• 独立行政法人大学評価・学位授与機構法

独立行政法人大学評価・学位授与機構法

平成19年6月27日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、独立行政法人大学評価・学位授与機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第2条
【名称】
この法律及び独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人大学評価・学位授与機構とする。
第3条
【機構の目的】
独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下「機構」という。)は、大学等(学校教育法第1条に規定する大学及び高等専門学校並びに国立大学法人法第2条第4項に規定する大学共同利用機関をいう。以下同じ。)の教育研究活動の状況についての評価等を行うことにより、その教育研究水準の向上を図るとともに、学校教育法第104条第4項の規定による学位の授与を行うことにより、高等教育の段階における多様な学習の成果が適切に評価される社会の実現を図り、もって我が国の高等教育の発展に資することを目的とする。
参照条文
第4条
【事務所】
機構は、主たる事務所を東京都に置く。
第5条
【資本金】
機構の資本金は、附則第8条第2項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第6条
【名称の使用制限】
機構でない者は、大学評価・学位授与機構という名称を用いてはならない。
参照条文
第2章
役員及び職員
第7条
【役員】
機構に、役員として、その長である機構長及び監事二人を置く。
機構に、役員として、理事二人以内を置くことができる。
第8条
【理事の職務及び権限等】
理事は、機構長の定めるところにより、機構長を補佐して機構の業務を掌理する。
通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により機構長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第9条
【役員の任期】
機構長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
第10条
【機構長の任命】
文部科学大臣は、通則法第20条第1項の規定により機構長を任命しようとするときは、あらかじめ、第14条に規定する評議員会の意見を聴かなければならない。
参照条文
第11条
【役員の欠格条項の特例】
通則法第22条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。
機構の非常勤の理事及び監事の解任に関する通則法第23条第1項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人大学評価・学位授与機構法第11条第1項」とする。
第12条
【役員及び職員の秘密保持義務】
機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
参照条文
第13条
【役員及び職員の地位】
機構の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第3章
評議員会
第14条
【評議員会】
機構に、評議員会を置く。
評議員会は、二十人以内の評議員で組織する。
評議員会は、機構長の諮問に応じ、機構の業務運営に関する重要事項を審議する。
評議員会は、第10条の規定による機構長の任命に関し文部科学大臣に意見を述べるほか、機構の業務運営につき、機構長に対して意見を述べることができる。
参照条文
第15条
【評議員】
評議員は、大学等に関し広くかつ高い識見を有する者その他の機構の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、機構長が任命する。
評議員の任期は、二年とする。
通則法第21条第1項ただし書及び第2項並びに第23条第2項の規定は、評議員について準用する。
第4章
業務等
第16条
【業務の範囲】
機構は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。
大学等の教育研究水準の向上に資するため、大学等の教育研究活動等の状況について評価を行い、その結果について、当該大学等及びその設置者に提供し、並びに公表すること。
学校教育法第104条第4項の規定により、学位を授与すること。
大学等の教育研究活動等の状況についての評価に関する調査研究及び学位の授与を行うために必要な学習の成果の評価に関する調査研究を行うこと。
大学等の教育研究活動等の状況についての評価に関する情報及び大学における各種の学習の機会に関する情報の収集、整理及び提供を行うこと。
前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
機構は、国立大学法人法第35条において読み替えて準用する通則法第34条第2項の規定による国立大学法人評価委員会(以下この項において「評価委員会」という。)から前項第1号の評価の実施の要請があった場合には、遅滞なく、その評価を行い、その結果を評価委員会及び当該評価の対象となった国立大学又は大学共同利用機関に提供し、及び公表するものとする。
第1項第1号の評価の実施の手続その他同号の評価に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
第17条
【積立金の処分】
機構は、通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち文部科学大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。
文部科学大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
機構は、第1項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
参照条文
第5章
雑則
第18条
【主務大臣等】
機構に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ文部科学大臣、文部科学省及び文部科学省令とする。
第19条
【国家公務員宿舎法の適用除外】
国家公務員宿舎法の規定は、機構の役員及び職員には適用しない。
第6章
罰則
第20条
第12条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第21条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
第16条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
第17条第1項の規定により文部科学大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
第22条
第6条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年十月一日から施行する。
第2条
(機構の成立)
機構は、通則法第十七条の規定にかかわらず、国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第二条の規定の施行の時に成立する。
機構は、通則法第十六条の規定にかかわらず、機構の成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。
第3条
(職員の引継ぎ等)
機構の成立の際現に整備法第二条の規定による廃止前の国立学校設置法第九条の四第一項に規定する大学評価・学位授与機構(以下「旧機構」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、機構の成立の日において、機構の職員となるものとする。
第4条
前条の規定により機構の職員となった者に対する国家公務員法第八十二条第二項の規定の適用については、機構の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第5条
附則第三条の規定により旧機構の職員が機構の職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法に基づく退職手当は、支給しない。
機構は、前項の規定の適用を受けた機構の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を機構の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
機構の成立の日の前日に旧機構の職員として在職する者が、附則第三条の規定により引き続いて機構の職員となり、かつ、引き続き機構の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の機構の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が機構を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
機構は、機構の成立の日の前日に旧機構の職員として在職し、附則第三条の規定により引き続いて機構の職員となった者のうち機構の成立の日から雇用保険法による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に機構を退職したものであって、その退職した日まで旧機構の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第6条
附則第三条の規定により機構の職員となった者であって、機構の成立の日の前日において文部科学大臣又はその委任を受けた者から児童手当法第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、機構の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、機構の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
第7条
(機構の職員となる者の職員団体についての経過措置)
機構の成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第三条の規定により機構に引き継がれる者であるものは、機構の成立の際労働組合法の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
前項の規定により法人である労働組合となったものは、機構の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
第一項の規定により労働組合となったものについては、機構の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
第8条
(権利義務の承継等)
機構の成立の際現に国が有する権利及び義務のうち、旧機構の業務に関するもので政令で定めるものは、政令で定めるところにより、機構が承継する。
前項の規定により機構が国の有する権利及び義務を承継したときは、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政令で定めるところにより、政府から機構に対し出資されたものとする。
前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第9条
機構の成立の際、整備法第二条の規定による廃止前の国立学校特別会計法第十七条の規定に基づき文部科学大臣から旧機構の長に交付され、その経理を委任された金額に残余があるときは、その残余に相当する額は、機構の成立の日において機構に奨学を目的として寄附されたものとする。この場合において、当該寄附金の経理に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
第10条
(国有財産の無償使用)
国は、機構の成立の際現に旧機構の職員の住居の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、機構の用に供するため、機構に無償で使用させることができる。
第11条
(不動産に関する登記)
機構が附則第八条第一項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。
第12条
(名称の使用制限に関する経過措置)
この法律の施行の際現に大学評価・学位授与機構という名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第13条
(政令への委任)
附則第三条から前条までに定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成17年7月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、第四条、第六十八条の二及び第六十九条の二の改正規定並びに附則第三条、第六条、第七条(税理士法第八条第一項第一号中「第六十八条の二第三項第二号」を「第六十八条の二第四項第二号」に改める改正規定に限る。)、第九条及び第十条の規定は、平成十七年十月一日から施行する。
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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