武力紛争の際の文化財の保護に関する法律施行規則
平成19年12月10日 制定
第1条
【特定文化財の指定の基準】
武力紛争の際の文化財の保護に関する法律(以下「法」という。)
第3条第1項の文部科学省令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
①
武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(以下「条約」という。)
第1条(a)に掲げるもののうち動産である文化財(
文化財保護法第2条第1項に掲げる文化財をいう。
次号において同じ。)を保存し、又は公開する施設であって、武力攻撃事態において保護する必要性が高いものであること。
②
条約
第1条(a)に掲げるもののうち動産若しくは不動産である文化財又は
前号に掲げる施設が集中し、かつ、保存のための適切な措置が講じられている地区であって、武力攻撃事態において保護する必要性が高いものであること。
第2条
【指定の通知】
1
文部科学大臣は、
法第3条第1項の規定による指定をしたときは、その旨を当該特定文化財を正当な権原に基づき管理する者(
次条第2項において「特定文化財管理者」という。)に通知するものとする。
2
前項の規定により、通知すべき相手方が著しく多数で個別に通知し難い事情がある場合には、文部科学大臣は、
同項の規定による通知に代えて、その通知すべき事項を当該特定文化財の所在地の市(特別区を含む。)町村の事務所又はこれに準ずる施設の掲示場に掲示することができる。
第3条
【指定の解除】
1
文部科学大臣は、特定文化財についてその指定の必要がなくなったと認めるときは、当該指定を解除するものとする。
2
文部科学大臣は、
前項の規定により指定を解除したときは、その旨を官報に公示するとともに、当該特定文化財管理者に通知するものとする。
第4条
【被占領地域流出文化財の指定】
文部科学大臣は、
法第4条第1項の規定による通知を受けた場合において、当該通知に係る文化財が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、当該文化財を被占領地域流出文化財として指定するものとする。ただし、当該文化財の種類(絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料その他の当該文化財の種類をいう。)、特徴(寸法、重量、材質、形状、色その他の当該文化財の特徴をいう。)等に係る通知の記載が当該文化財を特定できる程度に明確でないと認められるときは、この限りでない。
②
法の施行前に、武力紛争の際の文化財の保護に関する議定書の締約国間の武力紛争において占領されていた地域から輸出された議定書締約国文化財でないこと。
第5条
【指定の解除】
1
文部科学大臣は、被占領地域流出文化財についてその指定の必要がなくなったと認めるときは、当該指定を解除するものとする。
2
文部科学大臣は、
前項の規定により指定を解除したときは、その旨を官報に公示するものとする。
第6条
【特殊標章の使用方法】
1
法第6条第2項の規定により国内文化財(
法第2条第1号に規定する国内文化財をいう。以下同じ。)を識別させるために特殊標章(
法第2条第7号に規定する特殊標章をいう。以下同じ。)を使用しようとする者は、一個の特殊標章を用いるものとする。
2
法第6条第2項の規定により国内文化財の輸送(条約
第12条又は
第13条に定める条件に従って行われるものに限る。)のために使用する車両その他の輸送手段を識別させるために特殊標章を使用しようとする者は、三個の特殊標章を三角形の形(一個を下方に置く。)に並べて用いるものとする。この場合において、特殊標章は、昼間において上空及び地上から明確に視認できるように配置しなければならない。
3
法第6条第2項ただし書の規定により国内文化財を正当な権原に基づき管理する者(
次条及び
第8条において「国内文化財管理者」という。)が不動産である国内文化財(文部科学大臣又は文部科学大臣以外の各省各庁の長(
国有財産法第4条第2項に規定する各省各庁の長をいう。
第10条において同じ。)が管理するものを除く。)を識別させるために特殊標章を使用する場合は、
第8条第1項の許可証を同時に掲示しなければならない。
第7条
【特殊標章の使用の許可の申請】
1
国内文化財管理者は、
法第6条第2項ただし書の規定による特殊標章の使用の許可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。
2
法第6条第2項ただし書の許可を受けた国内文化財管理者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。
第8条
【許可証の交付等】
1
文部科学大臣は、
法第6条第2項ただし書に規定する許可をしたときは、当該許可を受けた国内文化財管理者に許可証を交付する。
2
前項の規定による許可証の交付を受けた国内文化財管理者は、当該許可証の記載事項に変更を生じたときは、文部科学大臣に届け出て、許可証に変更に係る事項の記載を受けなければならない。この場合においては、当該許可証を添えなければならない。
3
第1項の規定による許可証の交付を受けた国内文化財管理者は、当該許可証を滅失し、汚損し、又は破損したときは、文部科学大臣に許可証の再交付を申請することができる。この場合においては、汚損し、又は破損した許可証を添えなければならない。
第9条
【文部科学大臣による特殊標章の使用】
文部科学大臣が管理する不動産である国内文化財を識別させるために特殊標章を使用する場合は、文部科学大臣が当該文化財を管理するものであることを証する証明書を同時に掲示するものとする。
第10条
【文部科学大臣以外の各省各庁の長による特殊標章の使用】
1
文部科学大臣以外の各省各庁の長が管理する不動産である国内文化財を識別させるために特殊標章を使用する場合は、文部科学大臣の同意書を同時に掲示するものとする。
2
第7条及び
第8条の規定は、文部科学大臣以外の各省各庁の長が
法第6条第2項ただし書の規定による同意を受けようとする場合において準用する。この場合において、
第7条及び
第8条第1項中「許可」とあるのは「同意」と、
第8条中「許可証」とあるのは「同意書」と読み替えるものとする。
第12条
【身分証明書の様式】
法第6条第3項に規定する身分証明書の様式は、別記様式第二によるものとする。