• 独立行政法人原子力安全基盤機構法

独立行政法人原子力安全基盤機構法

平成24年6月27日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、独立行政法人原子力安全基盤機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において「原子力施設」とは、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「原子炉等規制法」という。)第3条第2項第2号に規定する製錬施設、原子炉等規制法第13条第2項第2号に規定する加工施設、原子炉等規制法第43条の4第2項第2号に規定する使用済燃料貯蔵施設、原子炉等規制法第44条第2項第2号に規定する再処理施設、原子炉等規制法第51条の2第2項第2号に規定する廃棄物埋設施設及び廃棄物管理施設並びに原子炉等規制法第53条第2号に規定する使用施設等をいう。
この法律において「原子炉施設」とは、原子炉等規制法第23条第2項第5号に規定する試験研究用等原子炉施設及び原子炉等規制法第43条の3の5第2項第5号に規定する発電用原子炉施設をいう。
この法律において「原子力災害」とは、原子力災害対策特別措置法第2条第1号に規定する原子力災害をいう。
第3条
【名称】
この法律及び独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人原子力安全基盤機構とする。
第4条
【機構の目的】
独立行政法人原子力安全基盤機構(以下「機構」という。)は、原子力施設及び原子炉施設に関する検査等、原子力施設及び原子炉施設の設計に関する安全性の解析及び評価並びに原子力災害の予防、原子力災害の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関する業務等を行うことにより、原子力の安全の確保のための基盤の整備を図ることを目的とする。
参照条文
第5条
【事務所】
機構は、主たる事務所を東京都に置く。
第6条
【資本金】
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額を資本金とし、又はその出資額により資本金を増加するものとする。
第2章
役員及び職員
第7条
【役員】
機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
機構に、役員として、理事三人以内を置くことができる。
第8条
【理事の職務及び権限等】
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
前項ただし書の場合において、通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第9条
【役員の任期】
理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
参照条文
第10条
【役員の欠格条項の特例】
通則法第22条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
次に掲げる者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
原子炉等規制法第3条第1項の製錬の事業、原子炉等規制法第13条第1項の加工の事業、原子炉等規制法第43条の4第1項に規定する使用済燃料の貯蔵の事業、原子炉等規制法第44条第1項の再処理の事業又は原子炉等規制法第51条の2第1項に規定する廃棄の事業を行う者
原子炉等規制法第2条第4項に規定する原子炉を設置している者
原子炉等規制法第2条第2項に規定する核燃料物質を使用する者(イ又はロに掲げる者を除く。)
前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
機構の役員の解任に関する通則法第23条第1項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条又は独立行政法人原子力安全基盤機構法第10条第1項」とする。
第11条
【役員及び職員の秘密保持義務】
機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
参照条文
第12条
【役員及び職員の地位】
機構の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第3章
業務等
第13条
【業務の範囲】
機構は、第4条の目的を達成するため、次の業務を行う。
原子力施設及び原子炉施設に関する検査その他これに類する業務を行うこと。
原子力施設及び原子炉施設の設計に関する安全性の解析及び評価を行うこと。
原子力災害の予防、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関する業務を行うこと。
原子力の安全の確保(次号において「安全確保」という。)に関する調査、試験、研究及び研修を行うこと。
安全確保に関する情報の収集、整理及び提供を行うこと。
前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
機構は、前項の業務のほか、原子炉等規制法第68条第1項から第4項までの規定による立入検査、質問又は収去の業務を行う。
機構は、前二項の業務のほか、前二項の業務の遂行に支障のない範囲内で、国の行政機関の求めに応じて、原子力の安全の確保に関する業務を行うことができる。
第14条
【区分経理】
機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
前条に規定する業務のうち、特別会計に関する法律第85条第6項に規定する原子力安全規制対策に要する交付金等を財源とするもの
前号に掲げる業務以外の業務
第15条
【積立金の処分】
機構は、通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち原子力規制委員会の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第13条に規定する業務の財源に充てることができる。
原子力規制委員会は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、原子力規制委員会の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
機構は、第1項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第4章
雑則
第16条
【特に必要がある場合の主務大臣の要求】
主務大臣は、原子炉施設の安全な使用に支障を及ぼすおそれが生じた場合その他の場合において、原子力の安全の確保のため特に必要があると認めるときは、機構に対し、第13条第1項第1号から第4号までに掲げる業務に関し必要な措置をとることを求めることができる。
機構は、主務大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
第17条
【主務大臣等】
機構に係るこの法律及び通則法における主務大臣は、次のとおりとする。
役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務に関する事項については、原子力規制委員会
第13条に規定する業務(次号に規定するものを除く。)に関する事項については、原子力規制委員会
第13条第1項第3号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関する事項については、内閣総理大臣及び原子力規制委員会
機構に係る通則法における主務省は、原子力規制委員会とする。
機構に係る通則法における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。
参照条文
第18条
【独立行政法人評価委員会の意見の聴取等】
前条第1項第3号に規定する業務に関する通則法第28条第3項第29条第3項第30条第3項及び第35条第2項の規定の適用については、これらの規定中「評価委員会」とあるのは、「評価委員会及び内閣府の独立行政法人評価委員会」とする。
原子力規制委員会の独立行政法人評価委員会は、次の場合には、前条第1項第3号に規定する業務に関し、内閣府の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
通則法第32条第1項又は第34条第1項の規定による評価を行おうとするとき。
通則法第32条第3項後段(通則法第34条第3項において準用する場合を含む。)の規定による勧告をしようとするとき。
第5章
罰則
第19条
第11条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第20条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
第13条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
第15条第1項の規定により原子力規制委員会の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年四月一日から施行する。ただし、第十三条第二項及び附則第八条から第十三条までの規定は、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則第一条第二号の政令で定める日から施行する。
第2条
(職員の引継ぎ等)
機構の成立の際現に経済産業省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、経済産業大臣が指名する者を除き、別に辞令を発せられない限り、機構の成立の日において、機構の職員となるものとする。
第3条
前条の規定により機構の職員となった者に対する国家公務員法第八十二条第二項の規定の適用については、機構の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第4条
附則第二条の規定により経済産業省の職員が機構の職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法に基づく退職手当は、支給しない。
機構は、前項の規定の適用を受けた機構の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を機構の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
機構の成立の日の前日に経済産業省の職員として在職する者が、附則第二条の規定により引き続いて機構の職員となり、かつ、引き続き機構の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の機構の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が機構を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
機構は、機構の成立の日の前日に経済産業省の職員として在職し、附則第二条の規定により引き続いて機構の職員となった者のうち機構の成立の日から雇用保険法による失業給付の受給資格を取得するまでの間に機構を退職したものであって、その退職した日まで経済産業省の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第5条
附則第二条の規定により機構の職員となった者であって、機構の成立の日の前日において経済産業大臣又はその委任を受けた者から児童手当法第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、機構の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、機構の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
第6条
(権利義務の承継)
機構の成立の際、第十三条第一項及び第二項に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、機構の成立の時において機構が承継する。
第7条
(国有財産の無償使用)
経済産業大臣は、機構の成立の際現に附則第二条に規定する政令で定める部局又は機関に使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、機構の用に供するため、機構に無償で使用させることができる。
第13条
(罰則の適用に関する経過措置)
附則第一条ただし書に規定する規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における当該規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から第七条まで、第九条、第十一条及び前条に定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成15年5月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年十月一日から施行する。
附則
平成16年6月23日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
附則
平成19年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。
第391条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第392条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。
附則
平成24年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第86条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第87条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

キーボードでも操作できます

  (テンキーを利用する場合は

    NumLockして下さい)

「1」+「4」+「Enter」 ⇒ 14条

「Esc」 or 「テンキーの/」 ⇒ クリア