• 大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法
    • 第1条 [趣旨]
    • 第2条 [特定大規模災害及びこれに対して適用すべき措置等の指定]
    • 第3条 [借地契約の解約等の特例]
    • 第4条 [借地権の対抗力の特例]
    • 第5条 [土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可の特例]
    • 第6条 [強行規定]
    • 第7条 [被災地短期借地権]
    • 第8条 [従前の賃借人に対する通知]

大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法

平成25年6月26日 制定
第1条
【趣旨】
この法律は、大規模な災害の被災地において、当該災害により借地上の建物が滅失した場合における借地権者の保護等を図るための借地借家に関する特別措置を定めるものとする。
第2条
【特定大規模災害及びこれに対して適用すべき措置等の指定】
大規模な火災、震災その他の災害であって、その被災地において借地権者(借地借家法第2条第2号に規定する借地権者をいう。以下同じ。)の保護その他の借地借家に関する配慮をすることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を特定大規模災害として政令で指定するものとする。
前項の政令においては、次条から第5条まで、第7条及び第8条に規定する措置のうち当該特定大規模災害に対し適用すべき措置並びにこれを適用する地区を指定しなければならない。当該指定の後、新たに次条から第5条まで、第7条及び第8条に規定する措置を適用する必要が生じたときは、適用すべき措置及びこれを適用する地区を政令で追加して指定するものとする。
第3条
【借地契約の解約等の特例】
特定大規模災害により借地権(借地借家法第2条第1号に規定する借地権をいう。以下同じ。)の目的である土地の上の建物が滅失した場合(同法第8条第1項の場合を除く。)においては、前条第1項の政令の施行の日から起算して一年を経過する日までの間は、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
前項の場合においては、借地権は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れがあった日から三月を経過することによって消滅する。
参照条文
第4条
【借地権の対抗力の特例】
借地借家法第10条第1項の場合において、建物の滅失があっても、その滅失が特定大規模災害によるものであるときは、第2条第1項の政令の施行の日から起算して六月を経過する日までの間は、借地権は、なお同法第10条第1項の効力を有する。
前項に規定する場合において、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときも、借地権は、なお借地借家法第10条第1項の効力を有する。ただし、第2条第1項の政令の施行の日から起算して三年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
民法第566条第1項及び第3項の規定は、前二項の規定により第三者に対抗することができる借地権の目的である土地が売買の目的物である場合について準用する。
民法第533条の規定は、前項の場合について準用する。
第5条
【土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可の特例】
特定大規模災害により借地権の目的である土地の上の建物が滅失した場合において、借地権者がその土地の賃借権を第三者に譲渡し、又はその土地を第三者に転貸しようとする場合であって、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者(借地借家法第2条第3号に規定する借地権設定者をいう。以下この項及び第4項において同じ。)に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
借地借家法第19条第2項から第6項までの規定は前項の申立てがあった場合について、同法第4章の規定は同項に規定する事件及びこの項において準用する同条第3項に規定する事件の裁判手続について、それぞれ準用する。この場合において、同法第19条第3項中「建物の譲渡及び賃借権」とあるのは「賃借権」と、同法第59条中「建物の譲渡」とあるのは「賃借権の譲渡又は転貸」と読み替えるものとする。
第1項の申立ては、第2条第1項の政令の施行の日から起算して一年以内に限り、することができる。
前三項の規定は、転借地権(借地借家法第2条第4号に規定する転借地権をいう。)が設定されている場合における転借地権者(同条第5号に規定する転借地権者をいう。次条において同じ。)と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第2項において準用する同法第19条第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。
第6条
【強行規定】
前三条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。
参照条文
第7条
【被災地短期借地権】
第2条第1項の政令の施行の日から起算して二年を経過する日までの間に、同条第2項の規定により指定された地区に所在する土地について借地権を設定する場合においては、借地借家法第9条の規定にかかわらず、存続期間を五年以下とし、かつ、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。)及び建物の築造による存続期間の延長がないこととする旨を定めることができる。
前項に規定する場合において、同項の定めがある借地権を設定するときは、借地借家法第13条第17条及び第25条の規定は、適用しない。
第1項の定めがある借地権の設定を目的とする契約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
第8条
【従前の賃借人に対する通知】
特定大規模災害により賃借権の目的である建物(以下この条において「旧建物」という。)が滅失した場合において、旧建物の滅失の当時における旧建物の賃貸人(以下この条において「従前の賃貸人」という。)が旧建物の敷地であった土地の上に当該滅失の直前の用途と同一の用途に供される建物を新たに築造し、又は築造しようとする場合であって、第2条第1項の政令の施行の日から起算して三年を経過する日までの間にその建物について賃貸借契約の締結の勧誘をしようとするときは、従前の賃貸人は、当該滅失の当時旧建物を自ら使用していた賃借人(転借人を含み、一時使用のための賃借をしていた者を除く。)のうち知れている者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。
参照条文
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(罹災都市借地借家臨時処理法等の廃止)
次に掲げる法律は、廃止する。
第3条
(旧罹災都市借地借家臨時処理法の効力に関する経過措置)
接収不動産に関する借地借家臨時処理法第二十条の規定の適用については、前条の規定による廃止前の罹災都市借地借家臨時処理法(次条において「旧罹災都市借地借家臨時処理法」という。)第十九条から第二十二条までの規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
第4条
(罹災都市借地借家臨時処理法の廃止に伴う経過措置)
この法律の施行前にした申出に係る旧罹災都市借地借家臨時処理法第二条(旧罹災都市借地借家臨時処理法第九条、第二十五条の二及び第三十二条第一項において準用する場合を含む。)及び第十四条(旧罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二において準用する場合を含む。)の規定による賃借権の設定並びに当該設定があった賃借権に関する法律関係については、なお従前の例による。
この法律の施行前にした申出に係る旧罹災都市借地借家臨時処理法第三条(旧罹災都市借地借家臨時処理法第九条、第二十五条の二及び第三十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による借地権の譲渡及び当該譲渡があった借地権に関する法律関係については、なお従前の例による。
この法律の施行前に旧罹災都市借地借家臨時処理法第十条(旧罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二において準用する場合を含む。)の規定により第三者に対抗することができることとされた借地権の第三者に対する効力については、なお従前の例による。
この法律の施行前に旧罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二において準用する旧罹災都市借地借家臨時処理法第十一条の規定により延長された借地権の存続期間については、なお従前の例による。
この法律の施行前に旧罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二において準用する旧罹災都市借地借家臨時処理法第十二条及び旧罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二において準用する旧罹災都市借地借家臨時処理法第十三条において準用する旧罹災都市借地借家臨時処理法第十二条の規定によりされた催告については、なお従前の例による。
この法律の施行前にした申立てに係る旧罹災都市借地借家臨時処理法第十七条(旧罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二において準用する場合を含む。)に規定する事件については、なお従前の例による。
第5条
(政令への委任)
前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

キーボードでも操作できます

  (テンキーを利用する場合は

    NumLockして下さい)

「1」+「4」+「Enter」 ⇒ 14条

「Esc」 or 「テンキーの/」 ⇒ クリア