• 成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法
    • 第1条 [目的]
    • 第2条 [定義等]
    • 第3条 [工作物の使用の禁止等]
    • 第4条 [損失の補償]
    • 第5条 [物件の一時保管等]
    • 第6条 [国土交通大臣の権限の行使]
    • 第7条 [関係行政機関の協力]
    • 第8条 [行政手続法の適用除外]
    • 第9条 [罰則]

成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法

平成16年6月9日 改正
第1条
【目的】
この法律は、成田国際空港及びその周辺において暴力主義的破壊活動が行われている最近の異常な事態にかんがみ、当分の間、成田国際空港若しくはその機能に関連する施設の設置若しくは管理を阻害し、又は成田国際空港若しくはその周辺における航空機の航行を妨害する暴力主義的破壊活動を防止するため、その活動の用に供される工作物の使用の禁止等の措置を定め、もつて成田国際空港及びその機能に関連する施設の設置及び管理の安全の確保を図るとともに、航空の安全に資することを目的とする。
参照条文
第2条
【定義等】
この法律において「暴力主義的破壊活動等」とは、成田国際空港若しくは成田国際空港における航空機の離陸若しくは着陸の安全を確保するために必要な航空保安施設若しくは成田国際空港の機能を確保するために必要な施設のうち政令で定めるものの設置若しくは管理を阻害し、又は成田国際空港若しくはその周辺における航空機の航行を妨害する次の各号に掲げる行為のいずれかをすることをいう。
刑法第95条(公務執行妨害及び職務強要)、第106条(騒乱)、第108条(現住建造物等放火)、第109条第1項(非現住建造物等放火)、第110条第1項(建造物等以外放火)、第117条第1項(激発物破裂)、第125条第1項(往来危険)、第126条第1項(汽車転覆等)、第130条(住居侵入等)、第142条から第144条まで(浄水汚染、水道汚染、浄水毒物等混入)、第146条(水道毒物等混入及び同致死)、第147条(水道損壊及び閉塞)、第199条(殺人)、第208条の3(凶器準備集合及び結集)、第220条(逮捕及び監禁)、第234条(威力業務妨害)、第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)、第260条(建造物等損壊及び同致死傷)又は第261条(器物損壊等)に規定する行為
爆発物取締罰則第1条(爆発物使用)に規定する行為
暴力行為等処罰に関する法律第1条(集団的暴行等)に規定する行為
消防法第39条の2第1項(危険物の漏出等)に規定する行為
電波法第106条第1項(虚偽の通信)又は第108条の2第1項(無線通信の妨害)に規定する行為
航空法第53条(禁止行為)、第56条において準用する同法第49条第1項(物件の制限等)又は第99条の2第1項(飛行に影響を及ぼすおそれのある行為)の規定に違反してする行為
有線電気通信法第13条(有線電気通信の妨害)に規定する行為
航空機の強取等の処罰に関する法律第1条第1項(航空機の強取等)に規定する行為
火炎びんの使用等の処罰に関する法律第2条第1項(火炎びんの使用)に規定する行為
航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律第1条(航空の危険を生じさせる行為)、第2条第1項(航行中の航空機を墜落させる等の行為)又は第3条第1項(業務中の航空機の破壊等)に規定する行為
人質による強要行為等の処罰に関する法律第1条第1項若しくは第2項(人質による強要等)、第2条又は第3条(加重人質強要)に規定する行為
この法律において「暴力主義的破壊活動者」とは、暴力主義的破壊活動等を行い、又は行うおそれがあると認められる者をいう。
この法律において「規制区域」とは、次の各号に掲げる区域をいう。
成田国際空港の範囲内の区域及びその範囲の外側三千メートルの線までの区域
成田国際空港における航空機の離陸若しくは着陸の安全を確保するために必要な航空保安施設又は成田国際空港の機能を確保するために必要な施設のうち第1項の政令で定めるものから三千メートルの範囲内で政令で定める区域
国土交通大臣は、規制区域を告示しなければならない。
第3条
【工作物の使用の禁止等】
国土交通大臣は、規制区域内に所在する建築物その他の工作物について、その工作物が次の各号に掲げる用に供され、又は供されるおそれがあると認めるときは、当該工作物の所有者、管理者又は占有者に対して、期限を付して、当該工作物をその用に供することを禁止することを命ずることができる。
多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用
暴力主義的破壊活動等に使用され、又は使用されるおそれがあると認められる爆発物、火炎びん等の物の製造又は保管の場所の用
成田国際空港又はその周辺における航空機の航行に対する暴力主義的破壊活動者による妨害の用
国土交通大臣は、前項の禁止命令をしようとする場合において、当該禁止を命ぜられるべき者を確知することができないとき、又は当該命令を伝達することができないときは、公告によりこれを行うことができる。
国土交通大臣は、第1項の禁止命令をした場合において必要があると認めるときは、当該命令の履行を確保するため必要な限度において、その職員をして、当該工作物に立ち入らせ、又は関係者に質問させることができる。
前項の規定により立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第3項の規定による立入り又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
国土交通大臣は、第1項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されていると認めるときは、当該工作物について封鎖その他その用に供させないために必要な措置を講ずることができる。
国土交通大臣は、前項の規定により封鎖その他の措置を講じた場合において、その必要がなくなつたときは、速やかに、当該措置を解除しなければならない。
国土交通大臣は、第1項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されている場合においては、当該工作物の現在又は既往の使用状況、周辺の状況その他諸般の状況から判断して、暴力主義的破壊活動等にかかわるおそれが著しいと認められ、かつ、他の手段によつては同項の禁止命令の履行を確保することができないと認められるときであつて、第1条の目的を達成するため特に必要があると認められるときに限り、当該工作物を除去することができる。
国土交通大臣は、第6項又は前項の措置を講じようとするときは、必要な限度において、これらの項の工作物の所在する土地並びに当該工作物及び土地以外の物件及び土地を使用し、除去その他の処分をし、又はその使用を制限することができる。
10
国土交通大臣は、第6項又は第8項の措置を講じようとする場合において必要があると認めるときは、その現場にある者を退去させることができる。
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国土交通大臣は、第8項又は第9項の規定により工作物その他の物件を除去した場合において、当該物件の所有者、占有者その他当該物件について権原を有する者(以下「所有者等」という。)を確知することができないため所有者等に対し当該物件を返還することができないときは、当該物件を保管しなければならない。
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国土交通大臣は、前項の規定により物件を保管したときは、当該物件の所有者等に対し当該物件を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
13
国土交通大臣は、第11項の規定により保管した物件が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、当該物件を売却し、その売却した代金を保管することができる。
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前三項に規定する保管、公示、売却等に要した費用は、当該物件の返還を受けるべき所有者等の負担とし、その費用の徴収については、行政代執行法第5条及び第6条の規定を準用する。
15
第12項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第11項の規定により保管した物件(第13項の規定により売却した代金を含む。)を返還することができないときは、当該物件の所有権は、国に帰属する。
16
国土交通大臣は、第1項又は第6項から第8項までの規定による権限を行使する場合においては、その要件の事実につき、関係行政機関に対し、必要な資料の提供及び意見の提出を求めるものとする。
第4条
【損失の補償】
国は、前条第6項又は第8項から第10項までの規定による措置が講じられたことにより損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失を補償するものとする。
前項の補償については、国土交通大臣は、自己の見積つた金額を、同項の規定による補償を受けようとする者の請求により、その者に支払うものとする。この場合において、当該金額について不服がある者は、その交付の決定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつてその増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、国を被告とする。
第5条
【物件の一時保管等】
第3条第8項の規定は、暴力主義的破壊活動者が規制区域内において所持し、又は使用する物件について準用する。この場合において、同項中「第1項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されている」とあるのは「物件が第1項各号に掲げる用に供され、又は供されるおそれがある」と、「他の手段によつては同項の禁止命令の履行を確保することができないと認められるときであつて、第1条の目的」とあるのは「第1条の目的」と、「除去する」とあるのは「一時保管する」と読み替えるものとする。
国土交通大臣は、前項において準用する第3条第8項の規定により一時保管した場合において、その必要がなくなつたときは、速やかに、当該物件を本人(当該物件について本人に対し返還請求権を有することが明らかな者がある場合においては、その者)に返還しなければならない。
第3条第16項の規定は第1項において準用する同条第8項の規定による権限の行使について、同条第11項から第15項までの規定は前項の規定による当該物件の返還について準用する。
第6条
【国土交通大臣の権限の行使】
国土交通大臣は、その指定する職員に、第3条第6項第7項第8項第5条第1項において準用する場合を含む。)、第9項及び第10項の規定による権限を行わせることができる。
前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第7条
【関係行政機関の協力】
関係行政機関は、この法律の実施について、国土交通大臣に協力しなければならない。
第8条
【行政手続法の適用除外】
第3条第1項の規定による命令については、行政手続法第3章の規定は、適用しない。
第9条
【罰則】
第3条第1項の規定による国土交通大臣の禁止命令に違反して建築物その他の工作物を同項各号に掲げる用に供した者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第3条第3項の規定による立入りを拒み、若しくは妨げ、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、五万円以下の罰金に処する。
附則
この法律は、公布の日から施行する。
運輸省設置法の一部を次のように改正する。第二十八条の二第一項第十号の四の次に次の一号を加える。十の四の二 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法の施行に関すること。
附則
昭和59年12月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十年四月一日から施行する。
附則
昭和62年6月2日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第一条中刑法第四条の次に一条を加える改正規定、第二条及び第三条の規定並びに次項の規定及び附則第四項中新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法第二条第一項第十一号の改正規定は、国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約又は人質をとる行為に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
附則
平成5年11月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続法の施行の日から施行する。
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成7年5月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成13年12月5日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成15年7月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第二十条から第三十四条までの規定は、平成十六年四月一日から施行する。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第50条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

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