動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令
平成25年3月27日 改正
第3条
【一般構造及び機能】
動力消防ポンプの一般構造及び機能は、次の各号に適合するものでなければならない。
⑦
ポンプの吸水口又は放水口に使用する結合金具は、消防用ホースに使用する差込式の結合金具の技術上の規格を定める省令又は消防用ホース又は消防用吸管に使用するねじ式の結合金具の技術上の規格を定める省令の規定に適合するものであること。
⑧
ポンプ(ポンプの級別がD—一級及びD—二級のもの並びに大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車及び大容量泡放水砲用可搬消防ポンプ(以下「大容量泡放水砲用動力消防ポンプ」という。)を除く。)の吸水口は、ストレーナを取り付けることができる構造であること。
⑨
可搬消防ポンプ(大容量泡放水砲用可搬消防ポンプを除く。)の乾燥質量(燃料、潤滑油、冷却水、その他の液体をすべて取り除いた場合の総質量をいう。)は、ポンプの級別に応じ、次の表に掲げるとおりとすること。
ポンプの級別 | 乾燥質量(キログラム) |
A—一 A—二 B—一 B—二 | 百五十以下 |
B—三 C—一 C—二 | 百以下 |
D—一 | 二十五以下 |
D—二 | 十五以下 |
第4条
【材料】
動力消防ポンプの部品で次の表の上欄に掲げるものに用いる材料は、それぞれ同表下欄に掲げるもの又はこれらと同等以上の強度及び耐久性(引張強さ、耐力及び伸び)を有するものでなければならない。
部品 | 材料 |
羽根車及び案内羽根 | JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物) JIS H 五一二一(銅合金連続鋳造鋳物) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
ケーシング | JIS G 五五〇一(ねずみ鋳鉄品) JIS G 五五〇二(球状黒鉛鋳鉄品) JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物) JIS H 五一二一(銅合金連続鋳造鋳物) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
ポンプ軸 | JIS G 四〇五一(機械構造用炭素鋼鋼材) JIS G 四〇五二(焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)) JIS G 四〇五三(ニッケルクロム鋼鋼材及びクロムモリブデン鋼鋼材) JIS G 四三〇三(ステンレス鋼棒) |
インデューサー | JIS G 五一二一(ステンレス鋼鋳鋼品) JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物) JIS H 五一二一(銅合金連続鋳造鋳物) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
吸水配管及び放水配管 | JIS G 三四五二(配管用炭素鋼管) JIS G 三四五四(圧力配管用炭素鋼管) JIS G 三四五九(配管用ステンレス鋼管) JIS G 五五〇一(ねずみ鋳鉄品) JIS H 四〇八〇(アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
第6条
【吸水口】
ポンプの吸水口の内径は、ポンプの級別に応じ、それぞれ次の表に掲げるとおりとする。ただし、ポンプの級別がA—一級のポンプのうち、第21条に規定する標準放水試験条件で放水時の圧力を〇・八五メガパスカルとした場合の放水量が三・〇立方メートル毎分以上のものにあつては、この限りでない。
ポンプの級別 | 吸水口の内径(ミリメートル) |
A—一 | 百二十五以下 |
A—二 | 百以下 |
B—一 | 百以下 |
B—二 | 九十以下 |
B—三 | 七十五以下 |
C—一 | 六十五以下 |
C—二 | 六十五以下 |
D—一 | 四十以下 |
D—二 | 四十以下 |
第7条
【表示】
2
前項に定めるほか、動力消防ポンプの操作部分にあつてはその名称及び操作内容を、取扱いが特殊となる部分にあつてはその旨の注意事項をそれぞれ当該部分又はその周辺部分に容易に消えないように表示しなければならない。ただし、当該表示を付さない場合においても使用上支障のない操作部分にあつては、この限りでない。
第8条
【消防ポンプ自動車のポンプ】
消防ポンプ自動車(大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車を除く。以下この章において同じ。)のポンプは、次の各号に適合するものでなければならない。
第9条
【消防ポンプ自動車の機関】
第10条
【配管の色分け】
第13条
【可搬消防ポンプの機関】
第16条
【大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプ】
第21条
【ポンプの放水性能試験】
1
ポンプ(大容量泡放水砲用動力消防ポンプのポンプを除く。以下この章において同じ。)は、別表の上欄に掲げるポンプの級別に応じ、同表の中欄に掲げる規格放水性能及び同表の下欄に掲げる高圧放水性能をそれぞれ満たすものでなければならない。なお、規格放水性能及び高圧放水性能は、それぞれ次の各号に定めるところによるものとする。
①
規格放水性能ポンプの吸水口に標準吸管を接続し、吸水高さを三メートルの状態とした場合(以下「標準放水試験条件」という。)において、ノズル、オリフィス等口径を調整し得られた放水静圧力(以下「放水静圧力」という。)が、別表の中欄に掲げる規格放水性能の規格放水圧力(以下「規格放水圧力」という。)とした場合において、同表の中欄に掲げる規格放水性能の規格放水量を有するものでなければならない。
②
高圧放水性能標準放水試験条件において、放水静圧力を別表の下欄に掲げる高圧放水性能の高圧放水圧力(以下「高圧放水圧力」という。)とした場合において、同表の下欄に掲げる高圧放水性能の高圧放水量を有するものでなければならない。
2
放水静圧力は、ポンプの放水口に整流筒(別図に掲げるものをいう。)を、ポンプの吸水口及び吸管にストレーナをそれぞれ取り付けた状態(ポンプの級別がD—一級及びD—二級のポンプにあつては、吸管にストレーナを取り付けた状態)で測定するものとする。
3
ポンプの効率(第1項の状態において、水動力をポンプの軸動力で除した値をいう。以下この項において同じ。)は、消防ポンプ自動車のポンプにあつては六十五パーセント以上、可搬消防ポンプのポンプにあつては五十五パーセント以上(ポンプの級別がD—一級又はD—二級のポンプにあつては、二十五パーセント以上)とする。ただし、特殊な構造を有するポンプであつて、そのポンプ効率を見やすい箇所に容易に消えないように表示しているものにあつては、この限りでない。
第22条
【連続放水試験】
1
動力消防ポンプ(大容量泡放水砲用動力消防ポンプを除く。以下この章において同じ。)は、規格放水圧力において負荷を最大にした状態で六時間連続して放水運転を行つた後に高圧放水圧力において負荷を最大にした状態又は機関の出力を最大にした状態で二時間連続して放水運転を行つた場合(ポンプの級別がD—一級又はD—二級のポンプにあつては、規格放水圧力において負荷を最大にした状態で八時間連続して放水運転を行つた場合)(以下「連続放水運転」という。)において、次の各号に適合するものでなければならない。
第24条
【腐食試験】
ポンプ、吸水配管、放水配管並びに冷却水及び放水用水等水と接触する部分の材料は、耐食性を有するものでなければならない。ただし、JIS Z 二三七一(塩水噴霧試験方法)に定める方法により、塩水を八時間噴霧した後に十六時間放置することを五回繰り返した後、水で洗浄し二十四時間自然乾燥させた場合において、腐食により機能に異常が生じないものにあつては、この限りではない。
⊟
参照条文
第25条
【真空ポンプの機能試験】
第27条
【機関の連続運転試験】
1
2
前項の場合において、機関に補助冷却器が設けられている場合の冷却水量は、次に掲げる算式により算出された数値以下とする。算式Q=Po×0.55算式の符号Q 冷却水量(単位 リットル毎分)Po 機関の定格出力(単位 キロワット)
⊟
参照条文
第28条
【機関の低温始動試験】
2
前項の場合において、消防ポンプ自動車の機関の装備はJIS D 一〇〇一(自動車用エンジン出力試験方法)の附属装置装備条件Bによるものであり、かつ、当該機関の回転速度はJIS D 一〇二一(自動車始動試験方法)により始動電動機で機関を回転させたときの回転速度の八十五パーセントでなければならない。
⊟
参照条文
第29条
【機関のガバナ作動試験】
機関のガバナは、ポンプを第21条第1項第2号の状態(ポンプの級別がD—一級及びD—二級のポンプにあつては同条第1項第1号の状態)において、スロットルを全開の状態で機関を運転中に当該機関を瞬時に無負荷状態とした場合、次の各号に適合するものでなければならない。
①
機関の回転速度が急上昇した場合、ガバナの作動により当該回転速度が降下し始める瞬間における当該回転速度が、当該機関の定格回転速度の百二十パーセント(ポンプの級別がD—一級及びD—二級のポンプにあつては、百三十パーセント)以内であること。
②
ガバナの作動により機関の回転速度が安定した状態における当該回転速度(以下本号及び次号において「静定回転速度」という。)が、当該機関の定格回転速度の百十パーセント(ポンプの級別がD—一級及びD—二級のポンプにあつては、百二十パーセント)以内であり、かつ、当該機関の静定回転速度の変動幅が当該機関の定格回転速度の十パーセント以内であること。
⊟
参照条文
第31条
【ポンプの放水性能試験】
1
大容量泡放水砲用動力消防ポンプのポンプは、その吸水口に標準大容量吸管を接続し、吸水高さを三メートルにした状態又は水中ポンプを消防用ホースで接続し、ポンプと当該水中ポンプとの高低差を設計された値とした状態で、ノズル、オリフィス等口径を調整し得られた放水静圧力(以下「大容量放水静圧力」という。)が〇・七メガパスカル以上で、かつ、設計された圧力(以下「大容量放水圧力」という。)とした場合において、設計された放水量を有するものでなければならない。
第32条
【連続放水試験】
3
大容量泡放水砲用動力消防ポンプの機関の各気筒圧縮圧力の最大差は、連続大容量放水運転の直後に、始動操作により機関を回転させた場合(ガソリンを燃料とする機関にあつては、スロットルを最大限度の位置にした状態で回転させた場合)において、当該気筒圧縮圧力の平均値の二十パーセント以内でなければならない。
⊟
参照条文
第34条
【真空ポンプの機能試験】
別表
【第十六条関係】
ポンプの級別 | 放水性能 | |||
規格放水性能 | 高圧放水性能 | |||
規格放水圧力(MPa) | 規格放水量(m3/min) | 高圧放水圧力(MPa) | 高圧放水量(m3/min) | |
A—一 | 〇・八五 | 二・八以上 | 一・四(直列並列切換え型のポンプは、一・七) | 二・〇(直列並列切換え型のポンプは、一・四)以上 |
A—二 | 〇・八五 | 二・〇以上 | 一・四(直列並列切換え型のポンプは、一・七) | 一・四(直列並列切換え型のポンプは、一・〇)以上 |
B—一 | 〇・八五 | 一・五以上 | 一・四 | 〇・九以上 |
B—二 | 〇・七 | 一・〇以上 | 一・〇 | 〇・六以上 |
B—三 | 〇・五五 | 〇・五以上 | 〇・八 | 〇・二五以上 |
C—一 | 〇・五 | 〇・三五以上 | 〇・七 | 〇・一八以上 |
C—二 | 〇・四 | 〇・二以上 | 〇・五五 | 〇・一以上 |
D—一 | 〇・三 | 〇・一三以上 | ||
D—二 | 〇・二五 | 〇・〇五以上 |
(略)
附則
平成10年9月28日
第2条
(経過措置)
1
この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請をしている消火器、消火薬剤、閉鎖型スプリンクラーヘッド、消防用ホース、一斉開放弁、泡消火薬剤、感知器及び発信機、流水検知装置、差込式結合金具並びにねじ式結合金具に係る試験については、なお従前の例による。
2
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている消火器に係る型式承認及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた消火器に係る型式承認は、第一条の規定による改正後の消火器の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
3
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている消火薬剤に係る型式承認及び第一項の規格により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた消火薬剤に係る型式承認は、第二条の規定による改正後の消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令の規定による型式承認とみなす。
4
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている閉鎖型スプリンクラーヘッドに係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた閉鎖型スプリンクラーヘッドに係る型式承認は、第三条の規定による改正後の閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
5
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている消防用ホースに係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた消防用ホースに係る型式承認は、第四条の規定による改正後の消防用ホースの技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
6
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている一斉開放弁に係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた一斉開放弁に係る型式承認は、第五条の規定による改正後の一斉開放弁の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
7
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている泡消火薬剤に係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた泡消火薬剤に係る型式承認は、第六条の規定による改正後の泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
8
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている感知器及び発信機に係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた感知器及び発信機に係る型式承認は、第七条の規定による改正後の火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
9
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている流水検知装置に係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた流水検知装置に係る型式承認は、第八条の規定による改正後の流水検知装置の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
10
この省令の施行の際、現に型式承認を受けている差込式結合金具に係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた差込式結合金具に係る型式承認は、第十一条の規定による改正後の消防用ホースに使用する差込式結合金具の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
11
この省令の施行の際、現に型式承認を受けているねじ式結合金具に係る型式承認及び第一項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けたねじ式結合金具に係る型式承認は、第十二条の規定による改正後の消防用ホース又は消防用吸管に使用するねじ式結合金具の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。