裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律
平成23年6月24日 改正
第1条
【目的】
この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、裁判外紛争解決手続(訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続をいう。以下同じ。)が、第三者の専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決を図る手続として重要なものとなっていることにかんがみ、裁判外紛争解決手続についての基本理念及び国等の責務を定めるとともに、民間紛争解決手続の業務に関し、認証の制度を設け、併せて時効の中断等に係る特例を定めてその利便の向上を図ること等により、紛争の当事者がその解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にし、もって国民の権利利益の適切な実現に資することを目的とする。
第2条
【定義】
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参照条文
貸金業法第12条の2の2 金融商品取引業等に関する内閣府令第119条 第277条 金融商品取引法第37条の7 銀行法第12条の3 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律施行令第1条 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第2条 第41条 第48条 資金決済に関する法律第51条の2 資産対応証券の募集等又はその取扱いを行う特定目的会社及び特定譲渡人に係る行為規制等に関する内閣府令第19条 社会保険労務士法第2条 社会保険労務士法施行規則第1条の2 第1条の4 商品先物取引法施行規則第103条の3 信託業法第23条の2 水産業協同組合法第11条の10の2 中小企業等協同組合法第9条の7の3 投資信託及び投資法人に関する法律施行規則第237条 特定目的信託の受益証券の募集等を行う原委託者に係る行為規制等に関する内閣府令第19条 農業協同組合法第11条の3の2 農林中央金庫法第57条の2 保険業法第105条の2
第3条
【基本理念等】
第4条
【国等の責務】
第6条
【認証の基準】
法務大臣は、前条の認証の申請をした者(以下「申請者」という。)が行う当該申請に係る民間紛争解決手続の業務が次に掲げる基準に適合し、かつ、申請者が当該業務を行うのに必要な知識及び能力並びに経理的基礎を有するものであると認めるときは、当該業務について認証をするものとする。
③
手続実施者の選任の方法及び手続実施者が紛争の当事者と利害関係を有することその他の民間紛争解決手続の公正な実施を妨げるおそれがある事由がある場合において、当該手続実施者を排除するための方法を定めていること。
④
申請者の実質的支配者等(申請者の株式の所有、申請者に対する融資その他の事由を通じて申請者の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にあるものとして法務省令で定める者をいう。以下この号において同じ。)又は申請者の子会社等(申請者が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配する関係にあるものとして法務省令で定める者をいう。)を紛争の当事者とする紛争について民間紛争解決手続の業務を行うこととしている申請者にあっては、当該実質的支配者等又は申請者が手続実施者に対して不当な影響を及ぼすことを排除するための措置が講じられていること。
⑤
手続実施者が弁護士でない場合(司法書士法第3条第1項第7号に規定する紛争について行う民間紛争解決手続において、手続実施者が同条第2項に規定する司法書士である場合を除く。)において、民間紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。
⑨
申請者が紛争の一方の当事者から前号の依頼を受けた場合において、紛争の他方の当事者に対し、速やかにその旨を通知するとともに、当該紛争の他方の当事者がこれに応じて民間紛争解決手続の実施を依頼するか否かを確認するための手続を定めていること。
⑪
民間紛争解決手続において陳述される意見又は提出され、若しくは提示される資料に含まれる紛争の当事者又は第三者の秘密について、当該秘密の性質に応じてこれを適切に保持するための取扱いの方法を定めていること。第16条に規定する手続実施記録に記載されているこれらの秘密についても、同様とする。
第8条
【認証の申請】
第9条
【認証に関する意見聴取】
1
法務大臣は、第5条の認証の申請に対する処分をしようとする場合又は当該申請に対する処分についての異議申立てに対する決定をしようとする場合には、あらかじめ、申請者が法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であるときはこれらの法人を所管する大臣に、申請者が設立に関し許可又は認可を受けている法人であるときはその許可又は認可をした大臣又は国家公安委員会に、それぞれ協議しなければならない。
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参照条文
第11条
【認証の公示等】
2
認証紛争解決事業者は、認証紛争解決手続を利用し、又は利用しようとする者に適正な情報を提供するため、法務省令で定めるところにより、認証紛争解決事業者である旨並びにその認証紛争解決手続の業務の内容及びその実施方法に係る事項であって法務省令で定めるものを、認証紛争解決手続の業務を行う事務所において見やすいように掲示しなければならない。
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参照条文
第12条
【変更の認証】
1
認証紛争解決事業者は、その認証紛争解決手続の業務の内容又はその実施方法を変更しようとするときは、法務大臣の変更の認証を受けなければならない。ただし、法務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
第14条
【説明義務】
第18条
【解散の届出等】
1
認証紛争解決事業者が破産及び合併以外の理由により解散(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあっては、解散に相当する行為。以下同じ。)をした場合には、その清算人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあっては、その代表者又は管理人であった者。次項において同じ。)は、当該解散の日から一月以内に、その旨を法務大臣に届け出なければならない。
第20条
【事業報告書等の提出】
第22条
【勧告等】
1
法務大臣は、認証紛争解決事業者について、次条第2項各号のいずれかに該当する事由があると疑うに足りる相当な理由がある場合において、その認証紛争解決手続の業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該認証紛争解決事業者に対し、期限を定めて、当該業務に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。
第25条
【時効の中断】
1
認証紛争解決手続によっては紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないことを理由に手続実施者が当該認証紛争解決手続を終了した場合において、当該認証紛争解決手続の実施の依頼をした当該紛争の当事者がその旨の通知を受けた日から一月以内に当該認証紛争解決手続の目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該認証紛争解決手続における請求の時に、訴えの提起があったものとみなす。
第26条
【訴訟手続の中止】
第27条
【調停の前置に関する特則】
民事調停法第24条の2第1項の事件又は家事事件手続法第257条第1項の事件(同法第277条第1項の事件を除く。)について訴えを提起した当事者が当該訴えの提起前に当該事件について認証紛争解決手続の実施の依頼をし、かつ、当該依頼に基づいて実施された認証紛争解決手続によっては当事者間に和解が成立する見込みがないことを理由に当該認証紛争解決手続が終了した場合においては、民事調停法第24条の2又は家事事件手続法第257条の規定は、適用しない。この場合において、受訴裁判所は、適当であると認めるときは、職権で、事件を調停に付することができる。
第31条
【認証紛争解決手続の業務に関する情報の公表】
第33条
1
法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前条各項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各項の罰金刑を科する。
2
法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第34条
2
認証紛争解決事業者(法人にあってはその代表者、法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあってはその代表者又は管理人)、その代理人、使用人その他の従業者が第21条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したときは、五十万円以下の過料に処する。