東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律
平成24年3月29日 制定
第1条
【趣旨】
この法律は、東日本大震災の被災者が裁判その他の法による紛争の解決のための手続及び弁護士等のサービスを円滑に利用することができるよう、東日本大震災の被災者に対する援助のための総合法律支援法第13条に規定する日本司法支援センター(以下「支援センター」という。)の業務の特例を定めるものとする。
第3条
【支援センターの業務の特例】
1
支援センターは、総合法律支援法第30条に規定する業務のほか、次に掲げる業務(以下「東日本大震災法律援助事業」という。)を行う。
①
被災者をその資力の状況にかかわらず援助する次に掲げる業務
イ
民事裁判等手続(総合法律支援法第4条に規定する民事裁判等手続をいう。イにおいて同じ。)、裁判外紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第1条に規定する裁判外紛争解決手続をいう。イにおいて同じ。)又は行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に関する不服申立ての手続であって、被災者を当事者とする東日本大震災に起因する紛争に係るものの準備及び追行(民事裁判等手続に先立つ和解の交渉であって、裁判外紛争解決手続によらないものを含む。以下「被災者に係る民事裁判等手続その他の手続の準備及び追行」という。)のため代理人に支払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替えをすること。
ロ
イに規定する立替えに代え、イに規定する報酬及び実費に相当する額を支援センターに支払うことを約した者のため、適当な東日本大震災法律援助契約弁護士等(支援センターとの間で、支援センターの東日本大震災法律援助事業に関し、他人の法律事務を取り扱うことについて契約をしている弁護士、弁護士法人及び総合法律支援法第1条に規定する隣接法律専門職者をいう。ニにおいて同じ。)にイの代理人が行う事務を取り扱わせること。
ハ
弁護士法その他の法律により依頼を受けて裁判所に提出する書類を作成することを業とすることができる者に対し被災者に係る民事裁判等手続その他の手続の準備及び追行に必要な書類(当該業とすることができる者が他人の依頼を受け報酬を得てその作成を行うことを業とすることが法律により制限されている書類を除く。)の作成を依頼して支払うべき報酬及びその作成に必要な実費の立替えをすること。
2
支援センターが東日本大震災法律援助事業を行う場合には、総合法律支援法第34条第1項の業務方法書には、同条第2項に掲げる事項のほか、東日本大震災法律援助事業に関し、東日本大震災法律援助事業の実施に係る援助の申込み及びその審査の方法に関する事項、前項第1号イ及びハに規定する立替えに係る報酬及び実費の基準並びにそれらの償還に関する事項、同号ロ及びニに規定する報酬及び実費に相当する額の支払に関する事項その他法務省令で定める事項を記載しなければならない。この場合において、当該報酬は、東日本大震災法律援助事業が被災者を広く援助するものであることを考慮した相当な額でなければならず、かつ、当該償還及び当該支払は、被災者に係る民事裁判等手続その他の手続の準備及び追行がされている間、猶予するものとしなければならない。
第5条
【総合法律支援法の適用】
支援センターが東日本大震災法律援助事業を行う場合には、次の表の上欄に掲げる総合法律支援法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第12条 | この法律 | この法律及び東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(以下「震災特例法」という。) |
第19条第2項第2号 | この法律 | この法律又は震災特例法 |
第26条第1項 | 第48条 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する第48条 |
第29条第8項第1号 | 同じ。) | 同じ。)及び東日本大震災法律援助契約弁護士等(震災特例法第3条第1項第1号ロに規定する東日本大震災法律援助契約弁護士等をいう。以下同じ。) |
契約弁護士等に | 契約弁護士等及び東日本大震災法律援助契約弁護士等に | |
第29条第8項第2号 | 第35条第1項 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する第35条第1項 |
第30条第2項 | 前項の業務 | 前項の業務及び東日本大震災法律援助事業(震災特例法第3条第1項に規定する東日本大震災法律援助事業をいう。以下同じ。) |
第30条第3項 | 前二項の業務 | 前二項の業務又は東日本大震災法律援助事業 |
契約弁護士等 | 契約弁護士等又は東日本大震災法律援助契約弁護士等 | |
第31条 | 業務は | 業務並びに東日本大震災法律援助事業は |
第32条第1項 | 前条 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する前条 |
各業務 | 各業務並びに東日本大震災法律援助事業 | |
第32条第2項 | 前項 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する前項 |
前条 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する前条 | |
第32条第5項 | 業務 | 業務及び東日本大震災法律援助事業 |
第33条第1項 | 契約弁護士等 | 契約弁護士等又は東日本大震災法律援助契約弁護士等 |
又は第2項の業務 | 若しくは第2項の業務又は東日本大震災法律援助事業 | |
第33条第2項 | 及び契約弁護士等 | 並びに契約弁護士等及び東日本大震災法律援助契約弁護士等 |
前項 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する前項 | |
契約弁護士等の | 契約弁護士等又は東日本大震災法律援助契約弁護士等の | |
第35条第1項 | 業務 | 業務及び東日本大震災法律援助事業 |
契約弁護士等 | 契約弁護士等及び東日本大震災法律援助契約弁護士等 | |
第35条第2項 | 契約弁護士等 | 契約弁護士等及び東日本大震災法律援助契約弁護士等 |
第46条第1項 | 以外の業務 | 以外の業務並びに東日本大震災法律援助事業 |
第46条第3項及び第4項 | 第1項 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する第1項 |
第46条第5項 | 前各項 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する第1項、第2項及び同条の規定により読み替えて適用する前二項 |
第48条の表第3条第3項の項 | 個別法 | 及び個別法 |
総合法律支援法 | 、総合法律支援法及び東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(以下「震災特例法」という。) | |
第48条の表第50条の項 | 及び総合法律支援法 | 、総合法律支援法(震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び震災特例法 |
第48条の表第64条第1項の項 | 総合法律支援法 | 総合法律支援法及び震災特例法 |
第48条の表第65条第1項の項 | 総合法律支援法 | 総合法律支援法、震災特例法 |
第49条第1号 | 又は | 、震災特例法第4条第1項若しくは第2項又は |
第49条第3号 | 第46条第1項 | 震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する第46条第1項 |
第54条第1号 | この法律 | この法律(震災特例法第5条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、震災特例法 |
第54条第4号 | 業務以外 | 業務及び東日本大震災法律援助事業以外 |
附則