• 刑事確定訴訟記録法
    • 第1条 [目的]
    • 第2条 [訴訟の記録の保管]
    • 第3条 [再審の手続のための保存]
    • 第4条 [保管記録の閲覧]
    • 第5条 [再審保存記録の閲覧]
    • 第6条 [閲覧者の義務]
    • 第7条 [閲覧の手数料]
    • 第8条 [不服申立て]
    • 第9条 [刑事参考記録の保存及び閲覧]
    • 第10条 [法務省令への委任]

刑事確定訴訟記録法

平成25年6月19日 改正
第1条
【目的】
この法律は、刑事被告事件に係る訴訟の記録の訴訟終結後における保管、保存及び閲覧に関し必要な事項を定めることを目的とする。
第2条
【訴訟の記録の保管】
刑事被告事件に係る訴訟の記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第14条第1項に規定する和解記録については、その謄本)は、訴訟終結後は、当該被告事件について第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官(以下「保管検察官」という。)が保管するものとする。
前項の規定により保管検察官が保管する記録(以下「保管記録」という。)の保管期間は、別表の上欄に掲げる保管記録の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定めるところによる。
保管検察官は、必要があると認めるときは、保管期間を延長することができる。
第3条
【再審の手続のための保存】
保管検察官は、保管記録について、再審の手続のため保存の必要があると認めるときは、保存すべき期間を定めて、その保管期間満了後も、これを再審保存記録として保存するものとする。
再審の請求をしようとする者、再審の請求をした者又は刑事訴訟法第440条第1項の規定により選任された弁護人は、保管検察官に対し、保管記録を再審保存記録として保存することを請求することができる。
前項の規定による請求があつたときは、保管検察官は、請求に係る保管記録を再審保存記録として保存するかどうかを決定し、請求をした者にその旨を通知しなければならない。ただし、請求に係る保管記録が再審保存記録として保存することとされているものであるときは、その旨の通知をすれば足りる。
再審保存記録の保存期間は、延長することができる。この場合においては、前三項の規定を準用する。
第4条
【保管記録の閲覧】
保管検察官は、請求があつたときは、保管記録(刑事訴訟法第53条第1項の訴訟記録に限る。次項において同じ。)を閲覧させなければならない。ただし、同条第1項ただし書に規定する事由がある場合は、この限りでない。
保管検察官は、保管記録が刑事訴訟法第53条第3項に規定する事件のものである場合を除き、次に掲げる場合には、保管記録(第2号の場合にあつては、終局裁判の裁判書を除く。)を閲覧させないものとする。ただし、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があると認められる者から閲覧の請求があつた場合については、この限りでない。
保管記録が弁論の公開を禁止した事件のものであるとき。
保管記録に係る被告事件が終結した後三年を経過したとき。
保管記録を閲覧させることが公の秩序又は善良の風俗を害することとなるおそれがあると認められるとき。
保管記録を閲覧させることが犯人の改善及び更生を著しく妨げることとなるおそれがあると認められるとき。
保管記録を閲覧させることが関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがあると認められるとき。
保管記録を閲覧させることが裁判員、補充裁判員、選任予定裁判員又は裁判員候補者の個人を特定させることとなるおそれがあると認められるとき。
第1項の規定は、刑事訴訟法第53条第1項の訴訟記録以外の保管記録について、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があると認められる者から閲覧の請求があつた場合に準用する。
保管検察官は、保管記録を閲覧させる場合において、その保存のため適当と認めるときは、原本の閲覧が必要である場合を除き、その謄本を閲覧させることができる。
第5条
【再審保存記録の閲覧】
保管検察官は、第3条第2項に規定する者から請求があつたときは、再審保存記録を閲覧させなければならない。
前条第1項ただし書及び第4項の規定は、前項の請求があつた場合に準用する。
保管検察官は、学術研究のため必要があると認める場合その他法務省令で定める場合には、申出により、再審保存記録を閲覧させることができる。この場合においては、前条第4項の規定を準用する。
第6条
【閲覧者の義務】
保管記録又は再審保存記録を閲覧した者は、閲覧により知り得た事項をみだりに用いて、公の秩序若しくは善良の風俗を害し、犯人の改善及び更生を妨げ、又は関係人の名誉若しくは生活の平穏を害する行為をしてはならない。
参照条文
第7条
【閲覧の手数料】
保管記録又は再審保存記録を閲覧する者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
第8条
【不服申立て】
第3条第2項の規定により保存の請求をした者(同条第4項において準用する同条第2項の規定により保存期間の延長の請求をした者を含む。)又は第4条第1項同条第3項において準用する場合を含む。)若しくは第5条第1項の規定により閲覧の請求をした者であつて、当該請求に基づく保管検察官の保存又は閲覧に関する処分に不服があるものは、その保管検察官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消し又は変更を請求することができる。
前項の規定による不服申立てに関する手続については、刑事訴訟法第430条第1項に規定する検察官の処分の取消し又は変更の請求に係る手続の例による。
第9条
【刑事参考記録の保存及び閲覧】
法務大臣は、保管記録又は再審保存記録について、刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料であると思料するときは、その保管期間又は保存期間の満了後、これを刑事参考記録として保存するものとする。
法務大臣は、学術研究のため必要があると認める場合その他法務省令で定める場合には、申出により、刑事参考記録を閲覧させることができる。この場合においては、第4条第4項及び第6条の規定を準用する。
刑事参考記録について再審の手続のため保存の必要があると認められる場合におけるその保存及び閲覧については、再審保存記録の保存及び閲覧の例による。
法務大臣は、法務省令で定めるところにより、第1項又は第2項の規定に基づく権限を所部の職員に委任することができる。
第10条
【法務省令への委任】
この法律に規定するもののほか、この法律の実施に関し必要な事項は、法務省令で定める。
別表
【第二条関係】
保管記録の区分保管期間
一 裁判書 
 1 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に処する確定裁判の裁判書百年
 2 有期の懲役又は禁錮に処する確定裁判の裁判書五十年
 3 罰金、拘留若しくは科料に処する確定裁判又は刑を免除する確定裁判の裁判書二十年(法務省令で定めるものについては、法務省令で定める期間)
 4 無罪、免訴、公訴棄却又は管轄違いの確定裁判の裁判書 
  死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係るもの十五年
  有期の懲役又は禁錮に当たる罪に係るもの五年
  罰金、拘留又は科料に当たる罪に係るもの三年
 5 控訴又は上告の申立てについての確定裁判(1から4までの確定裁判を除く。)の裁判書控訴又は上告に係る被告事件についての1から4までの確定裁判の区分に応じて、その裁判の裁判書の保管期間と同じ期間
 6 その他の裁判の裁判書法務省令で定める期間
二 裁判書以外の保管記録 
 1 刑に処する裁判により終結した被告事件の保管記録 
  死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に処する裁判に係るもの五十年
  二十年を超える有期の懲役又は禁錮に処する裁判に係るもの三十年
  十年以上二十年以下の懲役又は禁錮に処する裁判に係るもの二十年
  五年以上十年未満の懲役又は禁錮に処する裁判に係るもの十年
  五年未満の懲役又は禁錮に処する裁判に係るもの五年
  罰金、拘留又は科料に処する裁判に係るもの三年(法務省令で定めるものについては、法務省令で定める期間)
 2 刑の免除、無罪、免訴、公訴棄却又は管轄違いの裁判により終結した被告事件の保管記録 
  死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係るもの十五年
  有期の懲役又は禁錮に当たる罪に係るもの五年
  罰金、拘留又は科料に当たる罪に係るもの三年
 3 その他の保管記録法務省令で定める期間


附則
第1条
(施行期日)
この法律(以下「本法」という。)は、昭和六十三年一月一日から施行する。
第2条
(経過措置)
刑事被告事件に係る訴訟であつて本法施行の日(以下「施行日」という。)前に終結したものの記録については、本法施行の際現に保管されているものに限り、本法の規定を適用する。
第3条
前条の場合において、大審院のした裁判の裁判書については、本法施行の際現に保管検察官が原本に代えて保有するその謄本を当該裁判書とみなし、原本は最高裁判所が保存するものとする。
第4条
附則第二条の場合において、施行日から六月を経過する日前に第二条第二項の保管期間が満了することとなる訴訟の記録は、施行日から六月を経過する日まで保管するものとする。この場合において、当該訴訟の記録の閲覧については、第四条第二項第二号の規定は適用しない。
第5条
本法施行の際現に法務大臣が刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料として保存している刑事被告事件に係る訴訟の記録は、第九条の規定による刑事参考記録とみなす。
第6条
(略式手続による訴訟の記録等に関する特例)
刑事訴訟法第六編又は交通事件即決裁判手続法に定める手続による訴訟の記録であつて法務省令で定めるものに係る本法の規定の適用については、当分の間、第二条第一項中「当該被告事件について第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官」とあるのは、「法務省令で定める検察官」とする。
第7条
(刑事訴訟法施行法の一部改正)
刑事訴訟法施行法の一部を次のように改正する。第十一条を次のように改める。第十一条 削除
附則
平成12年5月19日
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年5月28日
第1条
この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第8条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、裁判員の参加する刑事裁判の制度が我が国の司法制度の基盤としての役割を十全に果たすことができるよう、所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年12月8日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成19年5月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第9条
(検討等)
政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第10条
政府は、被害者参加人(第一条の規定による改正後の刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)の委託を受けた弁護士の役割の重要性にかんがみ、資力の乏しい被害者参加人も弁護士の法的援助を受けられるようにするため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
附則
平成20年4月23日
(施行期日)
この法律は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則
平成25年6月12日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成25年6月19日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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