• 独立行政法人環境再生保全機構法

独立行政法人環境再生保全機構法

平成22年5月19日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、独立行政法人環境再生保全機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第2条
【名称】
この法律及び独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人環境再生保全機構とする。
参照条文
第3条
【機構の目的】
独立行政法人環境再生保全機構(以下「機構」という。)は、公害に係る健康被害の補償及び予防、民間団体が行う環境の保全に関する活動の支援、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の円滑な実施の支援、維持管理積立金の管理、石綿による健康被害の救済等の業務を行うことにより良好な環境の創出その他の環境の保全を図り、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。
参照条文
第4条
【事務所】
機構は、主たる事務所を神奈川県に置く。
第5条
【資本金】
機構の資本金は、附則第3条第5項及び第4条第7項の規定により政府から出資があったものとされた金額の合計額とする。
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。この場合において、政府は、当該出資した金額の全部又は一部が第14条第1項の公害健康被害予防基金又は第15条第1項の地球環境基金に充てるべきものであるときは、その金額を示すものとする。
機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
参照条文
第2章
役員及び職員
第6条
【役員】
機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
機構に、役員として、理事三人以内を置くことができる。
第7条
【理事の職務及び権限等】
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第8条
【役員の任期】
理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
第9条
【役員及び職員の地位】
機構の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第3章
業務等
第10条
【業務の範囲】
機構は、第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。
公害に係る健康被害の補償に関する次に掲げる業務を行うこと。
ばい煙発生施設等設置者(公害健康被害の補償等に関する法律(以下この項及び第11条において「補償法」という。)第52条第1項のばい煙発生施設等設置者をいう。)及び特定施設等設置者(補償法第62条第1項の特定施設等設置者をいう。)からの汚染負荷量賦課金(補償法第52条第1項の汚染負荷量賦課金をいう。)及び特定賦課金(補償法第62条第1項の特定賦課金をいう。)の徴収
補償法第13条第2項の規定による支払
補償法第48条の規定による納付金の納付
補償法第68条に規定する業務を行うこと。
環境の保全を通じて人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する活動であって次に掲げるものに対し、助成金の交付を行うこと。
日本国内に主たる事務所を有する民間団体(民間の発意に基づき活動を行う営利を目的としない法人その他の団体をいう。以下この号において同じ。)による開発途上地域における環境の保全を図るための活動で、その開発途上地域の現地において事業を実施するものであることその他の政令で定める要件に該当するもの
外国に主たる事務所を有する民間団体による開発途上地域における環境の保全を図るための活動で、その開発途上地域の現地において事業を実施するものであることその他の政令で定める要件に該当するもの
日本国内に主たる事務所を有する民間団体による日本国内においてその環境の保全を図るための活動で、広範な国民の参加を得て行われるものであることその他の政令で定める要件に該当するもの
前号に規定する活動の振興に必要な調査研究、情報の収集、整理及び提供並びに研修を行うこと。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法第2条第1項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物をいう。以下同じ。)の処理を確実かつ適正に行うことができると認められるものとして環境大臣が指定する者に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の速やかな処理を図るため、その処理に要する費用で環境省令で定める範囲内のものにつき助成金の交付を行うこと。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第8条の5第3項同法第15条の2の4において準用する場合を含む。)の規定による維持管理積立金の管理を行うこと。
石綿による健康被害の救済に関する次に掲げる業務を行うこと。
認定(石綿による健康被害の救済に関する法律(以下「石綿健康被害救済法」という。)第4条第1項の認定(その更新及び取消しを含む。)及び第22条第1項の認定をいう。)
救済給付(石綿健康被害救済法第3条の救済給付をいう。)の支給
特別事業主(石綿健康被害救済法第47条第1項の特別事業主をいう。)からの特別拠出金(同項の特別拠出金をいう。)の徴収
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
機構は、前項に規定する業務のほか、同項の業務の遂行に支障のない範囲内で、良好な環境の創出その他の環境の保全に関する調査研究、情報の収集、整理及び提供並びに研修を行うことができる。
第10条の2
【業務の委託】
機構は、都道府県、保健所を設置する市若しくは特別区又は環境大臣の指定する者(次項において「都道府県等」という。)に対し、前条第1項第7号イ(申請に係る部分に限る。)及びロ(請求に係る部分に限る。)に規定する業務の一部を委託することができる。
都道府県等は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受けて、当該業務を行うことができる。
第11条
【補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用】
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の規定(罰則を含む。)は、第10条第1項第2号補償法第68条第2号に係る部分に限る。)、第3号又は第5号の規定により機構が交付する助成金について準用する。この場合において、同法(第2条第7項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人環境再生保全機構」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人環境再生保全機構の理事長」と、同法第2条第1項及び第4項第7条第2項第19条第1項及び第2項第24条並びに第33条中「国」とあるのは「独立行政法人環境再生保全機構」と、同法第14条中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人環境再生保全機構の事業年度」と読み替えるものとする。
第12条
【区分経理】
機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
第10条第1項第1号及び第2号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務(以下「公害健康被害補償予防業務」という。)
第10条第1項第7号に掲げる業務及びこれに附帯する業務(以下「石綿健康被害救済業務」という。)
前二号に掲げる業務以外の業務
第13条
【積立金の処分】
機構は、通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち環境大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第10条に規定する業務の財源に充てることができる。
環境大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、環境省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
機構は、第1項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
前三項に定めるもののほか、前項の納付金の納付に係る手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
参照条文
第14条
【公害健康被害予防基金】
機構は、第10条第1項第2号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に必要な経費の財源をその運用によって得るために公害健康被害予防基金を設け、附則第3条第10項の規定により政府から出資があったものとされた金額及び同条第11項の規定により大気汚染物質排出施設設置者等(大気の汚染の原因となる物質を排出する施設を設置する事業者その他大気の汚染に関連のある事業活動を行う者をいう。以下同じ。)から拠出があったものとされた金額並びに第5条第2項後段の規定により公害健康被害予防基金に充てるべきものとして政府が示した金額及び公害健康被害予防基金に対し大気汚染物質排出施設設置者等から拠出された金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。
通則法第47条及び第67条第4号に係る部分に限る。)の規定は、公害健康被害予防基金の運用について準用する。この場合において、通則法第47条第3号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補てんの契約があるもの」と読み替えるものとする。
参照条文
第15条
【地球環境基金】
機構は、第10条第1項第3号及び第4号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に必要な経費の財源をその運用によって得るために地球環境基金を設け、附則第4条第11項の規定により政府から出資があったものとされた金額及び同条第12項の規定により政府以外の者から出えんがあったものとされた金額並びに第5条第2項後段の規定により地球環境基金に充てるべきものとして政府が示した金額及び地球環境基金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。
機構は、次の方法による場合を除くほか、地球環境基金を運用してはならない。
国債、地方債、政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)その他環境大臣の指定する有価証券の取得
銀行その他環境大臣の指定する金融機関への預金
信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)への金銭信託で元本補てんの契約があるもの
財政融資資金への預託
参照条文
第16条
【ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金】
機構は、第10条第1項第5号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に要する費用で環境省令で定める範囲内のものに充てるためにポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金を設け、附則第4条第13項の規定によりポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金に充てられた金額並びに第3項の規定により交付を受けた補助金及びポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金に充てることを条件として政府及び都道府県以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。
通則法第47条及び第67条第4号に係る部分に限る。)の規定は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の運用について準用する。この場合において、通則法第47条第3号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補てんの契約があるもの」と読み替えるものとする。
政府及び都道府県は、予算の範囲内において、機構に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金に充てる資金を補助することができる。
第16条の2
【石綿健康被害救済基金】
機構は、第10条第1項第7号ロに掲げる業務に要する費用に充てるために石綿健康被害救済基金を設け、石綿健康被害救済法第31条第2項の規定において充てるものとされる金額をもってこれに充てるものとする。
通則法第47条及び第67条第4号に係る部分に限る。)の規定は、石綿健康被害救済基金の運用について準用する。この場合において、通則法第47条第3号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補てんの契約があるもの」と読み替えるものとする。
参照条文
第4章
雑則
第17条
【財務大臣との協議】
環境大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
第10条第1項第5号及び第16条第1項の環境省令を定めようとするとき。
第13条第1項の規定による承認をしようとするとき。
第15条第2項第1号又は第2号の規定による指定をしようとするとき。
第18条
【主務大臣等】
機構に係る通則法における主務大臣は次のとおりとする。
役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務に関する事項については、環境大臣
第10条第1項第3号及び第4号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に関する事項については、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣
第10条に規定する業務のうち前号に掲げる業務以外のものに関する事項については、環境大臣
機構に係る通則法における主務省及び主務省令は、それぞれ環境省及び環境省令とする。
第19条
【他の法令の準用】
不動産登記法その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
第20条
【国家公務員宿舎法の適用除外】
国家公務員宿舎法の規定は、機構の役員及び職員には、適用しない。
第21条
削除
第5章
罰則
第22条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
この法律の規定により環境大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
第10条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
第14条第2項第16条第2項及び第16条の2第2項において読み替えて準用する通則法第47条の規定に違反して公害健康被害予防基金、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金若しくは石綿健康被害救済基金を運用し、又は第15条第2項の規定に違反して地球環境基金を運用したとき。
参照条文
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十八条から第二十七条まで及び第二十九条から第三十六条までの規定は、平成十六年四月一日から施行する。
第3条
(公害健康被害補償予防協会の解散等)
公害健康被害補償予防協会(以下「協会」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において機構が承継する。
機構の成立の際現に協会が有する権利(附則第十八条の規定による改正前の公害健康被害の補償等に関する法律(以下「旧補償法」という。)第九十八条の二第二項に規定する基金に係る経理に属する資産に限る。)のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
協会の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
第一項の規定により機構が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(第一号から第三号までに掲げる金額があるときは当該金額を控除した金額とし、第四号に掲げる金額があるときは当該金額を加算した金額とする。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
前項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項の規定により機構が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、旧補償法第九十八条の二第二項に規定するその他の経理において積立金又は繰越欠損金として整理されている金額があるときは、当該金額に相当する金額を、第十二条に規定する公害健康被害補償予防業務に係る勘定に属する積立金又は繰越欠損金として整理するものとする。
第一項の規定により機構が協会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、第五項第二号に掲げる金額を、第十二条に規定する公害健康被害補償予防業務に係る勘定に属する積立金として整理するものとする。
10
第一項の規定により機構が協会の権利及び義務を承継したときは、旧公害健康被害予防基金に充てるべきものとして政府から出資された金額(第二項の規定により国が承継することとされた資産のうち、旧公害健康被害予防基金に充てるべきものとして政府から出資されたものに相当する金額を除く。)に相当する金額は、機構の成立に際し、第十四条第一項の公害健康被害予防基金に充てるべきものとして政府から機構に対し出資されたものとする。
11
第一項の規定により機構が協会の権利及び義務を承継したときは、旧公害健康被害予防基金に対し大気汚染物質排出施設設置者等から拠出された金額に相当する金額は、機構の成立に際し、第十四条第一項の公害健康被害予防基金に対し大気汚染物質排出施設設置者等から拠出されたものとする。
12
第一項の規定により協会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第4条
(環境事業団の解散等)
環境事業団(以下「事業団」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、権利及び義務の承継に関し必要な事項を定めた承継計画書において定めるところに従い、その時において機構及び日本環境安全事業株式会社(以下「会社」という。)が承継する。
事業団の解散の際現に事業団が有する権利のうち、機構及び会社がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、事業団の解散の時において国が承継する。
前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項の規定により承継する権利及び義務の範囲は、次の各号に掲げる法人ごとに当該各号に定めるところによる。
第一項の承継計画書は、事業団が、政令で定める基準に従って作成して環境大臣の認可を受けたものでなければならない。
事業団の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、機構及び会社が従前の例により行うものとする。
第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項に規定する承継計画書において定めるところに従い機構が承継する資産の価額(次項の規定により積立金として整理される金額があるときは当該金額及び第十二項の規定により機構に対し出えんされたものとされる金額の合計額に相当する金額を控除した金額とし、次項の規定により繰越欠損金として整理される金額があるときは当該金額を加算した金額とする。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項の承継計画書において定めるところに従い機構が旧事業団法第二十五条第一項第三号に掲げる業務に係る勘定から承継する資産の価額(環境大臣が財務大臣に協議して定める金額を除く。以下この条において同じ。)が負債の金額を超えるときは、その差額に相当する額については附則第七条第二項に規定する承継勘定に属する積立金として、旧事業団法第二十五条第一項第三号に掲げる業務に係る勘定から承継する資産の価額が負債の金額を下回るときは、その差額に相当する額については附則第七条第二項に規定する承継勘定に属する繰越欠損金として、それぞれ整理するものとする。
前二項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
10
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
11
第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、旧事業団法第三十七条第一項の地球環境基金(以下「旧地球環境基金」という。)に充てるべきものとして政府から出資された金額(第二項の規定により国が承継することとされた資産のうち、旧地球環境基金に充てるべきものとして政府から出資されたものに相当する金額を除く。)に相当する金額は、機構の成立に際し、第十五条第一項の地球環境基金に充てるべきものとして政府から機構に対し出資されたものとする。
12
第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、旧地球環境基金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額に相当する金額は、機構の成立に際し、第十五条第一項の地球環境基金に充てることを条件として政府以外の者から機構に対し出えんされたものとする。
13
第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における旧事業団法第三十五条第一項のポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の総額に相当する金額を、第十六条第一項のポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金に充てるものとする。
14
第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における附則第二十二条の規定による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条の六第一項の維持管理積立金の総額に相当する金額を、第十条第一項第六号の維持管理積立金に充てるものとする。
15
第一項の規定により事業団が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
第5条
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
前条第一項の規定により機構が承継する旧事業団法第二十七条第一項の規定による事業団の長期借入金に係る債務について政府がした旧事業団法第二十八条の規定による保証契約は、その承継後においても、当該長期借入金に係る債務について従前の条件により存続するものとする。
旧事業団法第二十七条第一項の規定により事業団が発行した環境事業団債券は、附則第八条第二項及び第三項の規定の適用については、同条第一項の規定による債券とみなす。
第6条
(機構の成立)
機構は、通則法第十七条の規定にかかわらず、附則第十八条の規定の施行の時に成立する。
機構は、通則法第十六条の規定にかかわらず、機構の成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。
第7条
(承継業務に係る業務の特例)
機構は、当分の間、第十条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。
機構は、前項各号に掲げる業務(以下「承継業務」という。)の経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定(以下「承継勘定」という。)を設けて整理しなければならない。
機構が承継業務を行う間、第十三条第一項、第十八条第一項第三号及び第二十二条第二号中「第十条」とあるのは、「第十条及び附則第七条第一項」と読み替えて、これらの規定を適用する。
機構が第一項第一号に掲げる業務を行う間、当該業務(旧事業団法第十八条第一項第三号及び第四号に掲げる業務並びに同項第五号に掲げる業務のうち都市公園となるべき緑地を設置し、及び譲渡するもの並びにこれらに附帯する業務に係るものに限る。)に係る通則法における主務大臣は、前項の規定により読み替えて適用する第十八条第一項第三号の規定にかかわらず、国土交通大臣とする。
機構は、第一項第一号に掲げる業務を行う間、当該業務(旧事業団法第十八条第一項第三号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に係るものに限る。)に要する費用の一部に充てるため、環境大臣の承認を受けた金額を第十二条に規定する公害健康被害補償予防業務に係る勘定から承継勘定に繰り入れることができる。
機構が第一項第一号に掲げる業務を行う間、通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は役員となることができない。
機構は、第一項第一号に掲げる業務に係る事業実施計画の変更(主務省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならない。
都道府県知事は、前項の規定による協議をするに当たっては、関係市町村長の意見を聴かなければならない。
第七項に規定する主務大臣及び主務省令は、次のとおりとする。
10
第七項の規定により主務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
第8条
機構は、承継業務に必要な費用に充てるため、環境大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は環境再生保全機構債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
前項の規定による債券(当該債券に係る債権が附則第十条の規定に基づき信託された金銭債権により担保されているものを除く。)の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債券の弁済を受ける権利を有する。
前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
機構は、環境大臣の認可を受けて、債券の発行、償還、利子の支払その他の債券に関する事務の全部又は一部を銀行、信託会社又は金融商品取引業(金融商品取引法第二条第八項に規定する金融商品取引業をいう。次項において同じ。)を行う者に委託することができる。
会社法第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行、信託会社又は金融商品取引業を行う者について準用する。
前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第9条
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、前条第一項の規定による長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律第二条第一項の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
第10条
機構は、環境大臣の認可を受けて、債券に係る債務の担保に供するため、その金銭債権の一部を信託会社又は信託業務を営む金融機関(次条において「信託会社等」という。)に信託することができる。
第11条
機構は、環境大臣の認可を受けて、承継業務に要する資金を調達するため、その金銭債権の一部を信託会社等に信託し、当該信託の受益権を譲渡することができる。
第12条
機構は、前二条の規定によりその金銭債権を信託するときは、当該信託の受託者から次に掲げる業務の全部を受託しなければならない。
第13条
政府は、予算の範囲内において、機構に対し、機構による附則第七条第一項第二号及び第三号に掲げる業務の確実かつ円滑な実施のために必要な補助金を交付することができる。
第14条
機構は、毎事業年度、附則第八条第一項の規定による長期借入金及び債券の償還計画を立てて、環境大臣の認可を受けなければならない。
第15条
環境大臣は、附則第八条第一項若しくは第四項、第十条、第十一条又は前条の認可をしようとする場合には、財務大臣に協議しなければならない。
第16条
機構は、承継業務を終えたときは、承継勘定を廃止するものとし、その廃止の際承継勘定についてその債務を弁済してなお残余財産があるときは、当該残余財産の額に相当する金額を国庫に納付するものとする。
機構は、前項の規定により承継勘定を廃止したときは、その廃止の際承継勘定に属する資本金の額により資本金を減少するものとする。
第17条
(石綿健康被害救済法に係る業務の特例)
機構は、第十条及び附則第七条第一項に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行う。
前項の規定により機構が同項に規定する業務を行う場合には、第十二条第二号中「に掲げる業務及びこれに」とあるのは「及び附則第十七条第一項第一号に掲げる業務並びにこれらに」と、第十八条第一項第三号及び第二十二条第二号中「第十条」とあるのは「第十条及び附則第十七条第一項」とする。
第18条
(見直し)
第十条第一項第五号に掲げる業務及びこれに附帯する業務については、平成二十八年三月三十一日までの間に、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理体制の状況等を勘案しつつ、廃止を含めて見直しを行うものとする。
第20条
(環境事業団法の廃止)
環境事業団法は、廃止する。
第21条
(環境事業団法の廃止に伴う経過措置)
旧事業団法(第九条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法、この法律又は日本環境安全事業株式会社法中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第27条
(罰則の適用に関する経過措置)
附則第十八条及び第二十条の規定の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第28条
(政令への委任)
附則第三条から第五条まで、第七条から第十七条まで、第十九条、第二十一条、第二十四条及び前二条に規定するもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第29条
(基金の事務費への充当)
機構は、石綿健康被害救済法第三十一条第二項及び第十六条の二第一項の規定にかかわらず、当分の間、環境大臣の認可を受けて、石綿健康被害救済基金の一部を取り崩し、当該取り崩した額に相当する金額を石綿健康被害救済業務の事務の執行に要する費用に充てることができる。この場合において、当該取り崩した額に相当する金額については、平成十九年度以降において、石綿健康被害救済法第三十二条第一項の規定により政府から交付された資金のうち石綿健康被害救済業務の事務の執行に要する費用に充てるためのものに相当する金額の一部を、当該取り崩した額に相当する金額に達するまで、石綿健康被害救済基金に組み入れるものとする。
環境大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
附則
平成16年6月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。
第2条
(経過措置)
この法律の施行の日が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日後である場合には、第五十二条のうち商業登記法第百十四条の三及び第百十七条から第百十九条までの改正規定中「第百十四条の三」とあるのは、「第百十四条の四」とする。
附則
平成16年6月23日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第121条
(処分等の効力)
この法律の施行前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第122条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第123条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第124条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年7月26日
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
附則
平成17年10月21日
第1条
(施行期日)
この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。
第117条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成18年2月10日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十八年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成18年6月14日
この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。
附則
平成19年4月23日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第141条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この項において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則第百八条第二項の規定により読み替えられた新介護労働者法第十七条第三号の規定が適用される場合における施行日から平成二十二年三月三十一日までの間にした行為に対する附則第百八条第二項の規定により読み替えられた新介護労働者法第三十一条第二号の罰則の適用については、同年四月一日以後も、なお従前の例による。
第142条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、この法律により改正された雇用保険法等の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第143条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成19年7月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十二年四月一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第73条
(処分、申請等に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下同じ。)の施行前に法令の規定により社会保険庁長官、地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長(以下「社会保険庁長官等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣、地方厚生局長若しくは地方厚生支局長又は機構(以下「厚生労働大臣等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
この法律の施行の際現に法令の規定により社会保険庁長官等に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣等に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
この法律の施行前に法令の規定により社会保険庁長官等に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、施行日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、この法律の施行後の法令の相当規定により厚生労働大臣等に対して、報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律の施行後の法令の規定を適用する。
なお従前の例によることとする法令の規定により、社会保険庁長官等がすべき裁定、承認、指定、認可その他の処分若しくは通知その他の行為又は社会保険庁長官等に対してすべき申請、届出その他の行為については、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の規定に基づく権限又は権限に係る事務の区分に応じ、それぞれ、厚生労働大臣等がすべきものとし、又は厚生労働大臣等に対してすべきものとする。
第74条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第75条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成22年5月19日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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