• 非訟事件手続規則

非訟事件手続規則

平成24年7月17日 制定
第1章
総則
第1条
【当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項】
申立書その他の当事者、利害関係参加人又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、利害関係参加人又は代理人が記名押印するものとする。
当事者及び利害関係参加人の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
当事者、利害関係参加人又は代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。次項において同じ。)
事件の表示
附属書類の表示五年月日
裁判所の表示
前項の規定にかかわらず、当事者、利害関係参加人又は代理人からその住所、郵便番号及び電話番号を記載した同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する同項の書面については、これらを記載することを要しない。
第2条
【裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出】
裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
民事訴訟費用等に関する法律の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面
その提出により非訟事件の手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(前号に該当する書面を除く。)
法定代理権、非訟事件の手続における手続上の行為(第12条において「手続行為」という。)をするのに必要な授権又は手続代理人の権限を証明する書面その他の非訟事件の手続上重要な事項を証明する書面
再抗告若しくは特別抗告の抗告理由書又は非訟事件手続法(以下「法」という。)第77条第2項法第82条において準用する場合を含む。)の申立てに係る理由書
ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
裁判所は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
第3条
【裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等】
裁判所は、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載されている情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有している場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
裁判所は、申立書その他の書面を送付しようとするときその他必要があると認めるときは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出することを求めることができる。
第4条
【申立てその他の申述の方式等に関する民事訴訟規則の準用】
民事訴訟規則第1条の規定は非訟事件の手続における申立てその他の申述の方式について、同規則第4条の規定は非訟事件の手続における催告及び通知について、同規則第5条の規定は非訟事件の手続における書類の記載の仕方について準用する。
第2章
非訟事件に共通する手続
第1節
管轄
第5条
【移送における取扱い・法第六条等】
裁判所は、法第6条ただし書又は法第10条第1項において準用する民事訴訟法第18条の申立てがあったときは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴いて裁判をするものとする。
裁判所は、職権により法第6条ただし書又は法第10条第1項において準用する民事訴訟法第18条の規定による移送の裁判をするときは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴くことができる。
第6条
【法第八条の最高裁判所規則で定める地の指定】
法第8条の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
第7条
【移送に関する民事訴訟規則の準用・法第十条】
民事訴訟規則第7条及び第9条の規定は、非訟事件の移送について準用する。第2節裁判所職員の除斥、忌避及び回避
第8条
【除斥又は忌避の申立ての方式等・法第十一条等】
裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
前項の申立ては、非訟事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。法第12条第2項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
第9条
【除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第十三条】
裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
第10条
【裁判官の回避】
裁判官は、法第11条第1項又は第12条第1項に規定する場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
第11条
【裁判所書記官及び専門委員の除斥等・法第十四条等】
裁判所書記官及び専門委員の除斥、忌避及び回避については、前三条の規定を準用する。この場合において、簡易裁判所の裁判所書記官の回避の許可は、その裁判所書記官の所属する裁判所の裁判所法第37条に規定する裁判官がする。第3節当事者能力及び手続行為能力
参照条文
第12条
【法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出等・法第十六条】
非訟事件の手続における法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出については民事訴訟規則第14条の規定を、非訟事件の手続における法定代理権及び手続行為をするのに必要な授権の証明については同規則第15条前段の規定を準用する。
参照条文
第13条
【法定代理権の消滅の通知の方式・法第十八条】
法定代理権の消滅の通知は、書面でしなければならない。
第14条
【法人の代表者等への準用・法第十九条】
法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。
第4節
参加
第15条
【参加の申出の方式等・法第二十条等】
法第20条第2項の書面には、非訟事件の手続に参加する者が同条第1項に規定する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
法第20条第1項の規定による参加の申出があった場合には、当該申出を却下する裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
法第21条第2項の規定による参加の許可の裁判があった場合には、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
第1項の規定は法第21条第3項において準用する法第20条第2項の書面について、第2項の規定は法第21条第1項の規定による参加の申出があった場合について準用する。この場合において、第1項中「同条第1項」とあるのは、「法第21条第1項又は第2項」と読み替えるものとする。第5節手続代理人
第16条
【手続代理人の代理権の証明等・法第二十三条等】
手続代理人の権限は、書面で証明しなければならない。
前項の書面が私文書であるときは、裁判所は、公証人その他の認証の権限を有する公務員の認証を受けるべきことを手続代理人に命ずることができる。
手続代理人の権限の消滅の通知は、書面でしなければならない。第6節手続費用
第1款
手続費用の負担
第17条
【手続費用に関する民事訴訟規則の準用・法第二十八条】
民事訴訟規則第1編第4章第1節の規定は、非訟事件の手続の費用(第48条において「手続費用」という。)の負担について準用する。この場合において、同規則第24条第2項中「第47条(書類の送付)第1項」とあるのは、「非訟事件手続規則第36条第1項」と読み替えるものとする。
第2款
手続上の救助
第18条
【手続上の救助の申立ての方式等・法第二十九条】
手続上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
手続上の救助の事由は、疎明しなければならない。第7節非訟事件の審理等
第19条
【期日調書の形式的記載事項・法第三十一条】
法第31条の調書(以下「期日調書」という。)には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
事件の表示
裁判官及び裁判所書記官の氏名
立ち会った検察官の氏名
出頭した当事者、利害関係参加人、代理人、補佐人、通訳人及びその他の関係人の氏名
期日の日時及び場所
期日調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
第20条
【期日調書の実質的記載事項・法第三十一条】
期日調書には、手続の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
申立ての趣旨又は原因の変更、申立ての取下げ及び和解
証人、当事者本人及び鑑定人の陳述
証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
検証の結果
裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
書面を作成しないでした裁判
前項の規定にかかわらず、非訟事件の手続が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が非訟事件の手続の完結を知った日から一週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
期日調書には、手続の要領のほか、当事者及び利害関係参加人による書面の提出の予定その他手続の進行に関する事項を記載することができる。
参照条文
第21条
【期日及び期日調書に関する民事訴訟規則の準用・法第三十一条】
民事訴訟規則第68条から第77条までの規定は、非訟事件の手続の期日及び期日調書について準用する。この場合において、同規則第68条第1項中「前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)第1項」とあるのは「非訟事件手続規則第20条第1項」と、同規則第74条第1項第3号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「終局決定に対する即時抗告若しくは特別抗告の提起又は非訟事件手続法第77条第2項」と、同規則第77条中「法廷」とあるのは「非訟事件の手続の期日」と読み替えるものとする。
参照条文
第22条
【非訟事件の記録の正本等の様式・法第三十二条】
非訟事件の記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
第23条
【受命裁判官の指定及び裁判所の嘱託の手続】
非訟事件の手続における受命裁判官の指定及び裁判所がする嘱託の手続については、民事訴訟規則第31条の規定を準用する。
第24条
【専門委員の意見に関する取扱い・法第三十三条】
裁判長が専門委員に意見を求めた場合において、その意見を求めた事項が的確かつ円滑な審理を実現する上で重要な事項であるときは、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、当該事項を通知しなければならない。ただし、裁判長が当事者が立ち会うことのできる非訟事件の手続の期日において専門委員に意見を求めた場合は、この限りでない。
専門委員が非訟事件の手続の期日外において意見を記載した書面を提出したときは、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、その写しを送付しなければならない。
第25条
【専門委員が関与する証拠調べ期日における裁判長の措置等・法第三十三条】
裁判長は、法第33条第1項の規定により専門委員が非訟事件の手続に関与する場合において、証人の尋問を行う非訟事件の手続の期日において専門委員に意見を述べさせるに当たり、必要があると認めるときは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴いて、専門委員の意見が証人の証言に影響を及ぼさないための証人の退去その他適当な措置を採ることができる。
当事者は、裁判長に対し、前項の措置を採ることを求めることができる。
参照条文
第26条
【専門委員の意見に関する当事者及び利害関係参加人の意見陳述の機会の付与・法第三十三条】
裁判所は、当事者及び利害関係参加人に対し、専門委員が述べた意見について意見を述べる機会を与えなければならない。
参照条文
第27条
【専門委員に対する準備の指示等・法第三十三条】
裁判長は、法第33条第1項の規定により専門委員に意見を述べさせるに当たり、必要があると認めるときは、専門委員に対し、係争物の現況の確認その他の準備を指示することができる。
裁判長が前項に規定する指示をしたときは、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、その旨及びその内容を通知するものとする。
参照条文
第28条
【音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与・法第三十三条】
法第33条第3項の期日において、同条第4項に規定する方法によって専門委員に意見を述べさせるときは、裁判所は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
専門委員に前項の意見を述べさせたときは、その旨及び通話先の電話番号を非訟事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。
参照条文
第29条
【専門委員の関与する手続に関する受命裁判官及び受託裁判官の権限・法第三十三条】
受命裁判官又は受託裁判官が法第33条第1項の手続を行う場合には、第25条第26条第27条第1項及び前条第1項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。
第30条
【受命裁判官又は受託裁判官の期日指定・法第三十四条】
受命裁判官又は受託裁判官が行う非訟事件の手続の期日は、その裁判官が指定する。
第31条
【期日変更の制限・法第三十四条】
非訟事件の手続の期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては、してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
当事者又は利害関係参加人の一人につき手続代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
第32条
【裁判長等が定めた期間の伸縮・法第三十四条】
裁判長、受命裁判官又は受託裁判官が定めた期間の伸縮については、民事訴訟規則第38条の規定を準用する。
第33条
【受継の申立ての方式等・法第三十六条等】
法第36条第1項又は第3項の規定による受継の申立ては、書面でしなければならない。
前項の書面には、非訟事件の手続を受け継ぐ者が法令により手続を続行する資格のある者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
法第36条第1項又は第3項の規定による受継があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
前三項の規定は、法第37条第1項の規定による受継について準用する。この場合において、第2項中「法令により手続を続行する資格のある」とあるのは、「当該非訟事件の申立てをすることができる」と読み替えるものとする。
第34条
【非訟事件の申立人の死亡等の届出・法第三十七条】
非訟事件の申立人に死亡、資格の喪失その他の非訟事件の手続を続行することができない事由が生じた場合において、法令により手続を続行する資格のある者がないときは、当該申立人又はその手続代理人は、その事由が生じた旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
第35条
【送達・法第三十八条】
送達については、民事訴訟規則第1編第5章第4節の規定(同規則第47条の規定を除く。)を準用する。この場合において、同規則第41条第2項中「訴状、答弁書又は支払督促に対する督促異議の申立書」とあるのは、「非訟事件の申立書、答弁書又は非訟事件手続法第20条第2項同法第21条第3項において準用する場合を含む。)の書面」と読み替えるものとする。
第36条
【書類の送付】
直送(当事者又は利害関係参加人(以下この条及び第45条第3項において「当事者等」という。)の他の当事者等に対する直接の送付をいう。以下この条及び第45条第3項において同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
裁判所が当事者等その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
裁判所が当事者等の提出に係る書類の他の当事者等への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者等がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
当事者等が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者等は、裁判所に対し、当該書類の他の当事者等への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
当事者等から前項の書類又は裁判所が当事者等に対し送付すべき書類の直送を受けた他の当事者等は、当該書類を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。ただし、同項の書類又は裁判所が当事者等に対し送付すべき書類の直送をした当事者等が、受領した旨を他の当事者等が記載した当該書類を裁判所に提出したときは、この限りでない。第3章 第一審裁判所における非訟事件の手続第1節非訟事件の申立て
参照条文
第37条
【非訟事件の申立書の記載事項等・法第四十三条】
非訟事件の申立書には、申立ての趣旨及び申立ての原因(申立てを特定するのに必要な事実をいう。)を記載するほか、申立てを理由づける事実を具体的に記載しなければならない。
非訟事件の申立書に申立てを理由づける事実以外の事実を記載する場合には、できる限り、申立てを理由づける事実と区別して記載しなければならない。
申立てを理由づける事実についての証拠書類があるときは、その写しを非訟事件の申立書に添付しなければならない。
裁判所は、申立人に対し、前項の証拠書類の写しのほか、非訟事件の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。
第38条
【非訟事件の申立書の補正の促し・法第四十三条】
裁判長は、非訟事件の申立書の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
第39条
【非訟事件の申立書の却下の命令に対する即時抗告・法第四十三条】
非訟事件の申立書の却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された非訟事件の申立書を添付しなければならない。
第40条
【参考事項の聴取・法第四十三条】
裁判長は、非訟事件の申立てがあったときは、当事者から、非訟事件の手続の進行に関する意見その他手続の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
裁判長は、前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
第41条
【申立ての変更の通知・法第四十四条】
申立人が法第44条第1項の規定により申立ての趣旨又は原因を変更した場合には、同条第3項又は第4項の規定による裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。第2節非訟事件の手続の期日
第42条
【音声の送受信による通話の方法による手続・法第四十七条】
裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって非訟事件の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を非訟事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。
第43条
【手続代理人の陳述禁止等の通知・法第四十八条】
手続代理人の陳述禁止等の通知については、民事訴訟規則第65条の規定を準用する。第3節事実の調査及び証拠調べ
第44条
【事実の調査の要旨の記録化・法第四十九条】
事実の調査については、裁判所書記官は、その要旨を非訟事件の記録上明らかにしておかなければならない。
第45条
【証拠調べ・法第五十三条】
非訟事件の手続における証拠調べについては、民事訴訟規則第2編第3章第1節から第6節までの規定(同規則第99条第2項第100条第101条第121条及び第139条の規定を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「直送」とあるのは「非訟事件手続規則第36条第1項の直送」と、同規則第129条
中「口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日」とあるのは「非訟事件の手続の期日」と、同規則第140条第3項中「第99条(証拠の申出)第2項」とあるのは「非訟事件手続規則第45条第3項」と読み替えるものとする。
法第53条第5項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しない場合には、民事訴訟規則第111条の規定は、前項において準用する同規則第127条ただし書の規定にかかわらず、当該当事者の勾引について準用する。
当事者等が第1項において準用する民事訴訟規則第99条第1項の証拠の申出を記載した書面を裁判所に提出する場合には、当該書面について直送をしなければならない。
第4節
裁判
第47条
【決定及び命令の方式等・法第五十六条等】
決定書及び命令書には、決定又は命令をした裁判官が記名押印しなければならない。
合議体の構成員である裁判官が決定書に記名押印することに支障があるときは、他の裁判官が決定書にその事由を付記して記名押印しなければならない。
決定又は命令の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を非訟事件の記録上明らかにしなければならない。
参照条文
第48条
【脱漏した手続費用の負担の裁判を求める申立て・法第六十条等】
手続費用の負担の裁判を脱漏した場合における手続費用の負担の裁判を求める申立てについては、民事訴訟規則第161条の規定を準用する。第5節裁判によらない非訟事件の終了
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第49条
【申立ての取下げがあった場合の取扱い等・法第六十三条等】
終局決定がされる前に非訟事件の申立ての取下げがあったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
終局決定がされた後において、非訟事件の申立ての取下げをするときは、取下げの理由を明らかにしなければならない。
前項に規定する場合において、裁判所が取下げを許可したときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の裁判を受ける者に通知しなければならない。
第1項の規定は、法第64条の規定により申立ての取下げがあったものとみなされた場合について準用する。
第50条
【和解・法第六十五条】
非訟事件における和解については、民事訴訟規則第32条第163条及び第164条の規定を準用する。
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第4章
不服申立て第一節終局決定に対する不服申立て
第1款
即時抗告
第51条
【抗告状の写しの添付・法第六十九条】
終局決定に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)の数と同数の写しを添付しなければならない。
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第52条
【原決定の取消事由等を記載した書面】
終局決定に対する即時抗告(再抗告を除く。次条第1項において同じ。)をする場合において、抗告状に原決定の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、抗告人は、即時抗告の提起後十四日以内に、これらを記載した書面を原裁判所に提出しなければならない。
前条の規定は、前項の書面について準用する。
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第53条
【即時抗告の提起による事件送付】
終局決定に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の決定をしたときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、非訟事件の記録を送付してしなければならない。
第54条
【原裁判所の意見】
抗告裁判所に事件を送付するときは、原裁判所は、抗告事件についての意見を付さなければならない。
第56条
【執行停止の申立ての方式・法第七十二条】
法第72条第1項ただし書の申立ては、書面でしなければならない。
第57条
【原審の決定書の引用】
抗告審の決定書における理由の要旨の記載は、原審の決定書を引用してすることができる。
第58条
【第一審の手続の規定及び民事訴訟規則の準用・法第七十三条】
終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前章の規定を準用する。
民事訴訟規則第173条第177条及び第185条の規定は、終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第173条第3項及び第177条第2項中「相手方」とあるのは、「原審における当事者及び利害関係参加人」と読み替えるものとする。
第59条
【再抗告をする場合における費用の予納・法第七十四条】
再抗告をするときは、抗告状の写しの送付に必要な費用のほか、抗告提起通知書の送達及び送付、抗告理由書の写しの送付、裁判の告知並びに再抗告が係属する抗告裁判所が非訟事件の記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
第60条
【再抗告の抗告提起通知書の送達及び送付・法第七十四条】
再抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は法第68条第3項の規定による抗告却下の決定があったときを除き、抗告提起通知書を、抗告人に送達するとともに、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に送付しなければならない。
参照条文
第61条
【再抗告の抗告理由書の提出期間・法第七十四条】
再抗告の抗告理由書の提出の期間は、抗告人が前条の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から十四日とする。
第62条
【再抗告の理由を記載した書面の写しの添付・法第七十四条】
再抗告の理由を記載した書面には、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)の数に四を加えた数の写しを添付しなければならない。
第63条
【再抗告の提起による事件送付等・法第七十四条】
再抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は抗告却下の決定があったときを除き、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、非訟事件の記録を送付してしなければならない。
前項の規定による非訟事件の記録の送付を受けたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その旨を原審における当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
第64条
【再抗告の抗告理由書の写しの送付・法第七十四条】
前条第1項の規定により原裁判所から事件の送付を受けた場合には、抗告裁判所は、再抗告が不適法であるとき又は再抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、再抗告の抗告理由書の写しを送付しなければならない。
第65条
【再抗告及びその抗告審に関する民事訴訟規則の準用・法第七十四条】
民事訴訟規則第190条から第193条まで、第196条第202条及び第203条の規定は、再抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第190条第2項中「法第312条(上告の理由)第2項各号」とあるのは「非訟事件手続法第74条第1項第2号から第6号まで」と、同規則第196条第1項中「第194条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「非訟事件手続規則
第61条
」と読み替えるものとする。
第2款
特別抗告
第3款
許可抗告
第68条
【抗告状の記載事項・法第七十九条】
終局決定以外の裁判に対する即時抗告(再抗告を除く。)をするときは、抗告状には、原裁判の取消し又は変更を求める事由を具体的に記載しなければならない。
第69条
【即時抗告の提起に係る記録の送付・法第七十九条】
終局決定以外の裁判に対する即時抗告(第3項の即時抗告を除く。)があった場合において、原裁判所が非訟事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、次条において準用する第53条第2項及び第63条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
前項の規定により抗告事件の記録が送付された場合において、抗告裁判所が同項の非訟事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
法第32条第9項の規定による即時抗告があったときは、次条において準用する第53条第2項及び第63条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付するものとする。
前項の場合には、同項の記録に、抗告事件についての原裁判所の意見を記載した書面及び抗告事件の審理に参考となる資料を添付しなければならない。
第70条
【終局決定に対する不服申立ての規定の準用・法第八十二条】
前節の規定(第51条第66条第1項及び第67条第1項において準用する場合を含む。)、第52条及び第55条の規定を除く。)は、裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に対する不服申立てについて準用する。
第5章
再審
第71条
【再審の手続・法第八十三条】
再審の申立書には、不服の申立てに係る裁判書の写しを添付しなければならない。
前項に規定するほか、再審の手続については、その性質に反しない限り、各審級における非訟事件の手続に関する規定を準用する。
第6章
雑則
第73条
【法の規定を準用する他の法令の規定による非訟事件の手続への準用】
前各章の規定は、その性質に反しない限り、他の法令において準用する法第2条の規定によりその手続に関し必要な事項を最高裁判所規則で定めるべき事件の手続について準用する。
附則
この規則は、法の施行の日から施行する。

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