仮登記担保契約に関する法律
平成16年12月3日 改正
第1条
【趣旨】
この法律は、金銭債務を担保するため、その不履行があるときは債権者に債務者又は第三者に属する所有権その他の権利の移転等をすることを目的としてされた代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約その他の契約で、その契約による権利について仮登記又は仮登録のできるもの(以下「仮登記担保契約」という。)の効力等に関し、特別の定めをするものとする。
第2条
【所有権移転の効力の制限等】
1
仮登記担保契約が土地又は建物(以下「土地等」という。)の所有権の移転を目的とするものである場合には、予約を完結する意思を表示した日、停止条件が成就した日その他のその契約において所有権を移転するものとされている日以後に、債権者が
次条に規定する清算金の見積額(清算金がないと認めるときは、その旨)をその契約の相手方である債務者又は第三者(以下「債務者等」という。)に通知し、かつ、その通知が債務者等に到達した日から二月を経過しなければ、その所有権の移転の効力は、生じない。
2
前項の規定による通知は、
同項に規定する期間(以下「清算期間」という。)が経過する時の土地等の見積価額並びにその時の債権及び債務者等が負担すべき費用で債権者が代わつて負担したもの(土地等が二個以上あるときは、各土地等の所有権の移転によつて消滅させようとする債権及びその費用をいう。)の額(以下「債権等の額」という。)を明らかにしてしなければならない。
第3条
【清算金】
1
債権者は、清算期間が経過した時の土地等の価額がその時の債権等の額を超えるときは、その超える額に相当する金銭(以下「清算金」という。)を債務者等に支払わなければならない。
2
民法第533条の規定は、清算金の支払の債務と土地等の所有権移転の登記及び引渡しの債務の履行について準用する。
3
前二項の規定に反する特約で債務者等に不利なものは、無効とする。ただし、清算期間が経過した後にされたものは、この限りでない。
第4条
【物上代位】
1
第2条第1項に規定する場合において、債権者のために土地等の所有権の移転に関する仮登記がされているときは、その仮登記(以下「担保仮登記」という。)後に登記(仮登記を含む。)がされた先取特権、質権又は抵当権を有する者は、その順位により、債務者等が支払を受けるべき清算金(
同項の規定による通知に係る清算金の見積額を限度とする。)に対しても、その権利を行うことができる。この場合には、清算金の払渡し前に差押えをしなければならない。
2
前項の規定は、担保仮登記後にされた担保仮登記(
第14条の担保仮登記を除く。以下「後順位の担保仮登記」という。)の権利者について準用する。
第5条
【物上代位権者等に対する通知】
1
第2条第1項の規定による通知が債務者等に到達した時において、担保仮登記後に登記(仮登記を含む。)がされている先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は後順位の担保仮登記の権利者があるときは、債権者は、遅滞なく、これらの者に対し、
同項の規定による通知をした旨、その通知が債務者等に到達した日及び
同条の規定により債務者等に通知した事項を通知しなければならない。
2
第2条第1項の規定による通知が債務者等に到達した時において、担保仮登記に基づく本登記につき登記上利害関係を有する第三者(
前項の規定による通知を受けるべき者を除く。)があるときは、債権者は、遅滞なく、その第三者に対し、
同条第1項の規定による通知をした旨及び
同条の規定により債務者等に通知した債権等の額を通知しなければならない。
3
前二項の規定による通知は、通知を受ける者の登記簿上の住所又は事務所にあてて発すれば足りる。
第6条
【清算金の支払に関する処分の禁止】
1
清算金の支払を目的とする債権については、清算期間が経過するまでは、譲渡その他の処分をすることができない。
2
清算期間が経過する前に清算金の支払の債務が弁済された場合には、その弁済をもつて
第4条第1項の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は後順位の担保仮登記の権利者に対抗することができない。
前条第1項の規定による通知がされないで清算金の支払の債務が弁済された場合も、同様とする。
第7条
【清算金の供託】
1
債権者は、清算金の支払を目的とする債権につき差押え又は仮差押えの執行があつたときは、清算期間が経過した後、清算金を債務履行地の供託所に供託して、その限度において債務を免れることができる。
2
前項の規定により供託がされたときは、債務者等の供託金の還付請求権につき、
同項の差押え又は仮差押えの執行がされたものとみなす。
3
債権者は、
第15条第1項に規定する場合を除き、供託金を取り戻すことができない。
4
債権者は、債務者等のほか、差押債権者又は仮差押債権者に対しても、遅滞なく、供託の通知をしなければならない。
第8条
【通知の拘束力】
1
債権者は、清算金の額が
第2条第1項の規定により通知した清算金の見積額に満たないことを主張することができない。
2
第4条第1項の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は後順位の担保仮登記の権利者は、清算金の額が
前項の見積額を超えることを主張することができない。
第9条
【債権の一部消滅】
清算期間が経過した時の土地等の価額がその時の債権等の額に満たないときは、債権は、反対の特約がない限り、その価額の限度において消滅する。
第10条
【法定借地権】
土地及びその上にある建物が同一の所有者に属する場合において、その土地につき担保仮登記がされたときは、その仮登記に基づく本登記がされる場合につき、その建物の所有を目的として土地の賃貸借がされたものとみなす。この場合において、その存続期間及び借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。
第11条
【受戻権】
債務者等は、清算金の支払の債務の弁済を受けるまでは、債権等の額(債権が消滅しなかつたものとすれば、債務者が支払うべき債権等の額をいう。)に相当する金銭を債権者に提供して、土地等の所有権の受戻しを請求することができる。ただし、清算期間が経過した時から五年が経過したとき、又は第三者が所有権を取得したときは、この限りでない。
第12条
【競売の請求】
第4条第1項の先取特権、質権又は抵当権を有する者は、清算期間内は、これらの権利によつて担保される債権の弁済期の到来前であつても、土地等の競売を請求することができる。
第13条
【優先弁済請求権】
1
担保仮登記がされている土地等に対する強制競売、担保権の実行としての競売又は企業担保権の実行手続(以下「強制競売等」という。)においては、その担保仮登記の権利者は、他の債権者に先立つて、その債権の弁済を受けることができる。この場合における順位に関しては、その担保仮登記に係る権利を抵当権とみなし、その担保仮登記のされた時にその抵当権の設定の登記がされたものとみなす。
2
前項の場合において、担保仮登記の権利者が利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となつた最後の二年分についてのみ、
同項の規定による権利を行うことができる。
3
前項の規定は、担保仮登記の権利者が債務の不履行によつて生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合において、その最後の二年分についても、これを適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。
第14条
【根担保仮登記の効力】
仮登記担保契約で、消滅すべき金銭債務がその契約の時に特定されていないものに基づく担保仮登記は、強制競売等においては、その効力を有しない。
第15条
【強制競売等の場合の担保仮登記】
1
担保仮登記がされている土地等につき強制競売等の開始の決定があつた場合において、その決定が清算金の支払の債務の弁済前(清算金がないときは、清算期間の経過前)にされた申立てに基づくときは、担保仮登記の権利者は、その仮登記に基づく本登記の請求をすることができない。
2
前項の強制競売等の開始の決定があつた場合において、その決定が清算金の支払の債務の弁済後(清算金がないときは、清算期間の経過後)にされた申立てに基づくときは、担保仮登記の権利者は、その土地等の所有権の取得をもつて差押債権者に対抗することができる。
第16条
1
担保仮登記がされている土地等につき強制競売等が行われたときは、担保仮登記に係る権利は、
前条第2項の場合を除き、その土地等の売却によつて消滅する。
2
民事執行法第59条第2項及び
第3項の規定は
前項の規定により消滅する担保仮登記に係る権利を有する者に対抗することができない土地等に係る権利の取得及び仮処分の執行について、
同条第5項の規定は利害関係を有する者のした
前項の規定又はこの項において準用する
同条第2項の規定と異なる合意の届出について準用する。
第17条
【強制競売等の特則】
1
裁判所書記官は、所有権の移転に関する仮登記がされている土地等に対する強制競売又は担保権の実行としての競売において配当要求の終期を定めたときは、仮登記の権利者に対し、その仮登記が、担保仮登記であるときはその旨並びに債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否、原因及び額を、担保仮登記でないときはその旨を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
2
差押えの登記前にされた担保仮登記に係る権利で売却により消滅するものを有する債権者は、
前項の規定による債権の届出をしたときに限り、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。
3
所有権の移転に関する仮登記がされている土地等につき企業担保権の実行の開始の決定があつたときは、管財人は、仮登記の権利者に対し、
第1項に規定する事項を
企業担保法第22条第1項第5号の期間内に届け出るべき旨を催告しなければならない。
第18条
【不動産登記の特則】
担保仮登記の権利者は、清算金を供託した日から一月を経過した後にその担保仮登記に基づき
不動産登記法第109条第1項に規定する本登記を申請する場合には、
同項の規定にかかわらず、先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は後順位の担保仮登記の権利者が
第4条第1項(
同条第2項において準用する場合を含む。)の差押えをしたこと及び清算金を供託したことをもつてこれらの者の承諾に代えることができる。ただし、その本登記の申請に係る土地等につきこれらの者のために担保権の実行としての競売の申立ての登記がされているときは、この限りでない。
第19条
【破産手続等における担保仮登記】
1
破産財団に属する土地等についてされている担保仮登記(
第14条の担保仮登記を除く。
第3項及び
第4項において同じ。)の権利者については、
破産法中破産財団に属する財産につき抵当権を有する者に関する規定を適用する。
2
破産財団に属しない破産者の土地等についてされている担保仮登記の権利者については、
破産法中
同法第108条第2項に規定する抵当権を有する者に関する規定を準用する。
3
再生債務者の土地等についてされている担保仮登記の権利者については、
民事再生法中抵当権を有する者に関する規定を適用する。
5
第14条の担保仮登記は、破産手続、再生手続及び更生手続においては、その効力を有しない。
第20条
【土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用】
第2条から
前条までの規定は、仮登記担保契約で、土地等の所有権以外の権利(先取特権、質権、抵当権及び企業担保権を除く。)の取得を目的とするものについて準用する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。
第2条
(経過措置)
この法律の規定は、この法律の施行前にされた仮登記担保契約で、この法律の施行後にその契約において土地等の所有権又はその所有権以外の権利を取得するものとされている日が到来するものについても適用する。
第3条
この法律の公布の際、現に存する第十四条の担保仮登記については、政令で定める日までに仮登記担保契約に基づき消滅すべき債務が特定されたときは、その契約の時にその債務が消滅すべきものと定められていたものとみなす。
第4条
(国税徴収法の一部改正)
国税徴収法の一部を次のように改正する。第十条中「及び第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)」を「、第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)及び第二十三条(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)」に、「先だつて」を「先立つて」に改める。第二十一条第一項中「又は先取特権」を「、先取特権又は第二十三条第一項(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先)に規定する担保のための仮登記」に、「先だつて」を「先立つて」に改める。第二十三条を次のように改める。(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)第二十三条 国税の法定納期限等以前に納税者の財産につき、その者を登記義務者(登録義務者を含む。)として、仮登記担保契約に関する法律第一条(趣旨)に規定する仮登記担保契約に基づく仮登記又は仮登録(以下「担保のための仮登記」という。)がされているときは、その国税は、その換価代金につき、その担保のための仮登記により担保される債権に次いで徴収する。2 担保のための仮登記がされている納税者の財産上に、第十九条第一項各号(不動産保存の先取特権等の優先)に掲げる先取特権があるとき、国税の法定納期限等以前から第二十条第一項各号(法定納期限等以前にある不動産賃貸の先取特権等の優先)に掲げる先取特権があるとき、又は国税の法定納期限等以前に質権若しくは抵当権が設定され、若しくは担保のための仮登記がされているときは、その国税は、仮登記担保契約に関する法律第三条第一項(清算金)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)に規定する清算金に係る換価代金につき、同法第四条第一項(物上代位)(同法第二十条において準用する場合を含む。)の規定により権利が行使されたこれらの先取特権、質権及び抵当権並びに同法第四条第二項(同法第二十条において準用する場合を含む。)において準用する同法第四条第一項の規定により権利が行使された同条第二項に規定する後順位の担保仮登記により担保される債権に次いで徴収する。3 第十七条第一項(譲受前に設定された質権又は抵当権の優先)の規定は、納税者が担保のための仮登記がされている財産を譲り受けたときについて、前条(第三項を除く。)の規定は、納税者が他に国税に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその国税の法定納期限等後に担保のための仮登記をした財産を譲渡したときについて、それぞれ準用する。4 仮登記担保契約に関する法律第一条に規定する仮登記担保契約で、消滅すべき金銭債務がその契約の時に特定されていないものに基づく仮登記及び仮登録は、国税の滞納処分においては、その効力を有しない。第二十五条第一項中「買戻の」を「買戻しの」に改め、「仮登記」の下に「(仮登録を含む。以下同じ。)」を加え、「差し押えた」を「差し押さえた」に改める。第五十二条の次に次の一条を加える。(担保のための仮登記がある財産に対する差押えの効力)第五十二条の二 仮登記担保契約に関する法律第十五条(強制競売等の場合の担保仮登記)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定は、担保のための仮登記がある財産が差し押さえられた場合について準用する。この場合において、同法第十五条中「その決定」とあるのは「その差押え」と、「申立てに基づく」とあるのは「ものである。」と読み替えるものとする。第五十五条の見出し中「差押」を「差押え」に改め、同条各号列記以外の部分中「差し押えた」を「差し押さえた」に改め、同条第一号中「第三者の権利」の下に「(担保のための仮登記に係る権利を除く。)」を加え、同条第三号中「仮差押」を「仮差押え」に改める。第九十条第三項中「第二十三条第二項(担保の目的でされた仮登記と国税)の通知」を「第五十五条第二号(仮登記の権利者に対する差押えの通知)の通知(担保のための仮登記に係るものに限る。)」に改める。第百二十四条の見出し中「引受」を「引受け」に改め、同条第一項中「並びに担保の目的でされている仮登記により保全される請求権及び第二十三条第一項(仮登記のある財産の差押の効力)の規定の適用を受ける本登記に係る権利で同条第二項の通知に係るもの」を「、担保のための仮登記に係る権利及び担保のための仮登記に基づく本登記(本登記を含む。)でその財産の差押え後にされたものに係る権利」に改める。第百二十九条第一項第一号中「差押」を「差押え」に改め、同項第三号中「又は留置権」を「、留置権又は担保のための仮登記」に改め、同条第三項中「(担保の目的でされている仮登記の権利者を含む。以下第百三十一条(配当計算書)において同じ。)」を削り、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「並びに」を「、前項並びに」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。4 換価財産上に担保のための仮登記がある場合における当該仮登記により担保される債権に対する配当については、仮登記担保契約に関する法律第十三条(優先弁済請求権)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定を準用する。第百三十条第二項第一号中「又は先取特権」を「若しくは先取特権」に改め、「債権」の下に「又は担保のための仮登記により担保される債権」を加える。第百三十三条第三項中「停止条件附である場合又は換価代金等が担保の目的でされている仮登記がある財産に係るものである場合(その仮登記に基く本登記が換価の時までにされている場合を除く。)」を「停止条件付である場合又は換価代金等を配当すべき債権が仮登記がされた質権、抵当権若しくは先取特権により担保される債権である場合」に改める。
第5条
(国税徴収法の一部改正に伴う経過措置)
1
前条の規定による改正後の国税徴収法(以下この条において「新法」という。)の規定は、次項に定めるものを除き、この法律の施行後に仮登記担保契約において土地等の所有権又はその所有権以外の権利を取得するものとされている日(以下この項において「取得日」という。)が到来する当該契約に基づく仮登記及び仮登録について適用し、この法律の施行前に取得日が到来している当該契約に基づく仮登記及び仮登録については、なお従前の例による。
2
新法第百三十三条第三項(仮登記がされた質権、抵当権又は先取特権により担保される債権に関する部分に限る。)の規定は、この法律の施行後に新法第百三十条第一項に規定する債権現在額申立書の提出期限が到来する場合における新法第百二十九条第一項に規定する換価代金等の交付について適用し、この法律の施行前に当該期限が到来する場合における当該換価代金等の交付については、なお従前の例による。
第6条
(国税通則法の一部改正)
国税通則法の一部を次のように改正する。第三十八条第一項第一号中「開始されたとき」の下に「(仮登記担保契約に関する法律第二条第一項(所有権移転の効力の制限等)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定による通知がされたときを含む。)」を加える。
第7条
(地方税法の一部改正)
地方税法の一部を次のように改正する。第十三条の二第一項中「すでに」を「既に」に改め、同項第一号中「開始されたとき」の下に「(仮登記担保契約に関する法律第二条第一項(同法第二十条において準用する場合を含む。)の規定による通知がされたときを含む。)」を加え、同項第五号中「免かれ」を「免れ」に改める。第十四条の三中「及び第十四条の十三から第十四条の十五まで」を「、第十四条の十三から第十四条の十五まで及び第十四条の十七」に、「先だつて」を「先立つて」に改める。第十四条の十五第一項中「又は先取特権」を「、先取特権又は第十四条の十七第一項に規定する担保のための仮登記」に、「先だつて」を「先立つて」に改める。第十四条の十七を次のように改める。(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)第十四条の十七 地方団体の徴収金の法定納期限等以前に納税者又は特別徴収義務者の財産につき、その者を登記義務者(登録義務者を含む。)として、仮登記担保契約に関する法律第一条に規定する仮登記担保契約に基づく仮登記又は仮登録(以下本条において「担保のための仮登記」という。)がされているときは、その地方団体の徴収金は、その換価代金につき、その担保のための仮登記により担保される債権に次いで徴収する。2 担保のための仮登記がされている納税者又は特別徴収義務者の財産上に、第十四条の十三第一項各号に掲げる先取特権があるとき、地方団体の徴収金の法定納期限等以前から第十四条の十四第一項各号に掲げる先取特権があるとき、又は地方団体の徴収金の法定納期限等以前に質権若しくは抵当権が設定され、若しくは担保のための仮登記がされているときは、その地方団体の徴収金は、仮登記担保契約に関する法律第三条第一項(同法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する清算金に係る換価代金につき、同法第四条第一項(同法第二十条において準用する場合を含む。)の規定により権利が行使されたこれらの先取特権、質権及び抵当権並びに同法第四条第二項(同法第二十条において準用する場合を含む。)において準用する同法第四条第一項の規定により権利が行使された同条第二項に規定する後順位の担保仮登記により担保される債権に次いで徴収する。3 第十四条の十一第一項の規定は、納税者又は特別徴収義務者が担保のための仮登記がされている財産を譲り受けたときについて、前条(第三項を除く。)の規定は、納税者又は特別徴収義務者が他に地方団体の徴収金に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその地方団体の徴収金の法定納期限等後に担保のための仮登記をした財産を譲渡したときについて、それぞれ準用する。4 仮登記担保契約に関する法律第一条に規定する仮登記担保契約で、消滅すべき金銭債務がその契約の時に特定されていないものに基づく仮登記及び仮登録は、地方団体の徴収金の滞納処分においては、その効力を有しない。第十四条の十九第一項中「買戻の」を「買戻しの」に改め、「仮登記」の下に「(仮登録を含む。)」を加え、「差し押えた」を「差し押さえた」に改める。
第8条
(地方税法の一部改正に伴う経過措置)
前条の規定による改正後の地方税法の規定は、この法律の施行後に仮登記担保契約において土地等の所有権又はその所有権以外の権利を取得するものとされている日(以下この条において「取得日」という。)が到来する当該契約に基づく仮登記及び仮登録について適用し、この法律の施行前に取得日が到来している当該契約に基づく仮登記及び仮登録については、なお従前の例による。
第9条
(不動産登記法の一部改正)
不動産登記法の一部を次のように改正する。第二十九条ただし書を削る。
附則
昭和54年3月30日
1
この法律は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
2
この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
3
前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則
平成10年6月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十年十二月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第188条
(処分等の効力)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第189条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第190条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から第百四十六条まで、第百五十三条、第百六十九条及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第191条
(検討)
1
政府は、この法律の施行後においても、新保険業法の規定による保険契約者等の保護のための特別の措置等に係る制度の実施状況、保険会社の経営の健全性の状況等にかんがみ必要があると認めるときは、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置を講ずるものとする。
2
政府は、前項に定めるものを除くほか、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況、金融システムを取り巻く社会経済状況の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第25条
(民法等の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。
第26条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成14年12月13日
第3条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年6月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。
第2条
(経過措置)
この法律の施行の日が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日後である場合には、第五十二条のうち商業登記法第百十四条の三及び第百十七条から第百十九条までの改正規定中「第百十四条の三」とあるのは、「第百十四条の四」とする。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第39条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第40条
(政令への委任)
附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。