事業再生に係る認証紛争解決事業者の認定等に関する省令
平成25年8月29日 改正
第2条
【認証紛争解決事業者の認定の申請】
1
法第48条第1項の規定により経済産業大臣の認定を受けようとする認証紛争解決事業者は、様式第一による申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
2
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
①
手続実施者の事業再生についての実務経験を証する書類
③
認証紛争解決手続の実施の方法が
第7条から
第14条までに規定する基準に適合することを証する書類
第3条
【変更の認証等の届出】
特定認証紛争解決事業者は、次に掲げる場合には、遅滞なく、様式第二によりその旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第4条
【認証紛争解決事業者の認定に係る手続実施者の要件】
法第48条第1項第1号の経済産業省令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。
①
法第41条第2項の認定支援機関において中小企業再生支援業務の統括責任者又は当該統括責任者を補佐する者として事業再生に係る債務者とその債権者との間の権利関係を適切に調整した経験を有すること。
②
法第48条第1項第1号の手続実施者を補佐する者として事業再生に係る債務者とその債権者との間の権利関係を適切に調整した経験を三件以上有すること。
③
株式会社産業再生機構又は株式会社地域経済活性化支援機構(株式会社企業再生支援機構法の一部を改正する法律による改正前の株式会社企業再生支援機構
法第1条の株式会社企業再生支援機構を含む。)において事業再生に係る債務者とその債権者との間の権利関係を適切に調整した経験を有すること。
④
一般に公表された債務処理を行うための手続(破産手続、再生手続、
会社更生法又は
金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生手続及び特別清算に関する手続を除く。)についての準則(公正かつ適正なものと認められるものに限る。)に基づき、事業再生に係る債務者とその債権者との間の権利関係を適切に調整した経験を有すること。
第5条
【前条の手続実施者が弁護士でない場合に当該手続実施者が助言を受ける弁護士の要件】
第7条
【一時停止】
認証紛争解決事業者は、債権者(認証紛争解決手続における紛争の当事者である債権者に限る。以下同じ。)に対し一時停止(債権者全員の同意によって決定される期間中に債権の回収、担保権の設定又は破産手続開始、再生手続開始、
会社更生法若しくは
金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生手続開始若しくは特別清算開始の申立てをしないことをいう。以下同じ。)を要請する場合には、債権者に対し、債務者と連名で、書面により通知しなければならない。なお、一時停止の通知を発した場合においては、一時停止の通知を発した日から、原則として、二週間以内に
第9条の債権者会議を開催しなければならない。
第8条
【債権者会議】
認証紛争解決事業者は、事業再生計画案(債務者が作成する事業再生の計画の案をいう。以下同じ。)の概要の説明のための債権者会議、事業再生計画案の協議のための債権者会議、事業再生計画案の決議のための債権者会議をそれぞれ開催しなければならない。
第9条
【事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議】
1
事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議においては、債務者による現在の債務者の資産及び負債の状況並びに事業再生計画案の概要の説明並びにこれらに対する質疑応答及び債権者間の意見の交換を行う。
2
事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議は、債権者の過半数の同意によって、次に掲げる事項について決議をすることができる。ただし、
第4号及び
第5号に掲げる事項については、債権者全員の同意によって、決議をするものとする。
④
債権者ごとに、要請する一時停止の具体的内容及びその期間
3
前項第2号の手続実施者の中には、
民事再生法第54条第2項の監督委員(以下単に「監督委員」という。)若しくは
同法第64条第1項の管財人又は
会社更生法第42条第1項の管財人(以下単に「管財人」という。)の経験を有する者が一人以上含まれなければならない。ただし、事業再生計画案が債権放棄を伴う場合には、手続実施者を三人以上(債務者の有利子負債が十億円に満たない場合には、二人以上)選任することとし、当該手続実施者の中には監督委員又は管財人の経験を有する者及び公認会計士がそれぞれ一人以上含まれなければならない。
第9条の2
【事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議の期日の続行】
前条の債権者会議において事業再生計画案の説明が終了しなかった場合又は
前条各号に掲げる事項について決議されるに至らなかった場合においては、債権者の過半数の同意により続行期日を定めることができる。
第10条
【事業再生計画案の協議のための債権者会議】
事業再生計画案を協議するための債権者会議においては、事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議において選任された手続実施者は、事業再生計画案が公正かつ妥当で経済的合理性を有するものであるかについて意見を述べるものとする。
第10条の2
【事業再生計画案の協議のための債権者会議の期日の続行】
前条の債権者会議において事業再生計画案の協議が調わなかった場合においては、債権者の過半数の同意により続行期日を定めることができる。
第11条
【事業再生計画案の決議のための債権者会議】
事業再生計画案の決議のための債権者会議においては、債権者全員の書面による合意の意思表示によって事業再生計画案の決議をすることができる。
第12条
【事業再生計画案の決議のための債権者会議の期日の続行】
前条の債権者会議において事業再生計画案が決議されるに至らなかった場合においては、債権者全員の同意により続行期日を定めることができる。
第13条
【事業再生計画案の内容】
1
第8条の事業再生計画案は、次に掲げる事項を含むものでなければならない。
④
資産及び負債並びに収益及び費用の見込みに関する事項
2
前項第4号に掲げる事項は次の各号に掲げる要件を満たすものでなければならない。
①
債務超過の状態にあるときは、事業再生計画案に係る合意が成立した日後最初に到来する事業年度開始の日から、原則として、三年以内に債務超過の状態にないこと。
②
経常損失が生じているときは、事業再生計画案に係る合意が成立した日後最初に到来する事業年度開始の日から、原則として、三年以内に黒字になること。
3
第1項第7号の債権者の権利の変更の内容は、債権者の間では平等でなければならない。ただし、債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。
4
第1項第8号の債権額の回収の見込みは、破産手続による債権額の回収の見込みよりも多くなければならない。
第14条
【債権放棄を伴う事業再生計画案】
1
第8条の事業再生計画案が債権放棄を伴う場合、当該事業再生計画案は次に掲げる事項を含むものでなければならない。
①
債務者の有する資産及び負債につき、経済産業大臣が定める基準による資産評定が公正な価額によって行われ、当該資産評定による価額を基礎とした当該債務者の貸借対照表が作成されていること。
②
前号の貸借対照表における資産及び負債の価額並びに事業再生計画における収益及び費用の見込み等に基づいて債務者に対して債務の免除をする金額が定められていること。
③
株主の権利の全部又は一部の消滅(事業再生に著しい支障を来すおそれがある場合を除く。)
④
役員の退任(事業再生に著しい支障を来すおそれがある場合を除く。)
2
認証紛争解決事業者は、
前項の事業再生計画案が
同項各号の要件に該当すること及び経済産業大臣が定める事項について、
第9条第3項ただし書の手続実施者に対し、書面による確認を求めなければならない。
第15条
【独立行政法人中小企業基盤整備機構又は信用保証協会に対する特定認証紛争解決手続の終了の通知】
債務者が
法第50条又は
第51条に規定する債務の保証を利用している場合であって、当該債務者に係る特定認証紛争解決手続が終了したときは、特定認証紛争解決事業者は書面により、遅滞なく独立行政法人中小企業基盤整備機構又は当該債務の保証を行っている信用保証協会に対してその旨を通知しなければならない。
第16条
【事業再生円滑化関連保証における経済産業省令で定める費用】
法第51条第1項に規定する事業再生を行おうとする中小企業者の原材料の購入のための費用その他の事業の継続に欠くことができない費用で経済産業省令で定めるものは、次の各号に掲げる費用とする。
第17条
【資金の借入れが事業の継続に欠くことができないものであることを確認するための基準】
1
法第52条第1号の経済産業省令で定める基準は、次の各号のいずれにも該当することとする。
①
法第52条の資金の借入れが、事業再生計画案に係る債権者全員の合意の成立が見込まれる日までの間における債務者の資金繰りのために合理的に必要なものであると認められるものであること。
②
法第52条の借入れに係る借入金の償還期限が、債権者全員の合意の成立が見込まれる日以後に到来すること。
2
特定認証紛争解決事業者は、
法第52条各号の確認を行う場合には、事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議、事業再生計画案の協議のための債権者会議又は事業再生計画案の決議のための債権者会議において行わなければならない。
3
特定認証紛争解決事業者は、当該資金の借入れが
法第52条各号の要件を満たすことを確認したときは、様式第三により債務者及び債権者に対し通知しなければならない。
第18条
【実施状況報告】
特定認証紛争解決事業者は、毎事業年度終了後三月以内に、様式第四により当該事業年度の事業報告書を経済産業大臣に提出しなければならない。
附則
この省令は、産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日(平成十九年八月六日)から施行する。
附則
平成21年6月22日
この省令は、我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日(平成二十一年六月二十二日)から施行する。
附則
平成23年6月29日
この省令は、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律の施行の日(平成二十三年七月一日)から施行する。