特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律
平成21年6月3日 改正
第1条
【目的】
この法律は、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する試験、研究及び開発(以下「研究等」という。)を行う者(以下「研究者等」という。)による先端大型研究施設の共用を促進するための措置を講ずることにより、研究等の基盤の強化を図るとともに、研究等に係る機関及び研究者等の相互の間の交流による研究者等の多様な知識の融合等を図り、もって科学技術の振興に寄与することを目的とする。
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参照条文
第2条
【定義】
1
この法律において「先端大型研究施設」とは、国の試験研究機関又は研究等を行う独立行政法人(独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。)に重複して設置することが多額の経費を要するため適当でないと認められる大規模な研究施設であって、先端的な科学技術の分野において比類のない性能を有し、科学技術の広範な分野における多様な研究等に活用されることにより、その価値が最大限に発揮されるものをいう。
3
この法律において「特定放射光施設」とは、独立行政法人理化学研究所(以下「理化学研究所」という。)により設置される、加速された電子又は陽電子から放射される強い指向性と高い輝度を有する電磁波(以下「放射光」という。)を使用して研究等を行うための施設であって、文部科学省令で定めるものをいう。
4
この法律において「特定高速電子計算機施設」とは、理化学研究所により設置される、極めて高度な演算処理を行う能力を有する電子計算機(以下「超高速電子計算機」という。)を使用して研究等を行うための施設であって、文部科学省令で定めるものをいう。
5
この法律において「特定中性子線施設」とは、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「日本原子力研究開発機構」という。)により設置される、加速された陽子を原子核に衝突させることにより発生する中性子線を使用して研究等を行うための施設であって、文部科学省令で定めるものをいう。
第5条
【特定先端大型研究施設の設置者の業務】
1
理化学研究所は、この法律の目的を達成するため、特定先端大型研究施設の設置者として、次の表の上欄に掲げる施設の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる業務を行うものとする。
特定放射光施設 | 一 放射光共用施設の建設及び維持管理を行い、並びにこれを研究者等の共用に供すること。 二 放射光専用施設を設置してこれを利用した研究等を行う者に対し、当該研究等に必要な放射光の提供その他の便宜を供与すること。 三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。 |
特定高速電子計算機施設 | 一 超高速電子計算機を開発し、特定高速電子計算機施設の建設及び維持管理を行い、並びにこれを研究者等の共用に供すること。 二 前号の業務に附帯する業務を行うこと。 |
第7条
【独立行政法人理化学研究所法及び独立行政法人日本原子力研究開発機構法の特例】
2
第5条第2項の規定により日本原子力研究開発機構の業務が行われる場合には、独立行政法人日本原子力研究開発機構法第33条第1号中「この法律」とあるのは「この法律又は特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」と、「主務大臣」とあるのは「主務大臣又は文部科学大臣」とする。
第8条
【登録等】
1
文部科学大臣は、その登録を受けた者(以下「登録施設利用促進機関」という。)に、第5条の規定により特定先端大型研究施設の設置者として理化学研究所及び日本原子力研究開発機構が行うものとされた業務のうち、次に掲げる業務の全部(文部科学省令で定める特定先端大型研究施設の利用の区分に従い、登録施設利用促進機関が次に掲げるいずれの業務も行う場合は、その部分)を行わせることができる。
第11条
【登録基準等】
1
文部科学大臣は、第8条第2項の規定により登録の申請をした者が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、文部科学省令で定める。
②
次の表の上欄に掲げる特定先端大型研究施設の区分に応じ、それぞれ同表の下欄各号に掲げる者が利用支援業務を担当し、その人数が文部科学省令で定める数以上であること。
特定先端大型研究施設の区分 | 利用支援業務を担当する者 |
特定放射光施設 | 一 研究実施相談者(学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。以下この表において同じ。)において理学若しくは工学の課程若しくはこれらに相当する課程を修めて卒業した後五年以上放射光を使用した研究等の経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定放射光施設における施設利用研究の実施に関し、研究者等に対する相談の業務を行う者をいう。) |
二 安全管理者(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に基づく第一種放射線取扱主任者免状を取得した後三年以上放射線に係る安全性の確保に関する業務に従事した経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定放射光施設における研究者等の安全の確保に関する業務を行う者をいう。) | |
特定高速電子計算機施設 | 一 研究実施相談者(学校教育法に基づく大学において情報工学若しくは通信工学の課程若しくはこれらに相当する課程を修めて卒業した後三年以上電子計算機の操作に関する実務の経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定高速電子計算機施設における施設利用研究の実施に関し、研究者等に対する相談の業務を行う者をいう。) |
二 ネットワーク管理者(学校教育法に基づく大学において情報工学若しくは通信工学の課程若しくはこれらに相当する課程を修めて卒業した後三年以上情報通信ネットワークシステム(複数の電子計算機を相互に電気通信回線で接続して情報の電磁的方式による流通及び情報処理を行うシステムをいう。以下この表において同じ。)の運営に関する実務の経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定高速電子計算機施設における情報通信ネットワークシステムの運営の業務を行う者をいう。) | |
三 情報処理安全管理者(学校教育法に基づく大学において情報工学若しくは通信工学の課程若しくはこれらに相当する課程を修めて卒業した後三年以上情報処理に関する安全性及び信頼性の確保に関する実務の経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定高速電子計算機施設における情報処理の安全性及び信頼性の確保に関する業務を行う者をいう。) | |
特定中性子線施設 | 一 研究実施相談者(学校教育法に基づく大学において理学若しくは工学の課程若しくはこれらに相当する課程を修めて卒業した後五年以上中性子線を使用した研究等の経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定中性子線施設における施設利用研究の実施に関し、研究者等に対する相談の業務を行う者をいう。) 二 安全管理者(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に基づく第一種放射線取扱主任者免状を取得した後三年以上放射線に係る安全性の確保に関する業務に従事した経験を有する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であって、特定中性子線施設における研究者等の安全の確保に関する業務を行う者をいう。) |
第12条
【登録施設利用促進機関による利用】
第17条
【業務規程の認可】
第19条
【財務諸表等の備付け及び閲覧等】
1
登録施設利用促進機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、文部科学大臣に提出するとともに、五年間事務所に備えて置かなければならない。
第23条
【役員及び職員の公務員たる性質】
登録施設利用促進機関(法人である場合にあっては、その役員)又はその職員で利用者選定業務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第24条
【報告及び検査】
第25条
【適合命令】
文部科学大臣は、登録施設利用促進機関が第11条第1項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録施設利用促進機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第26条
【改善命令】
文部科学大臣は、登録施設利用促進機関が第15条の規定に違反していると認めるときは、その登録施設利用促進機関に対し、利用促進業務を行うべきこと又は利用促進業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。