• 果樹農業振興特別措置法

果樹農業振興特別措置法

平成23年8月30日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、果実の需要の動向に即応して計画的に果樹農業の振興を図るための措置及びこれに関連して合理的な果樹園経営の基盤を確立するための措置並びにこれらに併せて果実の生産及び出荷の安定を図るための措置並びに果実の流通及び加工の合理化に資するための措置を定めることにより、果樹農業の健全な発展に寄与することを目的とする。
第2章
果樹農業振興基本方針等
第2条
【果樹農業振興基本方針】
農林水産大臣は、政令で定めるところにより、果樹農業の振興を図るための基本方針(以下「果樹農業振興基本方針」という。)を定めなければならない。
果樹農業振興基本方針には、主要な種類の果樹として政令で定めるもの(以下「果樹」という。)につき、次に掲げる事項を定めるものとする。
果樹農業の振興に関する基本的な事項
果実の需要の長期見通しに即した栽培面積その他果実の生産の目標
栽培に適する自然的条件に関する基準
近代的な果樹園経営の基本的指標
果実の流通及び加工の合理化に関する基本的な事項
その他必要な事項
農林水産大臣は、果樹農業振興基本方針を定めようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。
農林水産大臣は、果樹農業振興基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第2条の2
【果樹農業振興基本方針の変更】
農林水産大臣は、果実の需給事情、農業事情その他の経済事情の変動により必要があるときは、果樹農業振興基本方針を変更するものとする。
前条第3項及び第4項の規定は、果樹農業振興基本方針の変更について準用する。
第2条の3
【都道府県の果樹農業振興計画】
都道府県知事は、果樹農業振興基本方針に即して、政令で定めるところにより、当該都道府県における果樹農業の振興を図るための計画(以下「果樹農業振興計画」という。)を定めることができる。
果樹農業振興計画には、当該都道府県における主要な種類の果樹につき、次に掲げる事項を定めるものとする。
栽培面積その他果実の生産の目標
その区域の自然的経済的条件に応ずる近代的な果樹園経営の指標
果樹農業振興計画には、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
果樹農業の振興に関する方針
土地改良その他生産基盤の整備に関する事項
果実の集荷、貯蔵又は販売の共同化その他果実の流通の合理化に関する事項
果実の加工の合理化に関する事項
その他必要な事項
都道府県知事は、第2項の主要な種類の果樹のうちに、その果実につき、生産の安定的な拡大又は合理化を図り及び流通の合理化を推進することが特に必要であり、かつ、そのためには広域の濃密生産団地を計画的に形成することが適当であると認められるものがあるときは、果樹農業振興計画において、当該種類の果樹についてのその広域の濃密生産団地の形成に関する方針を明らかにするとともに、その方針に即して同項各号及び前項各号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
都道府県知事は、果樹農業振興計画を定めようとするときは、果樹農業に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。
都道府県知事は、果樹農業振興計画を定めたときは、遅滞なく、これを農林水産大臣に提出するとともに、その概要を公表しなければならない。
第2条の4
【果樹農業振興計画の変更】
前条第5項及び第6項の規定は、果樹農業振興計画の変更について準用する。
第3章
果樹園経営計画
第3条
【果樹園経営計画】
第2条の3第6項の規定による提出があつた果樹農業振興計画に係る都道府県の区域内において果樹を栽培しているか、又は栽培しようとする農業者は、政令で定めるところにより、果樹園経営計画を作成し、これを都道府県知事に提出して、その果樹園経営計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
前項の果樹園経営計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
農業経営の現状
農業経営の改善目標
前号の改善目標を達成するため採るべき措置に関する計画
その他農林水産省令で定める事項
第4条
【都道府県知事の認定】
都道府県知事は、前条第1項の認定を受けたい旨の請求があつた場合において、その果樹園経営計画に係る事項が次の各号の要件のすべてをみたすときは、当該果樹園経営計画が適当である旨の認定をするものとする。
前条第2項第2号の改善目標が農林水産大臣の定める基準に適合すること。
前条第2項第3号の措置に関する計画が合理的な果樹園経営の基盤の確立を図るために必要かつ適当なものであること。
前二号に規定するもののほか、当該果樹園経営計画が果樹農業振興計画の内容に照らし適当と認められるものであること。
当該果樹園経営計画に係る事項の達成される見込みが確実であること。
第4条の2
【資金の貸付け】
株式会社日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫は、果樹園経営計画につき前条の認定を受けた者に対し、その申請に基づき、株式会社日本政策金融公庫法又は沖縄振興開発金融公庫法の定めるところにより、当該認定に係る果樹園経営計画を実施するために必要な資金の貸付けを行うものとする。
第4章
果実の生産及び出荷の安定に関する措置
第4条の3
【生産出荷安定指針】
農林水産大臣は、特定果実(その需給が著しく均衡を失し、又は失するおそれがあり、かつ、その状態を改善するために一年を超える相当の期間を必要とすると見込まれる果樹の果実であつて政令で定めるものをいう。以下同じ。)について、かつ、その需要の動向及び生産の状況からみて需給が著しく均衡を失すると見込まれる年について、特定果実の生産又は出荷を行う者及びこれらの者の組織する団体(以下「特定果実生産者等」という。)、次条の規定により指定を受けた法人並びに同条第2号に規定する法人に対する特定果実の安定的な生産及び出荷を図るための指針(以下「生産出荷安定指針」という。)を定めるものとする。
生産出荷安定指針には、次に掲げる事項を定めるものとし、その内容は、果樹農業振興基本方針の内容に即するものでなければならない。
対象とする期間
特定果実の安定的な生産及び出荷の目標
前号の目標を達成するために必要な措置に関する基本的な事項
農林水産大臣は、生産出荷安定指針を定めようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。
農林水産大臣は、生産出荷安定指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
前二項の規定は、生産出荷安定指針の変更について準用する。
第4条の4
【法人の指定及び業務】
農林水産大臣は、一般社団法人又は一般財団法人であつて、次に掲げる業務を適正かつ確実に実施できると認められるものを、その申請により、全国に一を限つて、当該業務を全国的に実施する者として指定することができる。
特定果実の安定的な生産及び出荷の促進並びに特定果実に係る果実製品(果実を加工し又はこれを原料として製造した製品をいう。以下同じ。)の保管に関する事業を行うこと。
一般社団法人又は一般財団法人であつて、特定果実の安定的な生産及び出荷を促進すること、果実製品の原料として使用する果実を安定的に供給する生産者に対し当該果実の価格が著しく低落した場合に生産者補給金を交付することその他果実の生産及び出荷の安定に関する業務を都道府県の区域内において行うもの(以下「都道府県法人」という。)に対し、助言、指導その他の援助を行うこと。
果実及び果実製品の需要の増進を図るための事業を行うこと。
その他果実の生産及び出荷の安定に関する事業を行うこと。
第4条の5
【業務実施規程の承認】
前条の規定による指定を受けた法人(以下「指定法人」という。)は、同条第1号に掲げる業務を実施しようとするときは、対象とする特定果実の種類、実施時期、実施方法その他農林水産省令で定める事項を記載した業務実施規程を作成し、農林水産大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
農林水産大臣は、前項の承認の申請に係る業務実施規程が生産出荷安定指針に適合すると認めるときでなければ、同項の承認をしてはならない。
第4条の6
【事業計画の承認等】
指定法人は、毎事業年度開始前に(第4条の4の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後速やかに)、同条各号に掲げる業務に係る事業計画及び収支予算を作成し、農林水産大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
指定法人は、毎事業年度経過後三月以内に、第4条の4各号に掲げる業務に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、農林水産大臣に提出しなければならない。
第4条の7
【監督等】
農林水産大臣は、第4条の4各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定法人に対し、その業務に関し必要な報告をさせることができる。
農林水産大臣は、指定法人が第4条の4各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、指定法人に対し、その業務の方法の改善に関し必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
農林水産大臣は、指定法人が前項の規定による命令に違反したときは、第4条の4の規定による指定を取り消すことができる。
第4条の8
【勧告】
農林水産大臣又は都道府県知事は、第4条の3第4項の規定により生産出荷安定指針が公表されている場合において、特定果実生産者等による特定果実の生産又は出荷が、指定法人が行う第4条の4第1号に掲げる業務又は都道府県法人が行う特定果実の安定的な生産及び出荷の促進に関する業務の円滑な実施に著しく支障を及ぼしていると認めるときは、当該特定果実生産者等に対し、当該業務の実施に協力するよう必要な勧告をすることができる。
参照条文
第5条
【外国産の果実等に関する措置】
政府は、外国産の果実又は果実製品の輸入によつて国内産の特定果実又は特定果実に係る果実製品の価格が著しく低落し又は低落するおそれがあり、その結果、特定果実の生産又は出荷に重大な支障を与え又は与えるおそれがある場合において、特定果実又は特定果実に係る果実製品につき、第4条の3から前条までに規定する措置によつてはその事態を克服することが困難であると認められるときは、当該外国産の果実又は果実製品の輸入に関し必要な措置を講ずる等当該事態を克服するため相当と認められる措置を講ずるものとする。
第5章
雑則
第6条
【果実等の生産等の状況に関する情報の提供】
国及び都道府県は、果樹農業の健全な発展並びに果実の流通及び加工の合理化に資するため、果実及び果実製品の生産、集荷、貯蔵、販売等の状況を調査し、これらに関し必要な情報を提供するように努めるものとする。
参照条文
第7条
【その他の援助措置】
国及び都道府県は、前条に規定する措置のほか、果樹園経営計画の作成及びその達成のために必要な助言及び指導、優良苗木の供給の円滑化のための援助、指定法人及び都道府県法人の業務の円滑な実施のために必要な助言、指導その他の援助その他果樹農業の振興のために必要な援助を行うように努めるものとする。
第7条の2
【果樹農業振興基本方針等と果樹農業の振興に関する施策】
国及び都道府県は、果樹農業の振興に関する施策を実施するに当たつては、国にあつては果樹農業振興基本方針、都道府県にあつては果樹農業振興計画に即してしなければならない。
第7条の3
【消費の拡大及び輸出の振興】
国は、果樹農業の健全な発展に資するため、果実及び果実製品の消費の拡大及び輸出の振興に関し必要な施策を積極的に行なうように努めるものとする。
第8条
【報告の徴収】
農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律を施行するため必要があるときは、果実又は果実製品の生産、集荷、貯蔵又は販売の事業を行なう者又はこれらの者の組織する法人から、これらの事業に係る業務に関して、必要な報告を徴することができる。
第9条
【権限の委任】
この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。
第6章
罰則
第10条
第8条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、一万円以下の過料に処する。
附則
この法律は、公布の日から起算して六十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和37年5月11日
この法律は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和38年3月30日
この法律は、昭和三十八年四月一日から施行する。
附則
昭和41年7月1日
この法律は、公布の日から施行する。
改正後の第三条第一項及び第四条の規定は、昭和四十三年四月一日以後にされた果樹園経営計画の認定の請求及び当該請求に係る認定について適用し、同日前にされた果樹園経営計画の認定の請求及び当該請求に係る認定については、改正前の第三条第一項及び第四条の規定の例による。
昭和四十三年四月一日前にされた改正前の第三条第一項(前項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による認定の請求に係る果樹園経営計画についてした認定は、改正後の第四条の規定によりした認定とみなす。
附則
昭和47年5月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
附則
昭和53年7月5日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
附則
昭和60年4月26日
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成9年6月20日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
第16条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びに附則第三条第一項及び第四条第一項の規定によりなお効力を有することとされる場合並びに附則第五条、第六条、第七条第一項及び第八条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(職員の身分引継ぎ)
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
第30条
(別に定める経過措置)
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成12年5月19日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成13年4月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成19年5月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年十月一日から施行する。
第8条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第9条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第10条
(調整規定)
この法律及び株式会社商工組合中央金庫法、株式会社日本政策投資銀行法又は地方公営企業等金融機構法に同一の法律の規定についての改正規定がある場合において、当該改正規定が同一の日に施行されるときは、当該法律の規定は、株式会社商工組合中央金庫法、株式会社日本政策投資銀行法又は地方公営企業等金融機構法によってまず改正され、次いでこの法律によって改正されるものとする。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成23年8月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第81条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第82条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

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