核燃料物質の受託貯蔵に関する規則
平成24年9月14日 改正
第1条
【定義】
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
②
「管理区域」とは、核燃料物質の貯蔵施設(次条において単に「貯蔵施設」という。)の場所であって、その場所における外部放射線に係る線量が原子力規制委員会の定める線量を超え、空気中の放射性物質(空気又は水のうちに自然に含まれている放射性物質を除く。以下同じ。)の濃度が原子力規制委員会の定める濃度を超え、又は放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度が原子力規制委員会の定める密度を超えるおそれのあるものをいう。
第2条
【技術上の基準】
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第60条第1項に規定する核燃料物質の貯蔵の技術上の基準は、次の各号に掲げるとおりとする。ただし、受託貯蔵者で原子力規制委員会の定めるものについては、第3号、第9号から第12号まで及び第14号の規定は、適用しない。
⑤
プルトニウム又はその化合物の貯蔵は、プルトニウム又はその化合物が漏えいするおそれがない構造の容器に封入して行うこと。ただし、グローブボックスその他の気密設備の内部において貯蔵を行う場合その他プルトニウム又はその化合物が漏えいするおそれがない場合は、この限りでない。
⑨
管理区域及び周辺監視区域における線量当量率並びに管理区域における放射性物質による汚染の状況の測定は、これらを知るために最も適した箇所において、かつ、放射線測定器を用いて行うこと。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には、計算によってこれらの値を算出することができる。
第3条
【防護措置】
1
法第60条第2項の規定により、受託貯蔵者は、次の表の上欄に掲げる特定核燃料物質の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる措置を採らなければならない。
一 照射されていない次に掲げる物質 イ プルトニウム(プルトニウム二三八の同位体濃度が百分の八十を超えるものを除く。以下この表において同じ。)及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、プルトニウムの量が二キログラム以上のもの ロ ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の二十以上のウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三五の量が五キログラム以上のもの ハ ウラン二三三及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三三の量が二キログラム以上のもの 二 照射された前号に掲げる物質であって、その表面から一メートルの距離において、当該物質から放出された放射線が空気に吸収された場合の吸収線量率(以下単に「吸収線量率」という。)が一グレイ毎時以下のもの | 次項に定める措置 |
三 照射された第1号に掲げる物質であって、その表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時を超えるもの(第10号に掲げるものを除く。) 四 照射されていない次に掲げる物質 イ プルトニウム及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、プルトニウムの量が五百グラムを超え二キログラム未満のもの ロ ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の二十以上のウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三五の量が一キログラムを超え五キログラム未満のもの ハ ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の十以上で百分の二十に達しないウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三五の量が十キログラム以上のもの ニ ウラン二三三及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三三の量が五百グラムを超え二キログラム未満のもの 五 照射された前号に掲げる物質であって、その表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時以下のもの 六 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令(以下「令」という。)第3条第3号に規定する特定核燃料物質(第10号に掲げるものを除く。) | 第3項に定める措置 |
七 照射された第4号に掲げる物質であって、その表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時を超えるもの(第10号に掲げるものを除く。) 八 照射されていない次に掲げる物質 イ プルトニウム及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、プルトニウムの量が十五グラムを超え五百グラム以下のもの ロ ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の二十以上のウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三五の量が十五グラムを超え一キログラム以下のもの ハ ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の十以上で百分の二十に達しないウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三五の量が一キログラムを超え十キログラム未満のもの ニ ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が天然の比率を超え百分の十に達しないウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三五の量が十キログラム以上のもの ホ ウラン二三三及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であって、ウラン二三三の量が十五グラムを超え五百グラム以下のもの 九 照射された前号に掲げる物質(照射された同号ニに掲げる物質であって照射直後にその表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時を超えていたもの及び第10号に掲げるものを除く。) 十 令第3条第2号又は第3号に規定する特定核燃料物質(使用済燃料を溶解した液体から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体をガラスにより容器に固型化した物に含まれるものであって、その表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時を超えるものに限る。) | 第4項に定める措置 |
2
前項の表第1号及び第2号の特定核燃料物質の防護のために必要な措置は、次の各号に掲げるものとする。
②
防護区域の周辺に、防護区域における特定核燃料物質の防護をより確実に行うための区域(以下「周辺防護区域」という。)を定め、当該周辺防護区域をさく等の障壁によって区画し、及び当該障壁の周辺に照明装置等の容易に人の侵入を確認することができる装置を設置すること。
④
防護区域及び周辺防護区域への人の立入りについては、次に掲げる措置を講ずること。
イ
業務上防護区域又は周辺防護区域に常時立ち入ろうとする者については、当該防護区域又は当該周辺防護区域への立入りの必要性を確認の上、当該者に当該立入りを認めたことを証明する書面等(以下この号において「証明書等」という。)を発行し、当該立入りの際に当該証明書等を所持させること。
⑤
防護区域及び周辺防護区域への業務用の車両以外の車両の立入りを禁止すること。ただし、防護区域又は周辺防護区域に立ち入ることが特に必要な車両であって、特定核燃料物質の防護上支障がないと認められるものについては、この限りでない。
⑥
防護区域及び周辺防護区域の出入口においては、次に掲げる措置を講ずること。ただし、イ又はロに掲げる点検については、これと同等以上の特定核燃料物質の防護のための措置を講ずる場合は、当該点検を省略することができる。
イ
特定核燃料物質の取扱いに対する妨害行為又は特定核燃料物質が置かれている施設若しくは特定核燃料物質の防護のために必要な設備若しくは装置に対する破壊行為の用に供され得る物品(持込みの必要性が認められるものを除く。)の持込み及び特定核燃料物質(持出しの必要性が認められるものを除く。)の持出しが行われないように点検を行うこと。
ロ
第4号イ及びロに掲げる証明書等を所持する者が物品を防護区域に持ち込み又は防護区域から持ち出そうとする場合は、当該防護区域の出入口において、イの点検のほか、当該防護区域における特定核燃料物質の量及び取扱形態に応じ、金属を検知することができる装置及び特定核燃料物質を検知することができる装置を用いて点検を行うこと。
⑦
特定核燃料物質の管理については、次に掲げる措置を講ずること。
ロ
見張人に、人の侵入を監視するための装置を用いる等の方法により特定核燃料物質を常時監視させること。ただし、鉄筋コンクリート造りの施設等の堅固な構造の施設(以下この号及び第9号において単に「施設」という。)であって次に掲げる措置を講じたものの中に置かれている特定核燃料物質については、この限りでない。
⑭
特定核燃料物質の盗取、特定核燃料物質の取扱いに対する妨害行為若しくは特定核燃料物質が置かれている施設若しくは特定核燃料物質の防護のために必要な設備若しくは装置に対する破壊行為(以下「妨害破壊行為等」という。)が行われるおそれがあり、又は行われた場合において迅速かつ確実に対応できるように適切な計画(以下「緊急時対応計画」という。)を作成すること。
3
第1項の表第3号から第6号までの特定核燃料物質の防護のために必要な措置については、前項(第2号及び第6号ロを除く。)の規定を準用する。この場合において、同項第3号中「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、「当該防護区域及び当該周辺防護区域」とあるのは「当該防護区域」と、同項第4号中「防護区域及び周辺防護区域」とあり、及び「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、「当該防護区域又は当該周辺防護区域」とあるのは「当該防護区域」と、同項第5号中「防護区域及び周辺防護区域」とあり、及び「防護区域又は周辺防護区域」とあり、同項第6号中「防護区域及び周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、同項第8号中「防護区域内若しくは周辺防護区域内」とあるのは「防護区域内」と、「周辺防護区域の」とあるのは「防護区域の」と、同項第9号中「防護区域若しくは周辺防護区域又は施設」とあるのは「防護区域又は施設」と、同項第11号中「防護区域内及び周辺防護区域内」とあるのは「防護区域内」と、同項第16号中「前各号の措置は」とあるのは「第1項の表第3号から第6号までの特定核燃料物質(同表第4号ハに掲げる物質及び同表第5号に掲げる物質のうち照射された同表第4号ハに掲げる物質に係るもの(照射直後にその表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時以下であったものに限る。)を除く。)を取り扱う場合、前各号の措置は」と読み替えるものとする。
4
第1項の表第7号から第10号までの特定核燃料物質の防護のために必要な措置については、次の各号に掲げるもののほか、第2項第3号から第5号まで(第4号ハを除く。)、同項第7号(同号ロを除く。)、同項第8号(同号ロ及びハを除く。)及び同項第10号から第17号まで(第11号イ、ロ及びハを除く。)の規定を準用する。この場合において、同項第3号中「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、「当該防護区域及び当該周辺防護区域」とあるのは「当該防護区域」と、同項第4号中「防護区域及び周辺防護区域」とあり、及び「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、「当該防護区域又は当該周辺防護区域」とあるのは「当該防護区域」と、同項第5号中「防護区域及び周辺防護区域」とあり、及び「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、同項第11号中「二以上の連絡手段により迅速」とあるのは「迅速」と、同項第16号中「前各号の措置は」とあるのは「第1項の表第7号から第9号までの特定核燃料物質(同表第8号ハ及びニに掲げる物質並びに同表第9号に掲げる物質のうち照射された同表第8号ハ及びニに掲げる物質に係るもの(照射直後にその表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時以下であったものに限る。)を除く。)を取り扱う場合、前各号の措置は」と読み替えるものとする。
第4条
【危険時の措置】
1
法第64条第1項の規定により、受託貯蔵者は、次の各号に掲げる応急の措置を採らなければならない。