食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令
平成21年3月31日 改正
第1条
【食品循環資源の再生利用等の実施の原則】
1
食品関連事業者は、
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(以下「法」という。)
第3条第1項の基本方針に定められた食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標を達成するため、食品循環資源の再生利用等に関する技術水準及び経済的な状況を踏まえつつ、その事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等について、その事業の特性に応じて、食品循環資源の再生利用等を計画的かつ効率的に実施するものとする。
2
食品関連事業者は、次に定めるところにより、食品循環資源の再生利用等を実施するものとする。この場合において、次に定めるところによらないことが環境への負荷の低減にとって有効であると認められるときは、この限りでない。
②
食品循環資源の全部又は一部のうち、再生利用を実施することができるものについては、特定肥飼料等の需給状況を勘案して、可能な限り再生利用を実施すること。この場合において、飼料の原材料として利用することができるものについては、可能な限り飼料の原材料として利用すること。
③
食品循環資源の全部又は一部のうち、
前号の規定による再生利用を実施することができないものであって、熱回収を実施することができるものについては、可能な限り熱回収を実施すること。
④
食品廃棄物等の全部又は一部のうち、前二号の規定による再生利用及び熱回収を実施することができないものについては、減量を実施することにより、事業場外への排出を可能な限り抑制すること。
第2条
【食品循環資源の再生利用等の実施に関する目標】
食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用等の実施に当たっては、毎年度、当該年度における食品循環資源の再生利用等の実施率(付録第一の算式によって算出される率をいう。)が同年度における基準実施率(付録第二の算式によって算出される率をいう。)以上となるようにすることを目標とするものとする。
第3条
【食品廃棄物等の発生の抑制】
1
食品関連事業者は、食品廃棄物等の発生の抑制を実施するに当たっては、主として次に掲げる措置を講ずるものとする。
①
食品の製造又は加工の過程における原材料の使用の合理化を行うこと。
②
食品の流通の過程における食品の品質管理の高度化その他配送及び保管の方法の改善を行うこと。
③
食品の販売の過程における食品の売れ残りを減少させるための仕入れ及び販売の方法の工夫を行うこと。
④
食品の調理及び食事の提供の過程における調理残さを減少させるための調理方法の改善及び食べ残しを減少させるためのメニューの工夫を行うこと。
⑤
売れ残り、調理残さその他の食品廃棄物等の発生形態ごとに定期的に発生量を計測し、その変動の状況の把握に努めること。
⑥
食品の販売を行う食品関連事業者にあっては売れ残りの、食事の提供を行う食品関連事業者にあっては食べ残しの量に関する削減目標を定める等必要に応じ細分化した実施目標を定め、計画的な食品廃棄物等の発生の抑制に努めること。
2
食品関連事業者は、食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため、主務大臣が定める期間ごとに、当該年度における食品廃棄物等の発生原単位(付録第三の算式によって算出される値をいう。)が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努めるものとする。
第4条
【食品循環資源の管理の基準】
食品関連事業者は、食品循環資源を特定肥飼料等の原材料として利用するに当たっては、次に掲げる基準に従って食品循環資源の管理を行うものとする。
①
食品循環資源の再生利用により得ようとする特定肥飼料等の種類及びその製造の方法を勘案し、食品循環資源と容器包装、食器、楊枝その他の異物及び特定肥飼料等の原材料の用途に適さない食品廃棄物等とを適切に分別すること。
②
異物、病原微生物その他の特定肥飼料等を利用する上での危害の原因となる物質の混入を防止すること。
③
食品循環資源の品質を保持するため必要がある場合には、腐敗防止のための温度管理、腐敗した部分の速やかな除去その他の品質管理を適切に行うこと。
第5条
【食品廃棄物等の収集又は運搬の基準】
食品関連事業者は、自ら食品廃棄物等の収集又は運搬を行うに当たっては、次に掲げる基準に従うものとする。
①
特定肥飼料等の原材料として利用することを目的として食品循環資源の収集又は運搬を行うに当たっては、次に掲げる措置を講ずること。
イ
異物、病原微生物その他の特定肥飼料等を利用する上での危害の原因となる物質の混入を防止すること。
ロ
食品循環資源の品質を保持するため必要がある場合には、腐敗防止のための温度管理、腐敗した部分の速やかな除去その他の品質管理を適切に行うこと。
②
食品廃棄物等の飛散及び流出並びに悪臭の発散その他による生活環境の保全上の支障が生じないよう適切な措置を講ずること。
第6条
【食品廃棄物等の収集又は運搬の委託の基準】
食品関連事業者は、他人に食品廃棄物等の収集又は運搬を委託するに当たっては、次に掲げる基準に従うものとする。
①
委託先として
前条の基準に従って食品廃棄物等の収集又は運搬を行う者を選定すること。
②
前号の委託先における食品廃棄物等の収集又は運搬の実施状況を定期的に把握するとともに、当該委託先における食品廃棄物等の収集又は運搬が
前条の基準に従って行われていないと認められるときは、委託先の変更その他必要な措置を講ずること。
第7条
【再生利用に係る特定肥飼料等の製造の基準】
1
食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用として自ら特定肥飼料等の製造を行うに当たっては、次に掲げる基準に従うものとする。
①
特定肥飼料等の需給状況を勘案して、農林漁業者等の需要に適合する品質を有する特定肥飼料等の製造を行うこと。
②
食品循環資源の再生利用により得ようとする特定肥飼料等の種類及びその製造の方法を勘案し、食品循環資源と容器包装、食器、楊枝その他の異物及び特定肥飼料等の原材料の用途に適さない食品廃棄物等とを適切に分別すること。
③
食品循環資源の品質を保持するため必要がある場合には、腐敗防止のための温度管理、腐敗した部分の速やかな除去その他の品質管理を適切に行うこと。
④
食品循環資源の組成に応じた適切な用途、手法及び技術の選択により、食品循環資源を特定肥飼料等の原材料として最大限に利用すること。
⑤
特定肥飼料等の安全性を確保し、及びその品質を向上させるため、次に掲げる措置を講ずること。
イ
異物、病原微生物その他の特定肥飼料等を利用する上での危害の原因となる物質の混入の防止、機械装置の保守点検その他の工程管理を適切に行うこと。
ロ
特定肥飼料等の製造に使用される食品循環資源及びそれ以外の原材料並びに特定肥飼料等の性状の分析及び管理を適正に行い、特定肥飼料等の含有成分の安定化を図ること。
⑥
食品廃棄物等の飛散及び流出並びに悪臭の発散その他による生活環境の保全上の支障が生じないよう適切な措置を講ずること。
⑦
特定肥飼料等を他人に譲渡する場合には、当該特定肥飼料等が利用されずに廃棄されることのないよう、農林漁業者等との安定的な取引関係の確立その他の方法により特定肥飼料等の利用を確保すること。
2
食品関連事業者は、
前項の場合において肥料の製造を行うときは、その製造する肥料について、
肥料取締法及びこれに基づく命令により定められた規格に適合させるものとする。
4
食品関連事業者は、
第1項の場合において配合飼料の製造を行うときは、粉末乾燥処理を行うものとする。
第8条
【再生利用に係る特定肥飼料等の製造の委託及び食品循環資源の譲渡の基準】
1
食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用として他人に特定肥飼料等の製造を委託し、又は食品循環資源を譲渡するに当たっては、委託先又は譲渡先として、
前条の基準に従って特定肥飼料等の製造を行う者を選定するものとする。
2
食品関連事業者は、
前項の委託先又は譲渡先における特定肥飼料等の製造の実施状況を定期的に把握するとともに、当該委託先又は譲渡先における特定肥飼料等の製造が
前条の基準に従って行われていないと認められるときは、委託先又は譲渡先の変更その他必要な措置を講ずるものとする。
第9条
【食品循環資源の熱回収】
食品関連事業者は、食品循環資源の熱回収を行うに当たっては、次に掲げる事項について適切に把握し、その記録を行うものとする。
①
事業活動に伴い食品廃棄物等を生ずる自らの工場又は事業場から七十五キロメートルの範囲内における特定肥飼料等の製造の用に供する施設(
次号において「特定肥飼料等製造施設」という。)の有無
②
事業活動に伴い食品廃棄物等を生ずる自らの工場又は事業場から七十五キロメートルの範囲内に存する特定肥飼料等製造施設において、当該工場又は事業場において生ずる食品循環資源を受け入れて再生利用することが著しく困難であることを示す状況
③
熱回収を行う食品循環資源の種類及び発熱量その他の性状
④
食品循環資源の熱回収により得られた熱量(その熱を電気に変換した場合にあっては、当該電気の量)
第10条
【情報の提供】
1
食品関連事業者は、特定肥飼料等を利用する者(
第8条第1項に規定する場合にあっては、委託先又は譲渡先)に対し、特定肥飼料等の原材料として利用する食品循環資源について、その発生の状況、含有成分その他の必要な情報を提供するものとする。
2
食品関連事業者は、毎年度、当該年度の前年度における食品廃棄物等の発生量及び食品循環資源の再生利用等の状況についての情報をインターネットの利用その他の方法により提供するよう努めるものとする。
第11条
【食品廃棄物等の減量】
食品関連事業者は、食品廃棄物等の減量を実施するに当たっては、その実施後に残存する食品廃棄物等について、適正な処理を行うものとする。
第12条
【費用の低減】
食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用等の効率的な実施体制の整備を図ることにより、食品循環資源の再生利用等に要する費用を低減させるよう努めるものとする。
第13条
【加盟者における食品循環資源の再生利用等の促進】
1
定型的な約款に基づき継続的に、商品を販売し、又は販売をあっせんし、かつ、経営に関する指導を行う事業を行う食品関連事業者(
次項において「本部事業者」という。)は、当該事業に加盟する者(以下この条において「加盟者」という。)の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等について、当該加盟者に対し、食品循環資源の再生利用等に関し必要な指導を行い、食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めるものとする。
2
加盟者は、
前項の規定により本部事業者が実施する食品循環資源の再生利用等の促進のための措置に協力するよう努めるものとする。
第14条
【教育訓練】
食品関連事業者は、その従業員に対して、食品循環資源の再生利用等に関する必要な教育訓練を行うよう努めるものとする。
第15条
【再生利用等の実施状況の把握及び管理体制の整備】
1
食品関連事業者は、その事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の発生量及び食品循環資源の再生利用等の実施量その他食品循環資源の再生利用等の状況を適切に把握し、その記録を行うものとする。
2
食品関連事業者は、
前項の規定による記録の作成その他食品循環資源の再生利用等に関する事務を適切に行うため、事業場ごとの責任者の選任その他管理体制の整備を行うものとする。
附則
平成19年11月30日
この省令は、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十九年十二月一日)から施行する。