• 航空機抵当法
    • 第1条 [この法律の目的]
    • 第2条 [定義]
    • 第3条 [抵当権の目的]
    • 第4条 [抵当権の内容]
    • 第5条 [対抗要件]
    • 第6条 [抵当権の効力の及ぶ範囲]
    • 第7条 [不可分性]
    • 第8条 [物上代位]
    • 第9条 [物上保証人の求償権]
    • 第10条 [抵当権の順位]
    • 第11条 [先取特権との順位]
    • 第12条 [担保される利息等]
    • 第13条 [抵当権の処分]
    • 第14条
    • 第15条 [代価弁済]
    • 第16条 [第三取得者の費用償還請求権]
    • 第17条 [共同抵当の代価の配当]
    • 第18条 [一般財産からの弁済]
    • 第19条 [抵当権者に対する通知]
    • 第20条 [抵当権の実行]
    • 第21条 [時効による消滅]
    • 第22条
    • 第22条の2 [根抵当権]
    • 第23条 [質権設定の禁止]
    • 第24条 [行政手続法の適用除外]
    • 第25条 [政令への委任]

航空機抵当法

平成16年12月1日 改正
第1条
【この法律の目的】
この法律は、航空機に関する動産信用の増進により、航空の発達を図ることを目的とする。
第2条
【定義】
この法律で「航空機」とは、飛行機及び回転翼航空機で航空法第2章の規定による登録を受けたものをいう。
第3条
【抵当権の目的】
航空機は、抵当権の目的とすることができる。
第4条
【抵当権の内容】
抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移さないで債務の担保に供した航空機(以下「抵当航空機」という。)につき、他の債権者に先だつて、自己の債権の弁済を受けることができる。
第5条
【対抗要件】
抵当権の得喪及び変更は、航空法に規定する航空機登録原簿に国土交通大臣が行う登録を受けなければ、第三者に対抗することができない。
第6条
【抵当権の効力の及ぶ範囲】
抵当権は、抵当航空機に附加して一体となつている物に及ぶ。但し、設定行為に別段の定がある場合及び民法第424条の規定により他の債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない。
第7条
【不可分性】
抵当権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、抵当航空機の全部につき、その権利を行使することができる。
第8条
【物上代位】
抵当権は、抵当航空機の売却、賃貸、滅失又はき損によつて抵当権設定者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。この場合においては、その払渡又は引渡前に差押をしなければならない。
第9条
【物上保証人の求償権】
他人の債務を担保するため抵当権を設定した者がその債務を弁済し、又は抵当権の実行によつて抵当航空機の所有権を失つたときは、民法に規定する保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。
第10条
【抵当権の順位】
数個の債権を担保するため同一の航空機について抵当権を設定したときは、その抵当権の順位は、登録の前後による。
民法第374条の規定は、抵当権の順位の変更について準用する。
第11条
【先取特権との順位】
同一の航空機について抵当権及び先取特権が競合する場合には、抵当権は、民法第330条第1項に規定する第一順位の先取特権と同順位とする。
第12条
【担保される利息等】
抵当権者が利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となつた最後の二年分についてのみその抵当権を行使することができる。
前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によつて生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合において、その最後の二年分についても適用する。但し、利息その他の定期金を通算して二年分をこえることができない。
参照条文
第13条
【抵当権の処分】
抵当権者は、抵当権を他の債権の担保に供し、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のため抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
前項の場合において、抵当権者が数人のために抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登録にした附記の前後による。
参照条文
第14条
前条の処分は、民法第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又はその債務者がこれを承諾しなければ、これをもつてその債務者、保証人、抵当権設定者又はこれらの承継人に対抗することができない。
主たる債務者が前項の通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないで行つた弁済は、これをもつてその者に対抗することができない。
第15条
【代価弁済】
抵当航空機を買い受けた第三者が抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
第16条
【第三取得者の費用償還請求権】
抵当航空機を取得した第三者が抵当航空機について必要費又は有益費を出したときは、民法第196条の区別に従い、抵当航空機の代価をもつて最も先にその償還を受けることができる。
第17条
【共同抵当の代価の配当】
債権者が同一の債権の担保として数個の航空機の上に抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各航空機の価額に応じてその債権の負担を分ける。
ある航空機の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価につき債権の全部の弁済を受けることができる。この場合においては、次の順位にある抵当権者は、右の抵当権者が前項の規定により他の航空機につき弁済を受けるべき金額に達するまでこれに代位して抵当権を行うことができる。
前項後段の規定により代位して抵当権を行う者は、その抵当権の登録にその代位を附記することができる。
第18条
【一般財産からの弁済】
抵当権者は、抵当航空機の代価で弁済を受けない債権の部分についてのみ他の財産から弁済を受けることができる。
前項の規定は、抵当航空機の代価に先だつて他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。
前項の場合において、抵当権者に第1項の規定による弁済を受けさせるため、他の債権者は、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。
第19条
【抵当権者に対する通知】
国土交通大臣は、抵当航空機が航空法第8条第1項第3号に該当することとなつた場合において、同条第1項の規定によりまつ消登録の申請を受理したとき、又は同条第2項の催告をした後当該航空機の所有者が同項の期間内にまつ消登録を申請しないときは、遅滞なく、抵当権者に通知しなければならない。
第20条
【抵当権の実行】
抵当権者は、前条の通知を受けたときは、当該航空機に対して、直ちに、その権利を実行することができる。
前項の規定により抵当権を実行しようとするときは、抵当権者は、前条の通知を受けた日から三箇月以内に、その手続をしなければならない。
国土交通大臣は、前項の規定により抵当権の実行の手続をすることができる期間内及び抵当権の実行の終るまでの期間内は、第1項の航空機について航空法の規定によるまつ消登録をすることができない。
買受人が代金を納付したときは、第1項の航空機について航空法第8条第1項第3号の事由が発生しなかつたものとみなす。
第21条
【時効による消滅】
抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によつて消滅しない。
第22条
債務者又は抵当権設定者以外の者が抵当航空機について取得時効に必要な条件を具備した占有をしたときは、抵当権は、これによつて消滅する。
第22条の2
【根抵当権】
抵当権は、設定行為をもつて定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
民法第398条の2第2項及び第3項並びに第398条の3から第398条の22までの規定は、前項の抵当権について準用する。
第23条
【質権設定の禁止】
航空機は、質権の目的とすることができない。
第24条
【行政手続法の適用除外】
抵当権の登録については、行政手続法第2章及び第3章の規定は、適用しない。
第25条
【政令への委任】
航空機登録原簿の記載その他登録に関する事項は、政令で定める。
附則
この法律の施行期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない範囲内において政令で定める。
附則
昭和46年6月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十七年四月一日から施行する。
第2条
(経過措置の原則)
この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)の規定は、別段の定めがある場合を除き、この法律の施行の際現に存する抵当権で根抵当であるもの(以下「旧根抵当権」という。)にも適用する。ただし、改正前の民法の規定により生じた効力を妨げない。
第3条
(新法の適用の制限)
旧根抵当権で、極度額についての定めが新法の規定に適合していないもの又は附記によらない極度額の増額の登記があるものについては、その極度額の変更、新法第三百九十八条ノ四の規定による担保すべき償権の範囲又は債務者の変更、新法第三百九十八条ノ十二の規定による根抵当権の譲渡、新法第三百九十八条ノ十三の規定による根抵当権の一部譲渡及び新法第三百九十八条ノ十四第一項ただし書の規定による定めは、することができない。
前項の規定は、同項に規定する旧根抵当権以外の旧根抵当権で、民法第三百七十五条第一項の規定による処分がされているものについて準用する。ただし、極度額の変更及び新法第三百九十八条ノ十二第二項の規定による根抵当権の譲渡をすることは、妨げない。
第4条
(極度額についての定めの変更)
旧根抵当権で、極度額についての定めが新法の規定に適合していないものについては、元本の確定前に限り、その定めを変更して新法の規定に適合するものとすることができる。この場合においては、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
第5条
(附記によらない極度額の増額の登記がある旧根抵当権の分割)
附記によらない極度額の増額の登記がある旧根抵当権については、元本の確定前に限り、根抵当権者及び根抵当権設定者の合意により、当該旧根抵当権を分割して増額に係る部分を新法の規定による独立の根抵当権とすることができる。この場合においては、旧根抵当権を目的とする権利は、当該増額に係る部分について消滅する。
前項の規定による分割をする場合には、増額に係る部分を目的とする権利を有する者その他の利害の関係を有する者の承諾を得なければならない。
附則第十四条の規定による改正後の不動産登記法第百十七条第二項、第百十八条及び第百十九条の規定は、第一項の規定による分割による権利の変更の登記の申請について準用する。
前項の登記は、増額の登記に附記してする。この場合においては、登記官は、分割により根抵当権の設定を登記する旨を記載し、かつ、分割前の旧根抵当権の登記に分割後の極度額を附記しなければならない。
不動産登記法第百四十七条第二項の規定は、前項の場合において、増額の登記に当該増額に係る部分を目的とする第三者の権利に関する登記があるときに準用する。
第6条
(元本の確定すべき期日に関する経過措置)
この法律の施行の際旧根抵当権について現に存する担保すべき元本の確定すべき時期に関する定め又はその登記は、その定めにより元本が確定することとなる日をもつて新法第三百九十八条ノ六第一項の期日とする定め又はその登記とみなす。ただし、その定めにより元本が確定することとなる日がこの法律の施行の日から起算して五年を経過する日より後であるときは、当該定め又はその登記は、当該五年を経過する日をもつて同項の期日とする定め又はその登記とみなす。
第7条
(弁済による代位に関する経過措置)
この法律の施行前から引き続き旧根抵当権の担保すべき債務を弁済するについて正当な利益を有していた者が、この法律の施行後元本の確定前にその債務を弁済した場合における代位に関しては、なお従前の例による。
第8条
(旧根抵当権の処分に関する経過措置)
この法律の施行前に元本の確定前の旧根抵当権についてされた民法第三百七十五条第一項の規定による処分に関しては、なお従前の例による。
第9条
(同一の債権の担保として設定された旧根抵当権の分離)
同一の債権の担保として設定された数個の不動産の上の旧根抵当権については、元本の確定前に限り、根抵当権者及び根抵当権設定者の合意により、当該旧根抵当権を一の不動産について他の不動産から分離し、これらの不動産の間に、民法第三百九十二条の規定の適用がないものとすることができる。ただし、後順位の抵当権者その他の利害の関係を有する者の承諾がないときは、この限りでない。
前項の規定による分離による権利の変更の登記は、当該一の不動産の上の旧根抵当権の設定の登記に附記してする。この場合においては、登記官は、当該不動産が他の不動産とともに担保の目的である旨の記載を朱抹しなければならない。
不動産登記法第百二十八条の規定は、前項の権利の変更の登記をした場合について準用する。
第一項の規定による分離は、新法第三百九十八条ノ十六の規定の適用に関しては、根抵当権の設定とみなす。
第10条
(元本の確定の時期に関する経過措置)
この法律の施行前に、新法第三百九十八条ノ二十第一項第二号に規定する申立て、同項第三号に規定する差押え、同項第四号に規定する競売手続の開始若しくは差押え又は同項第五号に規定する破産の宣告があつた旧根抵当権で、担保すべき元本が確定していないものについては、この法律の施行の日にこれらの事由が生じたものとみなして、同項の規定を適用する。
第11条
(旧根抵当権の消滅請求に関する経過措置)
極度額についての定めが新法の規定に適合していない旧根抵当権については、その優先権の限度額を極度額とみなして、新法第三百九十八条ノ二十二の規定を適用する。
第25条
(航空機抵当法の一部改正に伴う経過措置)
前条の規定による航空機抵当法の一部改正に伴う経過措置については、附則第二条から附則第十一条までの規定の例による。
附則
昭和54年3月30日
この法律は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則
平成5年11月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続法の施行の日から施行する。
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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