武力紛争の際の文化財の保護に関する法律
平成19年4月27日 制定
第1条
【目的】
この法律は、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(附則第2項を除き、以下「条約」という。)、武力紛争の際の文化財の保護に関する議定書(以下「議定書」という。)及び千九百九十九年三月二十六日にハーグで作成された武力紛争の際の文化財の保護に関する千九百五十四年のハーグ条約の第二議定書(以下「第二議定書」という。)の適確な実施を確保するため、被占領地域流出文化財の輸入の規制等に関する措置を講じ、もって現在及び将来の世代にわたる人類の貴重な文化的資産である文化財の国際的な保護に資することを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
①
国内文化財 次に掲げるものをいう。
イ
条約第1条(a)に掲げるもののうち、重要文化財(文化財保護法第27条第1項に規定する重要文化財をいう。)、重要有形民俗文化財(同法第78条第1項に規定する重要有形民俗文化財をいう。)又は史跡名勝天然記念物(同法第109条第1項に規定する史跡名勝天然記念物をいう。)であるもの
⊟
参照条文
第3条
【特定文化財の指定等】
1
文部科学大臣は、条約第1条(b)又は(c)に掲げるもの(国内にあるものに限る。)のうち、文部科学省令で定める基準に該当するものを、文部科学省令で定めるところにより、特定文化財として指定するものとする。
⊟
参照条文
第6条
【特殊標章の使用等】
1
何人も、次項から第4項までに規定する場合を除くほか、武力攻撃事態(武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律第2条第2号に規定する武力攻撃事態(条約の締約国又は条約適用国(条約第18条3の規定により条約の規定を受諾し、かつ、適用する条約の非締約国をいう。)からの武力攻撃に係るものに限る。)をいう。以下同じ。)において、特殊標章(これに類似する標章を含む。第11条において同じ。)を使用してはならない。
2
国内文化財を正当な権原に基づき管理する者は、武力攻撃事態において、当該国内文化財又は当該国内文化財の輸送(条約第12条又は第13条に定める条件に従って行われるものに限る。)のために使用する車両その他の輸送手段を識別させるため、文部科学省令で定めるところにより、特殊標章を使用することができる。ただし、不動産である国内文化財を識別させるため特殊標章を使用しようとする場合(当該国内文化財を文部科学大臣が管理している場合を除く。)においては、文部科学大臣の許可(当該国内文化財を文部科学大臣以外の各省各庁の長(国有財産法第4条第2項に規定する各省各庁の長をいう。)が管理している場合にあっては、文部科学大臣の同意)を受けなければならない。
3
文部科学大臣は、国内文化財の保護に関する職務を行う国又は地方公共団体の職員、利益保護国の代表(施行規則第3条の規定により任命された者をいう。以下この項において同じ。)、文化財管理官(施行規則第4条1の規定により選定され、又は同条2の規定により任命された者をいう。以下この項において同じ。)、査察員(施行規則第7条1の規定により文化財管理官がその派遣先の国に対し推薦し、その承認を得て任命した者をいう。以下この項において同じ。)及び専門家(同条2の規定により利益保護国の代表、文化財管理官又は査察員がそれらの派遣先の国に対し推薦し、その承認を得て任命した者をいう。)に対し、武力攻撃事態において、これらの者を識別させるため、文部科学省令で定めるところにより、特殊標章を表示した腕章及び身分証明書を交付するものとする。
第7条
【罰則】
1
第8条