• 証人等の被害についての給付に関する法律
    • 第1条 [目的]
    • 第2条 [定義]
    • 第3条 [給付の要件]
    • 第4条 [給付をしないことができる場合]
    • 第5条 [給付の種類]
    • 第6条 [給付の範囲、金額、支給方法等]
    • 第7条 [他の法令による給付との関係]
    • 第8条 [損害賠償との関係]
    • 第9条 [権利の裁定]
    • 第10条 [権利の保護]
    • 第11条 [非課税]
    • 第12条 [権限の委任]

証人等の被害についての給付に関する法律

平成19年5月25日 改正
第1条
【目的】
この法律は、刑事事件の証人若しくは参考人又はその近親者が証人又は参考人の供述又は出頭に関して他人からその身体又は生命に害を加えられた場合及び国選弁護人又はその近親者が国選弁護人の職務の遂行に関して他人からその身体又は生命に害を加えられた場合に国において療養その他の給付を行うこととすることにより、証人又は参考人の供述及び出頭を確保し、並びに国選弁護人の職務の遂行を円滑にし、もつて刑罰法令の適正かつ迅速な適用実現に寄与することを目的とする。
第2条
【定義】
この法律で「証人」とは、刑事訴訟法の規定による証人をいい、共同被告人の一人が供述する場合において、その供述が他の共同被告人に関する事項を含むものであるときは、その共同被告人は、同法の規定による証人とみなす。
この法律で「参考人」とは、他人の刑事事件(刑事被告事件及び被疑事件をいい、勾留又は保釈に関する裁判の手続を含むものとする。以下同じ。)について検察官、検察事務官又は司法警察職員(以下「捜査機関」という。)に対し自己の実験した事実を供述する者及び他人の刑事事件について裁判所又は裁判官に対し自己の実験した事実を供述する者であつて証人以外のものをいう。
この法律で「国選弁護人」とは、刑事訴訟法の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が被告人又は被疑者に付した弁護人をいう。
第3条
【給付の要件】
証人若しくは参考人が刑事事件に関し裁判所、裁判官若しくは捜査機関に対し供述(参考人にあつては、書面による供述を含む。以下同じ。)をし、若しくは供述の目的で出頭し、若しくは出頭しようとしたことにより、又は国選弁護人がその職務を行い、若しくは行おうとしたことにより、当該証人、参考人若しくは国選弁護人又はこれらの者の配偶者(婚姻の届出をしないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、直系血族若しくは同居の親族(以下「証人等」という。)が、他人からその身体又は生命に害を加えられたときは、国は、この法律に定めるところにより、被害者その他の者に対する給付を行う。
第4条
【給付をしないことができる場合】
次の各号の一に該当するときは、前条に規定する給付の全部又は一部をしないことができる。
証人、参考人若しくは国選弁護人又は被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。以下同じ。)があるとき。
証人等が加害行為を誘発したとき、その他当該被害につき、証人等にも、その責めに帰すべき行為があつたとき。
証人又は参考人が、加害行為の原因となつた供述において、当該刑事事件に関する重要な事項について虚偽の陳述をしたとき。
第5条
【給付の種類】
第3条の規定による給付の種類は、次のとおりとする。
療養給付(被害者が負傷し又は疾病にかかつた場合における必要な療養又は当該療養に要する費用の給付)
傷病給付(被害者が負傷し又は疾病にかかり治つていない場合において存する障害に対する給付)
障害給付(被害者が負傷し又は疾病にかかり治つた場合において、なお存する障害に対する給付)
介護給付(被害者が傷病給付又は障害給付の支給原因となつた障害により必要な介護を受けている場合における給付)
遺族給付(被害者が死亡した場合において、その遺族であつて、証人等の範囲に属し、かつ、加害者との間に親族関係がないものに対して行う給付)
葬祭給付(被害者が死亡した場合において、証人等の範囲に属し、かつ、加害者との間に親族関係がない者で、その葬祭を行うものに対して行う給付)
前項に掲げる給付のほか、被害者が負傷し又は疾病にかかり、そのため従前得ていた業務上の収入を得ることができない場合において、他に収入のみちがない等特に必要があるときは、休業給付を行うことができる。
第6条
【給付の範囲、金額、支給方法等】
前条の給付の範囲、金額及び支給方法、遺族給付を受けるべき遺族の範囲及び順位その他給付に関し必要な事項は、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律による災害給付に関するこれらの事項を参酌して政令で定める。
第7条
【他の法令による給付との関係】
他の法令の規定により、この法律による給付に相当する給付が行われたときは、当該給付の支給原因たる事実と同一の事実については、当該給付の限度において、この法律による給付を行わない。
第8条
【損害賠償との関係】
この法律による給付を受けるべき者が給付の原因である損害につき賠償の責任を有する者から損害の賠償を受けたときは、その価額の限度において、この法律による給付を行わない。
国は、この法律による給付を行つたときは、その価額の限度において、給付を受けた者が給付の原因である損害につき賠償の責任を有する者に対して有する権利を取得する。
第9条
【権利の裁定】
この法律による給付を受ける権利は、これを受けようとする者の請求に基いて、法務大臣が裁定する。
前項の請求は、当該給付の支給原因たる事実が生じた日から起算して二年以内に限り、行うことができる。
第10条
【権利の保護】
この法律による給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、年金である傷病給付、障害給付又は遺族給付を受ける権利を株式会社日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫に担保に供する場合は、この限りでない。
第11条
【非課税】
この法律により支給を受けた金品を標準として、租税その他の公課を課することができない。
第12条
【権限の委任】
法務大臣は、政令の定めるところにより、この法律又はこの法律に基く政令の規定による権限を所部の職員に委任することができる。
附則
この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行し、この法律の施行後における証人又は参考人の供述又は出頭に係る被害について適用する。
附則
昭和34年4月1日
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
附則
昭和42年5月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十二年六月一日から施行する。
附則
昭和52年4月26日
この法律は、公布の日から施行し、改正後の証人等の被害についての給付に関する法律の規定は、昭和五十二年四月一日から適用する。
附則
昭和57年5月18日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和57年7月16日
この法律は、昭和五十七年十月一日から施行する。
附則
昭和60年6月1日
この法律は、公布の日から施行し、改正後の証人等の被害についての給付に関する法律の規定中国選弁護人又はその配偶者等の被害についての給付に関する部分は、この法律の施行後における国選弁護人の職務の遂行に係る被害について適用する。
附則
昭和61年12月4日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十二年四月一日から施行する。
第7条
(証人等の被害についての給付に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前に第六十九条の規定による改正前の司法警察職員等指定応急措置法第四条に規定する司法警察職員として職務を行う日本国有鉄道の役員若しくは職員又は第百十条の規定による廃止前の鉄道公安職員の職務に関する法律第一条に規定する鉄道公安職員に対し供述をし、又は供述の目的で出頭し、若しくは出頭しようとしたことによる害については、その害を第七十三条の規定による改正後の証人等の被害についての給付に関する法律第二条第二項に規定する捜査機関に対し供述をし、又は供述の目的で出頭し、若しくは出頭しようとしたことによる害とみなして、同法の規定を適用する。
第42条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
平成8年3月29日
この法律は、平成八年四月一日から施行する。
附則
平成11年5月28日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十一年十月一日から施行する。
附則
平成16年5月28日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成19年5月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年十月一日から施行する。
第8条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第9条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第10条
(調整規定)
この法律及び株式会社商工組合中央金庫法、株式会社日本政策投資銀行法又は地方公営企業等金融機構法に同一の法律の規定についての改正規定がある場合において、当該改正規定が同一の日に施行されるときは、当該法律の規定は、株式会社商工組合中央金庫法、株式会社日本政策投資銀行法又は地方公営企業等金融機構法によってまず改正され、次いでこの法律によって改正されるものとする。

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