持者
証すべき事実
申立ての理由及び必要性
審判官は、前項の申立てを理由があると認めるときは、文書その他の物件(以下この条において「文書等」という。)の所持者に対し、その提出を命ずるものとする。
審判官は、必要があると認めるときは、提出に係る文書等を留め置くことができる。
第47条
【留置物の還付・仮還付】
留置物で留置の必要がなくなったものは、事件の終結を待たないで、これを還付しなければならない。
留置物は、所有者又は差出人の請求により、仮にこれを還付することができる。
第48条
【任意提出書】
審判官は、任意に提出された文書その他の物件を受領する場合において、必要があると認めるときは、当該物件の差出人に、提出物件の所有者及び差出人の氏名、職業及び住所並びに品目並びに提出の年月日を記載した文書の提出を求めるものとする。
第49条
【訳文の添付等】
外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは、取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。
参照条文
第50条
【文書に準ずる物件への準用】
書証に関する規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。
第51条
【証拠決定】
証拠の申出があったときは、審査官、被審人又はその代理人は、その採否について意見を述べることができる。
審判官は、審査官、被審人又はその代理人が申し出た証拠で、必要がないと認めるものは、採用しないことができる。この場合においては、その理由を示さなければならない。
証拠調べについて不定期間の障害があるときは、審判官は、証拠調べをしないことができる。
第2節
審尋
第52条
【審尋に用いる文書等の提出時期】
参考人、鑑定人又は被審人本人の審尋において使用する予定の文書は、参考人、鑑定人又は被審人本人の陳述の信用性を争うための証拠として使用するものを除き、その参考人、鑑定人又は被審人本人の審尋を開始する時の相当期間前までに、提出しなければならない。ただし、当該文書を提出することができないときは、その写しを提出すれば足りる。
参照条文
第53条
【呼出状】
参考人の呼出状には、次の事項を記載し、かつ、審判長が記名押印して、これを送達しなければならない。
出頭すべき日時及び場所
審判事件の番号
審尋事項
出頭しない場合における法律上の制裁
その他必要と認める事項
前項の規定は、鑑定人又は被審人本人の呼出状に準用する。
参考人、鑑定人又は被審人本人が在廷しているときは、前二項の規定にかかわらず、直ちに審尋し、又は鑑定させることができる。
参照条文
第54条
【個別審尋】
参考人、鑑定人又は被審人本人を審尋するときは、各別に行わなければならない。
審判長は、後に審尋すべき参考人又は鑑定人が在廷するときは、退廷させなければならない。ただし、必要があると認めるときは、この限りではない。
第55条
【人定審尋】
審判長は、参考人、鑑定人又は被審人本人に対して、まず、その人違いでないかどうかを確かめなければならない。
参照条文
第56条
【宣誓】
宣誓は、審尋前にこれをさせなければならない。
宣誓は、宣誓書によってこれをしなければならない。
参考人の宣誓書には、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、また何事も付け加えないことを誓う旨を記載しなければならない。
鑑定人の宣誓書には、良心に従って誠実に鑑定をすることを誓う旨を記載しなければならない。
審判長は、参考人又は鑑定人に宣誓書を朗読させ、かつ、これに署名押印させなければならない。
前項の場合において、参考人又は鑑定人が署名することができないときは、他人に代書させ、押印することができないときは、指印するものとする。ただし、署名を他人に代書させた場合には、代書した者がその事由を宣誓書に記載して署名押印しなければならない。
宣誓は、起立して厳粛にこれを行わなければならない。
前三項の規定にかかわらず、鑑定人の宣誓は、宣誓書を審判官に提出する方式によってもさせることができる。この場合における審判長による宣誓の趣旨の説明及び次条の規定による虚偽鑑定の罰の告知は、これらの事項を記載した書面を鑑定人に送付する方法によって行う。
第57条
【罰則の告知】
審判長は、宣誓をさせた参考人又は鑑定人に、審尋前に虚偽の陳述又は虚偽の鑑定は法第92条の2の規定により罪となる旨及び正当な理由なく陳述又は鑑定を拒んだときは法第94条の規定により罪となる旨を告げなければならない。
参照条文
第58条
【通訳】
日本語に通じない者が陳述をしようとする場合には、通訳人に通訳をさせなければならない。
前項の場合には、通訳人には、宣誓をさせなければならない。この場合における通訳人の宣誓については、第56条第3項及び第8項を除く。)の規定を準用する。
参照条文
第59条
【参考人等の取調べ方法】
審査官、被審人又はその代理人は、審判長に告げて参考人、鑑定人又は被審人本人を審尋することができる。この場合において、参考人、鑑定人又は被審人本人の取調べが審査官、被審人又はその代理人の申出に係るものであるときは、申出をしたものが先に審尋する。
審判官は、前項の審尋が終わった後、参考人、鑑定人又は被審人本人を審尋することができる。
審判長は、適当と認めるときは、審査官及び被審人又はその代理人の意見を聴き前二項の審尋の順序を変更することができる。
審判長は、第2項の規定によるほか、必要があると認めるときは、いつでも、自ら参考人、鑑定人又は被審人本人を審尋することができる。
審判長以外の審判官は、審判長に告げて、参考人、鑑定人又は被審人本人を審尋することができる。
参考人及び被審人本人は、書類に基づいて陳述することができない。ただし、審判長の許可を受けたときは、この限りでない。
第60条
【質問の制限】
質問は、できる限り、個別的かつ具体的にしなければならない。
審査官及び被審人又はその代理人は、次に掲げる質問をしてはならない。ただし、第2号から第5号までに掲げる質問については、正当な理由がある場合は、この限りでない。
参考人、鑑定人若しくは被審人本人を侮辱し、又は困惑させる質問
誘導質問
既にした質問と重複する質問
争点に関係のない質問
意見の陳述を求める質問
審判長は、質問が前項の規定に違反するものであると認めるときは、職権で又は申出により、これを制限することができる。
第61条
【対質】
審判長は、必要があると認めるときは、参考人、鑑定人又は被審人本人をそれぞれ相互に対質させることができる。
第62条
【鑑定証人】
鑑定証人の審尋については、参考人審尋に関する規定を適用する。
第63条
【映像等の送受信による通話の方法による審尋】
参考人、鑑定人又は被審人本人を審尋する場合において、参考人、鑑定人又は被審人本人が遠隔の地に居住しているときその他審判官が相当と認めるときは、隔地者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、審尋をすることができる。
前項に規定する方法により参考人又は鑑定人を審尋する場合には、審査官及び被審人又はその代理人の意見を聴いて、被審人又はその代理人を審判廷に出頭させ、参考人又は鑑定人を当該審尋に必要な装置の設置された公正取引委員会の事務所に出頭させてこれを行う。
第1項に規定する方法により被審人本人を審尋する場合には、審査官及び被審人又はその代理人の意見を聴いて、被審人本人を当該審尋に必要な装置の設置された公正取引委員会の事務所に出頭させてこれを行う。
第1項に規定する方法による審尋をする場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の審尋の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
第1項に規定する方法による審尋をしたときは、その旨及び参考人、鑑定人又は被審人本人が出頭した公正取引委員会の事務所を調書に記載しなければならない。
参照条文
第3節
期日外における証拠調べ
第64条
【期日外における証拠調べ】
審判官は、必要があると認めるときは、期日外において証拠調べを行うことができる。この場合において、審判官は、審査官及び被審人又はその代理人に、これに立ち会う機会を与えなければならない。
審判長が相当と認めるときは、審判長以外の審判官に前項の証拠調べを行わせることができる。この場合において、審判長は、証拠調べを行う審判官の氏名を審査官及び被審人又はその代理人に通知しなければならない。
参照条文
第6章
審判調書等
第65条
【審判調書】
審判事務職員は、審判期日ごとに調書を作成しなければならない。調書には、次の事項を記載し、審判事務職員がこれに記名押印し、かつ、審判官がこれに認印しなければならない。
審判を行った年月日及び場所
審判に列席した審判官、審判事務職員、出席した審査官の官氏名、出頭した被審人及び代理人並びに立ち会った速記者及び通訳人の氏名
被審人又はその代理人が出頭しなかったときは、その旨
審判を公開しなかったときは、その旨及びその理由
審尋した参考人又は鑑定人の氏名及びこれらの者が宣誓しなかったときは、その旨及びその理由
証拠の申出その他の申立て
審査官、被審人又はその代理人の事実上及び法律上の陳述の要旨並びに参考人、鑑定人又は被審人本人の審尋及び陳述の要旨(速記録又は書面を引用してこれに代えることができる。)
取り調べた文書その他の物件
審判官の行った決定及びその他の申渡し事項
審判長が記載を命じた事項
審判事務職員は、前項の規定にかかわらず、審判長の許可があったときは、審尋における参考人、鑑定人又は被審人本人の陳述を録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。)に記録し、これをもって調書の記載に代えることができる。
審査官、被審人又はその代理人は、調書の記載の正確性について審判官に異議の申立てをすることができる。異議の申立てがあったときは、審判事務職員は、その旨を調書に記載しなければならない。
審判官は、前項の異議の申立てに理由があると認めるときは、審判事務職員に当該異議の申立てに係る部分の記載の変更を命じ、その旨を審査官、被審人又はその代理人に通知するものとする。
参照条文
第66条
【留置調書】
審判官は、法第56条第1項の規定に基づいて法第47条第1項第3号の規定により提出物件を留め置いたときは、留置調書を作成しなければならない。この場合において、審判官は、審判事務職員にこれを作成させることができる。
前項の調書には、審判事件の番号、所有者及び差出人の氏名、職業及び住所並びに留置の年月日及び場所を記載し、審判官又は審判事務職員がこれに記名押印し、かつ、審判官がこれに認印しなければならない。
第1項の調書には、留置物の品目を記載した目録を添付しなければならない。
所有者又は差出人から請求があったときは、目録の写しを交付しなければならない。
参照条文
第67条
【期日外証拠調べ調書】
第64条の規定により期日外において証拠調べを行ったときは、審判事務職員は、調書を作成しなければならない。調書には、証拠調べの結果その他必要な事項を記載し、審判事務職員がこれに記名押印し、かつ、審判官がこれに認印しなければならない。
前項の調書は、審判期日において、これを提示しなければならない。
第65条第2項から第4項までの規定は、第1項の調書について準用する。
第68条
【準備手続調書】
準備手続を行ったときは、審判事務職員は、調書を作成しなければならない。調書には、期日ごとにその結果その他必要な事項を記載し、審判事務職員がこれに記名押印し、かつ、審判官がこれに認印しなければならない。
第38条第4項の手続を行ったときは、審判事務職員は、その旨及び通話先の電話番号を前項の調書に記載しなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を記載することができる。
第65条第3項及び第4項の規定は、第1項の調書について準用する。
参照条文
第69条
【調書への引用】
第65条から前条までの規定に基づく調書には、書面、写真その他審判長が適当と認めるものを引用し、これに添付して調書の一部とすることができる。
第70条
【速記録】
審判長は、必要があると認める場合には、審判期日に速記者を立ち会わせて、陳述を筆記させることができる。
審判に立ち会った速記者は、速記録を作成し、これに記名押印して審判官に提出しなければならない。
審判官は、前項の速記録に認印しなければならない。
第7章
委員会が行う審判手続
第71条
【委員会が行う審判手続】
委員会が審判手続を行う場合は、委員長及び二人以上の委員の列席がなければ、これを行うことができない。
委員長が故障のある場合の前項の規定の適用については、法第33条第2項に規定する委員長を代理する者は、委員長とみなす。
第72条
【審判官が行う審判手続に関する規定の準用】
委員会が審判手続を行う場合には、審判官が行う審判手続に関する規定(審決案に関するものを除く。)を準用する。
第8章
審決
第73条
【審決案の作成】
審判官は、審判手続を終結した後、遅滞なく審決案を作成し、これを事件記録とともに委員会に提出し、かつ、審決案の謄本を審査官及び被審人又はその代理人に送達するものとする。
参照条文
第74条
【審決案の記載事項】
審判官は、法第66条の規定により審決をするのが相当であると思料する場合には、相当とする主文の内容並びに事実、証拠及び法令の適用(納付命令に係る同条第3項の審決をするのが相当であると思料する場合には、これらの事項のほか、課徴金の計算の基礎)を審決案に記載しなければならない。ただし、同条第1項の規定により審決する場合においては、証拠を記載しないことができる。
審決案には、審判官が署名押印しなければならない。
審判官が審決案に署名押印することに支障があるときは、他の審判官が審決案にその事由を付記して署名押印しなければならない。
第75条
【審決案に対する異議の申立て】
審査官及び被審人又はその代理人は、審決案の謄本の送達を受けた日から二週間以内に委員会に対して文書をもって異議の申立てをすることができる。
参照条文
第76条
【陳述の申出】
被審人又はその代理人は、法第63条の規定に基づいて陳述の申出をしようとするときは、前条の期間が経過する日までに、委員会に対し、その旨及び陳述の要旨を記載した文書を提出しなければならない。
前項の陳述の申出があったときは、委員会は、前条の期間が経過した後、遅滞なく、陳述聴取の期日を指定し、かつ、陳述聴取の日時、場所その他必要事項を記載した通知書を被審人又はその代理人に送達するものとする。
参照条文
第77条
【陳述聴取の実施】
被審人又はその代理人は、陳述聴取の期日に出頭することができないときは、その理由を明らかにして、遅滞なく、その旨を委員長に届け出なければならない。
委員長は、必要があると認める場合には、陳述聴取の期日を変更することができる。
陳述聴取の期日における陳述聴取の指揮は、委員長がこれを行う。
陳述聴取の期日には、被審人又はその代理人は、前条第1項の規定により提出した文書に基づいて陳述するものとする。
陳述聴取に関しては、審判事務職員が、陳述された意見の要旨その他必要な事項を記載した調書を作成して記名押印し、かつ、委員長がこれに認印しなければならない。
陳述聴取の期日に、被審人又はその代理人が正当な理由なく出頭しない場合には、陳述の申出を撤回したものとみなす。
第71条の規定は、陳述聴取に準用する。
参照条文
第78条
【審決案に基づく審決】
委員会は、第75条の期間を経過した後(法第63条の規定に基づいて陳述の申出があったときは、陳述の機会を与えた後)、第73条の規定に基づいて提出された事件記録並びに第75条の規定に基づいて提出された異議の申立書及び前条の規定に基づいて聴取した陳述に基づいて、審決案を調査した結果、審決案を適当と認めるときは、直ちに審決案の内容と同じ審決をすることができる。
前項の調査の結果、委員会が異議若しくは陳述を理由あると認めるとき、その他必要があると認めるときは、審決案の内容と異なる審決をし、又は事件について自ら審判を開き、若しくは審判官に対し更に審理すべき点を指示して審判手続の再開を命ずることができる。
参照条文
第79条
【審決案提出後における審判手続の再開】
委員会は、前条第2項の規定により自ら審判を開き、又は審判官に対し審判手続の再開を命ずる旨の決定をしたときは、決定書を作成し、その謄本を被審人又はその代理人に送達しなければならない。
第80条
【審決書】
第66条の規定により審決をする場合には、法第70条の2第1項に規定する事項のほか、主文及び証拠を審決書に記載しなければならない。ただし、法第66条第1項の規定により審決する場合においては、証拠を記載しないことができる。
審決書の謄本は、被審人又はその代理人にこれを送達しなければならない。
第81条
【更正決定】
審決書に誤記その他明白な誤りがあるときは、委員会は、職権又は申立てにより、更正決定をすることができる。
更正決定に対しては、決定書の謄本の送達を受けた日から二週間以内に、委員会に対し、文書をもって異議の申立てをすることができる。
委員会は、前項の異議申立てを却下したときは、これを申立人に通知しなければならない。
参照条文
第82条
【差戻判決の確定後における審判手続】
委員会は、法第81条第3項による事件の差戻しがあったときは、速やかに審判期日を定めなければならない。
委員会は、適当と認めるときは、前項の場合における差戻し後の審判手続を審判官に行わせることができる。
附則
この規則は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成十八年一月四日)から施行する。
改正法附則第二条に規定する公正取引委員会規則で定める事項は、速記者の立会いのほか、法第五十六条第一項の規定による調査の嘱託、法第五十九条第一項の規定による被審人又はその代理人による調査の嘱託の要求及び調査を嘱託された者に対する質問並びに法第六十一条第二項の規定による調書の作成とする。
改正法附則第二条の規定により従前の例によらないこととされる手続について法の規定を適用する場合においては、この規則第六十五条中「審判事務職員」とあるのは「審判の事務を行う職員」と、「審尋」とあるのは「審訊」と、第六十六条中「法第五十六条第一項」とあるのは「法第五十一条の二」と、「法第四十七条第一項第三号」とあるのは「法第四十六条第一項第三号」と、「審判事務職員」とあるのは「審判の事務を行う職員」と、第六十七条及び第六十八条中「審判事務職員」とあるのは「審判の事務を行う職員」と読み替えるものとする。
附則
平成21年8月28日
この規則は、消費者庁及び消費者委員会設置法の施行の日(平成二十一年九月一日)から施行する。

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