• 救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準

救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準

平成23年12月21日 改正
第1章
総則
第1条
【趣旨】
生活保護法(以下「法」という。)第39条第2項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による基準とする。
法第39条第1項の規定により、同条第2項第1号に掲げる事項について都道府県(地方自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第252条の22第1項の中核市(以下「中核市」という。)にあつては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)が条例を定めるに当たつて従うべき基準第5条第6条第11条第19条第25条及び第30条の規定による基準
法第39条第1項の規定により、同条第2項第2号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たつて従うべき基準第10条第3項第1号及び第5項第1号ロ(第10条の2において準ずる場合並びに第18条第3項及び第29条第3項において準用する場合を含む。)、第18条第1項第1号第29条第1項第1号並びに附則第2項第10条第5項第1号ロに係る部分に限る。)の規定による基準
法第39条第1項の規定により、同条第2項第3号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たつて従うべき基準第26条の規定による基準
法第39条第1項の規定により、同条第2項第4号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たつて標準とすべき基準第9条第1項及び第2項第17条第1項第23条第1項第28条第1項並びに附則第2項第9条第1項及び第2項第17条第1項第23条第1項並びに第28条第1項に係る部分に限る。)の規定による基準
法第39条第1項の規定により、同条第2項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たつて参酌すべき基準 この省令に定める基準のうち、前各号に定める規定による基準以外のもの
第2条
【基本方針】
救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設(以下「救護施設等」という。)は、利用者に対し、健全な環境のもとで、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇を行なうよう努めなければならない。
第3条
【構造設備の一般原則】
救護施設等の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等利用者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
第4条
【設備の専用】
救護施設等の設備は、もつぱら当該施設の用に供するものでなければならない。ただし、利用者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。
第5条
【職員の資格要件】
救護施設等の長(以下「施設長」という。)は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に二年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
生活指導員は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
参照条文
第6条
【職員の専従】
救護施設等の職員は、もつぱら当該施設の職務に従事することができる者をもつて充てなければならない。ただし、利用者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。
参照条文
第6条の2
【苦情への対応】
救護施設等は、その行つた処遇に関する入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
救護施設等は、その行つた処遇に関し、生活保護法第19条第4項に規定する保護の実施機関から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従つて必要な改善を行わなければならない。
救護施設等は、社会福祉法第83条に規定する運営適正化委員会が行う同法第85条第1項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
第7条
【非常災害対策】
救護施設等は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立てておかなければならない。
救護施設等は、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行なわなければならない。
第8条
【帳簿の整備】
救護施設等は、設備、職員、会計及び利用者の処遇の状況に関する帳簿を整備しておかなければならない。
第2章
救護施設
第9条
【規模】
救護施設は、三十人以上の人員を入所させることができる規模を有しなければならない。
救護施設は、当該施設と一体的に管理運営を行う、日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行うことを目的とする施設であつて入所者が二十人以下のもの(以下この章において「サテライト型施設」という。)を設置する場合は、五人以上の人員を入所させることができる規模を有するものとしなければならない。
救護施設は、被保護者の数が当該施設における入所者の総数のうちに占める割合がおおむね八十パーセント以上としなければならない。
第10条
【設備の基準】
救護施設の建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。次項第18条第3項において準用する場合を含む。)において同じ。)又は準耐火建築物(同法第2条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。次項第18条第3項において準用する場合を含む。)において同じ。)でなければならない。
前項の規定にかかわらず、都道府県知事(指定都市及び中核市にあつては、指定都市又は中核市の市長。第18条第3項において準用する場合において同じ。)が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての救護施設の建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。
スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。
非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。
避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。
救護施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
居室
静養室
食堂
集会室
浴室
洗面所
便所
医務室
調理室
事務室
宿直室
介護職員室
面接室
洗濯室又は洗濯場
汚物処理室
霊安室
前項第1号に掲げる居室については、一般居室のほか、必要に応じ、常時の介護を必要とする者を入所させる居室(以下「特別居室」という。)を設けるものとする。
第3項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
居室
地階に設けてはならないこと。
入所者一人当たりの床面積は、収納設備等を除き、三・三平方メートル以上とすること。
一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。
入所者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。
特別居室は、原則として一階に設け、寝台又はこれに代わる設備を備えること。
静養室
医務室又は介護職員室に近接して設けること。
イに定めるもののほか、前号イ及びハからホまでに定めるところによること。
洗面所居室のある階ごとに設けること。
便所居室のある階ごとに男子用と女子用を別に設けること。
医務室入所者を診療するために必要な医薬品、衛生材料及び医療機械器具を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。
調理室火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。
介護職員室居室のある階ごとに居室に近接して設けること。
前各項に規定するもののほか、救護施設の設備の基準は、次に定めるところによる。
廊下の幅は、一・三五メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、一・八メートル以上とすること。
廊下、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。
階段の傾斜は、ゆるやかにすること。
第10条の2
【サテライト型施設の設備の基準】
サテライト型施設の設備の基準は、前条に規定する基準に準ずる。
参照条文
第11条
【職員の配置の基準】
救護施設には、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する救護施設にあつては、第7号に掲げる職員を置かないことができる。
施設長
医師
生活指導員
介護職員
看護師又は准看護師
栄養士
調理員
生活指導員、介護職員及び看護師又は准看護師の総数は、通じておおむね入所者の数を五・四で除して得た数以上とする。
参照条文
第12条
【居室の入所人員】
一の居室に入所させる人員は、原則として四人以下とする。
参照条文
第13条
【給食】
給食は、あらかじめ作成された献立に従つて行うこととし、その献立は栄養並びに入所者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。
第14条
【健康管理】
入所者については、その入所時及び毎年定期に二回以上健康診断を行なわなければならない。
第15条
【衛生管理等】
救護施設は、入所者の使用する設備、食器等又は飲用に供する水については、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品、衛生材料及び医療機械器具の管理を適正に行わなければならない。
救護施設は、当該救護施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
参照条文
第16条
【生活指導等】
救護施設は、入所者に対し、生活の向上及び更生のための指導を受ける機会を与えなければならない。
救護施設は、入所者に対し、その精神的及び身体的条件に応じ、機能を回復し又は機能の減退を防止するための訓練又は作業に参加する機会を与えなければならない。
入所者の日常生活に充てられる場所は、必要に応じ、採暖のための措置を講じなければならない。
一週間に二回以上、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。
教養娯楽設備等を備えるほか、適宜レクリエーシヨン行事を行なわなければならない。
参照条文
第16条の2
【給付金として支払を受けた金銭の管理】
救護施設は、当該救護施設の設置者が入所者に係る厚生労働大臣が定める給付金(以下この条において「給付金」という。)の支給を受けたときは、給付金として支払を受けた金銭を次に掲げるところにより管理しなければならない。
当該入所者に係る当該金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「入所者に係る金銭」という。)をその他の財産と区分すること。
入所者に係る金銭を給付金の支給の趣旨に従つて用いること。
入所者に係る金銭の収支の状況を明らかにする帳簿を整備すること。
当該入所者が退所した場合には、速やかに、入所者に係る金銭を当該入所者に取得させること。
参照条文
第3章
更生施設
第17条
【規模】
更生施設は、三十人以上の人員を入所させることができる規模を有しなければならない。
更生施設は、被保護者の数が当該施設における入所者の総数のうちに占める割合がおおむね八十パーセント以上としなければならない。
参照条文
第18条
【設備の基準】
更生施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
居室
静養室
集会室
食堂
浴室
洗面所
便所
医務室
作業室又は作業場
調理室
事務室
宿直室
面接室
洗濯室又は洗濯場
前項第9号に掲げる作業室又は作業場には、作業に従事する者の安全を確保するための設備を設けなければならない。
前二項に規定するもののほか、更生施設の設備の基準については、第10条第1項第2項第5項第1号(ホを除く。)及び第2号から第6号まで並びに第6項の規定を準用する。
参照条文
第19条
【職員の配置の基準】
更生施設には、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する更生施設にあつては、第7号に掲げる職員を置かないことができる。
施設長
医師
生活指導員
作業指導員
看護師又は准看護師
栄養士
調理員
生活指導員、作業指導員及び看護師又は准看護師の総数は、入所人員が百五十人以下の施設にあつては六人以上、入所人員が百五十人を超える施設にあつては六人に百五十人を超える部分四十人につき一人を加えた数以上とする。
参照条文
第20条
【生活指導等】
更生施設は、入所者の勤労意欲を助長するとともに、入所者が退所後健全な社会生活を営むことができるよう入所者各人の精神及び身体の条件に適合する更生計画を作成し、これに基づく指導をしなければならない。
前項に定めるもののほか、生活指導等については、第16条第2項を除く。)の規定を準用する。
参照条文
第21条
【作業指導】
更生施設は、入所者に対し、前条第1項の更生計画に従つて、入所者が退所後自立するのに必要な程度の技能を修得させなければならない。
作業指導の種目を決定するに当たつては、地域の実情及び入所者の職歴を考慮しなければならない。
第22条
【準用】
第12条から第15条まで及び第16条の2の規定は、更生施設について準用する。
第4章
授産施設
第23条
【規模】
授産施設は、二十人以上の人員を利用させることができる規模を有しなければならない。
授産施設は、被保護者の数が当該施設における利用者の総数のうちに占める割合がおおむね五十パーセント以上としなければならない。
参照条文
第24条
【設備の基準】
授産施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、利用者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
作業室
作業設備
食堂
洗面所
便所
事務室
第1項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
作業室
必要に応じて危害防止設備を設け、又は保護具を備えること。
一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。
便所男子用と女子用を別に設けること。
第25条
【職員の配置の基準】
授産施設には、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。
施設長
作業指導員
第26条
【工賃の支払】
授産施設の利用者には、事業収入の額から、事業に必要な経費の額を控除した額に相当する額の工賃を支払わなければならない。
参照条文
第27条
【自立指導】
授産施設は、利用者に対し、作業を通じて自立のために必要な指導を行なわなければならない。
第27条の2
第15条の規定(医薬品、衛生材料及び医療機械器具の管理に係る部分を除く。)は、授産施設について準用する。
第5章
宿所提供施設
第28条
【規模】
宿所提供施設は、三十人以上の人員を利用させることができる規模を有しなければならない。
宿所提供施設は、被保護者の数が当該施設における入所者の総数のうちに占める割合がおおむね五十パーセント以上としなければならない。
参照条文
第29条
【設備の基準】
宿所提供施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
居室
炊事設備
便所
面接室
事務室
前項第2号に掲げる炊事設備の火器を使用する部分は、不燃材料を用いなければならない。
前二項に規定するもののほか、宿所提供施設の設備の基準については、第10条第5項第1号(ホを除く。)並びに第6項第1号及び第2号の規定を準用する。
参照条文
第30条
【職員の配置の基準】
宿所提供施設には、施設長を置かなければならない。
参照条文
第31条
【居室の利用世帯】
一の居室は、やむを得ない理由がある場合を除き、二以上の世帯に利用させてはならない。
第32条
【生活相談】
宿所提供施設は、生活の相談に応ずる等利用者の生活の向上を図ることに努めなければならない。
第33条
第15条の規定(医薬品、衛生材料及び医療機械器具の管理に係る部分を除く。)は、宿所提供施設について準用する。
附則
この省令は、昭和四十一年十月一日から施行する。
この省令の施行の際現に存する救護施設等については、第九条第一項及び第二項、第十条第一項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)、第五項第一号ロ(第十八条第三項及び第二十九条第三項において準用する場合を含む。)及び第六項第一号(第十八条第三項及び第二十九条第三項において準用する場合を含む。)、第十七条第一項、第二十三条第一項並びに第二十八条第一項の規定は、当分の間適用しない。
附則
昭和58年4月1日
この省令は、公布の日から施行する。
附則
昭和62年3月9日
第1条
(施行期日)
この省令は、公布の日から施行する。
第3条
(救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準の一部改正に伴う経過措置)
この省令の施行の際現に存する救護施設については、この省令による改正後の救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準(以下「最低基準」という。)第十条第三項第十五号の規定は、当分の間適用しない。
この省令の施行の際現に存する救護施設、更生施設及び宿所提供施設については、最低基準第十二条(第二十二条において準用する場合を含む。)及び第二十九条第三項において準用する第十条第四項第一号ロの規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則
平成3年4月12日
この省令は、公布の日から施行する。
附則
平成6年4月8日
この省令は、公布の日から施行する。
附則
平成12年6月7日
(施行期日)
この省令は、公布の日から施行する。
附則
平成14年2月22日
この省令は、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律の施行の日(平成十四年三月一日)から施行する。
この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則
平成16年1月20日
この省令は、公布の日から施行する。
附則
平成16年3月29日
この省令は、平成十六年四月一日から施行する。
附則
平成18年3月31日
第1条
(施行期日)
この省令は、平成十八年四月一日から施行する。
第3条
この省令の施行の日(以下「施行日」という。)前に前条の規定による改正前の特定事業省令(以下「旧特定事業省令」という。)第一条第一項の規定により旧特定事業省令別表第一の下欄に掲げる規定が適用されていない施設又は事業所は、施行日において次の各号に掲げる基準を満たしているものとみなす。
附則
平成23年9月30日
この省令は、平成二十三年十月一日から施行する。
附則
平成23年12月21日
第1条
(施行期日)
この省令は、平成二十四年四月一日から施行する。

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