重要文化的景観に係る選定及び届出等に関する規則
平成23年6月29日 改正
第1条
【法第百三十四条第一項の文部科学省令で定める基準】
1
文化財保護法(以下「法」という。)
第134条第1項の文部科学省令で定める基準は、次のとおりとする。
①
選定の申出に係る文化的景観(以下「文化的景観」という。)の保存に関する計画(以下「文化的景観保存計画」という。)を定めていること。
②
景観法その他の法律に基づく条例で、文化的景観の保存のため必要な規制を定めていること。
③
文化的景観の所有者又は権原に基づく占有者(管理者がいる場合には、当該管理者を含む。以下「所有者等」という。)の氏名又は名称及び住所を把握していること。
2
文化的景観保存計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
⑤
文化的景観を保存するために必要な体制に関する事項
⑦
前各号に掲げるもののほか、文化的景観の保存に関し特に必要と認められる事項
第2条
【選定の申出】
1
法第134条第1項の規定による重要文化的景観の選定の申出をしようとする都道府県又は市町村は、選定の申出に関し、あらかじめ当該文化的景観における重要な構成要素である不動産の所有者等の同意を得て、次に掲げる事項を記載した選定申出書を文部科学大臣に提出するものとする。
2
前項の選定申出書には、次に掲げる書類、図面及び写真を添えるものとする。
第3条
【滅失又はき損の届出書の記載事項等】
1
法第136条の規定による重要文化的景観の全部又は一部が滅失し、又はき損したときの届出の書面には、次に掲げる事項を記載するものとする。
⑦
滅失又はき損の事実の生じた当時における管理の状況
⑧
滅失又はき損の原因並びにき損の場合は、その箇所及び程度
⑨
き損の場合は、き損の結果当該重要文化的景観がその保存上受ける影響
⑪
滅失又はき損の事実を知った後に執られた措置その他参考となるべき事項
2
前項の書面には、滅失又はき損の状態を示すキャビネ型写真及び図面を添えるものとする。
第4条
【滅失又はき損の届出を要しない場合】
法第136条ただし書に規定する文部科学省令で定める場合は、重要文化的景観の滅失又はき損が次に掲げる行為による場合とする。
①
都市計画事業の施行として行う行為、国、都道府県、市町村若しくは当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市施設若しくは市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為、国土保全施設、水資源開発施設、道路交通、船舶交通若しくは航空機の航行の安全のため必要な施設、気象、海象、地象、洪水等の観測若しくは通報の用に供する施設、自然公園の保護若しくは利用のための施設若しくは都市公園若しくはその施設の設置若しくは管理に係る行為、土地改良事業若しくは地方公共団体若しくは農業等を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造若しくは漁業構造の改善に関する事業の施行に係る行為、重要文化財等文部科学大臣の指定若しくは選定に係る文化財の保存に係る行為又は鉱物の掘採に係る行為
②
道路、鉄道若しくは軌道、国若しくは地方公共団体が行う通信業務、認定電気通信事業(
電気通信事業法第120条第1項に規定する認定電気通信事業をいう。)、基幹放送(
放送法第2条第2号に規定する基幹放送をいう。)若しくは有線テレビジョン放送(有線電気通信設備を用いて行われる
同条第18号に規定するテレビジョン放送をいう。)の用に供する線路若しくは空中線系(その支持物を含む。)、水道若しくは下水道又は電気工作物若しくはガス工作物の設置又は管理に係る行為(自動車専用道路以外の道路、駅、操車場、車庫及び発電の用に供する電気工作物の新設に係るものを除く。)
第5条
【現状変更等の届出】
1
法第139条第1項の規定による重要文化的景観の現状変更又は保存に影響を及ぼす行為(以下「現状変更等」という。)の届出は、次に掲げる事項を記載した書面をもって行うものとする。
⑥
届出者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
⑨
現状変更等により生ずる物件の滅失若しくはき損又は景観の変化その他現状変更等が重要文化的景観に及ぼす影響に関する事項
⑫
現状変更等に係る工事その他の行為の施行者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2
前項の書面には、次に掲げる書類、図面及び写真を添えるものとする。
②
現状変更等に係る地域及びこれに関連する地域の地番及び地貌を表示した実測図
④
現状変更等を必要とする理由を証するに足りる資料があるときは、その資料
3
前項第2号の実測図及び
第3号の写真には、現状変更等をしようとする箇所を表示しなければならない。
第6条
【届出書及びその添付書類等の記載事項等の変更】
前条第1項の届出の書面又は
同条第2項の書類、写真若しくは図面に記載し、又は表示した事項を変更しようとするときは、あらかじめ文化庁長官にその旨を届け出なければならない。
第7条
【維持の措置の範囲】
法第139条第1項ただし書の規定により現状変更について届出を要しない場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
①
重要文化的景観がき損している場合において、その価値に影響及ぼすことなく当該重要文化的景観をその選定当時の原状(選定後において現状変更等の届出をしたものについては、当該現状変更等の後の原状)に復するとき。
②
重要文化的景観がき損している場合において、当該き損の拡大を防止するため応急の措置を執るとき。
③
重要文化的景観の一部がき損し、かつ、当該部分の復旧が明らかに不可能である場合において、当該部分を除去するとき。
第8条
【国の所有に属する重要文化的景観の滅失又はき損等の通知】
附則
平成23年6月29日
1
この省令は、放送法等の一部を改正する法律の施行の日(平成二十三年六月三十日)から施行する。
2
放送法等の一部を改正する法律附則第七条の規定により同法附則第二条の規定による廃止前の有線放送電話に関する法律の規定の適用についてなお従前の例によることとされる同法第三条の許可を受けている者が行う有線放送電話業務の用に供する線路の設置又は管理に係る行為については、この省令による改正後の重要文化的景観に係る選定及び届出等に関する規則第四条第二号の規定にかかわらず、なお従前の例による。