第1条
【申立て等の方式】
1
申立てその他の申述は、特別の定めがある場合を除き、書面又は口頭ですることができる。
2
口頭で申述をするには、裁判所書記官の面前で陳述をしなければならない。この場合においては、裁判所書記官は、調書を作成し、記名押印しなければならない。
第2条
【当事者が裁判所に提出すべき書面の記載事項】
1
訴状、準備書面その他の当事者又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。
①
当事者の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
2
前項の規定にかかわらず、当事者又は代理人からその住所を記載した
同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する
同項の書面については、これを記載することを要しない。
第3条
【裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出】
1
裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
②
その提出により訴訟手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(
前号に該当する書面を除く。)
③
法定代理権、訴訟行為をするのに必要な授権又は訴訟代理人の権限を証明する書面その他の訴訟手続上重要な事項を証明する書面
④
上告理由書、上告受理申立て理由書その他これらに準ずる理由書
2
ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
3
裁判所は、
前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
第3条の2
【裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供】
裁判所は、判決書の作成に用いる場合その他必要があると認める場合において、当事者が裁判所に提出した書面又は提出しようとする書面に記載した情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)を有しているときは、その当事者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
第4条
【催告及び通知】
1
民事訴訟に関する手続における催告及び通知は、相当と認める方法によることができる。
2
裁判所書記官は、催告又は通知をしたときは、その旨及び催告又は通知の方法を訴訟記録上明らかにしなければならない。
3
催告は、これを受けるべき者の所在が明らかでないとき、又はその者が外国に在るときは、催告すべき事項を公告してすれば足りる。この場合には、その公告は、催告すべき事項を記載した書面を裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。
4
前項の規定による催告は、公告をした日から一週間を経過した時にその効力を生ずる。
5
この規則の規定による通知(
第46条(公示送達の方法)
第2項の規定による通知を除く。)は、これを受けるべき者の所在が明らかでないとき、又はその者が外国に在るときは、することを要しない。この場合においては、裁判所書記官は、その事由を訴訟記録上明らかにしなければならない。
6
当事者その他の関係人に対する通知は、裁判所書記官にさせることができる。
第5条
【訴訟書類の記載の仕方】
訴訟書類は、簡潔な文章で整然かつ明瞭に記載しなければならない。
第6条
【普通裁判籍所在地の指定・法第四条】
民事訴訟法(以下「法」という。)
第4条(普通裁判籍による管轄)
第3項の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
第6条の2
【管轄裁判所が定まらない場合の裁判籍所在地の指定・法第十条の二】
法第10条の2(管轄裁判所の特例)の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
第7条
【移送の申立ての方式・法第十六条等】
1
移送の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2
前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
第8条
【裁量移送における取扱い・法第十七条等】
1
法第17条(遅滞を避ける等のための移送)、
第18条(簡易裁判所の裁量移送)又は
第20条の2(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)の申立てがあったときは、裁判所は、相手方の意見を聴いて決定をするものとする。
第9条
【移送による記録の送付・法第二十二条】
移送の裁判が確定したときは、移送の裁判をした裁判所の裁判所書記官は、移送を受けた裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第10条
【除斥又は忌避の申立ての方式等・法第二十三条等】
1
裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
2
前項の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
3
除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。
法第24条(裁判官の忌避)
第2項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
第11条
【除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第二十五条】
裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
第12条
【裁判官の回避】
裁判官は、
法第23条(裁判官の除斥)
第1項又は
第24条(裁判官の忌避)
第1項に規定する場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
第13条
【裁判所書記官への準用等・法第二十七条】
この節の規定は、裁判所書記官について準用する。この場合において、簡易裁判所の裁判所書記官の回避の許可は、その裁判所書記官の所属する裁判所の
裁判所法第37条(司法行政事務)に規定する裁判官がする。
第14条
【法人でない社団等の当事者能力の判断資料の提出・法第二十九条】
裁判所は、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものとして訴え、又は訴えられた当事者に対し、定款その他の当該当事者の当事者能力を判断するために必要な資料を提出させることができる。
第15条
【法定代理権等の証明・法第三十四条】
法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権は、書面で証明しなければならない。選定当事者の選定及び変更についても、同様とする。
第16条
【特別代埋人の選任及び改任の裁判の告知・法第三十五条】
特別代理人の選任及び改任の裁判は、特別代理人にも告知しなければならない。
第17条
【法定代理権の消滅等の届出・法第三十六条】
法定代理権の消滅の通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。選定当事者の選定の取消し及び変更の通知をした者についても、同様とする。
第18条
【法人の代表者等への準用・法第三十七条】
この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
第19条
【同時審判の申出の撤回等・法第四十一条】
1
法第41条(同時審判の申出がある共同訴訟)
第1項の申出は、控訴審の口頭弁論の終結の時までは、いつでも撤回することができる。
2
前項の申出及びその撤回は、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
第20条
【捕助参加の申出書の送達等・法第四十三条等】
1
補助参加の申出書は、当事者双方に送達しなければならない。
2
前項に規定する送達は、補助参加の申出をした者から提出された副本によってする。
第21条
【訴訟引受けの申立ての方式・法第五十条等】
訴訟引受けの申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
第22条
【訴訟告知書の送達等・法第五十三条】
1
訴訟告知の書面は、訴訟告知を受けるべき者に送達しなければならない。
2
前項に規定する送達は、訴訟告知をした当事者から提出された副本によってする。
3
裁判所は、
第1項の書面を相手方に送付しなければならない。
第23条
【訴訟代理権の証明等・法第五十四条等】
1
訴訟代理人の権限は、書面で証明しなければならない。
2
前項の書面が私文書であるときは、裁判所は、公証人その他の認証の権限を有する公務員の認証を受けるべきことを訴訟代理人に命ずることができる。
3
訴訟代理人の権限の消滅の通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
第24条
【訴訟費用額の確定等を求める申立ての方式等・法第七十一条等】
1
法第71条(訴訟費用額の確定手続)
第1項、
第72条(和解の場合の費用額の確定手続)又は
第73条(訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い)
第1項の申立ては、書面でしなければならない。
2
前項の申立てにより訴訟費用又は和解の費用(以下この節において「訴訟費用等」という。)の負担の額を定める処分を求めるときは、当事者は、費用計算書及び費用額の疎明に必要な書面を裁判所書記官に提出するとともに、
同項の書面及び費用計算書について
第47条(書類の送付)
第1項の直送をしなければならない。
第25条
【相手方への催告等・法第七十一条等】
1
裁判所書記官は、訴訟費用等の負担の額を定める処分をする前に、相手方に対し、費用計算書及び費用額の疎明に必要な書面並びに申立人の費用計算書の記載内容についての陳述を記載した書面を、一定の期間内に提出すべき旨を催告しなければならない。ただし、相手方のみが訴訟費用等を負担する場合において、記録上申立人の訴訟費用等についての負担の額が明らかなときは、この限りでない。
2
相手方が
前項の期間内に費用計算書又は費用額の疎明に必要な書面を提出しないときは、裁判所書記官は、申立人の費用のみについて、訴訟費用等の負担の額を定める処分をすることができる。ただし、相手方が訴訟費用等の負担の額を定める処分を求める申立てをすることを妨げない。
第26条
【費用額の確定処分の方式・法第七十一条等】
訴訟費用等の負担の額を定める処分は、これを記載した書面を作成し、その書面に処分をした裁判所書記官が記名押印してしなければならない。
第27条
【法第七十一条第二項の最高裁判所規則で定める場合】
法第71条(訴訟費用額の確定手続)
第2項の最高裁判所規則で定める場合は、相手方が
第25条(相手方への催告等)
第1項の期間内に
同項の費用計算書又は費用額の疎明に必要な書面を提出しない場合とする。
第28条
【費用額の確定処分の更正の申立ての方式・法第七十四条】
訴訟費用等の負担の額を定める処分の更正の申立ては、書面でしなければならない。
第29条
【法第七十六条の最高裁判所規則で定める担保提供の方法】
1
法第76条(担保提供の方法)の規定による担保は、裁判所の許可を得て、担保を立てるべきことを命じられた者が銀行、保険会社、株式会社商工組合中央金庫、農林中央金庫、全国を地区とする信用金庫連合会、信用金庫又は労働金庫(以下この条において「銀行等」という。)との間において次に掲げる要件を満たす支払保証委託契約を締結する方法によって立てることができる。
①
銀行等は、担保を立てるべきことを命じられた者のために、裁判所が定めた金額を限度として、担保に係る訴訟費用償還請求権についての債務名義又はその訴訟費用償還請求権の存在を確認するもので、確定判決と同一の効力を有するものに表示された額の金銭を担保権利者に支払うものであること。
②
担保取消しの決定が確定した時に契約の効力が消滅するものであること。
③
契約の変更又は解除をすることができないものであること。
④
担保権利者の申出があったときは、銀行等は、契約が締結されたことを証する文書を担保権利者に交付するものであること。
2
前項の規定は、
法第81条(他の法令による担保への準用)、
第259条(仮執行の宣言)
第6項(法において準用する場合を含む。)、
第376条(仮執行の宣言)
第2項及び
第405条(担保の提供)
第2項(他の法令において準用する場合を含む。)並びに他の法令において準用する
法第76条(担保提供の方法)の最高裁判所規則で定める担保提供の方法について準用する。この場合において、
前項第1号中「訴訟費用償還請求権」とあるのは「請求権」と、「確認するもので、確定判決」とあるのは「確認する確定判決若しくはこれ」と読み替えるものとする。
第31条
【受命裁判官の指定及び裁判所の嘱託の手続】
1
受命裁判官にその職務を行わせる場合には、裁判長がその裁判官を指定する。
2
裁判所がする嘱託の手続は、特別の定めがある場合を除き、裁判所書記官がする。
第32条
【和解のための処置・法第八十九条】
1
裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、和解のため、当事者本人又はその法定代理人の出頭を命ずることができる。
2
裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、相当と認めるときは、裁判所外において和解をすることができる。
第33条
【訴訟記録の正本等の様式・法第九十一条等】
訴訟記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
第34条
【閲覧等の制限の申立ての方式等・法第九十二条】
1
秘密記載部分の閲覧等の請求をすることができる者を当事者に限る決定を求める旨の申立ては、書面で、かつ、訴訟記録中の秘密記載部分を特定してしなければならない。
2
前項の決定においては、訴訟記録中の秘密記載部分を特定しなければならない。
第34条の2
【進行協議期日における専門委員の関与・法第九十二条の二】
1
法第92条の2(専門委員の関与)
第1項の決定があった場合には、専門委員の説明は、裁判長が進行協議期日において口頭でさせることができる。
2
法第92条の3(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)の規定は、
前項の規定による進行協議期日における専門委員の説明について準用する。
第34条の3
【専門委員の説明に関する期日外における取扱い・法第九十二条の二】
1
裁判長が期日外において専門委員に説明を求めた場合において、その説明を求めた事項が訴訟関係を明瞭にする上で重要な事項であるときは、裁判所書記官は、当事者双方に対し、当該事項を通知しなければならない。
2
専門委員が期日外において説明を記載した書面を提出したときは、裁判所書記官は、当事者双方に対し、その写しを送付しなければならない。
第34条の4
【証拠調べ期日における裁判長の措置等・法第九十二条の二】
1
裁判長は、
法第92条の2(専門委員の関与)
第2項の規定により専門委員が手続に関与する場合において、証人尋問の期日において専門委員に説明をさせるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、専門委員の説明が証人の証言に影響を及ぼさないための証人の退廷その他適当な措置を採ることができる。
2
当事者は、裁判長に対し、
前項の措置を採ることを求めることができる。
第34条の5
【当事者の意見陳述の機会の付与・法第九十二条の二】
裁判所は、当事者に対し、専門委員がした説明について意見を述べる機会を与えなければならない。
第34条の6
【専門委員に対する準備の指示等・法第九十二条の二】
1
裁判長は、
法第92条の2(専門委員の関与)又は
第34条の2(進行協議期日における専門委員の関与)の規定により専門委員に説明をさせるに当たり、必要があると認めるときは、専門委員に対し、係争物の現況の確認その他の準備を指示することができる。
2
裁判長が
前項に規定する指示をしたときは、裁判所書記官は、当事者双方に対し、その旨及びその内容を通知するものとする。
第34条の7
【音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与・法第九十二条の三】
1
法第92条の2(専門委員の関与)
第1項又は
第2項の期日において、
法第92条の3(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)に規定する方法によって専門委員に説明又は発問をさせるときは、裁判所は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
2
専門委員に
前項の説明又は発問をさせたときは、その旨及び通話先の電話番号を調書に記載しなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を記載することができる。
第34条の8
【専門委員の関与の決定の取消しの申立ての方式等・法第九十二条の四】
1
専門委員を手続に関与させる決定の取消しの申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2
前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。ただし、当事者双方が同時に申立てをするときは、この限りでない。
第34条の9
【専門委員の除斥、忌避及び回避・法第九十二条の六】
第10条から
第12条まで(除斥又は忌避の申立ての方式等、除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述及び裁判官の回避)の規定は、専門委員について準用する。
第34条の10
【受命裁判官等の権限・法第九十二条の七】
第2款
知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥、忌避及び回避
第34条の11
【除斥、忌避及び回避に関する規定の準用・法第九十二条の九】
第10条から
第12条まで(除斥又は忌避の申立ての方式等、除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述及び裁判官の回避)の規定は、
法第92条の8(知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務)の事務を行う裁判所調査官について準用する。
第35条
【受命裁判官等の期日指定・法第九十三条】
受命裁判官又は受託裁判官が行う手続の期日は、その裁判官が指定する。
第36条
【期日変更の申立て・法第九十三条】
期日の変更の申立ては、期日の変更を必要とする事由を明らかにしてしなければならない。
第37条
【期日変更の制限・法第九十三条】
期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては許してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
①
当事者の一方につき訴訟代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
②
期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
第38条
【裁判長等が定めた期間の伸縮・法第九十六条】
裁判長、受命裁判官又は受託裁判官は、その定めた期間を伸長し、又は短縮することができる。
第39条
【送達に関する事務の取扱いの嘱託・法第九十八条】
送達に関する事務の取扱いは、送達地を管轄する地方裁判所の裁判所書記官に嘱託することができる。
第40条
【送達すべき書類等・法第百一条】
1
送達すべき書類は、特別の定めがある場合を除き、当該書類の謄本又は副本とする。
2
送達すべき書類の提出に代えて調書を作成したときは、その調書の謄本又は抄本を交付して送達をする。
第41条
【送達場所等の届出の方式・法第百四条】
1
送達を受けるべき場所の届出及び送達受取人の届出は、書面でしなければならない。
2
前項の届出は、できる限り、訴状、答弁書又は支払督促に対する督促異議の申立書に記載してしなければならない。
3
送達を受けるべき場所を届け出る書面には、届出場所が就業場所であることその他の当事者、法定代理人又は訴訟代理人と届出場所との関係を明らかにする事項を記載しなければならない。
第42条
【送達場所等の変更の届出・法第百四条】
1
当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所として届け出た場所又は送達受取人として届け出た者を変更する届出をすることができる。
第43条
【就業場所における補充送達の通知・法第百六条】
法第106条(補充送達及び差置送達)
第2項の規定による補充送達がされたときは、裁判所書記官は、その旨を送達を受けた者に通知しなければならない。
第44条
【書留郵便に付する送達の通知・法第百七条】
法第107条(書留郵便に付する送達)
第1項又は
第2項の規定による書留郵便に付する送達をしたときは、裁判所書記官は、その旨及び当該書類について書留郵便に付して発送した時に送達があったものとみなされることを送達を受けた者に通知しなければならない。
第45条
【受命裁判官等の外国における送達の権限・法第百八条】
受命裁判官又は受託裁判官が行う手続において外国における送達をすべきときは、その裁判官も
法第108条(外国における送達)に規定する嘱託をすることができる。
第46条
【公示送達の方法・法第百十一条】
1
呼出状の公示送達は、呼出状を掲示場に掲示してする。
2
裁判所書記官は、公示送達があったことを官報又は新聞紙に掲載することができる。外国においてすべき送達については、裁判所書記官は、官報又は新聞紙への掲載に代えて、公示送達があったことを通知することができる。
第47条
【書類の送付】
1
直送(当事者の相手方に対する直接の送付をいう。以下同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
2
裁判所が当事者その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3
裁判所が当事者の提出に係る書類の相手方への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4
当事者が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者は、裁判所に対し、当該書類の相手方への送付(準備書面については、送達又は送付)を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
第48条
【判決確定証明書・法第百十六条】
1
第一審裁判所の裁判所書記官は、当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求により、訴訟記録に基づいて判決の確定についての証明書を交付する。
2
訴訟がなお上訴審に係属中であるときは、
前項の規定にかかわらず、上訴裁判所の裁判所書記官が、判決の確定した部分のみについて
同項の証明書を交付する。
第49条
【法第百十七条第一項の訴えの訴状の添付書類】
法第117条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)
第1項の訴えの訴状には、変更を求める確定判決の写しを添付しなければならない。
第50条
【決定及び命令の方式等・法第百十九条等】
1
決定書及び命令書には、決定又は命令をした裁判官が記名押印しなければならない。
2
決定又は命令の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を訴訟記録上明らかにしなければならない。
3
決定及び命令には、前二項に規定するほか、その性質に反しない限り、判決に関する規定を準用する。
第50条の2
【調書決定】
最高裁判所が決定をする場合において、相当と認めるときは、決定書の作成に代えて、決定の内容を調書に記載させることができる。
第51条
【訴訟手続の受継の申立ての方式・法第百二十四条等】
1
訴訟手続の受継の申立ては、書面でしなければならない。
2
前項の書面には、訴訟手続を受け継ぐ者が
法第124条(訴訟手続の中断及び受継)
第1項各号に定める者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
第52条
【訴訟代理人による中断事由の届出・法第百二十四条】
法第124条(訴訟手続の中断及び受継)
第1項各号に掲げる事由が生じたときは、訴訟代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
第52条の2
【予告通知の書面の記載事項等・法第百三十二条の二】
1
予告通知の書面には、
法第132条の2(訴えの提起前における照会)
第3項に規定する請求の要旨及び紛争の要点を記載するほか、次に掲げる事項を記載し、予告通知をする者又はその代理人が記名押印するものとする。
①
予告通知をする者及び予告通知の相手方の氏名又は名称及び住所並びにそれらの代理人の氏名及び住所
2
前項の請求の要旨及び紛争の要点は、具体的に記載しなければならない。
3
予告通知においては、できる限り、訴えの提起の予定時期を明らかにしなければならない。
第52条の3
【予告通知に対する返答の書面の記載事項等・法第百三十二条の三】
1
予告通知に対する返答の書面には、
法第132条の3(訴えの提起前における照会)
第1項に規定する答弁の要旨を記載するほか、
前条(予告通知の書面の記載事項等)
第1項第1号に規定する事項、返答の年月日及び
法第132条の3第1項の規定による返答である旨を記載し、その返答をする者又はその代理人が記名押印するものとする。
2
前項の答弁の要旨は、具体的に記載しなければならない。
第52条の4
【訴えの提起前における照会及び回答の書面の記載事項等・法第百三十二条の二等】
1
法第132条の2(訴えの提起前における照会)
第1項の規定による照会及びこれに対する回答は、照会の書面及び回答の書面を相手方に送付してする。この場合において、相手方に代理人があるときは、照会の書面は、当該代理人に対し送付するものとする。
2
前項の照会の書面には、次に掲げる事項を記載し、照会をする者又はその代理人が記名押印するものとする。
①
照会をする者及び照会を受ける者並びにそれらの代理人の氏名
④
照会をする事項(以下この条において「照会事項」という。)及びその必要性
⑦
照会をする者の住所、郵便番号及びファクシミリの番号
3
第1項の回答の書面には、
前項第1号及び
第2号に掲げる事項、回答の年月日並びに照会事項に対する回答を記載し、照会を受けた者又はその代理人が記名押印するものとする。この場合において、照会事項中に
法第132条の2第1項第1号に掲げる照会に該当することを理由としてその回答を拒絶するものがあるときは、
法第163条(当事者照会)各号のいずれに該当するかをも、
法第132条の2第1項第2号又は
第3号に掲げる照会に該当することを理由としてその回答を拒絶するものがあるときは、そのいずれに該当するかをも記載するものとする。
4
照会事項は、項目を分けて記載するものとし、照会事項に対する回答は、できる限り、照会事項の項目に対応させて、かつ、具体的に記載するものとする。
5
前各項の規定は、
法第132条の3(訴えの提起前における照会)
第1項の規定による照会及びこれに対する回答について準用する。
第52条の5
【証拠収集の処分の申立ての方式・法第百三十二条の四】
2
前項の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
①
申立ての根拠となる申立人がした予告通知又は返答の相手方(以下この章において単に「相手方」という。)の氏名又は名称及び住所
③
申立ての根拠となる申立人又は相手方がした予告通知(以下この項並びに
次条(証拠収集の処分の申立書の添付書類)
第1項各号及び
第2項において単に「予告通知」という。)に係る請求の要旨及び紛争の要点
④
予告通知に係る訴えが提起された場合に立証されるべき事実及びこれと申立てに係る処分により得られる証拠となるべきものとの関係
⑤
申立人が
前号の証拠となるべきものを自ら収集することが困難である事由
⑥
予告通知がされた日から四月の不変期間内にされた申立てであること又はその期間の経過後に申立てをすることについて相手方の同意があること。
3
第1項の書面には、
前項各号に掲げる事項のほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を記載しなければならない。
第52条の6
【証拠収集の処分の申立書の添付書類・法第百三十二条の四】
1
前条(証拠収集の処分の申立ての方式)
第1項の書面(以下この条において「申立書」という。)には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
②
予告通知がされた日から四月の不変期間が経過しているときは、
前条第2項第6号の相手方の同意を証する書面
2
予告通知に対する返答をした被予告通知者が
法第132条の4(訴えの提起前における証拠収集の処分)
第1項の処分の申立てをするときは、当該申立書には、
前項各号に掲げる書類のほか、当該返答の書面の写しを添付しなければならない。
3
法第132条の4第1項第3号の処分の申立てをする場合において、当該処分が特定の物についての意見の陳述を嘱託するものであり、かつ、当該特定の物に関する権利が登記又は登録をすることができるものであるときは、当該申立書には、当該特定の物の登記事項証明書又は登録原簿に記載されている事項を証明した書面を添付しなければならない。
同項第4号の処分の申立てをする場合において、調査に係る物に関する権利が登記又は登録をすることができるものであるときも、同様とする。
第52条の7
【証拠収集の処分の手続等・法第百三十二条の六】
1
裁判所は、必要があると認めるときは、嘱託を受けるべき者その他参考人の意見を聴くことができる。
2
法第132条の4(訴えの提起前における証拠収集の処分)
第1項第1号に規定する文書の送付は、原本、正本又は認証のある謄本のほか、裁判所が嘱託を受けるべき者の負担その他の事情を考慮して相当と認めるときは、写しですることができる。
4
執行官は、
法第132条の4第1項第4号の調査をするに当たっては、当該調査を実施する日時及び場所を定め、申立人及び相手方に対し、その日時及び場所を通知しなければならない。
5
第4条(催告及び通知)
第1項、
第2項及び
第5項の規定は、
前項に規定する通知について準用する。この場合において、
同条第2項及び
第5項中「裁判所書記官」とあるのは「執行官」と、「訴訟記録上」とあるのは「報告書において」と読み替えるものとする。
6
法第132条の4第1項第4号の調査の結果に関する報告書には、調査をした執行官の氏名、調査に係る物の表示、調査に着手した日時及びこれを終了した日時、調査をした場所、調査に立ち会った者があるときはその氏名、調査を命じられた事項並びに調査の結果を記載しなければならない。
第52条の8
【訴えの提起の予定の有無等の告知】
予告通知者は、予告通知をした日から四月が経過したとき、又はその経過前であっても被予告通知者の求めがあるときは、被予告通知者に対し、その予告通知に係る訴えの提起の予定の有無及びその予定時期を明らかにしなければならない。
第2編 第一審の訴訟手続
第53条
【訴状の記載事項・法第百三十三条】
1
訴状には、請求の趣旨及び請求の原因(請求を特定するのに必要な事実をいう。)を記載するほか、請求を理由づける事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。
2
訴状に事実についての主張を記載するには、できる限り、請求を理由づける事実についての主張と当該事実に関連する事実についての主張とを区別して記載しなければならない。
3
攻撃又は防御の方法を記載した訴状は、準備書面を兼ねるものとする。
4
訴状には、
第1項に規定する事項のほか、原告又はその代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)を記載しなければならない。
第54条
【訴えの提起前に証拠保全が行われた場合の訴状の記載事項】
訴えの提起前に証拠保全のための証拠調べが行われたときは、訴状には、
前条(訴状の記載事項)
第1項及び
第4項に規定する事項のほか、その証拠調べを行った裁判所及び証拠保全事件の表示を記載しなければならない。
第55条
【訴状の添付書類】
1
次の各号に掲げる事件の訴状には、それぞれ当該各号に定める書類を添付しなければならない。
②
手形又は小切手に関する事件 手形又は小切手の写し
2
前項に規定するほか、訴状には、立証を要する事由につき、証拠となるべき文書の写し(以下「書証の写し」という。)で重要なものを添付しなければならない。
第56条
【訴状の補正の促し・法第百三十七条】
裁判長は、訴状の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
第57条
【訴状却下命令に対する即時抗告・法第百三十七条等】
訴状却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された訴状を添付しなければならない。
第58条
【訴状の送達等・法第百三十八条等】
1
訴状の送達は、原告から提出された副本によってする。
第60条
【最初の口頭弁論期日の指定・法第百三十九条】
1
訴えが提起されたときは、裁判長は、速やかに、口頭弁論の期日を指定しなければならない。ただし、事件を弁論準備手続に付する場合(付することについて当事者に異議がないときに限る。)又は書面による準備手続に付する場合は、この限りでない。
2
前項の期日は、特別の事由がある場合を除き、訴えが提起された日から三十日以内の日に指定しなければならない。
第61条
【最初の口頭弁論期日前における参考事項の聴取】
1
裁判長は、最初にすべき口頭弁論の期日前に、当事者から、訴訟の進行に関する意見その他訴訟の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
2
裁判長は、
前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
第63条
【期日外釈明の方法・法第百四十九条】
1
裁判長又は陪席裁判官は、口頭弁論の期日外において、
法第149条(釈明権等)
第1項又は
第2項の規定による釈明のための処置をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
2
裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について
前項の処置をしたときは、裁判所書記官は、その内容を訴訟記録上明らかにしなければならない。
第64条
【口頭弁論期日の変更の制限】
争点及び証拠の整理手続を経た事件についての口頭弁論の期日の変更は、事実及び証拠についての調査が十分に行われていないことを理由としては許してはならない。
第65条
【訴訟代理人の陳述禁止等の通知・法第百五十五条】
裁判所が訴訟代埋人の陳述を禁じ、又は弁護士の付添いを命じたときは、裁判所書記官は、その旨を本人に通知しなければならない。
第66条
【口頭弁論調書の形式的記載事項・法第百六十条】
1
口頭弁論の調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
⑥
弁論を公開したこと又は公開しなかったときはその旨及びその理由
2
前項の調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
3
前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
第67条
【口頭弁論調書の実質的記載事項・法第百六十条】
1
口頭弁論の調書には、弁論の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
①
訴えの取下げ、和解、請求の放棄及び認諾並びに自白
④
証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
⑥
裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
2
前項の規定にかかわらず、訴訟が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が訴訟の完結を知った日から一週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
3
口頭弁論の調書には、弁論の要領のほか、当事者による攻撃又は防御の方法の提出の予定その他訴訟手続の進行に関する事項を記載することができる。
第68条
【調書の記載に代わる録音テープ等への記録】
1
裁判所書記官は、
前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)
第1項の規定にかかわらず、裁判長の許可があったときは、証人、当事者本人又は鑑定人(以下「証人等」という。)の陳述を録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。以下「録音テープ等」という。)に記録し、これをもって調書の記載に代えることができる。この場合において、当事者は、裁判長が許可をする際に、意見を述べることができる。
2
前項の場合において、訴訟が完結するまでに当事者の申出があったときは、証人等の陳述を記載した書面を作成しなければならない。訴訟が上訴審に係属中である場合において、上訴裁判所が必要があると認めたときも、同様とする。
第69条
【書面等の引用添付】
口頭弁論の調書には、書面、写真、録音テープ、ビデオテープその他裁判所において適当と認めるものを引用し、訴訟記録に添付して調書の一部とすることができる。
第70条
【陳述の速記】
裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、裁判所速記官その他の速記者に口頭弁論における陳述の全部又は一部を速記させることができる。
第71条
【速記録の作成】
裁判所速記官は、
前条(陳述の速記)の規定により速記した場合には、速やかに、速記原本を反訳して速記録を作成しなければならない。ただし、
第73条(速記原本の引用添付)の規定により速記原本が調書の一部とされるときその他裁判所が速記録を作成する必要がないと認めるときは、この限りでない。
第72条
【速記録の引用添付】
裁判所速記官が作成した速記録は、調書に引用し、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。ただし、裁判所が速記録の引用を適当でないと認めるときは、この限りでない。
第73条
【速記原本の引用添付】
証人及び当事者本人の尋問並びに鑑定人の口頭による意見の陳述については、裁判所が相当と認め、かつ、当事者が同意したときは、裁判所速記官が作成した速記原本を引用し、訴訟記録に添付して調書の一部とすることができる。
第74条
【速記原本の反訳等】
1
裁判所は、次に掲げる場合には、裁判所速記官に
前条(速記原本の引用添付)の規定により調書の一部とされた速記原本を反訳して速記録を作成させなければならない。
①
訴訟記録の閲覧、謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求する者が反訳を請求したとき。
2
裁判所書記官は、
前項の規定により作成された速記録を訴訟記録に添付し、その旨を当事者その他の関係人に通知しなければならない。
3
前項の規定により訴訟記録に添付された速記録は、
前条の規定により調書の一部とされた速記原本に代わるものとする。
第75条
【速記原本の訳読】
裁判所速記官は、訴訟記録の閲覧を請求する者が調書の一部とされた速記原本の訳読を請求した場合において裁判所書記官の求めがあったときは、その訳読をしなければならない。
第76条
【口頭弁論における陳述の録音】
裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、録音装置を使用して口頭弁論における陳述の全部又は一部を録取させることができる。この場合において、裁判所が相当と認めるときは、録音テープを反訳した調書を作成しなければならない。
第77条
【法廷における写真の撮影等の制限】
法廷における写真の撮影、速記、録音、録画又は放送は、裁判長の許可を得なければすることができない。
第78条
【裁判所の審尋等への準用】
法第160条(口頭弁論調書)及び
第66条から
前条まで(口頭弁論調書の形式的記載事項、口頭弁論調書の実質的記載事項、調書の記載に代わる録音テープ等への記録、書面等の引用添付、陳述の速記、速記録の作成、速記録の引用添付、速記原本の引用添付、速記原本の反訳等、速記原本の訳読、口頭弁論における陳述の録音及び法廷における写真の撮影等の制限)の規定は、裁判所の審尋及び口頭弁論の期日外に行う証拠調べ並びに受命裁判官又は受託裁判官が行う手続について準用する。
第79条
【準備書面・法第百六十一条】
1
答弁書その他の準備書面は、これに記載した事項について相手方が準備をするのに必要な期間をおいて、裁判所に提出しなければならない。
2
準備書面に事実についての主張を記載する場合には、できる限り、請求を理由づける事実、抗弁事実又は再抗弁事実についての主張とこれらに関連する事実についての主張とを区別して記載しなければならない。
3
準備書面において相手方の主張する事実を否認する場合には、その理由を記載しなければならない。
4
第2項に規定する場合には、立証を要する事由ごとに、証拠を記載しなければならない。
第80条
【答弁書】
1
答弁書には、請求の趣旨に対する答弁を記載するほか、訴状に記載された事実に対する認否及び抗弁事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。やむを得ない事由によりこれらを記載することができない場合には、答弁書の提出後速やかに、これらを記載した準備書面を提出しなければならない。
2
答弁書には、立証を要する事由につき、重要な書証の写しを添付しなければならない。やむを得ない事由により添付することができない場合には、答弁書の提出後速やかに、これを提出しなければならない。
第81条
【答弁に対する反論】
被告の答弁により反論を要することとなった場合には、原告は、速やかに、答弁書に記載された事実に対する認否及び再抗弁事実を具体的に記載し、かつ、立証を要することとなった事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載した準備書面を提出しなければならない。当該準備書面には、立証を要することとなった事由につき、重要な書証の写しを添付しなければならない。
第82条
【準備書面に引用した文書の取扱い】
1
文書を準備書面に引用した当事者は、裁判所又は相手方の求めがあるときは、その写しを提出しなければならない。
2
前項の当事者は、
同項の写しについて直送をしなければならない。
第83条
【準備書面の直送】
1
当事者は、準備書面について、
第79条(準備書面)
第1項の期間をおいて、直送をしなければならない。
2
前項の規定による準備書面の直送を受けた相手方は、当該準備書面を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。
3
前項の規定は、当事者が、受領した旨を相手方が記載した準備書面を裁判所に提出した場合には、適用しない。
第84条
【当事者照会・法第百六十三条】
1
法第163条(当事者照会)の規定による照会及びこれに対する回答は、照会書及び回答書を相手方に送付してする。この場合において、相手方に代理人があるときは、照会書は、当該代理人に対し送付するものとする。
2
前項の照会書には、次に掲げる事項を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。
⑤
照会をする事項(以下この条において「照会事項」という。)及びその必要性
⑧
照会をする者の住所、郵便番号及びファクシミリの番号
3
第1項の回答書には、
前項第1号から
第4号までに掲げる事項及び照会事項に対する回答を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。この場合において、照会事項中に
法第163条各号に掲げる照会に該当することを理由としてその回答を拒絶するものがあるときは、その条項をも記載するものとする。
4
照会事項は、項目を分けて記載するものとし、照会事項に対する回答は、できる限り、照会事項の項目に対応させて、かつ、具体的に記載するものとする。
第85条
【調査の義務】
当事者は、主張及び立証を尽くすため、あらかじめ、証人その他の証拠について事実関係を詳細に調査しなければならない。
第86条
【証明すべき事実の調書記載等・法第百六十五条】
1
裁判所は、準備的口頭弁論を終了するに当たり、その後の証拠調べによって証明すべき事実が確認された場合において、相当と認めるときは、裁判所書記官に当該事実を準備的口頭弁論の調書に記載させなければならない。
2
裁判長は、準備的口頭弁論を終了するに当たり、当事者に準備的口頭弁論における争点及び証拠の整理の結果を要約した書面を提出させる場合には、その書面の提出をすべき期間を定めることができる。
第87条
【法第百六十七条の規定による当事者の説明の方式】
1
法第167条(準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)の規定による当事者の説明は、期日において口頭でする場合を除き、書面でしなければならない。
2
前項の説明が期日において口頭でされた場合には、相手方は、説明をした当事者に対し、当該説明の内容を記載した書面を交付するよう求めることができる。
第88条
【弁論準備手続調書等・法第百七十条等】
1
弁論準備手続の調書には、当事者の陳述に基づき、
法第161条(準備書面)
第2項に掲げる事項を記載し、特に、証拠については、その申出を明確にしなければならない。
2
裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって弁論準備手続の期日における手続を行うときは、裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
3
前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を弁論準備手続の調書に記載しなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を記載することができる。
4
第1項及び
前項に規定するほか、弁論準備手続の調書については、
法第160条(口頭弁論調書)及びこの規則中口頭弁論の調書に関する規定を準用する。
第89条
【弁論準備手続の結果の陳述・法第百七十三条】
弁論準備手続の終結後に、口頭弁論において弁論準備手続の結果を陳述するときは、その後の証拠調べによって証明すべき事実を明らかにしてしなければならない。
第90条
【準備的口頭弁論の規定等の準用・法第百七十条等】
第63条(期日外釈明の方法)及び
第65条(訴訟代理人の陳述禁止等の通知)並びに
前款(準備的口頭弁論)の規定は、弁論準備手続について準用する。
第91条
【音声の送受信による通話の方法による協議・法第百七十六条】
1
裁判長又は高等裁判所における受命裁判官(以下この条において「裁判長等」という。)は、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって書面による準備手続における協議をする場合には、その協議の日時を指定することができる。
2
前項の方法による協議をしたときは、裁判長等は、裁判所書記官に当該手続についての調書を作成させ、これに協議の結果を記載させることができる。
3
第1項の方法による協議をし、かつ、裁判長等がその結果について裁判所書記官に記録をさせたときは、その記録に
同項の方法による協議をした旨及び通話先の電話番号を記載させなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を記載させることができる。
第92条
【口頭弁論の規定等の準用・法第百七十六条】
第63条(期日外釈明の方法)及び
第86条(証明すべき事実の調書記載等)
第2項の規定は、書面による準備手続について準用する。
第93条
【証明すべき事実の調書記載・法第百七十七条】
書面による準備手続を終結した事件について、口頭弁論の期日において、その後の証拠調べによって証明すべき事実の確認がされたときは、当該事実を口頭弁論の調書に記載しなければならない。
第94条
【法第百七十八条の規定による当事者の説明の方式】
1
法第178条(書面による準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)の規定による当事者の説明は、期日において口頭でする場合を除き、書面でしなければならない。
第95条
【進行協議期日】
1
裁判所は、口頭弁論の期日外において、その審理を充実させることを目的として、当事者双方が立ち会うことができる進行協議期日を指定することができる。この期日においては、裁判所及び当事者は、口頭弁論における証拠調べと争点との関係の確認その他訴訟の進行に関し必要な事項についての協議を行うものとする。
2
訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾は、進行協議期日においてもすることができる。
第96条
【音声の送受信による通話の方法による進行協議期日】
1
裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、進行協議期日における手続を行うことができる。ただし、当事者の一方がその期日に出頭した場合に限る。
2
進行協議期日に出頭しないで
前項の手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。
3
進行協議期日においては、
前項の当事者は、
前条(進行協議期日)
第2項の規定にかかわらず、訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾をすることができない。
第97条
【裁判所外における進行協議期日】
裁判所は、相当と認めるときは、裁判所外において進行協議期日における手続を行うことができる。
第98条
【受命裁判官による進行協議期日】
裁判所は、受命裁判官に進行協議期日における手続を行わせることができる。
第99条
【証拠の申出・法第百八十条】
1
証拠の申出は、証明すべき事実及びこれと証拠との関係を具体的に明示してしなければならない。
2
第83条(準備書面の直送)の規定は、証拠の申出を記載した書面についても適用する。
第100条
【証人及び当事者本人の一括申出・法第百八十二条】
証人及び当事者本人の尋問の申出は、できる限り、一括してしなければならない。
第101条
【証拠調べの準備】
争点及び証拠の整理手続を経た事件については、裁判所は、争点及び証拠の整理手続の終了又は終結後における最初の口頭弁論の期日において、直ちに証拠調べをすることができるようにしなければならない。
第102条
【文書等の提出時期】
証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の口頭による意見の陳述において使用する予定の文書は、証人等の陳述の信用性を争うための証拠として使用するものを除き、当該尋問又は意見の陳述を開始する時の相当期間前までに、提出しなければならない。ただし、当該文書を提出することができないときは、その写しを提出すれば足りる。
第103条
【外国における証拠調べの嘱託の手続・法第百八十四条】
外国においてすべき証拠調べの嘱託の手続は、裁判長がする。
第104条
【証拠調べの再嘱託の通知・法第百八十五条】
受託裁判官が他の地方裁判所又は簡易裁判所に更に証拠調べの嘱託をしたときは、受託裁判官の所属する裁判所の裁判所書記官は、その旨を受訴裁判所及び当事者に通知しなければならない。
第105条
【嘱託に基づく証拠調べの記録の送付・法第百八十五条】
受託裁判官の所属する裁判所の裁判所書記官は、受訴裁判所の裁判所書記官に対し、証拠調べに関する記録を送付しなければならない。
第106条
【証人尋問の申出】
証人尋問の申出は、証人を指定し、かつ、尋問に要する見込みの時間を明らかにしてしなければならない。
第107条
【尋問事項書】
1
証人尋問の申出をするときは、同時に、尋問事項書(尋問事項を記載した書面をいう。以下同じ。)二通を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2
尋問事項書は、できる限り、個別的かつ具体的に記載しなければならない。
3
第1項の申出をする当事者は、尋問事項書について直送をしなければならない。
第108条
【呼出状の記載事項等】
証人の呼出状には、次に掲げる事項を記載し、尋問事項書を添付しなければならない。
第109条
【証人の出頭の確保】
証人を尋問する旨の決定があったときは、尋問の申出をした当事者は、証人を期日に出頭させるように努めなければならない。
第110条
【不出頭の届出】
証人は、期日に出頭することができない事由が生じたときは、直ちに、その事由を明らかにして届け出なければならない。
第111条
【勾引・法第百九十四条】
刑事訴訟規則中勾引に関する規定は、正当な理由なく出頭しない証人の勾引について準用する。
第112条
【宣誓・法第二百一条】
1
証人の宣誓は、尋問の前にさせなければならない。ただし、特別の事由があるときは、尋問の後にさせることができる。
3
裁判長は、証人に宣誓書を朗読させ、かつ、これに署名押印させなければならない。証人が宣誓書を朗読することができないときは、裁判長は、裁判所書記官にこれを朗読させなければならない。
4
前項の宣誓書には、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、また、何事も付け加えないことを誓う旨を記載しなければならない。
5
裁判長は、宣誓の前に、宣誓の趣旨を説明し、かつ、偽証の罰を告げなければならない。
第113条
【尋問の順序・法第二百二条】
2
当事者は、裁判長の許可を得て、更に尋問をすることができる。
3
裁判長は、
法第202条(尋問の順序)
第1項及び
第2項の規定によるほか、必要があると認めるときは、いつでも、自ら証人を尋問し、又は当事者の尋問を許すことができる。
4
陪席裁判官は、裁判長に告げて、証人を尋問することができる。
第114条
【質問の制限】
1
次の各号に掲げる尋問は、それぞれ当該各号に定める事項について行うものとする。
②
反対尋問 主尋問に現れた事項及びこれに関連する事項並びに証言の信用性に関する事項
③
再主尋問 反対尋問に現れた事項及びこれに関連する事項
2
裁判長は、
前項各号に掲げる尋問における質問が
同項各号に定める事項以外の事項に関するものであって相当でないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを制限することができる。
第115条
1
質問は、できる限り、個別的かつ具体的にしなければならない。
2
当事者は、次に掲げる質問をしてはならない。ただし、
第2号から
第6号までに掲げる質問については、正当な理由がある場合は、この限りでない。
⑥
証人が直接経験しなかった事実についての陳述を求める質問
3
裁判長は、質問が
前項の規定に違反するものであると認めるときは、申立てにより又は職権で、これを制限することができる。
第116条
【文書等の質問への利用】
1
当事者は、裁判長の許可を得て、文書、図面、写真、模型、装置その他の適当な物件(以下この条において「文書等」という。)を利用して証人に質問することができる。
2
前項の場合において、文書等が証拠調べをしていないものであるときは、当該質問の前に、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。ただし、相手方に異議がないときは、この限りでない。
3
裁判長は、調書への添付その他必要があると認めるときは、当事者に対し、文書等の写しの提出を求めることができる。
第117条
【異議・法第二百二条】
2
前項の異議に対しては、裁判所は、決定で、直ちに裁判をしなければならない。
第118条
【対質】
1
裁判長は、必要があると認めるときは、証人と他の証人との対質を命ずることができる。
2
前項の規定により対質を命じたときは、その旨を調書に記載させなければならない。
3
対質を行うときは、裁判長がまず証人を尋問することができる。
第119条
【文字の筆記等】
裁判長は、必要があると認めるときは、証人に文字の筆記その他の必要な行為をさせることができる。
第120条
【後に尋問すべき証人の取扱い】
裁判長は、必要があると認めるときは、後に尋問すべき証人に在廷を許すことができる。
第121条
【傍聴人の退廷】
裁判長は、証人が特定の傍聴人の面前(
法第203条の3(遮へいの措置)
第2項に規定する措置をとる場合及び
法第204条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)に規定する方法による場合を含む。)においては威圧され十分な陳述をすることができないと認めるときは、当事者の意見を聴いて、その証人が陳述する間、その傍聴人を退廷させることができる。
第122条
【書面による質問又は回答の朗読・法第百五十四条】
耳が聞こえない証人に書面で質問したとき、又は口がきけない証人に書面で答えさせたときは、裁判長は、裁判所書記官に質問又は回答を記載した書面を朗読させることができる。
第122条の2
【付添い・法第二百三条の二】
1
裁判長は、
法第203条の2(付添い)
第1項に規定する措置をとるに当たっては、当事者及び証人の意見を聴かなければならない。
2
前項の措置をとったときは、その旨並びに証人に付き添った者の氏名及びその者と証人との関係を調書に記載しなければならない。
第122条の3
【遮へいの措置・法第二百三条の三】
2
前項の措置をとったときは、その旨を調書に記載しなければならない。
第123条
【映像等の送受信による通話の方法による尋問・法第二百四条】
1
法第204条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)
第1号に掲げる場合における
同条に規定する方法による尋問は、当事者の意見を聴いて、当事者を受訴裁判所に出頭させ、証人を当該尋問に必要な装置の設置された他の裁判所に出頭させてする。
2
法第204条第2号に掲げる場合における
同条に規定する方法による尋問は、当事者及び証人の意見を聴いて、当事者を受訴裁判所に出頭させ、証人を受訴裁判所又は当該尋問に必要な装置の設置された他の裁判所に出頭させてする。この場合において、証人を受訴裁判所に出頭させるときは、裁判長及び当事者が証人を尋問するために在席する場所以外の場所にその証人を在席させるものとする。
3
前二項の尋問をする場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の尋問の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
4
第1項又は
第2項の尋問をしたときは、その旨及び証人が出頭した裁判所(当該裁判所が受訴裁判所である場合を除く。)を調書に記載しなければならない。
第124条
【書面尋問・法第二百五条】
1
法第205条(尋問に代わる書面の提出)の規定により証人の尋問に代えて書面の提出をさせる場合には、裁判所は、尋問の申出をした当事者の相手方に対し、当該書面において回答を希望する事項を記載した書面を提出させることができる。
2
裁判長は、証人が尋問に代わる書面の提出をすべき期間を定めることができる。
第125条
【受命裁判官等の権限・法第二百六条】
受命裁判官又は受託裁判官が証人尋問をする場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。
第126条
【対質】
裁判長は、必要があると認めるときは、当事者本人と、他の当事者本人又は証人との対質を命ずることができる。
第127条
【証人尋問の規定の準用・法第二百十条】
前節(証人尋問)の規定は、特別の定めがある場合を除き、当事者本人の尋問について準用する。ただし、
第111条(勾引)、
第120条(後に尋問すべき証人の取扱い)及び
第124条(書面尋問)の規定は、この限りでない。
第128条
【法定代理人の尋問・法第二百十一条】
この規則中当事者本人の尋問に関する規定は、訴訟において当事者を代表する法定代理人について準用する。
第129条
【鑑定事項】
1
鑑定の申出をするときは、同時に、鑑定を求める事項を記載した書面を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2
前項の申出をする当事者は、
同項の書面について直送をしなければならない。
3
相手方は、
第1項の書面について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
4
裁判所は、
第1項の書面に基づき、
前項の意見も考慮して、鑑定事項を定める。この場合においては、鑑定事項を記載した書面を鑑定人に送付しなければならない。
第129条の2
【鑑定のために必要な事項についての協議】
裁判所は、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日において、鑑定事項の内容、鑑定に必要な資料その他鑑定のために必要な事項について、当事者及び鑑定人と協議をすることができる。書面による準備手続においても、同様とする。
第130条
【忌避の申立ての方式・法第二百十四条】
1
鑑定人に対する忌避の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
第131条
【宣誓の方式】
1
宣誓書には、良心に従って誠実に鑑定をすることを誓う旨を記載しなければならない。
2
鑑定人の宣誓は、宣誓書を裁判所に提出する方式によってもさせることができる。この場合における裁判長による宣誓の趣旨の説明及び虚偽鑑定の罰の告知は、これらの事項を記載した書面を鑑定人に送付する方法によって行う。
第132条
【鑑定人の陳述の方式・法第二百十五条】
1
裁判長は、鑑定人に、共同して又は各別に、意見を述べさせることができる。
2
裁判長は、鑑定人に書面で意見を述べさせる場合には、鑑定人の意見を聴いて、当該書面を提出すべき期間を定めることができる。
第132条の2
【鑑定人に更に意見を求める事項・法第二百十五条】
1
法第215条(鑑定人の陳述の方式等)
第2項の申立てをするときは、同時に、鑑定人に更に意見を求める事項を記載した書面を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2
裁判所は、職権で鑑定人に更に意見を述べさせるときは、当事者に対し、あらかじめ、鑑定人に更に意見を求める事項を記載した書面を提出させることができる。
3
前二項の書面を提出する当事者は、これらの書面について直送をしなければならない。
4
相手方は、
第1項又は
第2項の書面について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
5
裁判所は、
第1項又は
第2項の書面の内容及び
前項の意見を考慮して、鑑定人に更に意見を求める事項を定める。この場合においては、当該事項を記載した書面を鑑定人に送付しなければならない。
第132条の3
【質問の順序・法第二百十五条の二】
1
裁判長は、
法第215条の2(鑑定人質問)
第2項及び
第3項の規定によるほか、必要があると認めるときは、いつでも、自ら鑑定人に対し質問をし、又は当事者の質問を許すことができる。
2
陪席裁判官は、裁判長に告げて、鑑定人に対し質問をすることができる。
3
当事者の鑑定人に対する質問は、次の順序による。ただし、当事者双方が鑑定の申出をした場合における当事者の質問の順序は、裁判長が定める。
4
当事者は、裁判長の許可を得て、更に質問をすることができる。
第132条の4
【質問の制限・法第二百十五条の二】
1
鑑定人に対する質問は、鑑定人の意見の内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するために必要な事項について行うものとする。
2
質問は、できる限り、具体的にしなければならない。
3
当事者は、次に掲げる質問をしてはならない。ただし、
第2号及び
第3号に掲げる質問については、正当な理由がある場合は、この限りでない。
4
裁判長は、質問が
前項の規定に違反するものであると認めるときは、申立てにより又は職権で、これを制限することができる。
第132条の5
【映像等の送受信による通話の方法による陳述・法第二百十五条の三】
1
法第215条の3(映像等の送受信による通話の方法による陳述)に規定する方法によって鑑定人に意見を述べさせるときは、当事者の意見を聴いて、当事者を受訴裁判所に出頭させ、鑑定人を当該手続に必要な装置の設置された場所であって裁判所が相当と認める場所に出頭させてこれをする。
2
前項の場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の手続の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
3
第1項の方法によって鑑定人に意見を述べさせたときは、その旨及び鑑定人が出頭した場所を調書に記載しなければならない。
第133条
【鑑定人の発問等】
鑑定人は、鑑定のため必要があるときは、審理に立ち会い、裁判長に証人若しくは当事者本人に対する尋問を求め、又は裁判長の許可を得て、これらの者に対し直接に問いを発することができる。
第133条の2
【異議・法第二百十五条の二】
2
前項の異議に対しては、裁判所は、決定で、直ちに裁判をしなければならない。
第134条
【証人尋問の規定の準用・法第二百十六条】
第108条(呼出状の記載事項等)の規定は鑑定人の呼出状について、
第110条(不出頭の届出)の規定は鑑定人に期日に出頭することができない事由が生じた場合について、
第112条(宣誓)
第2項、
第3項及び
第5項の規定は鑑定人に宣誓をさせる場合について、
第116条(文書等の質問への利用)、
第118条(対質)、
第119条(文字の筆記等)、
第121条(傍聴人の退廷)及び
第122条(書面による質問又は回答の朗読)の規定は鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合について、
第125条(受命裁判官等の権限)の規定は受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合について準用する。
第135条
【鑑定証人・法第二百十七条】
鑑定証人の尋問については、証人尋問に関する規定を適用する。
第136条
【鑑定の嘱託への準用・法第二百十八条】
この節の規定は、宣誓に関する規定を除き、鑑定の嘱託について準用する。
第137条
【書証の申出等・法第二百十九条】
1
文書を提出して書証の申出をするときは、当該申出をする時までに、その写し二通(当該文書を送付すべき相手方の数が二以上であるときは、その数に一を加えた通数)を提出するとともに、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目、作成者及び立証趣旨を明らかにした証拠説明書二通(当該書面を送付すべき相手方の数が二以上であるときは、その数に一を加えた通数)を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2
前項の申出をする当事者は、相手方に送付すべき文書の写し及びその文書に係る証拠説明書について直送をすることができる。
第138条
【訳文の添付等】
1
外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは、取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。この場合において、
前条(書証の申出等)
第2項の規定による直送をするときは、同時に、その訳文についても直送をしなければならない。
2
相手方は、
前項の訳文の正確性について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
第139条
【書証の写しの提出期間・法第百六十二条】
法第162条(準備書面等の提出期間)の規定により、裁判長が特定の事項に関する書証の申出(文書を提出してするものに限る。)をすべき期間を定めたときは、当事者は、その期間が満了する前に、書証の写しを提出しなければならない。
第140条
【文書提出命令の申立ての方式等・法第二百二十一条等】
1
文書提出命令の申立ては、書面でしなければならない。
2
相手方は、
前項の申立てについて意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
第141条
【提示文書の保管・法第二百二十三条】
裁判所は、必要があると認めるときは、
法第223条(文書提出命令等)
第6項前段の規定により提示された文書を一時保管することができる。
第142条
【受命裁判官等の証拠調べの調書】
1
受命裁判官又は受託裁判官に文書の証拠調べをさせる場合には、裁判所は、当該証拠調べについての調書に記載すべき事項を定めることができる。
2
受命裁判官又は受託裁判官の所属する裁判所の裁判所書記官は、
前項の調書に
同項の文書の写しを添付することができる。
第143条
【文書の提出等の方法】
1
文書の提出又は送付は、原本、正本又は認証のある謄本でしなければならない。
2
裁判所は、
前項の規定にかかわらず、原本の提出を命じ、又は送付をさせることができる。
第144条
【録音テープ等の反訳文書の書証の申出があった場合の取扱い】
録音テープ等を反訳した文書を提出して書証の申出をした当事者は、相手方がその録音テープ等の複製物の交付を求めたときは、相手方にこれを交付しなければならない。
第145条
【文書の成立を否認する場合における理由の明示】
文書の成立を否認するときは、その理由を明らかにしなければならない。
第146条
【筆跡等の対照の用に供すべき文書等に係る調書等・法第二百二十九条】
1
法第229条(筆跡等の対照による証明)
第1項に規定する筆跡又は印影の対照の用に供した書類の原本、謄本又は抄本は、調書に添付しなければならない。
第147条
【文書に準ずる物件への準用・法第二百三十一条】
第137条から
前条まで(書証の申出等、訳文の添付等、書証の写しの提出期間、文書提出命令の申立ての方式等、提示文書の保管、受命裁判官等の証拠調べの調書、文書の提出等の方法、録音テープ等の反訳文書の書証の申出があった場合の取扱い、文書の成立を否認する場合における理由の明示及び筆跡等の対照の用に供すべき文書等に係る調書等)の規定は、特別の定めがある場合を除き、
法第231条(文書に準ずる物件への準用)に規定する物件について準用する。
第148条
【写真等の証拠説明書の記載事項】
写真又は録音テープ等の証拠調べの申出をするときは、その証拠説明書において、撮影、録音、録画等の対象並びにその日時及び場所をも明らかにしなければならない。
第149条
【録音テープ等の内容を説明した書面の提出等】
1
録音テープ等の証拠調べの申出をした当事者は、裁判所又は相手方の求めがあるときは、当該録音テープ等の内容を説明した書面(当該録音テープ等を反訳した書面を含む。)を提出しなければならない。
2
前項の当事者は、
同項の書面について直送をしなければならない。
3
相手方は、
第1項の書面における説明の内容について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
第150条
【検証の申出の方式】
検証の申出は、検証の目的を表示してしなければならない。
第151条
【検証の目的の提示等・法第二百三十二条】
第141条(提示文書の保管)の規定は、検証の目的の提示について、
第142条(受命裁判官等の証拠調べの調書)の規定は、提示又は送付に係る検証の目的の検証を受命裁判官又は受託裁判官にさせる場合における調書について準用する。
第152条
【証拠保全の手続における証拠調べ・法第二百三十四条】
証拠保全の手続における証拠調べについては、この章の規定を適用する。
第153条
【証拠保全の申立ての方式・法第二百三十五条】
1
証拠保全の申立ては、書面でしなければならない。
2
前項の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
第154条
【証拠保全の記録の送付】
証拠保全のための証拠調べが行われた場合には、その証拠調べを行った裁判所の裁判所書記官は、本案の訴訟記録の存する裁判所の裁判所書記官に対し、証拠調べに関する記録を送付しなければならない。
第155条
【言渡しの方式・法第二百五十二条等】
2
裁判長は、相当と認めるときは、判決の理由を朗読し、又は口頭でその要領を告げることができる。
3
前二項の規定にかかわらず、
法第254条(言渡しの方式の特則)
第1項の規定による判決の言渡しは、裁判長が主文及び理由の要旨を告げてする。
第156条
【言渡期日の通知・法第二百五十一条】
判決の言渡期日の日時は、あらかじめ、裁判所書記官が当事者に通知するものとする。ただし、その日時を期日において告知した場合又はその不備を補正することができない不適法な訴えを口頭弁論を経ないで却下する場合は、この限りでない。
第157条
【判決書・法第二百五十三条】
1
判決書には、判決をした裁判官が署名押印しなければならない。
2
合議体の裁判官が判決書に署名押印することに支障があるときは、他の裁判官が判決書にその事由を付記して署名押印しなければならない。
第158条
【裁判所書記官への交付等】
判決書は、言渡し後遅滞なく、裁判所書記官に交付し、裁判所書記官は、これに言渡し及び交付の日を付記して押印しなければならない。
第159条
【判決書等の送達・法第二百五十五条】
1
判決書又は
法第254条(言渡しの方式の特則)
第2項(
法第374条(判決の言渡し)
第2項において準用する場合を含む。)の調書(以下「判決書に代わる調書」という。)の送達は、裁判所書記官が判決書の交付を受けた日又は判決言渡しの日から二週間以内にしなければならない。
2
判決書に代わる調書の送達は、その正本によってすることができる。
第160条
【更正決定等の方式・法第二百五十七条等】
1
更正決定は、判決書の原本及び正本に付記しなければならない。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、判決書の原本及び正本への付記に代えて、決定書を作成し、その正本を当事者に送達することができる。
第161条
【法第二百五十八条第二項の申立ての方式】
訴訟費用の負担の裁判を脱漏した場合における訴訟費用の負担の裁判を求める申立ては、書面でしなければならない。
第162条
【訴えの取下げがあった場合の取扱い・法第二百六十一条】
1
訴えの取下げの書面の送達は、取下げをした者から提出された副本によってする。
2
訴えの取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、訴えの取下げがあった旨を相手方に通知しなければならない。
第163条
【和解条項案の書面による受諾・法第二百六十四条】
1
法第264条(和解条項案の書面による受諾)の規定に基づき裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官(以下この章において「裁判所等」という。)が和解条項案を提示するときは、書面に記載してしなければならない。この書面には、
同条に規定する効果を付記するものとする。
2
前項の場合において、和解条項案を受諾する旨の書面の提出があったときは、裁判所等は、その書面を提出した当事者の真意を確認しなければならない。
3
法第264条の規定により当事者間に和解が調ったものとみなされたときは、裁判所書記官は、当該和解を調書に記載しなければならない。この場合において、裁判所書記官は、和解条項案を受諾する旨の書面を提出した当事者に対し、遅滞なく、和解が調ったものとみなされた旨を通知しなければならない。
第164条
【裁判所等が定める和解条項・法第二百六十五条】
1
裁判所等は、
法第265条(裁判所等が定める和解条項)
第1項の規定により和解条項を定めようとするときは、当事者の意見を聴かなければならない。
2
法第265条第5項の規定により当事者間に和解が調ったものとみなされたときは、裁判所書記官は、当該和解を調書に記載しなければならない。
3
前項に規定する場合において、和解条項の定めを期日における告知以外の方法による告知によってしたときは、裁判所等は、裁判所書記官に調書を作成させるものとする。この場合においては、告知がされた旨及び告知の方法をも調書に記載しなければならない。
第166条
【連絡を担当する訴訟代理人の届出】
大規模訴訟において当事者の一方につき訴訟代理人が数人あるときは、訴訟代理人は、その中から連絡を担当する者を選任し、その旨を裁判所に書面で届け出ることができる。
第168条
【反訴の提起に基づく移送による記録の送付・法第二百七十四条】
第9条(移送による記録の送付)の規定は、
法第274条(反訴の提起に基づく移送)
第1項の規定による移送の裁判が確定した場合について準用する。
第169条
【訴え提起前の和解の調書・法第二百七十五条】
訴え提起前の和解が調ったときは、裁判所書記官は、これを調書に記載しなければならない。
第170条
【証人等の陳述の調書記載の省略等】
1
簡易裁判所における口頭弁論の調書については、裁判官の許可を得て、証人等の陳述又は検証の結果の記載を省略することができる。この場合において、当事者は、裁判官が許可をする際に、意見を述べることができる。
2
前項の規定により調書の記載を省略する場合において、裁判官の命令又は当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当事者の裁判上の利用に供するため、録音テープ等に証人等の陳述又は検証の結果を記録しなければならない。この場合において、当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当該録音テープ等の複製を許さなければならない。
第171条
【書面尋問・法第二百七十八条】
第124条(書面尋問)の規定は、
法第278条(尋問等に代わる書面の提出)の規定により証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代えて書面の提出をさせる場合について準用する。
第172条
【司法委員の発問】
裁判官は、必要があると認めるときは、司法委員が証人等に対し直接に問いを発することを許すことができる。
第173条
【控訴権の放棄・法第二百八十四条】
1
控訴をする権利の放棄は、控訴の提起前にあっては第一審裁判所、控訴の提起後にあっては訴訟記録の存する裁判所に対する申述によってしなければならない。
2
控訴の提起後における
前項の申述は、控訴の取下げとともにしなければならない。
3
第1項の申述があったときは、裁判所書記官は、その旨を相手方に通知しなければならない。
第174条
【控訴提起による記録の送付】
控訴の提起があったときは、第一審裁判所による控訴却下の決定があった場合を除き、第一審裁判所の裁判所書記官は、遅滞なく、控訴裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第175条
【攻撃防御方法を記載した控訴状】
攻撃又は防御の方法を記載した控訴状は、準備書面を兼ねるものとする。
第176条
【控訴状却下命令に対する即時抗告・法第二百八十八条等】
第57条(訴状却下命令に対する即時抗告)の規定は、控訴状却下の命令に対し即時抗告をする場合について準用する。
第177条
【控訴の取下げ・法第二百九十二条】
1
控訴の取下げは、訴訟記録の存する裁判所にしなければならない。
2
控訴の取下げがあったときは、裁判所書記官は、その旨を相手方に通知しなければならない。
第179条
【第一審の訴訟手続の規定の準用・法第二百九十七条】
前編(第一審の訴訟手続)
第1章から
第6章まで(訴え、口頭弁論及びその準備、証拠、判決、裁判によらない訴訟の完結並びに大規模訴訟に関する特則)の規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。
第180条
【法第百六十七条の規定による説明等の規定の準用・法第二百九十八条】
第181条
【攻撃防御方法の提出等の期間・法第三百一条】
第182条
【第一審判決の取消し事由等を記載した書面】
控訴状に第一審判決の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、控訴人は、控訴の提起後五十日以内に、これらを記載した書面を控訴裁判所に提出しなければならない。
第183条
【反論書】
裁判長は、被控訴人に対し、相当の期間を定めて、控訴人が主張する第一審判決の取消し又は変更を求める事由に対する被控訴人の主張を記載した書面の提出を命ずることができる。
第184条
【第一審の判決書等の引用】
控訴審の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載は、第一審の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。
第185条
【第一審裁判所への記録の送付】
控訴審において訴訟が完結したときは、控訴裁判所の裁判所書記官は、第
①
審裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第186条
【控訴の規定の準用・法第三百十三条】
前章(控訴)の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。
第187条
【上告提起の場合における費用の予納】
上告を提起するときは、上告状の送達に必要な費用のほか、上告提起通知書、上告理由書及び裁判書の送達並びに上告裁判所が訴訟記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
第188条
【上告提起と上告受理申立てを一通の書面でする場合の取扱い】
上告の提起と上告受理の申立てを一通の書面でするときは、その書面が上告状と上告受理申立書を兼ねるものであることを明らかにしなければならない。この場合において、上告の理由及び上告受理の申立ての理由をその書面に記載するときは、これらを区別して記載しなければならない。
第189条
【上告提起通知書の送達等】
1
上告の提起があった場合においては、上告状却下の命令又は
法第316条(原裁判所による上告の却下)
第1項第1号の規定による上告却下の決定があったときを除き、当事者に上告提起通知書を送達しなければならない。
2
前項の規定により被上告人に上告提起通知書を送達するときは、同時に、上告状を送達しなければならない。
3
原裁判所の判決書又は判決書に代わる調書の送達前に上告の提起があったときは、
第1項の規定による上告提起通知書の送達は、判決書又は判決書に代わる調書とともにしなければならない。
第190条
【法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式・法第三百十五条】
1
判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とする上告の場合における上告の理由の記載は、憲法の条項を掲記し、憲法に違反する事由を示してしなければならない。この場合において、その事由が訴訟手続に関するものであるときは、憲法に違反する事実を掲記しなければならない。
2
法第312条(上告の理由)
第2項各号に掲げる事由があることを理由とする上告の場合における上告の理由の記載は、その条項及びこれに該当する事実を示してしなければならない。
第191条
【法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式・法第三百十五条】
1
判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とする上告の場合における上告の理由の記載は、法令及びこれに違反する事由を示してしなければならない。
2
前項の規定により法令を示すには、その法令の条項又は内容(成文法以外の法令については、その趣旨)を掲記しなければならない。
3
第1項の規定により法令に違反する事由を示す場合において、その法令が訴訟手続に関するものであるときは、これに違反する事実を掲記しなければならない。
第192条
【判例の摘示】
前二条(
法第312条第1項及び
第2項の上告理由の記載の方式並びに
法第312条第3項の上告理由の記載の方式)に規定する上告において、判決が最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断をしたことを主張するときは、その判例を具体的に示さなければならない。
第194条
【上告理由書の提出期間・法第三百十五条】
上告理由書の提出の期間は、上告人が
第189条(上告提起通知書の送達等)
第1項の規定による上告提起通知書の送達を受けた日から五十日とする。
第195条
【上告理由を記載した書面の通数】
上告の理由を記載した書面には、上告裁判所が最高裁判所であるときは被上告人の数に六を加えた数の副本、上告裁判所が高等裁判所であるときは被上告人の数に
第196条
【補正命令・法第三百十六条】
1
上告状又は
第194条(上告理由書の提出期間)の期間内に提出した上告理由書における上告のすべての理由の記載が
第190条(
法第312条第1項及び
第2項の上告理由の記載の方式)又は
第191条(
法第312条第3項の上告理由の記載の方式)の規定に違反することが明らかなときは、原裁判所は、決定で、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
2
法第316条(原裁判所による上告の却下)
第1項第2号の規定による上告却下の決定(上告の理由の記載が
法第315条(上告の理由の記載)
第2項の規定に違反していることが明らかであることを理由とするものに限る。)は、
前項の規定により定めた期間内に上告人が不備の補正をしないときにするものとする。
第197条
【上告裁判所への事件送付】
1
原裁判所は、上告状却下の命令又は上告却下の決定があった場合を除き、事件を上告裁判所に送付しなければならない。この場合において、原裁判所は、上告人が上告の理由中に示した訴訟手続に関する事実の有無について意見を付することができる。
2
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、上告裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付してしなければならない。
3
上告裁判所の裁判所書記官は、
前項の規定による訴訟記録の送付を受けたときは、速やかに、その旨を当事者に通知しなければならない。
第198条
【上告理由書の送達】
上告裁判所が原裁判所から事件の送付を受けた場合において、
法第317条(上告裁判所による上告の却下等)
第1項の規定による上告却下の決定又は
同条第2項の規定による上告棄却の決定をしないときは、被上告人に上告理由書の副本を送達しなければならない。ただし、上告裁判所が口頭弁論を経ないで審理及び裁判をする場合において、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
第199条
【上告受理の申立て・法第三百十八条】
1
上告受理の申立ての理由の記載は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断があることその他の法令の解釈に関する重要な事項を含むことを示してしなければならない。この場合においては、
第191条(
法第312条第3項の上告理由の記載の方式)
第2項及び
第3項の規定を準用する。
第200条
【上告受理の決定・法第三百十八条】
最高裁判所は、上告審として事件を受理する決定をするときは、当該決定において、上告受理の申立ての理由中
法第318条(上告受理の申立て)
第3項の規定により排除するものを明らかにしなければならない。
第201条
【答弁書提出命令】
上告裁判所又は上告受理の申立てがあった場合における最高裁判所の裁判長は、相当の期間を定めて、答弁書を提出すべきことを被上告人又は相手方に命ずることができる。
第202条
【差戻し等の判決があった場合の記録の送付・法第三百二十五条】
差戻し又は移送の判決があったときは、上告裁判所の裁判所書記官は、差戻し又は移送を受けた裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第203条
【最高裁判所への移送・法第三百二十四条】
法第324条(最高裁判所への移送)の規定により、上告裁判所である高等裁判所が事件を最高裁判所に移送する場合は、憲法その他の法令の解釈について、その高等裁判所の意見が最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反するときとする。
第204条
【特別上告・法第三百二十七条等】
法第327条(特別上告)
第1項(
法第380条(異議後の判決に対する不服申立て)
第2項において準用する場合を含む。)の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
第205条
【控訴又は上告の規定の準用・法第三百三十一条】
抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、
第1章(控訴)の規定を準用する。ただし、
法第330条(再抗告)の抗告及びこれに関する訴訟手続には、
前章(上告)の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
第206条
【抗告裁判所への事件送付】
抗告を理由がないと認めるときは、原裁判所は、意見を付して事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
第207条
【原裁判の取消し事由等を記載した書面】
法第330条(再抗告)の抗告以外の抗告をする場合において、抗告状に原裁判の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、抗告人は、抗告の提起後十四日以内に、これらを記載した書面を原裁判所に提出しなければならない。
第210条
【再抗告等の抗告理由書の提出期間】
2
前項の規定は、
法第337条(許可抗告)
第2項の申立てに係る理由書の提出の期間について準用する。この場合において、
前項中「抗告提起通知書」とあるのは、「抗告許可申立て通知書」と読み替えるものとする。
第211条
【再審の訴訟手続・法第三百四十一条】
1
再審の訴状には、不服の申立てに係る判決の写しを添付しなければならない。
2
前項に規定するほか、再審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、各審級における訴訟手続に関する規定を準用する。
第212条
【決定又は命令に対する再審・法第三百四十九条】
前条(再審の訴訟手続)の規定は、
法第349条(決定又は命令に対する再審)
第1項の再審の申立てについて準用する。
第213条
【最初の口頭弁論期日の指定等】
1
手形訴訟による訴えが提起されたときは、裁判長は、直ちに、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。
2
当事者に対する
前項の期日の呼出状には、期日前にあらかじめ主張、証拠の申出及び証拠調べに必要な準備をすべき旨を記載しなければならない。
3
被告に対する呼出状には、
前項に規定する事項のほか、裁判長の定める期間内に答弁書を提出すべき旨及び
法第354条(口頭弁論の終結)の規定の趣旨を記載しなければならない。
第214条
【一期日審理の原則】
手形訴訟においては、やむを得ない事由がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。
第215条
【期日の変更又は弁論の続行】
口頭弁論の期日を変更し、又は弁論を続行するときは、次の期日は、やむを得ない事由がある場合を除き、前の期日から十五日以内の日に指定しなければならない。
第216条
【手形判決の表示】
手形訴訟の判決書又は判決書に代わる調書には、手形判決と表示しなければならない。
第217条
【異議申立ての方式等・法第三百五十七条】
2
裁判所は、
前項の書面を相手方に送付しなければならない。
第218条
【異議申立権の放棄及び異議の取下げ・法第三百五十八条等】
1
異議を申し立てる権利の放棄は、裁判所に対する申述によってしなければならない。
2
前項の申述があったときは、裁判所書記官は、その旨を相手方に通知しなければならない。
3
第162条(訴えの取下げがあった場合の取扱い)
第1項の規定は、異議の取下げの書面の送達について準用する。
第219条
【手形訴訟の判決書等の引用】
異議後の訴訟の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載は、手形訴訟の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。
第220条
【督促手続から手形訴訟への移行・法第三百六十六条】
1
手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述をして支払督促の申立てをするときは、同時に、手形の写し二通(債務者の数が二以上であるときは、その数に一を加えた通数)を提出しなければならない。
2
前項の規定により提出された手形の写しは、債務者に送達すべき支払督促に添付しなければならない。
3
第1項に規定する場合には、支払督促に
同項の申述があった旨を付記しなければならない。
第222条
【手続の教示】
1
裁判所書記官は、当事者に対し、少額訴訟における最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しの際に、少額訴訟による審理及び裁判の手続の内容を説明した書面を交付しなければならない。
2
裁判官は、
前項の期日の冒頭において、当事者に対し、次に掲げる事項を説明しなければならない。
①
証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができること。
②
被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができるが、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでないこと。
③
少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は判決書に代わる調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができること。
第223条
【少額訴訟を求め得る回数・法第三百六十八条】
法第368条(少額訴訟の要件等)
第1項ただし書の最高裁判所規則で定める回数は、十回とする。
第224条
【当事者本人の出頭命令】
裁判所は、訴訟代理人が選任されている場合であっても、当事者本人又はその法定代理人の出頭を命ずることができる。
第225条
【証人尋問の申出】
証人尋問の申出をするときは、尋問事項書を提出することを要しない。
第226条
【音声の送受信による通話の方法による証人尋問・法第三百七十二条】
1
裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法による証人尋問は、当事者の申出があるときにすることができる。
2
前項の申出は、通話先の電話番号及びその場所を明らかにしてしなければならない。
3
裁判所は、
前項の場所が相当でないと認めるときは、
第1項の申出をした当事者に対し、その変更を命ずることができる。
4
第1項の尋問をする場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の尋問の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
5
第1項の尋問をしたときは、その旨、通話先の電話番号及びその場所を調書に記載しなければならない。
第227条
【証人等の陳述の調書記載等】
1
調書には、証人等の陳述を記載することを要しない。
2
証人の尋問前又は鑑定人の口頭による意見の陳述前に裁判官の命令又は当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当事者の裁判上の利用に供するため、録音テープ等に証人又は鑑定人の陳述を記録しなければならない。この場合において、当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当該録音テープ等の複製を許さなければならない。
第228条
【通常の手続への移行・法第三百七十三条】
1
被告の通常の手続に移行させる旨の申述は、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2
前項の申述があったときは、裁判所書記官は、速やかに、その申述により訴訟が通常の手続に移行した旨を原告に通知しなければならない。ただし、その申述が原告の出頭した期日においてされたときは、この限りでない。
3
裁判所が訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしたときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を当事者に通知しなければならない。
第229条
【判決・法第三百七十四条】
1
少額訴訟の判決書又は判決書に代わる調書には、少額訴訟判決と表示しなければならない。
2
第155条(言渡しの方式)
第3項の規定は、少額訴訟における原本に基づかないでする判決の言渡しをする場合について準用する。
第230条
【異議申立ての方式等・法第三百七十八条】
第217条(異議申立ての方式等)及び
第218条(異議申立権の放棄及び異議の取下げ)の規定は、少額訴訟の終局判決に対する異議について準用する。
第231条
【異議後の訴訟の判決書等】
1
異議後の訴訟の判決書又は判決書に代わる調書には、少額異議判決と表示しなければならない。
2
第219条(手形訴訟の判決書等の引用)の規定は、異議後の訴訟の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載について準用する。
第232条
【訴えに関する規定の準用・法第三百八十四条】
支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。
第233条
【支払督促の原本・法第三百八十七条】
支払督促の原本には、これを発した裁判所書記官が記名押印しなければならない。
第234条
【支払督促の送達等・法第三百八十八条】
1
支払督促の債務者に対する送達は、その正本によってする。
2
裁判所書記官は、支払督促を発したときは、その旨を債権者に通知しなければならない。
第235条
【仮執行の宣言の申立て等・法第三百九十一条】
1
仮執行の宣言の申立ては、手続の費用額を明らかにしてしなければならない。
2
法第391条(仮執行の宣言)
第2項ただし書に規定する債権者の同意は、仮執行宣言の申立ての時にするものとする。
第236条
【仮執行の宣言の方式等・法第三百九十一条】
1
仮執行の宣言は、支払督促の原本に記載しなければならない。
2
第234条(支払督促の送達等)
第1項の規定は、仮執行の宣言が記載された支払督促の当事者に対する送達及び債権者に対する送達に代わる送付について準用する。
第237条
【訴訟への移行による記録の送付・法第三百九十五条】
法第395条(督促異議の申立てによる訴訟への移行)の規定により地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、地方裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第238条
【執行停止の申立ての方式・法第四百三条】
第239条
【特許法第百五十条第六項の規定による嘱託に基づく証拠調べ又は証拠保全】
特許法第150条(証拠調べ及び証拠保全)
第6項(同法及び他の法律において準用する場合を含む。)の規定による嘱託に基づいて地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官が行う証拠調べ又は証拠保全については、この規則中証拠調べ又は証拠保全に関する規定を準用する。ただし、証拠の申出又は証拠保全の申立てに関する規定及び証人の勾引に関する規定については、この限りでない。
附則
第1条
(施行期日)
この規則(以下「新規則」という。)は、法の施行の日から施行する。(施行の日=平成10年1月1日)
第2条
(旧規則の廃止)
民事訴訟規則(以下「旧規則」という。)は、廃止する。
第3条
(経過措置の原則)
新規則の規定は、法の附則及びこの附則に特別の定めがある場合を除き、新規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、旧規則の規定により生じた効力を妨げない。
第4条
(公示送達に関する経過措置)
新規則の施行前にした申立てに係る公示送達については、新規則第四十六条(公示送達の方法)第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第5条
(判決確定証明書に関する経過措置)
新規則の施行前に言渡しがあった第一審の判決の確定についての証明書の交付については、新規則第四十八条(判決確定証明書)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第6条
(証人の陳述等の調書記載に関する経過措置)
1
新規則第六十八条(調書の記載に代わる録音テープ等への記録)(新規則において準用する場合を含む。)の規定は、新規則の施行前にされた証人等の陳述については、適用しない。
2
新規則の施行前にされた証人等の陳述又は検証の結果については、新規則第百七十条(証人等の陳述の調書記載の省略等)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第7条
(準備書面に関する経過措置)
新規則の施行前に提出された準備書面については、新規則第八十三条(準備書面の直送)(新規則において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第8条
(控訴、最高裁判所にする上告及び抗告に関する経過措置)
1
新規則第百八十二条(第一審判決の取消し事由等を記載した書面)の規定は、新規則の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴については、適用しない。
2
新規則の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件及び地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件についての最高裁判所にする上告及びその上告審の訴訟手続については、新規則第百九十二条(判例の摘示)の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、新規則第百五十六条(言渡期日の通知)、第百八十八条(上告提起と上告受理申立てを一通の書面でする場合の取扱い)、第百九十九条(上告受理の申立て)及び第二百条(上告受理の決定)の規定は、適用しない。
3
新規則第二百七条(原裁判の取消し事由等を記載した書面)の規定は、新規則の施行前に告知があった決定又は命令に対する抗告(法第三百三十条(再抗告)の抗告を除く。)については、適用しない。
附則
平成9年7月29日
この規則は、民事訴訟法の施行の日から施行する。(施行の日=平成10年1月1日)
附則
平成13年10月3日
この規則は、民事訴訟法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。(施行の日=平成13年12月1日)
附則
平成15年11月12日
1
この規則は、民事訴訟法等の一部を改正する法律(次項において「法」という。)の施行の日から施行する。(施行の日=平成16年4月1日)
2
この規則による改正後の民事訴訟規則の規定は、法の附則第三条第一項の規定による場合を除き、この規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この規則による改正前の民事訴訟規則の規定により生じた効力を妨げない。
附則
平成15年11月12日
第1条
(施行期日)
この規則は、法の施行の日から施行する。(施行の日=平成16年4月1日)
附則
平成17年1月11日
第1条
(施行期日)
この規則は、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一第一条中民事訴訟規則目次の改正規定(「第二百三十八条」を「第二百三十七条」に改める部分、「第二百三十九条」を「第二百三十八条」に改める部分及び「第二百四十条」を「第二百三十九条」に改める部分を除く。)、同規則第一編第五章第二節の節名の改正規定、同節中第三十四条の二の前に款名を付する改正規定及び同節中第三十四条の十の次に一款を加える改正規定 裁判所法等の一部を改正する法律の施行の日
第2条
(民事訴訟規則の一部改正に伴う経過措置)
第一条の規定による改正後の民事訴訟規則の規定は、この規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、同条の規定による改正前の民事訴訟規則の規定により生じた効力を妨げない。
附則
平成18年2月8日
第1条
(施行期日)
この規則は、会社法の施行の日から施行する。(施行の日=平成18年5月1日)
附則
平成19年12月27日
この規則は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日から施行する。(施行の日=平成20年4月1日)
附則
平成19年12月27日
この規則は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日から施行する。(施行の日=平成20年4月1日)
附則
平成20年6月6日
この規則は、株式会社商工組合中央金庫法の施行の日から施行する。
附則
平成20年10月1日
この規則は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の施行の日から施行する。
附則
平成23年9月27日
この規則は、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。(施行の日=平成24年4月1日)