• 動物用医薬品の製造管理及び品質管理に関する省令

動物用医薬品の製造管理及び品質管理に関する省令

平成17年3月30日 改正
第1章
総則
第1条
【定義】
この省令において「製品」とは、製造所の製造工程を経た物(製造の中間工程で造られたものであって、以後の製造工程を経ることによって製品となるもの(以下「中間製品」という。)を含む。以下同じ。)をいう。
この省令において「資材」とは、製品の容器、被包、添付文書並びに容器及び被包にはり付けるラベルをいう。
この省令において「ロット」とは、一の製造期間内に一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品及び原料の一群をいう。
この省令において「管理単位」とは、同一性が確認された資材の一群をいう。
第2条
【適用の範囲】
薬事法(以下「法」という。)第83条第1項の規定により読み替えて適用される第14条第1項に規定する医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものに限る。以下同じ。)の製造販売業者又は法第19条の2第4項に規定する医薬品の選任製造販売業者は、この省令の規定に基づき、医薬品の製造業者及び外国製造業者(法第13条の3第1項に規定する外国製造業者をいう。以下同じ。)(以下「製造業者等」と総称する。)に製造所における製品の製造管理及び品質管理を行わせなければならない。
医薬品に係る製品の製造業者等は、この省令の規定に基づき、動物用医薬品等取締規則(以下「取締規則」という。)第72条に規定する製造所における製品の製造管理及び品質管理を行わなければならない。
法第80条第1項の輸出用の医薬品に係る製品の製造業者は、この省令の規定に基づき、輸出用の医薬品の製造所における製品の製造管理及び品質管理を行わなければならない。
第3条
【製造管理責任者及び品質管理責任者】
製造業者等は、製造所ごとに、法第17条第4項の医薬品製造管理者又は法第68条の2第2項の生物由来製品の製造を管理する者(外国製造業者にあっては、法第83条第1項の規定により読み替えて適用される第13条の3第1項の規定により認定を受けた製造所の責任者又は当該外国製造業者があらかじめ指定した者)(以下「製造管理者」と総称する。)の管理の下に、製造管理に係る部門の責任者として製造管理責任者を、品質管理に係る部門の責任者として品質管理責任者を置かなければならない。
品質管理に係る部門は、製造管理に係る部門から独立していなければならない。
製造管理責任者は、品質管理責任者を兼ねてはならない。
生物学的製剤(生物由来製品を除く。)の製造所の製造管理責任者は、医師、獣医師、細菌学的知識を有する者その他の技術者でなければならない。ただし、当該製造所の医薬品製造管理者が医師、獣医師、細菌学的知識を有する者その他の技術者であるときはこの限りでない。
第4条
【製造管理者】
製造管理者は、次に掲げる業務を行わなければならない。
製造管理責任者及び品質管理責任者を統括すること。
第12条第13条及び第14条第1項に規定する業務
製造業者等は、製造管理者が業務を遂行するに当たって支障を生ずることがないようにしなければならない。
第5条
【製品標準書】
製造業者等は、製品(中間製品を除く。以下この条において同じ。)ごとに、製造販売承認事項、製造手順その他必要な事項について記載した製品標準書を当該製品の製造に係る製造所ごとに作成しなければならない。
第2章
製造管理
第6条
【製造管理基準書及び製造衛生管理基準書】
製造業者等は、製造所ごとに、原料等の保管、製造工程の管理その他必要な事項について記載した製造管理基準書を作成するとともに、製造作業を行う場所ごとに、構造設備(試験検査に関するものを除く。以下同じ。)の衛生管理、作業員の衛生管理その他必要な事項について記載した製造衛生管理基準書を作成しなければならない。
第7条
【製造管理責任者の業務】
製造業者等は、製造管理責任者に、製品標準書、製造管理基準書又は製造衛生管理基準書に基づき、次に掲げる製品の製造管理に係る業務を適切に行わせなければならない。
製造工程における指示事項、注意事項その他必要な事項を記載した製造指図書を作成すること。
次に掲げる業務を自ら行い、又は業務の内容に応じてあらかじめ指定した者に行わせること。
製造指図書に基づき製品を製造すること。
製品の製造に関する記録をロットごとに作成すること。
製品の表示及び包装についてロットごとにそれが適正である旨を確認し、その記録を作成すること。
原料及び製品についてはロットごとに、資材については管理単位ごとに適正に保管及び出納を行い、その記録を作成すること。
構造設備の清浄を確認し、その記録を作成すること。
構造設備を定期的に点検整備(計器の校正を含む。以下同じ。)し、その記録を作成すること。
作業員の衛生管理を行い、その記録を作成すること。
その他必要な業務
製造、保管及び出納並びに製造衛生管理に関する記録により製造管理が適切に行われていることを確認し、その結果を製造管理者に対して文書により報告すること。
製造、保管及び出納並びに製造衛生管理に関する記録を作成の日から次に掲げる期間保存すること。
生物由来製品以外の医薬品に係る製品にあっては、三年間(当該記録に係る製品に関して有効期間(使用の期限を含む。以下同じ。)の記載が義務付けられている場合には、その有効期間に一年を加算した期間)
生物由来製品に係る製品にあっては、その有効期間に三年を加算した期間
第3章
品質管理
第8条
【品質管理基準書】
製造業者等は、製造所ごとに、検体の採取方法、試験検査結果の判定方法その他必要な事項を記載した品質管理基準書を作成しなければならない。
第9条
【品質管理責任者の業務】
製造業者等は、品質管理責任者に、製品標準書又は品質管理基準書に基づき、次に掲げる製品の品質管理に係る業務を計画的かつ適切に行わせなければならない。
次に掲げる業務を自ら行い、又は業務の内容に応じてあらかじめ指定した者に行わせること。
原料及び製品についてはロットごとに、資材については管理単位ごとに試験検査を行うのに必要な検体を採取し、その記録を作成すること。
採取した検体について、ロットごと又は管理単位ごとに当該製造所において試験検査を行い、その記録を作成すること。ただし、他の試験検査機関を利用して自己の責任において試験検査を行う場合であって、支障がなく、かつ、やむを得ないと認められるときは、この限りでない。
製品(中間製品を除く。)について、ロットごとに所定の試験検査に必要な量の二倍以上の量を参考品として、製造された日から三年間(当該製品(生物由来製品に係る製品を除く。)に関して有効期間の記載が義務付けられている場合にはその有効期間に一年を加算した期間、当該製品が生物由来製品である場合にはその有効期間に三年を加算した期間)、適切な保管条件の下で保存すること。ただし、法第83条第1項の規定により読み替えて適用される第43条第1項の規定に基づき指定された医薬品(生物由来製品を除く。)に係る製品にあっては、取締規則第154条第1項及び第155条の規定に基づき保存すること。
試験検査に関する設備及び器具を定期的に点検整備し、その記録を作成すること。
その他必要な業務
試験検査結果の判定を行い、その結果を製造管理者及び製造管理責任者に対して文書により報告すること。
試験検査に関する記録を作成の日から次に掲げる期間保存すること。
生物由来製品以外の医薬品に係る製品にあっては、三年間(当該記録に係る製品に関して有効期間の記載が義務付けられている場合には、その有効期間に一年を加算した期間)
生物由来製品に係る製品にあっては、その有効期間に三年を加算した期間
第10条
【出荷の可否の決定】
製造業者等は、あらかじめ指定した者に、製品標準書、製造管理基準書又は品質管理基準書に基づき、次に掲げる製品の出荷の可否の決定に係る業務を適切に行わせなければならない。
製造管理及び品質管理の結果を適正に評価して製品の製造所からの出荷の可否の決定を行い、その記録を作成すること。
前号の記録を作成の日から三年間(当該記録に係る製品に関して有効期間の記載が義務付けられている場合にあってはその有効期間に一年を加算した期間、当該製品が生物由来製品に係る製品である場合にあってはその有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
前項の業務を行う者は、当該業務を適正かつ円滑に実施し得る能力を有するものでなければならない。
製造業者等は、第1項の業務を行う者が当該業務を行うに当たって支障が生ずることがないようにしなければならない。
製造業者等は、第1項の決定が適正に行われるまで製造所から製品を出荷してはならない。
第4章
その他の製造管理及び品質管理に関する業務
第11条
【苦情処理等の手順に関する文書】
製造業者等は、次条から第14条までに規定する業務を適切に行うため、苦情処理、回収処理及び自己点検の手順に関する文書(以下「手順に関する文書」という。)を製造所ごとに作成しなければならない。
第12条
【苦情処理】
製造業者等は、製品の品質等に関して苦情があったときは、その苦情に係る事項が当該製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その製造所の製造管理者に、手順に関する文書に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。
苦情に係る事項の原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
苦情の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した苦情処理記録を作成し、その作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
参照条文
第13条
【回収処理】
製造業者等は、製品の品質等に関する理由により回収を行うときは、その回収に至った理由が当該製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その製造所の製造管理者に、手順に関する文書に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。
回収に至った原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
回収した製品を区分して一定期間保管した後、適切に処理すること。
回収の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した回収処理記録を作成し、その作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
参照条文
第14条
【自己点検】
製造業者等は、その製造所の製造管理者に、手順に関する文書に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。
当該製造所における製品の製造管理及び品質管理について定期的に自己点検を行うこと。
自己点検の結果の記録を作成し、その作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存すること。
製造業者等は、前項第1号の自己点検の結果に基づき、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じるとともに、当該措置の記録を作成し、その作成の日から三年間(当該記録に係る製品が生物由来製品に係る製品である場合には、その有効期間に三年を加算した期間)保存しなければならない。
参照条文
附則
この省令は、平成六年四月一日から施行する。ただし、第九条から第十四条までの規定は、平成六年十月一日から施行する。
動物用医薬品の製造管理及び品質管理に関する省令(以下「旧省令」という。)は、廃止する。
この省令の施行の日から平成六年九月三十日までの間における医薬品の品質等に関する苦情処理については、旧省令第八条は、なおその効力を有する。
附則
平成13年3月26日
この省令は、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律の施行の日(平成十三年四月一日)から施行する。
附則
平成15年7月15日
(施行期日)
この省令は、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(平成十五年七月三十日)から施行する。
附則
平成17年3月30日
第1条
(施行期日)
この省令は、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の施行の日(平成十七年四月一日)から施行する。

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