オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律
平成20年6月18日 制定
第1条
【趣旨】
この法律は、平成七年三月二十日に発生した地下鉄サリン事件等のオウム真理教による無差別大量の殺傷行為が暴力により国の統治機構を破壊する等の主義を推進する目的の下に行われた悪質かつ重大なテロリズムとしての犯罪行為であり、これにより不特定又は多数の者が被った惨禍が未曾有のものであることに加え、オウム真理教が、教団としてテロリズムとしての犯罪行為を実行する能力を形成する過程においても、これに立ち向かった者やその家族が教団の発展を阻害する者として殺傷行為等の犯罪行為の犠牲となっていること等を踏まえ、国においてこれらの犯罪行為(以下「テロリズム等」という。)の被害者等の救済を図ることがテロリズムと戦う我が国の姿勢を明らかにする意義を有することにかんがみ、オウム真理教犯罪被害者等に対する給付金の支給について定めるものとする。
第2条
【定義】
第3条
【給付金の支給】
第4条
【遺族の範囲及び順位等】
1
給付金の支給を受けることができる遺族は、対象犯罪行為により死亡した者又は対象犯罪行為により障害が残り、若しくは傷病を負った者であって対象犯罪行為によらないで死亡した者(以下この条において「死亡被害者」という。)の死亡の時において、次の各号のいずれかに該当する者とする。
第5条
【給付金の額】
2
前項第2号イの国家公安委員会規則は労働者災害補償保険法の規定に基づく障害等級(以下この項において単に「障害等級」という。)の第一級又は第二級に該当する障害であって介護を要するものを、同号ロの国家公安委員会規則は障害等級の第一級から第三級までに該当する障害(同号イに掲げる障害を除く。)を、同号ハの国家公安委員会規則は障害等級の第四級から第十四級までに該当する障害を、それぞれ、参酌して定めるものとする。
第8条
【裁定のための調査等】
1
公安委員会は、裁定を行うため必要があると認めるときは、第6条第1項の申請をした者(以下この条において「申請者」という。)その他の関係人に対して、報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、出頭を命じ、又は医師の診断を受けさせることができる。
4
公安委員会は、申請者がオウム真理教犯罪被害者等に該当するかどうか及び対象犯罪行為による被害の程度を判断するに当たっては、オウム真理教犯罪被害者等が置かれている状況を踏まえて申請者に対して過重な負担を課することのないようにする観点から、オウム真理教に対する破産申立事件の記録、対象犯罪行為に係る刑事事件の訴訟に関する書類、対象犯罪行為により被害を受けた者に対する労働者災害補償保険法その他の法令による給付等に係る記録等(次条第1項において単に「記録等」という。)を必要に応じ用いる等、事案の実情に即した適切な判断を行うものとする。
第9条
【国家公安委員会による資料の提出の求め】
第16条
【戸籍事項の無料証明】
市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項の指定都市にあっては、区長とする。)は、公安委員会又は給付金の支給を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、オウム真理教犯罪被害者等の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
第18条
【地方自治法の特例】
前条に規定する事務についての地方自治法第245条の4第1項及び第3項、第245条の7第1項、第245条の9第1項並びに第255条の2の規定の適用については、同法第245条の4第1項中「各大臣(内閣府設置法第4条第3項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣又は国家行政組織法第5条第1項に規定する各省大臣をいう。以下本章、次章及び第14章において同じ。)又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関」とあるのは「国家公安委員会」と、同条第3項中「普通地方公共団体の長その他の執行機関」とあるのは「都道府県公安委員会」と、「各大臣又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関」とあるのは「国家公安委員会」と、同法第245条の7第1項中「各大臣は、その所管する法律」とあるのは「国家公安委員会は、オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」と、同法第245条の9第1項中「各大臣は、その所管する法律」とあるのは「国家公安委員会は、オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」と、同法第255条の2第1号中「都道府県知事その他の都道府県の執行機関」とあるのは「都道府県公安委員会」と、「当該処分又は不作為に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣」とあるのは「国家公安委員会」とする。