• 独立行政法人理化学研究所法

独立行政法人理化学研究所法

平成22年5月28日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、独立行政法人理化学研究所の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第2条
【名称】
この法律及び独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人理化学研究所とする。
第3条
【研究所の目的】
独立行政法人理化学研究所(以下「研究所」という。)は、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する試験及び研究等の業務を総合的に行うことにより、科学技術の水準の向上を図ることを目的とする。
参照条文
第4条
【事務所】
研究所は、主たる事務所を埼玉県に置く。
第5条
【資本金】
研究所の資本金は、附則第2条第6項及び第7項の規定により政府及び政府以外の者から出資があったものとされた金額の合計額とする。
研究所は、必要があるときは、文部科学大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
政府は、前項の規定により研究所がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に出資することができる。
政府は、研究所に出資するときは、土地又は建物その他の土地の定着物(次項において「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第6条
【出資証券】
研究所は、出資に対し、出資証券を発行する。
出資証券は、記名式とする。
前項に規定するもののほか、出資証券に関し必要な事項は、政令で定める。
第7条
【持分の払戻し等の禁止】
研究所は、通則法第46条の2第1項若しくは第2項の規定による国庫への納付又は通則法第46条の3第3項の規定による払戻しをする場合を除くほか、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
研究所は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
第8条
【名称の使用制限】
研究所でない者は、理化学研究所という名称を用いてはならない。
参照条文
第2章
役員及び職員
第9条
【役員】
研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
研究所に、役員として、理事五人以内を置くことができる。
第10条
【理事の職務及び権限等】
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理する。
通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第11条
【役員の任期】
理事長の任期は、任命の日から、その日を含む研究所に係る通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下「中期目標の期間」という。)の末日までとする。
通則法第29条第1項後段の規定により中期目標が変更された場合において中期目標の期間が変更されたときは、理事長の任期は、変更後の中期目標の期間の末日までとする。
理事の任期は、当該理事について理事長が定める期間(その末日が理事長の任期の末日以前であるものに限る。)とする。
第2項の規定により理事長の任期が変更された場合において、理事の任期の末日が理事長の任期の末日後となるときは、当該理事の任期は、変更後の理事長の任期の末日までとする。
監事の任期は、二年とする。
第12条
【役員の欠格条項の特例】
通則法第22条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であって研究所と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
参照条文
第13条
研究所の役員の解任に関する通則法第23条第1項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人理化学研究所法第12条」とする。
第14条
【役員及び職員の秘密保持義務】
研究所の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。
参照条文
第15条
【役員及び職員の地位】
研究所の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第3章
業務等
第16条
【業務の範囲】
研究所は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。
科学技術に関する試験及び研究を行うこと。
前号に掲げる業務に係る成果を普及し、及びその活用を促進すること。
研究所の施設及び設備を科学技術に関する試験、研究及び開発を行う者の共用に供すること。
科学技術に関する研究者及び技術者を養成し、及びその資質の向上を図ること。
前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
研究所は、前項の業務のほか、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律第5条第1項に規定する業務を行う。
第17条
【積立金の処分】
研究所は、中期目標の期間の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち文部科学大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。
文部科学大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
研究所は、第1項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第18条
【長期借入金】
研究所は、第16条第1項第1号若しくは第2号に掲げる業務又はこれらに附帯する業務に必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をすることができる。
研究所は、毎事業年度、長期借入金の償還計画を立てて、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
文部科学大臣は、前二項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
第4章
雑則
第19条
【研究所の解散時における残余財産の分配】
研究所は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額を限度として分配するものとする。
第20条
【主務大臣等】
研究所に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ文部科学大臣、文部科学省及び文部科学省令とする。
第21条
削除
第22条
【国家公務員宿舎法の適用除外】
国家公務員宿舎法の規定は、研究所の役員及び職員には適用しない。
第5章
罰則
第23条
第14条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第24条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員は、二十万円以下の過料に処する。
この法律の規定により文部科学大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
第16条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
第25条
第8条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(理化学研究所の解散等)
理化学研究所(以下「旧研究所」という。)は、研究所の成立の時において解散するものとし、次項の規定により国が承継する資産を除き、その一切の権利及び義務は、その時において研究所が承継する。
研究所の成立の際現に旧研究所が有する権利のうち、研究所がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、研究所の成立の時において国が承継する。
前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
旧研究所の平成十五年四月一日に始まる事業年度は、旧研究所の解散の日の前日に終わるものとする。
旧研究所の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、解散の日から起算して二月を経過する日とする。
第一項の規定により研究所が旧研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、国及び研究所が承継する資産の価額の合計額から研究所が承継する負債の金額を差し引いた額に、旧研究所に対する政府以外の者の出資額の割合を乗じて得た額は、当該政府以外の者から研究所に出資されたものとする。
第一項の規定により研究所が旧研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、研究所が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額から、前項の規定により政府以外の者から研究所に出資があったものとされた額を差し引いた額は、政府から研究所に出資されたものとする。
前二項の資産の価額は、研究所の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
10
旧研究所が発行した出資証券の上に存在する質権は、第六条第一項の規定により出資者が受けるべき研究所の出資証券の上に存在する。
11
第一項の規定により旧研究所が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第3条
(持分の払戻し)
前条第六項の規定により政府以外の者が研究所に出資したものとされた金額については、当該政府以外の者は、研究所に対し、その成立の日から起算して一月を経過する日までの間に限り、当該持分の払戻しを請求することができる。
研究所は、前項の規定による請求があったときは、第七条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、研究所は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
第4条
(理事長の任期の特例)
通則法第十四条第二項の規定により研究所の成立の時に理事長に任命されたものとされる理事長の任期については、第十一条第一項中「任命の日」とあるのは、「研究所の成立の日」とする。
第5条
(理化学研究所法の廃止)
理化学研究所法は、廃止する。
第6条
(理化学研究所法の廃止に伴う経過措置)
前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の理化学研究所法(第十二条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第7条
附則第五条の規定の施行前にした行為及び附則第二条第五項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第8条
旧研究所の役員又は職員であった者に係るその職務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務については、附則第五条の規定の施行後も、なお従前の例による。
前項の規定により従前の例によることとされる事項に係る附則第五条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第9条
(政令への委任)
附則第二条から第四条まで及び第六条から前条までに定めるもののほか、研究所の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年6月23日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十条から第十二条まで、第十四条から第十七条まで、第十八条第一項及び第三項並びに第十九条から第三十二条までの規定は、平成十七年十月一日から施行する。
附則
平成18年5月17日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十八年七月一日から施行する。
附則
平成21年6月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十一年七月一日から施行する。
附則
平成22年5月28日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第34条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第35条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

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