• ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法

ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法

平成23年8月30日 改正
第1章
総則
第1条
【目的等】
この法律は、ポリ塩化ビフェニルが難分解性の性状を有し、かつ、人の健康及び生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質であること並びに我が国においてポリ塩化ビフェニル廃棄物が長期にわたり処分されていない状況にあることにかんがみ、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管、処分等について必要な規制等を行うとともに、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理のための必要な体制を速やかに整備することにより、その確実かつ適正な処理を推進し、もって国民の健康の保護及び生活環境の保全を図ることを目的とする。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理については、この法律に定めるもののほか、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の定めるところによる。
第2条
【定義】
この法律において「ポリ塩化ビフェニル廃棄物」とは、ポリ塩化ビフェニル、ポリ塩化ビフェニルを含む油又はポリ塩化ビフェニルが塗布され、染み込み、付着し、若しくは封入された物が廃棄物(廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)となったもの(環境に影響を及ぼすおそれの少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。
この法律において「事業者」とは、第13条を除き、その事業活動に伴ってポリ塩化ビフェニル廃棄物を保管する事業者をいう。
第3条
【事業者の責務】
事業者は、そのポリ塩化ビフェニル廃棄物を自らの責任において確実かつ適正に処理しなければならない。
第4条
【ポリ塩化ビフェニルを製造した者等の責務】
ポリ塩化ビフェニルを製造した者及びポリ塩化ビフェニルが使用されている製品を製造した者(以下「ポリ塩化ビフェニル製造者等」という。)は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理が円滑に推進されるよう、国及び地方公共団体が実施する施策に協力しなければならない。
第5条
【国及び地方公共団体の責務】
国は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に関する技術開発の推進、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理を確保するための体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
都道府県は、当該都道府県の区域内におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物の状況を把握するとともに、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理が行われるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。
国、都道府県及び市町村は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の推進に関する国民、事業者及びポリ塩化ビフェニル製造者等の理解を深めるよう努めなければならない。
第6条
【ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画】
環境大臣は、廃棄物処理法第5条の2第1項に規定する基本方針に即して、環境省令で定めるところにより、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」という。)を定めなければならない。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の発生量、保管量及び処分量の見込み
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理施設の整備その他ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理を確保するために必要な体制に関する事項
前二号に掲げるもののほか、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の推進に関し必要な事項
環境大臣は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第7条
【ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画】
都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)は、廃棄物処理法第5条の5第1項に規定する廃棄物処理計画及びポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画に即して、その区域(都道府県にあっては、当該都道府県の区域内にある当該政令で定める市の区域を除く。次項において同じ。)内におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理に関する計画(以下「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画には、環境省令で定める基準に従い、当該都道府県等の区域内におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の発生量、保管量及び処分量の見込み
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の体制の確保に関する事項
都道府県等は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めなければならない。
第2章
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の規制等
第8条
【保管等の届出】
事業者及びポリ塩化ビフェニル廃棄物を処分(再生することを含む。第19条第2項を除き、以下同じ。)する者(以下「事業者等」という。)は、毎年度、環境省令で定めるところにより、そのポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管及び処分の状況に関し、環境省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
第9条
【保管等の状況の公表】
都道府県知事は、毎年度、環境省令で定めるところにより、前条のポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管及び処分の状況を公表するものとする。
第10条
【期間内の処分】
事業者は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の体制の整備の状況その他の事情を勘案して政令で定める期間内に、そのポリ塩化ビフェニル廃棄物を自ら処分し、又は処分を他人に委託しなければならない。
第11条
【譲渡し及び譲受けの制限】
何人も、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令で定める場合のほか、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
第12条
【承継】
事業者について相続、合併又は分割(その保管するポリ塩化ビフェニル廃棄物に係る事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割によりその事業の全部を承継した法人は、その事業者の地位を承継する。
前項の規定により事業者の地位を承継した者は、その承継があった日から三十日以内に、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第3章
雑則
第13条
【ポリ塩化ビフェニル使用製品に係る措置】
環境大臣は、ポリ塩化ビフェニルが使用されている製品を使用する事業を所管する大臣に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理について都道府県等が当該製品を使用する事業者の協力を得ることができるよう、必要な措置を講ずることを要請することができる。
参照条文
第14条
【指導及び助言】
都道府県知事は、事業者に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の実施を確保するために必要な指導及び助言をすることができる。
第15条
【協力の要請】
環境大臣は、ポリ塩化ビフェニル製造者等に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理を円滑に推進するための資金の出えんその他の必要な協力を求めるよう努めるものとする。
第16条
【改善命令】
環境大臣又は都道府県知事は、事業者が第10条の規定に違反した場合において、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の実施を確保するため必要があると認めるときは、当該事業者に対し、期限を定めて、当該ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処分その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
前項の規定による命令をするときは、環境省令で定める事項を記載した命令書を交付しなければならない。
第17条
【報告の徴収】
環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、事業者等に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管又は処分に関し、必要な報告を求めることができる。
第18条
【立入検査等】
環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、事業者等の事務所、事業場その他の場所に立ち入り、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管又は処分に関し、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度においてポリ塩化ビフェニル廃棄物を無償で収去させることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第19条
【政令で定める市の長による事務の処理】
この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市の長が行うこととすることができる。
前項の規定により政令で定める市の長がした第16条第1項の規定による処分についての審査請求の裁決に不服のある者は、環境大臣に対して再審査請求をすることができる。
参照条文
第20条
【緊急時における環境大臣の事務執行】
第16条第1項第17条又は第18条第1項の規定による環境大臣による命令、報告の徴収又はその職員による立入検査若しくは収去は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物が確実かつ適正に処分されないことにより人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることを防止するため緊急の必要があると認められる場合に行うものとする。
第21条
【国の措置】
国は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理施設の整備を推進し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の確保を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
第22条
【事務の区分】
第16条第17条及び第18条第1項の規定により都道府県が行うこととされている事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第22条の2
【権限の委任】
この法律に規定する環境大臣の権限は、環境省令で定めるところにより、地方環境事務所長に委任することができる。
第23条
【経過措置】
この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第4章
罰則
第24条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第11条の規定に違反して、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を譲り渡し、又は譲り受けた者
第16条第1項の規定による命令に違反した者
第25条
第8条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第26条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第12条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第17条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第18条第1項の規定による検査又は収去を拒み、妨げ、又は忌避した者
第27条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(検討)
政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第3条
(経過措置)
この法律の規定により特別区の長が管理し、及び執行することとされている事務のうち、政令で定めるものについては、当分の間、都知事が管理し、及び執行するものとする。
第4条
(政令への委任)
前条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成15年6月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年十二月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成17年4月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十七年十月一日から施行する。
第24条
(経過措置)
この法律による改正後のそれぞれの法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
附則
平成17年5月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十七年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第5条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第6条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第7条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新廃棄物処理法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新廃棄物処理法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成23年8月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第80条
(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第百八十七条の規定(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第十五条の改正規定、同法第二十八条第九項の改正規定(「第四条第三項」を「第四条第四項」に改める部分を除く。)及び同法第二十九条第四項の改正規定(「第四条第三項」を「第四条第四項」に改める部分を除く。)に限る。以下この項において同じ。)の施行の日から起算して一年を超えない期間内において、第百八十七条の規定による改正後の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第十五条第十四項ただし書(同法第二十八条第九項及び第二十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定に基づく都道府県の条例が制定施行されるまでの間は、同法第十五条第十四項ただし書の規定は、適用しない。
この法律の施行前に第百八十七条の規定による改正前の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第二十八条第四項(同法第二十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により都道府県知事が公告した場合における公衆の縦覧に供する期間については、第百八十七条の規定による改正後の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第二十八条第四項(同法第二十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第百八十七条の規定(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第三十四条及び第三十五条の改正規定に限る。以下この項において同じ。)の施行の日から起算して一年を超えない期間内において、第百八十七条の規定による改正後の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第三十四条第七項(同法第三十五条第十二項において準用する場合を含む。)の規定に基づく都道府県の条例が制定施行されるまでの間は、同法第三十四条第五項(同法第三十五条第十二項において準用する場合を含む。)の標識の寸法については、なお従前の例による。
第81条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第82条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

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