最高裁判所裁判官国民審査法
平成23年5月2日 改正
第10条
【技術的な助言及び勧告並びに資料の提出の要求】
1
中央選挙管理会は、審査に関する事務について、都道府県又は市町村に対し、都道府県又は市町村の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、又は当該助言若しくは勧告をするため若しくは都道府県又は市町村の事務の適正な処理に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。
2
中央選挙管理会は、審査に関する事務について、都道府県の選挙管理委員会に対し、地方自治法第245条の4第1項の規定による市町村に対する助言若しくは勧告又は資料の提出の求めに関し、必要な指示をすることができる。
第10条の2
【是正の指示】
1
中央選挙管理会は、この法律又はこの法律に基づく政令に係る都道府県の地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務(以下この条及び次条において「第1号法定受託事務」という。)の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該第1号法定受託事務の処理について違反の是正又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。
2
中央選挙管理会は、この法律又はこの法律に基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理について、都道府県の選挙管理委員会に対し、地方自治法第245条の7第2項の規定による市町村に対する指示に関し、必要な指示をすることができる。
第10条の3
【処理基準】
2
都道府県の選挙管理委員会が、地方自治法第245条の9第2項の規定により、市町村の選挙管理委員会がこの法律の規定に基づき担任する第1号法定受託事務の処理について、市町村が当該第1号法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定める場合において、当該都道府県の選挙管理委員会の定める基準は、次項の規定により中央選挙管理会の定める基準に抵触するものであつてはならない。
4
中央選挙管理会は、この法律又はこの法律に基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理について、都道府県の選挙管理委員会に対し、地方自治法第245条の9第2項の規定により定める基準に関し、必要な指示をすることができる。
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参照条文
第15条
【投票の方式】
第16条
【点字による投票】
第26条
【投票及び開票に関するその他の事項】
この法律及びこれに基づいて発する命令に規定するもののほか、投票及び開票に関しては、衆議院小選挙区選出議員の選挙の投票(公職選挙法第49条第7項及び第8項の規定による投票に関する部分を除く。)及び開票の例による。ただし、同法第48条の2の規定の例による場合においては、審査の期日前七日から審査の期日の前日までの間に審査の投票をしなければならない。
第29条
【審査分会の結果の報告】
審査分会長は、第27条第5項の規定による調査を終えたときは、審査分会録の写を添えて、各裁判官について罷免を可とする投票及び可としない投票の数その他審査分会における調査の結果を直ちに審査長に報告しなければならない。
第32条
【罷免を可とされた裁判官】
罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は、罷免を可とされたものとする。但し、投票の総数が、公職選挙法第22条第1項又は第2項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日のうち審査の日の直前の日現在において第8条の選挙人名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでない。
第33条
【審査の結果の報告及び告示】
1
第30条第5項の規定による調査を終えたときは、審査長は、直ちに罷免を可とされた裁判官の氏名並びに罷免を可とする投票の数及び罷免を可としない投票の数その他審査の次第を中央選挙管理会に報告しなければならない。
2
中央選挙管理会は、前項の報告を受けたときは、直ちに罷免を可とされた裁判官にその旨を告知し、同時に罷免を可とされた裁判官の氏名を官報で告示し、かつ、総務大臣を通じ内閣総理大臣に通知しなければならない。
第36条
【審査無効の訴訟】
審査の効力に関し異議があるときは、審査人又は罷免を可とされた裁判官は、中央選挙管理会を被告として第33条第2項の規定による告示のあつた日から三十日内に東京高等裁判所に訴えを提起することができる。
第37条
【審査無効の判決】
1
前条の規定による訴訟においては、審査についてこの法律又はこれに基いて発する命令に違反することがあるときは、審査の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限り、裁判所は、審査の全部又は一部の無効の判決をしなければならない。
第38条
【罷免無効の訴訟】
審査の結果罷免を可とされた裁判官は、その罷免の効力に関し異議があるときは、中央選挙管理会を被告として第33条第2項の規定による告示のあつた日から三十日内に東京高等裁判所に訴えを提起することができる。
第44条
【利益供与等の罪】
1
次の各号に掲げる行為をした者は、これを三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
①
審査による罷免を免れ若しくは免れさせ又は審査により罷免をさせる目的で、審査人又は審査に関し運動をする者に対し、金銭、物品その他財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし、職務上の地位若しくは職務上の地位に関する特殊の関係を利用して特殊の利益の供与、その供与の申込み若しくは約束をし、又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。
②
審査による罷免を免れ若しくは免れさせ又は審査により罷免をさせる目的で、審査人又は審査に関し運動をする者に対し、その者又はその者の関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導したとき。
第47条
【職権濫用等の罪】
1
審査に関し国若しくは地方公共団体の公務員、特定独立行政法人(独立行政法人通則法第2条第2項に規定する特定独立行政法人をいう。次項において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人をいう。次項において同じ。)の役員若しくは職員又は第44条第2項前段に掲げる者が、故意にその職務の執行を怠り、又はその職権を濫用して審査の自由を妨害したときは、これを四年以下の禁錮に処する。
2
国若しくは地方公共団体の公務員、特定独立行政法人若しくは特定地方独立行政法人の役員若しくは職員又は第44条第2項前段に掲げる者が、審査人に対しその投票しようとし又は投票した内容の表示を求めたときは、これを六箇月以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
第49条
【公職選挙法の罰則準用】
審査に関しては、公職選挙法第227条から第234条まで、第237条から第238条まで及び第255条の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定の中同表中欄に掲げるものは、それぞれ同表下欄のように読み替えるものとする。
第227条第237条第4項 | 選挙管理委員会の委員若しくは職員、投票管理者、開票管理者、選挙長若しくは選挙分会長、選挙事務に関係のある国若しくは地方公共団体の公務員 | 最高裁判所裁判官国民審査法第44条第2項前段に掲げる者 |
第227条 | 投票した被選挙人の氏名 | 投票の内容 |
第228条第1項 | 又は被選挙人の氏名 | 又は投票の内容 |
第230条第1項 | 第225条第1号 | 最高裁判所裁判官国民審査法第46条第1号 |
第234条 | 第221条、第222条、第223条、第225条、 | 最高裁判所裁判官国民審査法第44条及び第46条並びに同法第49条において準用する |
第237条の2第1項 | 公職の候補者(公職の候補者たる参議院名簿登載者を含む。)の氏名若しくは衆議院名簿届出政党等若しくは参議院名簿届出政党等の名称若しくは略称又は公職の候補者に対して〇の記号 | 投票の内容 |
第237条の2第2項 | 公職の候補者(公職の候補者たる参議院名簿登載者を含む。)の氏名又は衆議院名簿届出政党等若しくは参議院名簿届出政党等の名称若しくは略称 | 投票の内容 |
第255条第1項 | この章 | 最高裁判所裁判官国民審査法第7章 |
第255条第2項 | 第228条第1項及び第234条 | 最高裁判所裁判官国民審査法第49条において準用する第228条第1項及び第234条 |
附則
昭和37年5月16日
附則
平成11年7月16日
第158条
(共済組合に関する経過措置等)
1
施行日前に社会保険関係地方事務官又は職業安定関係地方事務官であった者に係る地方公務員等共済組合法又は地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法の規定による長期給付(これに相当する給付で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)のうち、その給付事由が施行日前に生じた長期給付で政令で定めるものに係る地方公務員等共済組合法第三条第一項第一号に規定する地方職員共済組合(以下この条において「地方職員共済組合」という。)の権利義務は、政令で定めるところにより、施行日において国家公務員共済組合法第二十一条第一項に規定する国家公務員共済組合連合会(以下この条において「国の連合会」という。)が承継するものとする。施行日前に社会保険関係地方事務官又は職業安定関係地方事務官であった者に係る地方公務員等共済組合法又は地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法の規定による長期給付のうち、その給付事由が施行日以後に生ずる長期給付で政令で定めるものに係る地方職員共済組合の権利義務についても、同様とする。
2
地方職員共済組合は、附則第七十一条の規定により相当の地方社会保険事務局又は社会保険事務所の職員となる者及び附則第百二十三条の規定により相当の都道府県労働局の職員となる者並びに前項の規定によりその長期給付に係る地方職員共済組合の権利義務が国の連合会に承継されることとなる者に係る積立金に相当する金額を、政令で定めるところにより、国家公務員共済組合法第三条第二項の規定に基づき同項第四号ロに規定する職員をもって組織する国家公務員共済組合(以下「厚生省社会保険関係共済組合」という。)若しくは同条第一項の規定に基づき労働省の職員をもって組織する国家公務員共済組合(以下この条において「労働省共済組合」という。)又は国の連合会に移換しなければならない。この場合において、地方公務員等共済組合法第百四十三条第三項の規定は、適用しない。
3
施行日の前日において地方公務員等共済組合法第百四十四条の二第一項後段の規定により地方職員共済組合の組合員であるものとみなされていた者(施行日前に退職し、施行日の前日以後同項前段の規定による申出をすることにより同項後段の規定により引き続き地方職員共済組合の組合員であるものとみなされることとなる者を含む。)のうち、退職の日において社会保険関係地方事務官又は職業安定関係地方事務官であった者は、施行日において、当該資格を喪失し、国家公務員共済組合法第百二十六条の五第一項後段の規定によりそれぞれ厚生省社会保険関係共済組合又は労働省共済組合の組合員であるものとみなされる者となるものとする。この場合において、同条第五項第一号及び第一号の二中「任意継続組合員となつた」とあるのは、「地方公務員等共済組合法第百四十四条の二第一項後段の規定により地方職員共済組合の組合員であるものとみなされる者となつた」とする。
第159条
(国等の事務)
第160条
(処分、申請等に関する経過措置)
1
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
第161条
(不服申立てに関する経過措置)
第162条
(手数料に関する経過措置)
第164条
(その他の経過措置の政令への委任)
第250条
(検討)
第251条
附則
平成17年10月21日
第117条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。