• 野菜生産出荷安定法

野菜生産出荷安定法

平成25年6月14日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、主要な野菜について、一定の生産地域におけるその生産及び出荷の近代化を計画的に推進するための措置を定めるとともに、その価格の著しい低落があつた場合における生産者補給金の交付、あらかじめ締結した契約に基づきその確保を要する場合における交付金の交付等の措置を定めることにより、主要な野菜についての当該生産地域における生産及び出荷の安定等を図り、もつて野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において「指定野菜」とは、消費量が相対的に多く又は多くなることが見込まれる野菜であつて、その種類、通常の出荷時期等により政令で定める種別に属するものをいう。
第2章
需要及び供給の見通し
第3条
農林水産大臣は、政令で定めるところにより、指定野菜の需要及び供給の見通しをたて、これを公表しなければならない。
農林水産大臣は、前項の需要及び供給の見通しをたてるため必要があるときは、関係都道府県知事に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
農林水産大臣は、第1項の需要及び供給の見通しをたてようとするときは、学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。
第3章
野菜指定産地の指定及び生産出荷近代化計画
第4条
【野菜指定産地の指定】
農林水産大臣は、指定野菜の種別ごとに、その区域から当該指定野菜の出荷が行われる一定の生産地域であつて、その出荷の安定を図るため当該指定野菜の集団産地として形成することが必要と認められるものを野菜指定産地として指定することができる。
前項の規定による指定は、その区域が合理的な当該指定野菜の集団産地の形成のために必要な次に掲げる要件のすべてを備える場合において、するものとする。
その区域内の当該指定野菜の作付面積が、農林水産省令で定める面積に達しているか、又はこれに達する見込みが確実であること。
その区域内で生産される当該指定野菜についての共同出荷組織その他その出荷に関する条件が、農林水産省令で定める基準に適合するものであること。
農林水産大臣は、指定野菜の種別ごとに、野菜指定産地からの当該指定野菜の総出荷数量の見込数量が、前条第1項の規定により公表した需要及び供給の見通しに即するように、第1項の規定による指定をするものとする。
農林水産大臣は、第1項の規定による指定をしようとするときは、当該区域を管轄する都道府県知事の意見を聴かなければならない。
第1項の規定による指定は、告示してしなければならない。
第5条
【指定の申出】
都道府県知事は、その管轄に属する前条第1項の1定の生産地域でその区域が同条第2項各号に掲げる要件のすべてを備えるものにつき、同条第1項の規定による指定をすべき旨を農林水産大臣に申し出ることができる。
参照条文
第6条
【区域の変更】
農林水産大臣は、指定野菜の生産事情、出荷事情その他の経済事情に変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、必要があるときは、野菜指定産地の区域を変更することができる。
前項の規定による変更は、その変更後の区域が第4条第2項各号に掲げる要件のすべてを備える区域である場合でなければ、することができない。
第4条第4項及び第5項並びに前条の規定は、第1項の規定による変更について準用する。
第7条
【指定の解除】
農林水産大臣は、野菜指定産地の区域が第4条第2項各号に掲げる要件の全部又は一部を欠くに至つたときは、野菜指定産地の指定を解除しなければならない。
第4条第4項及び第5項並びに第5条の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。
第8条
【生産出荷近代化計画の樹立】
野菜指定産地の区域を管轄する都道府県知事は、野菜指定産地ごとに、政令で定めるところにより、当該指定野菜の生産及び出荷の近代化を図るための計画(以下「生産出荷近代化計画」という。)をたてなければならない。
生産出荷近代化計画においては、作付面積、生産数量及び出荷数量に関する事項を定めるものとする。
生産出荷近代化計画においては、前項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
土地改良、作付地の集団化、農作業の機械化その他生産の近代化に関する事項
集荷、選別、保管又は輸送の共同化、規格の統一その他出荷の近代化に関する事項
生産出荷近代化計画の内容は、第3条第1項の規定により公表された需要及び供給の見通しに照らして適当なものであり、かつ、当該野菜指定産地の区域の自然的経済的条件に適合するものでなければならない。
都道府県知事は、生産出荷近代化計画をたてようとするときは、関係市町村及び農林水産省令で定める農業団体等の意見を聴かなければならない。
都道府県知事は、生産出荷近代化計画をたてたときは、遅滞なく、これを農林水産大臣に提出するとともに、その概要を公表するよう努めなければならない。
第9条
【生産出荷近代化計画の変更】
都道府県知事は、生産出荷近代化計画を変更したときは、遅滞なく、その変更の内容を農林水産大臣に届け出るよう努めなければならない。
前条第5項及び第6項の規定は、生産出荷近代化計画の変更について準用する。この場合において、同項中「遅滞なく、これを農林水産大臣に提出するとともに」とあるのは、「遅滞なく」と読み替えるものとする。
第4章
指定野菜についての生産者補給金の交付等
第10条
【生産者補給交付金等の交付】
独立行政法人農畜産業振興機構(以下「機構」という。)は、指定野菜の価格の著しい低落があつた場合には、その低落が対象野菜(野菜指定産地の区域内で生産される当該指定野菜をいう。以下同じ。)の出荷に関し機構が行う登録を受けた出荷団体(以下「登録出荷団体」という。)との間に農林水産省令で定める委託関係のある対象野菜の生産者(以下この項において「委託生産者」という。)及び機構が行う登録を受けた対象野菜の生産者(以下「登録生産者」という。)の経営に及ぼす影響を緩和するため、その登録出荷団体に対しその委託生産者に生産者補給金を交付するための生産者補給交付金を、その登録生産者に対し生産者補給金を交付するものとする。
前項の生産者補給金の額は、対象野菜の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、対象野菜の生産及び出荷の安定を図ることを旨として、定めるものとする。
第11条
【出荷団体及び生産者の登録】
前条第1項の登録を受ける資格を有する出荷団体は、対象野菜を出荷する次に掲げる法人その他の団体であつて、少なくとも一の野菜指定産地の区域の全部をその地区等の全部又は一部とするものとする。ただし、第3号から第5号までに掲げる法人その他の団体にあつては、農林水産省令で定めるものに限る。
農業協同組合
農業協同組合連合会
事業協同組合
協同組合連合会
前各号に掲げる法人のほか、農業協同組合又は農業協同組合連合会が主たる構成員となつている法人その他の団体
前条第1項の登録を受ける資格を有する生産者は、対象野菜を出荷する者であつて、当該対象野菜の作付面積が農林水産省令で定める面積に達しているものとする。
機構は、前条第1項の登録を受ける資格を有する出荷団体又は生産者から同項の登録の申請があつたときは、正当な理由がないのに、その登録を拒んではならない。
第12条
【交付金の交付】
機構は、登録出荷団体又は登録生産者が指定野菜を原料若しくは材料として使用する製造若しくは加工の事業又は指定野菜の販売の事業を行う者との間において農林水産省令で定めるところによりあらかじめ締結した契約(対象野菜の供給に係るものであつて、天候その他やむを得ない事由により供給すべき対象野菜に不足が生じた場合に、これと同一の種別に属する指定野菜を供給することを内容とするものに限る。)に基づき当該同一の種別に属する指定野菜を確保する必要がある場合には、その登録出荷団体又は登録生産者に対し、その確保に要する費用に充てるための交付金を交付するものとする。
第13条
【業務の条件】
機構は、第10条及び前条の規定により行う業務については、指定野菜の種別又は出荷される地域を限定して、その業務を行つてはならない。
第14条
【法人に対する補助】
機構は、一般社団法人又は一般財団法人が行う対象野菜以外の野菜(指定野菜以外の野菜にあつては、指定野菜に準ずるものとして農林水産省令で定めるものに限る。)の安定的な供給を図るための業務で第10条又は第12条の規定により行う業務に準ずるもの(農林水産省令で定める要件に適合するものに限る。)についてその経費を補助するものとする。
第5章
雑則
第15条
【勧告】
農林水産大臣又は野菜指定産地の区域を管轄する都道府県知事は、対象野菜の出荷の安定を図るため必要があるときは、当該対象野菜を出荷する者に対し、その合理的かつ計画的な出荷に関し必要な勧告をすることができる。
第16条
【報告の徴収】
農林水産大臣は、この法律を施行するため必要があるときは、指定野菜の生産若しくは出荷の事業を行う者又はこれらの者の組織する団体から、これらの事業に係る業務に関して、必要な報告を徴することができる。
第17条
【権限の委任】
この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。
第6章
罰則
第18条
第16条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、十万円以下の過料に処する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
附則
昭和46年6月7日
この法律は、公布の日から施行する。
附則
昭和51年6月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第2条
(旧法の暫定的効力)
この法律の施行の際現に存する野菜生産出荷安定資金協会(清算中のものを含む。)については、改正前の野菜生産出荷安定法(以下「旧法」という。)は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
第3条
(野菜生産出荷安定資金協会からの権利義務の引継ぎ)
野菜生産出荷安定資金協会(以下「協会」という。)は、この法律の施行の日から起算して一年を経過する日までの間において、総会の議決を経て、基金の発起人に対し、基金においてその一切の権利及び義務を承継すべき旨を申し出ることができる。
前項の議決については、旧法第四十七条の規定を準用する。
基金の発起人は、第一項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、農林水産大臣に認可を申請しなければならない。
前項の認可があつたときは、協会の一切の権利及び義務は、基金の成立の時において基金に承継されるものとし、協会は、その時において解散するものとする。この場合においては、旧法及び他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
前項の規定により協会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第4条
(協会の解散)
この法律の施行の日から起算して一年を経過した時に現に存する協会は、旧法第四十九条第一項の規定にかかわらず、その時に解散する。この場合における解散及び清算については、旧法第五十七条第一項の規定による解散の命令によつて解散した協会の解散及び清算の例による。
第5条
(財団法人野菜価格安定基金からの権利義務の引継ぎ)
昭和四十七年八月十六日に設立された財団法人野菜価格安定基金(以下「野菜価格安定基金」という。)は、その寄附行為で定めるところにより、基金の発起人に対し、基金においてその一切の権利及び義務を承継すべき旨を申し出ることができる。
基金の発起人は、前項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、農林水産大臣に認可を申請しなければならない。
前項の認可があつたときは、野菜価格安定基金の一切の権利及び義務は、基金の成立の時において基金に承継されるものとし、野菜価格安定基金は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
前項の規定により野菜価格安定基金が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第6条
(非課税)
前条第三項の規定により基金が権利を承継する場合におけるその承継に係る不動産の取得については、不動産取得税を課することができない。
第7条
(協会からの権利義務の引継ぎに伴う経過措置)
基金は、附則第三条第四項の規定により基金が協会の権利及び義務を承継した場合には、その承継の時における旧法第十七条に規定する生産者補給交付金の交付に充てるための資金の額に相当する額を改正後の野菜生産出荷安定法(以下「新法」という。)第十九条の資金に繰り入れるものとする。
第8条
(名称の使用制限等に関する経過措置)
この法律の施行の際現にその名称中に野菜供給安定基金という文字を用いている者については、新法第十三条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第9条
基金の最初の事業年度は、新法第四十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和五十二年三月三十一日に終わるものとする。
第10条
基金の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、新法第四十二条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「基金の成立後遅滞なく」とする。
第11条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前(附則第二条に規定する野菜生産出荷安定資金協会については、同条の規定により効力を有する旧法の失効前)にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和53年7月5日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成14年6月7日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成14年12月4日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年四月一日から施行する。ただし、附則第九条から第十八条まで及び第二十条から第二十五条までの規定は、同年十月一日から施行する。
第17条
(処分、手続等に関する経過措置)
旧事業団法(第十六条を除く。)、旧野菜生産出荷安定法(第三十三条を除く。)、附則第十二条から第十四条までの規定による改正前の畜産物の価格安定等に関する法律、砂糖の価格調整に関する法律若しくは生糸の輸入に係る調整等に関する法律、旧暫定措置法又は旧特別措置法の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法、この法律、附則第十一条から第十四条までの規定による改正後の野菜生産出荷安定法、畜産物の価格安定に関する法律、砂糖の価格調整に関する法律若しくは生糸の輸入に係る調整等に関する法律、新暫定措置法又は新特別措置法の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第18条
(罰則の適用に関する経過措置)
附則第一条ただし書に規定する規定の施行前にした行為並びに附則第三条第五項、第四条第五項及び第十条の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第19条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成23年8月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第81条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第82条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則
平成25年6月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第10条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第11条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

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