• 牛海綿状脳症対策特別措置法
    • 第1条 [目的]
    • 第2条 [定義]
    • 第3条 [国及び都道府県の責務]
    • 第4条 [基本計画]
    • 第5条 [牛の肉骨粉を原料等とする飼料の使用の禁止等]
    • 第6条 [死亡した牛の届出及び検査]
    • 第7条 [と畜場における牛海綿状脳症に係る検査等]
    • 第8条 [牛に関する情報の記録等]
    • 第9条 [牛の生産者等の経営の安定のための措置]
    • 第10条 [協力依頼]
    • 第11条 [正しい知識の普及等]
    • 第12条 [調査研究体制の整備等]

牛海綿状脳症対策特別措置法

平成15年7月16日 改正
第1条
【目的】
この法律は、牛海綿状脳症の発生を予防し、及びまん延を防止するための特別の措置を定めること等により、安全な牛肉を安定的に供給する体制を確立し、もって国民の健康の保護並びに肉用牛生産及び酪農、牛肉に係る製造、加工、流通及び販売の事業、飲食店営業等の健全な発展を図ることを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において「牛海綿状脳症」とは、家畜伝染病予防法第2条第1項の表十五の項に掲げる伝達性海綿状脳症のうち牛に係るものをいう。
第3条
【国及び都道府県の責務】
国及び都道府県(保健所を設置する市を含む。以下同じ。)は、牛海綿状脳症の発生が確認された場合又はその疑いがあると認められた場合には、次条に定める基本計画に基づき、速やかに、牛海綿状脳症のまん延を防止する等のために必要な措置を講ずる責務を有する。
第4条
【基本計画】
農林水産大臣及び厚生労働大臣は、牛海綿状脳症の発生が確認された場合又はその疑いがあると認められた場合において国及び都道府県が講ずべき措置(以下この条において「対応措置」という。)に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
対応措置に関する基本方針
計画の期間
牛海綿状脳症のまん延の防止のための措置に関する事項
正確な情報の伝達に関する事項
関係行政機関及び地方公共団体の協力に関する事項
その他対応措置に関する重要事項
農林水産大臣及び厚生労働大臣は、基本計画を定め、又は変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議するものとする。
農林水産大臣及び厚生労働大臣は、基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県に通知するものとする。
参照条文
第5条
【牛の肉骨粉を原料等とする飼料の使用の禁止等】
牛の肉骨粉を原料又は材料とする飼料は、別に法律又はこれに基づく命令で定めるところにより、牛に使用してはならない。
牛の肉骨粉を原料又は材料とする牛を対象とする飼料及び牛に使用されるおそれがある飼料は、別に法律又はこれに基づく命令で定めるところにより、販売し、又は販売の用に供するために製造し、若しくは輸入してはならない。
前二項の規定による規制の在り方については、牛海綿状脳症に関する科学的知見に基づき検討が加えられ、その結果に基づき、必要な見直し等の措置が講ぜられるものとする。
第6条
【死亡した牛の届出及び検査】
農林水産省令で定める月齢以上の牛が死亡したときは、当該牛の死体を検案した獣医師(獣医師による検案を受けていない牛の死体については、その所有者)は、家畜伝染病予防法第13条第1項の規定による届出をする場合その他農林水産省令で定める場合を除き、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該牛の死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
前項の規定による届出を受けた都道府県知事は、当該届出に係る牛の死体の所有者に対し、当該牛の死体について、家畜伝染病予防法第5条第1項の規定により、家畜防疫員の検査を受けるべき旨を命ずるものとする。ただし、地理的条件等により当該検査を行うことが困難である場合として農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
第7条
【と畜場における牛海綿状脳症に係る検査等】
と畜場内で解体された厚生労働省令で定める月齢以上の牛の肉、内臓、血液、骨及び皮は、別に法律又はこれに基づく命令で定めるところにより、都道府県知事又は保健所を設置する市の長の行う牛海綿状脳症に係る検査を経た後でなければ、と畜場外に持ち出してはならない。ただし、と畜場法第14条第3項ただし書に該当するときは、この限りでない。
と畜場の設置者又は管理者は、別に法律又はこれに基づく命令で定めるところにより、牛の脳及びせき髄その他の厚生労働省令で定める牛の部位(次項において「牛の特定部位」という。)については、焼却することにより衛生上支障のないように処理しなければならない。ただし、学術研究の用に供するため都道府県知事又は保健所を設置する市の長の許可を受けた場合その他厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。
と畜業者その他獣畜のと殺又は解体を行う者は、別に法律又はこれに基づく命令で定めるところにより、と畜場内において牛のと殺又は解体を行う場合には、牛の特定部位による牛の枝肉及び食用に供する内臓の汚染を防ぐように処理しなければならない。
第8条
【牛に関する情報の記録等】
国は、牛一頭ごとに、生年月日、移動履歴その他の情報を記録し、及び管理するための体制の整備に関し必要な措置を講ずるものとする。
牛の所有者(所有者以外の者が管理する牛については、その者)は、牛一頭ごとに、個体を識別するための耳標を着けるとともに、前項の情報の記録及び管理に必要な情報を提供しなければならない。
第9条
【牛の生産者等の経営の安定のための措置】
国は、基本計画に定められた計画の期間において、牛海綿状脳症の発生により経営が不安定になっている牛の生産者、牛肉に係る製造、加工、流通又は販売の事業を行う者、飲食店営業者等に対し、その経営の安定を図るために必要な措置を講ずるものとする。
第10条
【協力依頼】
農林水産大臣及び厚生労働大臣は、独立行政法人、地方公共団体、地方独立行政法人、獣医師の組織する団体、牛の生産者等の組織する団体又は牛海綿状脳症に係る試験研究若しくは検査を行う法人等に対し、牛海綿状脳症に関する専門家の派遣その他必要な協力を求めることができる。
都道府県知事及び保健所を設置する市の長は、国、独立行政法人、他の地方公共団体、地方独立行政法人、獣医師の組織する団体、牛の生産者等の組織する団体又は牛海綿状脳症に係る試験研究若しくは検査を行う法人等に対し、牛海綿状脳症の検査に係る協力その他必要な協力を求めることができる。
第11条
【正しい知識の普及等】
国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じた牛海綿状脳症の特性に関する知識その他牛海綿状脳症に関する正しい知識の普及により、牛海綿状脳症に関する国民の理解を深めるよう努めるとともに、この法律に基づく措置を実施するに当たっては、広く国民の意見が反映されるよう十分配慮しなければならない。
第12条
【調査研究体制の整備等】
国及び都道府県は、牛海綿状脳症の検査体制の整備、牛海綿状脳症及びこれに関連する人の疾病の予防に関する調査研究体制の整備、研究開発の推進及びその成果の普及並びに研究者の養成その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第六条第二項の規定は、平成十五年四月一日から施行する。
第7条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びに附則第三条第四項及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第8条
(食品の安全に関する行政の見直し)
政府は、牛海綿状脳症の発生を予防できなかったことにかんがみ、関係府省の連携を強化する観点から、生産から消費に至る食品の安全に関する行政の抜本的な見直しにつき検討するものとする。
附則
平成15年5月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成15年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、地方独立行政法人法の施行の日から施行する。
第6条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

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