• 船舶からの有害液体物質の排出に係る事前処理の方法等に関する省令
    • 第1条 [定義]
    • 第2条 [X類物質等に係るストリッピング]
    • 第3条 [X類物質等に係る予備洗浄]
    • 第4条 [Y類物質等又はZ類物質等に係るストリッピング]
    • 第5条 [Y類物質等又はZ類物質等に係る予備洗浄]

船舶からの有害液体物質の排出に係る事前処理の方法等に関する省令

平成24年12月28日 改正
第1条
【定義】
この省令において「凝固性物質」とは、取卸しの際、その温度がその融点に五度(融点が十五度以上のものにあつては、十度)を加えた温度未満の温度である場合における物質をいう。
この省令において「非凝固性物質」とは、凝固性物質以外の物質をいう。
この省令において「高粘性物質」とは、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令(以下「令」という。)別表第一第1号に掲げるX類物質等(以下単に「X類物質等」という。)又は同表第2号に掲げるY類物質等(以下単に「Y類物質等」という。)であつて、取卸しの際の温度において五十ミリパスカル秒以上の粘度を有するものをいう。
この省令において「低粘性物質」とは、高粘性物質以外の物質をいう。
前各項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律及び令において使用する用語の例による。
第2条
【X類物質等に係るストリッピング】
令別表第一の六第1号イの国土交通省令・環境省令で定める装置は、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の規定に基づく船舶の設備等に関する技術上の基準等に関する省令(以下「技術基準省令」という。)第27条第1項に規定するストリッピング装置(以下「ストリッピング装置」という。)とする。
前項のストリッピング装置は、次に掲げるところにより用いるものとする。
船舶の縦傾斜及び横傾斜を貨物艙の吸引点に向かう貨物の流れを保持することができる傾斜にして用いること。
当該装置の能力の最大限度まで作動させること。
参照条文
第3条
【X類物質等に係る予備洗浄】
令別表第一の六第1号ロ(2)の国土交通省令・環境省令で定める装置は、技術基準省令第22条第1項に規定する予備洗浄装置(以下「予備洗浄装置」という。)とする。
前項の予備洗浄装置は、次に掲げるところにより用いるものとする。
船舶の縦傾斜及び横傾斜を貨物艙の吸引点に向かう洗浄水の流れを保持することができる傾斜にし、かつ、洗浄中において洗浄水を当該貨物艙から連続して除去しつつ用いること。
水(凝固性物質であるもの又は非凝固性物質であつて温度二十度において五十ミリパスカル秒以上の粘度を有するものの輸送の用に供されていた貨物艙を洗浄する場合にあつては、温度六十度以上のものに限る。)を用いること。
洗浄水に洗浄剤を添加して洗浄する場合にあつては、当該洗浄剤はX類物質等を含まないものであること。ただし、当該洗浄剤中のX類物質等(生分解試験において、易分解性であるものに限る。)の濃度の合計が十重量パーセント未満の場合にあつては、この限りでない。
イ又はロに掲げる方法(平成六年七月一日以後に建造された船舶にあつては、イに掲げる方法に限る。)により洗浄すること。イ 貨物艙一艙当たりの洗浄水の量が、次の表の上欄に掲げる物質の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる算式により算定した量以上となるように洗浄すること。
物質の区分貨物艙一艙当たりの洗浄水の量(立方メートル)
凝固性物質であるもの又は高粘性物質であるもの2.4×(15r0.8+5r0.7×V×10マイナス3乗)
非凝固性物質であつて低粘性物質であるもの1.2×(15r0.8+5r0.7×V×10マイナス3乗)
備考 この表の下欄に掲げる算式中次に掲げる記号の意義は、それぞれ次に定めるとおりとする。
 V 貨物艙一艙当たりの容量を立方メートルで表した数値
 r 貨物艙一艙当たりのX類物質等の残留量を立方メートルで表した数値。ただし、Vが一〇〇以下であつて当該残留量が〇・〇四立方メートル未満である場合にあつては〇・〇四とし、Vが一〇〇を超え五〇〇未満であつて当該残留量が次の算式により算定した量未満である場合にあつては当該算式により算定した量とし、Vが五〇〇以上であつて当該残留量が〇・一立方メートル未満である場合にあつては〇・一とする。
  r=15×V×10マイナス5乗+25×10マイナス3乗
ロ 洗浄機を(1)及び(2)に掲げる物質の区分に応じ、それぞれ(1)及び(2)に掲げるサイクル数(洗浄機を連続して作動させた場合に当該洗浄機が同一の方位となるまでの一過程を一サイクルとした場合の数をいう。以下同じ。)以上作動させること。(1) 凝固性物質であるもの 二(2) 非凝固性物質であるもの 一
前項第4号ロを除く。)の規定により洗浄が行われた貨物艙から除去された洗浄水(船外に除去されたものを除く。)は、当該貨物艙に積載されていた物質と同一のものが積載されていた他の貨物艙を連続して洗浄する場合にのみ用いることができる。この場合において、第1項の予備洗浄装置は、次に掲げるところにより用いるものとする。
前項第1号から第3号まで及び第4号イに掲げるところによること。この場合において、同項第2号中「水」とあるのは、「当該洗浄水中に含まれるX類物質等の濃度が五重量パーセント以下のもの」と読み替えるものとする。
洗浄後、洗浄した貨物艙のすべての表面について、水を用いて十分に洗浄すること。
参照条文
第4条
【Y類物質等又はZ類物質等に係るストリッピング】
令別表第一の六第2号イの国土交通省令・環境省令で定める基準は、Y類物質等(非凝固性物質であつて低粘性物質であるものに限る。)又は令別表第一第3号に掲げるZ類物質等(以下単に「Z類物質等」という。)であることとする。
令別表第一の六第2号イの国土交通省令・環境省令で定める装置は、ストリッピング装置とする。
前項のストリッピング装置は、第2条第2項各号に掲げるところにより用いるものとする。
第5条
【Y類物質等又はZ類物質等に係る予備洗浄】
令別表第一の六第2号ロの国土交通省令・環境省令で定める装置は、予備洗浄装置とする。
前項の予備洗浄装置は、次に掲げるところにより用いるものとする。
第3条第2項第1号から第3号までに掲げるところによること。
イ又はロに掲げる方法(平成六年七月一日以後に建造された船舶にあつては、イに掲げる方法に限る。)により洗浄すること。イ 貨物艙一艙当たりの洗浄水の量が、次の表の上欄に掲げる物質の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる算式により算定した量以上となるように洗浄すること。
物質の区分貨物艙一艙当たりの洗浄水の量(立方メートル)
凝固性物質であるもの又は高粘性物質であるもの15r0.8+5r0.7×V×10マイナス3乗
非凝固性物質であつて低粘性物質であるもの0.5×(15r0.8+5r0.7×V×10マイナス3乗)
備考 この表の下欄に掲げる算式中次に掲げる記号の意義は、それぞれ次に定めるとおりとする。
 V 貨物艙一艙当たりの容量を立方メートルで表した数値
 r 貨物艙一艙当たりのY類物質等又はZ類物質等の残留量を立方メートルで表した数値。ただし、Vが一〇〇以下であつて当該残留量が〇・〇四立方メートル未満である場合にあつては〇・〇四とし、Vが一〇〇を超え五〇〇未満であつて当該残留量が次の算式により算定した量未満である場合にあつては当該算式により算定した量とし、Vが五〇〇以上であつて当該残留量が〇・一立方メートル未満である場合にあつては〇・一とする。
  r=15×V×10マイナス5乗+25×10マイナス3乗
ロ 洗浄機を(1)及び(2)に掲げる物質の区分に応じ、それぞれ(1)及び(2)に掲げるサイクル数以上作動させること。(1) 凝固性物質であるもの 一(2) 非凝固性物質であるもの 二分の一
前項第2号ロを除く。)の規定により洗浄が行われた貨物艙から除去された洗浄水(船外に除去されたものを除く。)は、当該貨物艙に積載されていた物質と同一のものが積載されていた他の貨物艙を連続して洗浄する場合にのみ用いることができる。この場合において、第1項の予備洗浄装置は、次に掲げるところにより用いるものとする。
第3条第2項第1号から第3号まで及び前項第2号イに掲げるところによること。この場合において、第3条第2項第2号中「水」とあるのは、「当該洗浄水中に含まれるY類物質等又はZ類物質等の濃度が五重量パーセント以下のもの」と読み替えるものとする。
洗浄後、洗浄した貨物艙のすべての表面について、水を用いて十分に洗浄すること。
附則
この命令は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律附則第一条第四号に定める日(昭和六十二年四月六日)から施行する。
附則
昭和62年4月3日
この府令は、公布の日から施行する。
附則
平成2年7月6日
この命令は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行の日(平成二年十月十三日)から施行する。
附則
平成5年3月17日
この命令は、平成五年四月四日から施行する。
附則
平成6年2月18日
この命令は、平成六年七月一日から施行する。
附則
平成12年8月14日
この命令は内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附則
平成14年12月3日
この省令は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十五年一月一日)から施行する。
附則
平成16年12月2日
この省令は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則
平成18年12月8日
この省令は、平成十九年一月一日から施行する。ただし、第二条の規定は、平成十九年四月一日から施行する。
附則
平成22年6月28日
この省令は、平成二十二年七月一日から施行する。
附則
平成24年12月28日
この省令は、平成二十五年一月一日から施行する。

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