国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則
制定
第1条
【当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項】
1
申立書その他の当事者、子の返還に関する事件の手続に参加した子(以下この条において単に「手続に参加した子」という。)又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、手続に参加した子又は代理人が記名押印するものとする。
①
当事者及び手続に参加した子の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
②
手続代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。
次項において同じ。)
2
前項の規定にかかわらず、当事者、手続に参加した子又は代理人からその住所を記載した
同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する
同項の書面については、これを記載することを要しない。手続代理人からその郵便番号及び電話番号を記載した
同項の書面が提出されているときも、同様とする。
第2条
【裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出】
1
裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
②
その提出により子の返還に関する事件の手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(
前号に該当する書面を除く。)
③
法定代理権、子の返還に関する事件の手続における手続上の行為をするのに必要な授権又は手続代理人の権限を証明する書面その他の子の返還に関する事件の手続上重要な事項を証明する書面
2
ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
3
裁判所は、
前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
第3条
【裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等】
1
裁判所は、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載されている情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有している場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
2
裁判所は、申立書その他の書面を送付しようとするときその他必要があると認めるときは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出することを求めることができる。
第4条
【申立てその他の申述の方式等に関する民事訴訟規則の準用】
民事訴訟規則第1条の規定は子の返還に関する事件の手続における申立てその他の申述の方式について、
同規則第4条の規定は子の返還に関する事件の手続における催告及び通知について、
同規則第5条の規定は子の返還に関する事件の手続における書類の記載の仕方について準用する。
第5条
【移送の申立ての方式・法第三十七条】
1
移送の申立ては、子の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2
前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
第6条
【移送等における取扱い・法第三十七条】
1
家庭裁判所は、法
第37条第2項又は
第4項の規定による移送の裁判をするときは、当事者及び子の返還申立事件の手続に参加した子(以下この節において単に「手続に参加した子」という。)の意見を聴くことができる。
2
家庭裁判所は、法
第37条第3項の規定による裁判をするときは、当事者及び手続に参加した子の意見を聴かなければならない。
第7条
【移送に関する民事訴訟規則の準用・法第三十七条】
第8条
【除斥又は忌避の申立ての方式等・法第三十八条等】
1
裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
2
前項の申立ては、子の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
3
除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。法
第39条第2項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
第9条
【除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第四十条】
裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
第11条
【裁判所書記官の除斥等・法第四十一条】
裁判所書記官の除斥、忌避及び回避については、前三条の規定を準用する。
第12条
【家庭裁判所調査官の除斥及び回避・法第四十二条】
家庭裁判所調査官の除斥及び回避については、
第8条から
第10条までの規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。
第13条
【法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出等・法第四十三条】
子の返還申立事件の手続における法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出については
民事訴訟規則第14条の規定を、子の返還申立事件の手続における法定代理権及び手続上の行為をするのに必要な授権の証明については
同規則第15条前段の規定を、子の返還申立事件の手続における法定代理権の消滅の届出については
同規則第17条前段の規定を準用する。
第14条
【法人の代表者等への準用・法第四十六条】
法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。
第15条
【参加の申出の方式等・法第四十七条等】
1
法
第47条第3項の書面には、子の返還申立事件の手続に参加する者が当事者となる資格を有する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
2
法
第47条第1項の規定による参加の申出があった場合には、当該申出を却下する裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
3
法
第47条第2項の規定による参加の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第16条
【手続からの排除の通知・法第四十九条】
法
第49条第1項の規定による排除の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第17条
【手続代理人の代理権の証明等・法第五十条等】
第18条
【手続費用に関する民事訴訟規則の準用・法第五十八条】
第19条
【手続上の救助の申立ての方式等・法第五十九条】
1
手続上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
2
手続上の救助の事由は、疎明しなければならない。
第20条
【受命裁判官の指定及び裁判所の嘱託の手続】
子の返還申立事件の手続における受命裁判官の指定及び裁判所がする嘱託の手続については、
民事訴訟規則第31条の規定を準用する。
第21条
【期日調書の形式的記載事項・法第六十一条】
1
法
第61条の調書(以下「期日調書」という。)には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
③
出頭した当事者、手続に参加した子、代理人、補佐人、通訳人及びその他の関係人の氏名
2
期日調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
3
前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
第22条
【期日調書の実質的記載事項・法第六十一条】
1
期日調書には、手続の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
③
証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
⑤
裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
2
前項の規定にかかわらず、子の返還申立事件の手続が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が子の返還申立事件の手続の完結を知った日から一週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
3
期日調書には、手続の要領のほか、当事者及び手続に参加した子による書面の提出の予定その他手続の進行に関する事項を記載することができる。
第23条
【期日及び期日調書に関する民事訴訟規則の準用・法第六十一条】
第24条
【子の返還申立事件の記録の正本等の様式・法第六十二条】
子の返還申立事件の記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
第25条
【住所等表示部分の閲覧等又はその複製の許可の申立て・法第六十二条】
第26条
【子の返還申立事件の記録の閲覧等又はその複製の許可・法第六十二条】
法
第62条第3項又は
第6項の規定による許可の裁判においては、子の返還申立事件の記録中閲覧等又はその複製を許可する部分を特定しなければならない。
第27条
【受命裁判官又は受託裁判官の期日指定・法第六十三条】
受命裁判官又は受託裁判官が行う子の返還申立事件の手続の期日は、その裁判官が指定する。
第28条
【期日変更の制限・法第六十三条】
子の返還申立事件の手続の期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては、してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
①
当事者又は手続に参加した子の一人につき手続代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
②
期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
第29条
【裁判長等が定めた期間の伸縮・法第六十三条】
裁判長、受命裁判官又は受託裁判官が定めた期間の伸縮については、
民事訴訟規則第38条の規定を準用する。
第30条
【受継の申立ての方式等・法第六十五条等】
2
前項の書面には、子の返還申立事件の手続を受け継ぐ者が法令により手続を続行する資格のある者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
3
法
第65条第1項又は
第3項の規定による受継があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
4
第1項及び
第2項の規定は法
第66条第1項又は
第3項の規定による受継の申立てについて、
前項の規定は
同条第1項又は
第3項の規定による受継があった場合について準用する。この場合において、
第2項中「法令により手続を続行する資格のある者」とあるのは、「当該子の返還申立事件において申立人となることができる者又は相手方の死亡後に子を監護している者」と読み替えるものとする。
第31条
【当事者の死亡の届出・法第六十六条】
当事者が死亡したときは、その手続代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
第33条
【書類の送付】
1
直送(当事者又は手続に参加した子(以下この条及び
第46条第2項において「当事者等」という。)の他の当事者等に対する直接の送付をいう。以下この条及び
同項において同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
2
裁判所が当事者等その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3
裁判所が当事者等の提出に係る書類の他の当事者等への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者等がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4
当事者等が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者等は、裁判所に対し、当該書類の他の当事者等への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
第2款 第一審裁判所における子の返還申立事件の手続
第34条
【子の返還申立書の記載事項等・法第七十条等】
1
子の返還申立書には、申立ての趣旨及び子の返還申立事件の手続による旨を記載するほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
②
予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実三
第1号に掲げる事由及び予想される争点ごとの証拠
④
返還を求める子について親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件(
人事訴訟法第32条第1項に規定する附帯処分についての裁判及び
同条第3項の親権者の指定についての裁判に係る事件を含む。
第41条第1項第6号において同じ。)が係属している場合には、当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
2
前項第1号に掲げる事由及び予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを子の返還申立書に添付しなければならない。
3
子の返還申立書には、相手方の数と同数の写しを添付しなければならない。
4
家庭裁判所は、子の返還の申立てをした者に対し、前二項の写しのほか、子の返還申立事件の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。
第35条
【申立ての通知】
子の返還の申立てがあったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
第36条
【子の返還申立書の補正の促し・法第七十条】
裁判長は、子の返還申立書の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
第37条
【子の返還申立書の却下の命令に対する即時抗告・法第七十条等】
子の返還申立書の却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された子の返還申立書を添付しなければならない。
第38条
【参考事項の聴取・法第七十条】
1
裁判長は、子の返還の申立てがあったときは、当事者から、子の返還申立事件の手続の進行に関する意見その他手続の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
2
裁判長は、
前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
第39条
【申立ての変更の通知・法第七十一条】
申立人が法
第71条第1項の規定により申立ての趣旨を変更した場合には、
同条第3項又は
第4項の規定による裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第40条
【答弁書の提出期限】
法
第72条第1項の規定により子の返還申立書の写しが相手方に送付されるときは、裁判長は、答弁書の提出をすべき期限を定めなければならない
第41条
【答弁書の提出等】
1
相手方は、
前条の期限までに、次に掲げる事項を記載した答弁書を提出しなければならない。
④
予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実五
第3号に掲げる事由及び予想される争点ごとの証拠
⑥
返還を求める子について親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件が係属している場合には、当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
2
前項第3号に掲げる事由及び予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを答弁書に添付しなければならない。
第42条
【音声の送受信による通話の方法による手続・法第七十五条】
1
家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって子の返還申立事件の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、家庭裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
2
前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を子の返還申立事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。
第43条
【手続代理人の陳述禁止等の通知・法第七十六条】
第44条
【事実の調査・法第七十七条等】
1
事実の調査は、必要に応じ、事件の関係人の性格、経歴、生活状況、財産状態及び家庭環境その他の環境等について、医学、心理学、社会学、経済学その他の専門的知識を活用して行うように努めなければならない。
2
事実の調査については、裁判所書記官は、その要旨を子の返還申立事件の記録上明らかにしておかなければならない。
第45条
【審問の期日の通知・法第八十五条】
法
第85条第2項の審問の期日は、当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。ただし、その通知をすることにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。
第46条
【証拠調べ・法第八十六条】
2
当事者等が
前項において準用する
民事訴訟規則第99条第1項の証拠の申出を記載した書面を裁判所に提出する場合には、当該書面について直送をしなければならない。
3
裁判長は、必要があると認めるときは、
第1項の証拠調べの期日において家庭裁判所調査官又は医師である裁判所技官が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
第47条
【終局決定の確定証明書等・法第九十三条等】
1
家庭裁判所の裁判所書記官は、法
第62条第1項又は
第7項の規定による請求により、子の返還申立事件の記録に基づいて終局決定の確定についての証明書を交付する。
2
子の返還申立事件がなお抗告審に係属中であるときは、
前項の規定にかかわらず、当該子の返還申立事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、終局決定の確定した部分のみについて
同項の証明書を交付する。
3
前二項の規定は、終局決定以外の裁判について準用する。
第48条
【終局決定の確定の通知】
終局決定が確定したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
第49条
【終局決定の方式等・法第九十四条等】
1
終局決定の裁判書には、終局決定をした裁判官が記名押印しなければならない。
2
合議体の構成員である裁判官が終局決定の裁判書に記名押印することに支障があるときは、他の裁判官が終局決定の裁判書にその事由を付記して記名押印しなければならない。
3
終局決定の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を子の返還申立事件の記録上明らかにしなければならない。
4
前三項の規定は、終局決定以外の裁判について準用する。
第50条
【脱漏した手続費用の負担の裁判を求める申立て・法第九十六条】
手続費用の負担の裁判を脱漏した場合における手続費用の負担の裁判を求める申立てについては、
民事訴訟規則第161条の規定を準用する。
第51条
【裁判によらない子の返還申立事件の終了の通知】
子の返還申立事件が裁判によらないで終了したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
第52条
【子の返還の申立ての取下げがあった場合等の取扱い・法第九十九条等】
1
子の返還の申立ての取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、申立ての取下げがあった旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
2
子の返還の申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合において、相手方が申立ての取下げに同意したとき(法
第99条第3項の規定により同意したものとみなされた場合を含む。)は、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
3
法
第147条の規定により子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を 手続に参加した子(子の返還申立事件に係る家事調停の手続に参加したものを除く。)に通知しなければならない。
第53条
【和解・法第百条】
2
当事者が裁判所において和解をしたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を手続に参加した子に通知しなければならない。
第54条
【抗告状の記載事項等・法第百一条等】
1
終局決定に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原決定の取消し又は変更を求める事由を具体的に記載しなければならない。
2
前項の抗告状には、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)の数と同数の写しを添付しなければならない。
第55条
【抗告裁判所への事件送付】
1
終局決定に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の決定をしたときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
2
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、子の返還申立事件の記録を送付してしなければならない。
第56条
【反論書】
裁判長は、原審における当事者(抗告人を除く。)に対し、相当の期間を定めて、抗告人が主張する原決定の取消し又は変更を求める事由に対する当該当事者の主張を記載した書面の提出を命ずることができる。
第57条
【原審の終局決定の裁判書の引用・法第百六条】
抗告審の終局決定の裁判書における理由の記載は、原審の終局決定の裁判書を引用してすることができる。
第58条
【第一審の手続の規定及び民事訴訟規則の準用・法第百七条】
第59条
【特別抗告をする場合における費用の予納・法第百八条等】
特別抗告をするときは、抗告状の写しの送付に必要な費用のほか、抗告提起通知書の送達及び送付、抗告理由書の写しの送付、裁判の告知並びに抗告裁判所が子の返還申立事件又は抗告事件の記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
第60条
【特別抗告の抗告提起通知書の送達及び送付・法第百八条等】
特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は法
第110条第1項において準用する法
第103条第3項の規定による抗告却下の決定があったときを除き、抗告提起通知書を、抗告人に送達するとともに、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)に送付しなければならない。
第61条
【特別抗告の抗告理由書の提出期間・法第百八条等】
特別抗告の抗告理由書の提出の期間は、抗告人が
前条の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から十四日とする。
第62条
【特別抗告の理由を記載した書面の写しの添付・法第百八条等】
特別抗告の理由を記載した書面には、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)の数に六を加えた数の写しを添付しなければならない。
第63条
【抗告裁判所への事件送付・法第百八条等】
1
特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は抗告却下の決定があったときを除き、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。この場合において、原裁判所は、抗告人が特別抗告の理由中に示した子の返還申立事件の手続に関する事実の有無について意見を付することができる。
2
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、子の返還申立事件の記録を送付してしなければならない。ただし、原裁判所が子の返還申立事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
3
抗告裁判所の裁判所書記官は、
前項の規定による子の返還申立事件又は抗告事件の記録の送付を受けたときは、速やかに、その旨を原審における当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
4
第2項ただし書の規定により抗告事件の記録のみが送付された場合において、抗告裁判所が
同項の子の返還申立事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
第64条
【特別抗告の抗告理由書の写しの送付・法第百八条等】
抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)に対し、特別抗告の抗告理由書の写しを送付しなければならない。
第65条
【執行停止の申立ての方式等・法第百九条】
2
法
第109条第1項ただし書の規定による裁判があったとき又は当該裁判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
第69条
【即時抗告の提起に係る記録の送付・法第百十三条】
1
終局決定以外の裁判に対する即時抗告(
第3項の即時抗告を除く。)があった場合において、原裁判所が子の返還申立事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、
第71条において準用する
第55条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
2
前項の規定により抗告事件の記録が送付された場合において、抗告裁判所が
同項の子の返還申立事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
3
法
第62条第11項の規定による即時抗告があったときは、
第71条において準用する
第55条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付するものとする。
4
前項の場合には、
同項の記録に、抗告事件についての原裁判所の意見を記載した書面及び抗告事件の審理に参考となる資料を添付しなければならない。
第70条
【原裁判所の意見】
終局決定以外の裁判に対する即時抗告があった場合において、抗告裁判所に事件を送付するときは、原裁判所は、抗告事件についての意見を付さなければならない。
第71条
【終局決定に対する不服申立ての規定の準用・法第百十六条】
第72条
【終局決定の変更の手続・法第百十七条】
1
法
第117条第1項の規定による終局決定の変更の申立書(
次項から
第4項までにおいて「終局決定の変更の申立書」という。)には、変更を求める終局決定の裁判書の写しを添付しなければならない。
2
終局決定の変更の申立書に記載すべき終局決定の変更を求める理由は、具体的な事実を含むものでなければならない。
3
前項の具体的な事実についての証拠書類があるときは、その写しを終局決定の変更の申立書に添付しなければならない。
4
終局決定の変更の申立書には、当事者(法
第117条第1項の申立てをした者を除く。)及び手続に参加した子の数と同数の写しを添付しなければならない。
5
前各項に規定するもののほか、法
第117条第1項の規定による終局決定の変更の手続については、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。
第73条
【法第百十八条第一項の申立て等・法第百十八条】
第74条
【再審の手続・法第百十九条】
1
再審の申立書には、不服の申立てに係る裁判書の写しを添付しなければならない。
2
前項に規定するもののほか、再審の手続については、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。
第75条
【法第百二十条第一項の申立て等・法第百二十条】
第76条
【義務の履行状況の調査及び履行の勧告の手続・法第百二十一条】
1
法
第121条第5項(
同条第7項において準用する場合を含む。)の規定による許可があった場合における
同条第1項(
同条第7項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付の請求に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
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第26条の規定は、法
第121条第1項の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付について準用する。