連合国財産補償法
平成11年7月16日 改正
第2条
【定義】
4
この法律において「戦時特別措置」とは、旧敵産管理法による措置その他の対敵措置であつて、連合国の国籍を有する者の逮捕、抑留若しくは拘禁又は連合国人の財産の処分若しくは売却その他の日本政府又はその代理機関による公権力の行使として執られた措置をいう。
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参照条文
第3条
【補償の原則】
1
連合国又は連合国人が昭和十六年十二月八日(以下「開戦時」という。)において本邦内に有していた財産について戦争の結果損害が生じたときは、日本政府は、その損害を補償するものとする。但し、連合国人が有していた財産については、当該連合国人が旧敵産管理法により敵国として告示された国に所属する場合又は当該連合国人が戦時特別措置により逮捕され、抑留され、若しくは拘禁され、若しくはその有していた財産を押収され、処分され、若しくは売却された場合に限る。
3
返還できる状態にある財産について日本国との平和条約その他の連合国との間の平和の回復に関する条約(以下「平和条約」という。)に規定される期限までに返還の請求がされなかつたときは、その財産について生じた損害は、補償されないものとする。但し、その期限までに返還の請求がされなかつたことにつき日本政府がやむを得ない事由があると認めたときは、この限りではない。
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参照条文
第5条
【有体物の損害】
2
有体物で滅失し、若しくは著しいき損が生じたため又は所在不明のため返還されなかつたものについて生じた損害額は、開戦時の状態のその財産と同様の財産を本邦内において買い入れるため補償時において必要な金額のうち前条第1項に規定する損害に係る金額とする。
3
前二項に規定する有体物以外の有体物について生じた損害額は、その財産の平和条約の効力発生時の状態を開戦時の状態まで回復するため補償時において必要な金額のうち前条第1項に規定する損害に係る金額とする。
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参照条文
第6条
【用役物権及び不動産の賃借権の損害】
地上権、永小作権、地役権又は不動産の賃借権で、これらの権利の目的物の滅失又は著しい変更のため返還されなかつたものについて生じた損害額は、これらの権利と同様の権利を本邦内において取得するため補償時において必要な金額とする。
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参照条文
第7条
【金銭債権の損害】
2
金銭債権を担保する抵当権、質権、留置権若しくは先取特権が戦時特別措置により消滅した場合又はこれらの権利の目的物が戦争の結果滅失又はき損した場合における金銭債権について生じた損害額は、これらの権利の消滅又はその目的物の滅失若しくはき損により債権者が弁済を受けることができなくなつた額とする。
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参照条文
第8条
【公債等の損害】
1
戦時特別措置の適用を受けた公債、社債、特別の法律により法人の発行した債券又は外国若しくは外国法人の発行する公債若しくは社債(以下「公債等」という。)で返還されなかつたもののうち補償時までに償還期限が到来しているものについて生じた損害額は、その公債等の元本の額とその公債等に附属していた利札の額との合計額とする。
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参照条文
第9条
【工業所有権の損害】
4
前三項の規定において、特許発明を実施した者がその実施した特許発明につき支払うべきであつた特許実施料は、その特許権について開戦時において実施契約が存していたときは、その実施契約に定められていた特許実施料、開戦時において実施契約が存していなかつたときは、その特許権と類似の特許権について開戦時において存していた実施契約に定められていた特許実施料の計算方法に準じて算出する。
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参照条文
第10条
【商標権の損害】
戦時特別措置による取消又は存続期間の満了によつて消滅した商標権について生じた損害額は、その商標を使用した者がその商標を使用したことによつて受けた利益に相当する金額とその商標の信用を開戦時の状態に回復するため補償時において必要な金額との合計額とする。
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参照条文
第12条
【会社の損害額の計算】
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参照条文
第14条
【補償金額】
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参照条文
第16条
【補償金額の支払】
1
日本政府は、前条第1項の規定により補償金支払請求書が請求権者から提出されたときは、これを審査し、その請求金額を支払うべきものであると認めたときは、遅滞なく、その金額を請求権者に支払わなければならない。
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参照条文
第24条
【報告等の徴収】
日本政府は、連合国人の財産について生じた損害額の調査に関し必要があると認めるときは、その必要の範囲内において、その財産について権利若しくは義務を有していた者又は有している者で請求権者以外のものから報告又は資料を徴することができる。
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参照条文
附則
昭和37年9月15日
2
この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3
この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
附則
平成11年7月16日
第3条
(職員の身分引継ぎ)
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。