• 第一種指定電気通信設備接続会計規則

第一種指定電気通信設備接続会計規則

平成21年5月21日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この省令は、第一種指定電気通信設備との接続に関する会計の整理の方法を定めるとともに、当該接続に関する収支の状況等を明らかにし、もって接続料の適正な算定に資することを目的とする。
第2条
【用語】
この省令において使用する用語は、電気通信事業法(以下「法」という。)及び電気通信事業会計規則において使用する用語の例による。
この省令の規定の解釈については、次の定義に従うものとする。
「第一種指定設備管理部門」とは、第一種指定電気通信設備及びその管理運営(開発、計画、設置、運用、保守、撤去及びその他の活動並びにこれらに付随する活動をいう。以下同じ。)に必要な資産及び費用並びに当該設備との接続及び当該設備の提供に関連する収益を整理するために設定される会計単位をいう。
「第一種指定設備利用部門」とは、電気通信役務の販売その他の電気通信事業に属する活動(第一種指定電気通信設備及びその管理運営を除く。)に必要な資産及び費用並びに当該活動に関連する収益を整理するために設定される会計単位をいう。
「支援設備」とは、第一種指定電気通信設備が有する機能を支援するために使用される電力設備、総合監視設備及び試験受付設備等に関連する資産及び費用を整理する補助部門をいう。
「全般管理」とは、営業所等における共通的作業及び本社等管理部門における活動に関連する資産及び費用を整理する補助部門をいう。
「一般第一種指定設備」とは、接続料規則第4条の表六の二の項のうち一般収容ルータ接続ルーティング伝送機能、一般中継ルータ接続ルーティング伝送機能、関門交換機接続ルーティング伝送機能及び表六の三の項の機能(以下別表第一及び別表第二において「一般収容ルータ接続ルーティング伝送機能等」という。)に係る設備並びにSIPサーバと連携して提供するセッション制御の機能に係る設備をいう。
「特別第一種指定設備」とは、一般第一種指定設備以外の第一種指定電気通信設備をいう。
「設備区分」とは、第一種指定設備管理部門又は第一種指定設備利用部門のそれぞれに帰属させた電気通信設備を、別表第一勘定科目表資産の項(建物から建設仮勘定までの各項を除く。)を基礎として階梯別又は用途別に分けた会計単位の細区分をいう。
第3条
【遵守義務】
第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者(以下「事業者」という。)は、この省令の定めるところにより、第一種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理しなければならない。ただし、特別の理由がある場合には、総務大臣の許可を受けて、この省令の規定によらないことができる。
この省令に定めのない事項については、電気通信事業会計規則その他一般に公正妥当と認められる会計の原則に従わなければならない。
第4条
【会計の基準の整備等】
事業者は、次の各号に掲げるところにより第一種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理しなければならない。
資本的支出と収益的支出との区分に関する適正な基準を定めるほか、この省令の規定に基づく資産並びに費用及び収益の計算を正確に行うための規程その他経理に関する制度を整えること
設備区分において直接に発生する費用を正確に把握するよう努めること
第5条
【会計単位の区分】
事業者は、電気通信事業に関連する資産並びに費用及び収益を、第一種指定設備管理部門と第一種指定設備利用部門とに適正に区分して整理しなければならない。
前項の場合において、第一種指定電気通信設備の利用に関する第一種指定設備管理部門と第一種指定設備利用部門との取引は、法第33条第9項に規定する認可接続約款等に記載された当該取引に適用することが相当と認められる接続料の振替によって整理しなければならない。ただし、当該接続料が認可接続約款等に定められていないときは、接続料規則の規定を準用して算定した金額の振替によって整理しなければならない。
第6条
【勘定科目、接続会計財務諸表、接続会計報告書及び接続会計整理手順書】
事業者は、別表第一によりその勘定科目を分類し、かつ、別表第二の様式による損益計算書その他接続に係る会計の計算に関する諸表(以下「接続会計財務諸表」という。)、別表第三による接続会計報告書並びにこの省令の定めるところにより接続会計財務諸表を作成する際に準拠した資産並びに費用及び収益の整理の手順を詳細に記載した書類(以下この条において「接続会計整理手順書」という。)を作成しなければならない。
前項の接続会計財務諸表を作成するに当たっては、別表第一の勘定科目の項に属する資産又は費用の項目のうち、光信号の伝送に係るものについては、法第33条第1項の総務省令で定める区域ごとに区分して会計を整理しなければならない。
別表第一の勘定科目の項に属する資産若しくは費用又は収益で、当該勘定科目の項を細区分して経理することが適当であると認められる場合には、当該細区分により会計を整理しなければならない。
接続会計財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、千円単位をもって表示することができる。
参照条文
第2章
資産並びに費用及び収益
第7条
【資産の整理】
別表第一の勘定科目の二以上の項に関連する資産は、回線数比その他の適正な基準によりそれぞれの項に整理しなければならない。
支援設備及び全般管理に整理した資産は、適正な基準により第一種指定設備管理部門又は第一種指定設備利用部門に帰属させなければならない。
第8条
【費用及び収益の整理】
別表第一の勘定科目の二以上の項に関連する費用及び収益は、適正な基準によりそれぞれの項に整理しなければならない。
支援設備及び全般管理に整理した費用は、別表第二に掲げる基準により第一種指定設備管理部門又は第一種指定設備利用部門に帰属させなければならない。
参照条文
第9条
【設備区分への費用の整理】
前条の規定により整理し又は帰属させた費用のうち電気通信設備の管理運営に関連するものは、適正な基準により設備区分に帰属させなければならない。
第3章
接続会計報告書等の公表等
第10条
【接続会計報告書等の公表等】
事業者は、第6条第1項の接続会計報告書及び接続会計整理手順書(以下「接続会計報告書等」という。)を、毎事業年度経過後四月以内に書面又は別に定める磁気ディスクにより総務大臣に提出しなければならない。
事業者は、接続会計報告書等の写しを、営業所(商業登記簿に登記した本店又は支店に限る。)に備え置き、接続会計報告書等を総務大臣に提出した日から五年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供しなければならない。
事業者は、接続会計報告書等の写しを、刊行物の発行その他の適切な方法により公表しなければならない。
前二項の規定にかかわらず、事業者は、総務大臣の許可を受けて、その事業上の秘密の保持の必要により接続会計報告書等の一部を公衆の縦覧に供しないこと又は公表しないことができる。
第11条
【計算結果証明】
事業者は、第6条第1項の接続会計財務諸表が、この省令の規定に基づいて適正に作成されていることについての職業的に資格のある会計監査人による証明を得なければならない。
第12条
【会計記録の保存】
事業者は、第6条第1項の接続会計財務諸表の作成に用いた帳簿その他の会計記録を毎事業年度経過後五年間保存しなければならない。
別表第一
【資産 〔第2条・第6条・第7条・第8条〕】
勘定科目表
資産
科目款(原価部門)
1 電気通信事業固定資産
 (1)有形固定資産
第一種指定設備管理部門1 一般第一種指定設備
一般第一種指定収容ルータ(一般収容ルータ接続ルーティング伝送機能に係るものに限る。)
一般第一種指定中継ルータ
SIPサーバ
ゲートウェイルータ
メディアゲートウェイ
一般第一種指定収容ルータ(一般収容ルータ接続ルーティング伝送機能に係るものを除く。)
網終端装置(IP—VPNサービスに係るもの)
網終端装置(インターネット接続サービスに係るもの)
収容イーサネットスイッチ
中継イーサネットスイッチ
ゲートウェイスイッチ
伝送路
(何)
2 特別第一種指定設備
端末系伝送路(電気信号の伝送に係るもの)
主配線盤(電気信号の伝送に係るもの)
端末系伝送路(光信号の伝送に係るもの)
主配線盤(光信号の伝送に係るもの)
公衆電話設備
端末系交換設備(主として音声伝送役務の提供に用いられるもの)
端末系交換設備(主として音声伝送役務の提供に用いられるもののうち、加入者交換機接続用伝送装置利用機能に係るもの)
端末系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもの)
端末系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもののうち、ルーティング伝送機能に係るもの)
端末系交換設備から端末系又は中継系交換設備伝送路(主として音声伝送役務の提供に用いられるもの)
端末系交換設備から端末系又は中継系交換設備伝送路(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもの)
端末系交換設備から端末系又は中継系交換設備伝送路(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもののうち、ルーティング伝送機能に係るもの)
中継系交換設備(主として音声伝送役務の提供に用いられるもの)
中継系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもの)
中継系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもののうち、ルーティング伝送機能に係るもの)
信号網設備
番号案内データベース及び番号案内設備
手動交換設備
折返し通信路設定機能に係る設備
専用加入者線装置モジュール
専用加入者線装置モジュールのうち、光信号電気信号変換機能に係るもの
専用線ノード装置
専用加入者線装置モジュールから専用線ノード装置伝送路
専用線ノード装置から専用線ノード装置
伝送路又は相互接続点伝送路
呼関連データベース
(何)
建物
土地
構築物
機械及び装置
車両及び船舶
工具、器具及び備品
休止設備
建設仮勘定
 第一種指定設備利用部門機械設備
空中線設備
通信衛星設備
端末設備
市内線路設備
市外線路設備
土木設備
海底線設備
建物
土地
構築物
車両及び船舶
機械及び装置
工具、器具及び備品
休止設備
建設仮勘定
 支援設備(補助部門)電力設備
監視設備
試験受付設備
(何)
 全般管理(補助部門)共通部門設備
管理部門設備
 (2)無形固定資産第一種指定設備管理部門電気通信事業会計規則の科目に従って整理
第一種指定設備利用部門同上
 (3)投資その他の資産第一種指定設備管理部門電気通信事業会計規則の科目に従って整理
第一種指定設備利用部門同上
2 繰延資産第一種指定設備管理部門電気通信事業会計規則の科目に従って整理
第一種指定設備利用部門同上


費用
営業費用
科目款(原価部門)
営業費第一種指定設備管理部門(何)
第一種指定設備利用部門契約管理
料金収納
広報・広告
役務販売
(何)
運用費第一種指定設備管理部門番号案内
手動接続通話
第一種指定設備利用部門電報運用
(何)
施設保全費第一種指定設備管理部門(何)設備保守
(何)設備ソフト作成・使用料
通信設備外ソフト作成・使用料
第一種指定設備利用部門(何)設備保守
(何)設備ソフト作成・使用料
通信設備外ソフト作成・使用料
支援設備(補助部門)電力設備
監視設備
試験受付
(何)
共通費全般管理(補助部門)資材
研修
医療
一般共通
管理費全般管理(補助部門)ネットワーク関連部門
サービス関連部門
一般管理部門
試験研究費及び研究費償却第一種指定設備管理部門インフラ系応用技術
インフラ系基礎技術
第一種指定設備利用部門インフラ系応用技術
インフラ系基礎技術
ユーザー系応用技術
ユーザー系基礎技術
宅内系応用技術
純粋基礎技術
減価償却費第一種指定設備管理部門(何)設備
建物
構築物
機械及び装置
車両及び船舶
工具、器具及び備品
休止設備
第一種指定設備利用部門(何)設備
建物
構築物
機械及び装置
車両及び船舶
工具、器具及び備品
休止設備
支援設備(補助部門)電力設備
監視設備
試験受付
(何)
全般管理(補助部門)共通部門設備
管理部門設備
固定資産除却費減価償却に倣う 
通信設備使用料第一種指定設備管理部門(何)設備使用料
第一種指定設備利用部門(何)設備使用料
租税公課第一種指定設備管理部門国税
地方税
道路占用料
(何)
第一種指定設備利用部門国税
地方税
道路占用料
(何)
振替網使用料第一種指定設備管理部門(何)設備使用料
第一種指定設備利用部門(何)設備使用料


収益
営業収益
科目款(原価部門)
受取網使用料第一種指定設備管理部門事業者の接続形態に応じた項を規定する。
振替網使用料第一種指定設備管理部門事業者の接続形態に準じた項を規定する。
第一種指定設備利用部門(何)設備使用料
接続装置使用料第一種指定設備管理部門装置の種別ごとに項を設ける。
網改造料第一種指定設備管理部門改造対象設備の種別ごとに項を設ける。
役務収入第一種指定設備利用部門(何)

(注)
 1 メディアゲートウェイとは、パケットと音声信号を相互に符号変換する装置をいう。
 2 ゲートウェイルータとは、一般第一種指定電気通信設備に該当するルータと他の電気通信事業者の電気通信設備とを相互に接続するためにこれらの設備の間に設置されるルータをいう。
 3 ゲートウェイスイッチとは、一般第一種指定電気通信設備に該当するイーサネットスイッチと他の電気通信事業者の電気通信設備とを相互に接続するためにこれらの設備の間に設置されるイーサネットスイッチをいう。
別表第二
【〔第6条・第8条〕】
接続会計財務諸表様式
様式第1 (略)
様式第2 (略)
様式第3 (略)
様式第3の2 (略)
様式第4 (略)
様式第4の2 (略)
別表第三
【〔第6条・第10条〕】
 (略)
附則
この省令は、公布の日から施行し、平成十年四月一日以後に開始する事業年度から適用する。ただし、事業者の事業年度の中途に総務大臣が法第三十八条の二第一項の規定により指定を行ったときは、当該指定に係る第一種指定電気通信設備との接続に関する会計については、当該指定の日以後に開始する事業年度から適用する。
附則
平成11年1月11日
この省令は、公布の日から施行する。
附則
平成12年9月27日
第1条
(施行期日)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
第2条
(経過措置)
この省令による改正前の様式又は書式により調製した用紙は、この省令の施行後においても当分の間、使用することができる。この場合、改正前の様式又は書式により調製した用紙を修補して、使用することがある。
この省令の施行前に交付された郵便貯金通帳、郵便貯金証書、カード、払戻証書、郵便貯金本人票、郵便為替証書、払出書、郵便振替払出証書、郵便振替支払通知書及び簡易生命保険保険料領収帳は、この省令による改正後の様式又は書式により交付されたものとみなす。
附則
平成12年11月16日
第1条
(施行期日)
この省令は、電気通信事業法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則
平成13年11月29日
この省令は、電気通信事業法等の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年十一月三十日)から施行する。
附則
平成13年12月11日
この省令は公布の日から施行し、平成十四年四月一日以後に開始する事業年度から適用する。
附則
平成15年11月5日
この省令は、公布の日から施行し、施行の日以後終了する事業年度に係る接続会計財務諸表及び接続会計報告書から適用する。
附則
平成16年3月22日
第1条
(施行期日)
この省令は、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日から施行する。
附則
平成17年4月1日
この省令は、平成十七年四月一日から施行する。
附則
平成20年3月21日
この省令は、公布の日から施行する。
平成二十年三月三十一日以前に終了する事業年度に係る財務諸表及び接続会計報告書等については、この省令による改正後の電気通信事業会計規則及び第一種指定電気通信設備接続会計規則の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。
附則
平成21年5月21日
この省令は、公布の日から施行する。

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