会社経理応急措置法
平成17年7月26日 改正
第1条
1
この法律で特別経理会社とは、左に掲げる会社(金融機関経理応急措置法第27条第1号に掲げる金融機関及び閉鎖機関令第1条に規定する閉鎖機関を除く。以下同じ。)をいふ。
①
昭和二十一年八月十一日午前零時(以下指定時といふ。)において、戦時補償金等の交付を受け、若しくはその交付を受ける権利を有し、又は在外資産を有する資本金(出資総額、株金総額又は出資総額及び株金総額の合計額をいふ。以下同じ。)二十万円以上の会社。但し、主務大臣の指定する会社及び戦時補償金等の交付を受けた金額又は会社の貸借対照表の資産の部に計上した戦時補償金等の請求権及び在外資産の合計額が、指定時現在において、命令の定めるところにより計算した積立金の額及び貸借対照表に記載した指定時を以て終了する事業年度の利益金額の合計額を超えず、且つ債務超過又は支払不能に陥る虞のない会社であつて、主務大臣の認可を受けたものを除く。
第5条
特別経理会社は、遅滞なく、指定時現在における財産目録、貸借対照表、動産、不動産、債権その他の財産及び債務に関する明細書並びに指定時を含む事業年度開始の日から指定時に至るまでの損益計算書を作成しなければならない。
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参照条文
第7条
2
特別経理会社の第5条の財産目録に記載した動産、不動産、債権その他の財産(以下会社財産といふ。)は、命令の定めるところにより、会社の目的たる現に行つてゐる事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要なものを、指定時において、新勘定に所属せしめ、新勘定に所属せしめた会社財産以外の会社財産を、指定時において、旧勘定に所属せしめる。
7
旧勘定に所属する財産のうちで、あらたに新勘定に所属せしめることを必要とするものを生じたときには、特別管理人の決定に基いて、これを新勘定に振り替へることができる。この場合においては、当該財産は、新勘定に振り替へられた日において、新勘定に所属せしめられたものとする。
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参照条文
第8条の2
1
特別経理会社が新勘定に所属せしめた会社財産のうちで旧勘定に所属せしめることを必要とするものを生じたときには、特別管理人の決定に基き主務大臣の認可を受け、これを旧勘定に振り替へることができる。この場合においては、当該会社財産は、旧勘定に振り替へられた日において、旧勘定に所属せしめられたものとし、第14条第5項の規定を準用する。
第11条
5
特別経理会社が、指定時後、旧勘定に所属する財産の果実として収取した財産及び旧勘定に所属する財産の処分の対価として取得した財産その他命令で定めるものは、第1項の規定にかかはらず、これを旧勘定に所属せしめる。
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参照条文
第12条
1
指定時以前の原因に基いて生じた特別経理会社に対する債権(以下旧債権といふ。)の先取特権、質権又は抵当権であつて、新勘定に所属する会社財産の上に存するものは、命令により定める場合を除くの外、当該会社財産を新勘定に所属せしめた日に、当該会社財産につき消滅する。
2
鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団又は自動車交通事業財団に属する会社財団の全部が新勘定に所属せしめられた場合においては、当該財団は、抵当権の消滅により消滅することはないものとする。
3
鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団又は自動車交通事業財団に属する会社財産の一部を新勘定に所属せしめる場合には当該会社財産は、命令により定める場合を除くの外、当該会社財産を新勘定に所属せしめる日において、当該財団から除かれ、当該財団に属さないことになつたものとする。
6
第4項但書の場合において、同項但書の会社財産に対して先取特権、質権又は抵当権を有した者は、当該特別経理会社の総財産について、他の債権者に先立つて当該旧債権(企業再建整備法第19条第1項の規定の適用を受ける場合においては、同項の規定によつて確定する額の債権)の弁済を受ける権利を有する。
第13条
指定時後の原因に基いて生じた特別経理会社に対する債権(旧勘定に所属する財産の管理のために生じた債権を除く。以下新債権といふ。)については、旧勘定に所属する財産に対して、強制執行、仮差押又は仮処分をすることができない。
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参照条文
第14条
1
旧債権(命令で定める債権を含む。)については、弁済をなし、又は弁済を受けその他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。但し、金銭その他物若しくは有価証券の引渡を目的とする債権以外の債権又は金銭以外の物の引渡を目的とする債権であつて、その給付が特別経理会社の現に行つてゐる通常の業務に属し、且つ新勘定の計算において履行できるもの並びに左に掲げるものについては、この限りでない。
第15条
2
特別経理会社の解散、合併、組織変更又は資本(出資金を含む。)の減少に関する総社員の同意、株主総会の決議又は社員総会の決議は、その効力を生じない。但し、特別の事由により主務大臣の承認を受けた場合においては、この限りでない。
3
特別経理会社になつたものの財産に対し、既にされた強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は担保権の実行としての競売の手続は、その会社が特別経理会社である間、これを中止する。ただし、その財産が新勘定に所属することとなつたときには、これらの手続は、この法律の適用の限度において、その効力を失う。
4
特別経理会社の解散、合併及び組織変更については、この法律及び他の法令にかかはらず、命令を以て別段の定をなすことができる。指定時後合併する会社の一方又は双方が特別経理会社である場合において、合併後存続する会社であつて特別経理会社でないもの又は合併に因り設立する会社についても、同様とする。
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参照条文
第17条
1
特別経理会社は、命令で定める場合を除くの外、取締役その他当該会社の業務を執行する役員のうちから二人、及び当該会社の旧債権を有する者(法人である場合においては、その代表者)のうちから二人の特別管理人を選任しなければならない。
3
第1項の規定による最初の特別管理人の全員が選任されたときには、特別経理会社は、本店の所在地においては二週間以内に、支店の所在地においては三週間以内に、特別管理人の住所及び氏名並びに当該会社との関係を登記しなければならない。
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参照条文
第22条
1
特別経理会社は、会社財産及び指定時後取得した旧勘定に所属する財産を譲渡し、貸与し又は質権若しくは抵当権の目的としようとするときには、命令で定める場合を除くの外、特別管理人(特別管理人の選任されてゐないときには主務大臣)の承認を受けなければならない。
3
第1項の規定によつて特別管理人の承認を受けないで、会社財産及び指定時後取得した旧勘定に所属する財産を処分した場合においては、その処分は、これを無効とする。但し、その処分の無効は、これを以て善意の第三者に対抗することができない。
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参照条文
附則
昭和26年3月28日
2
この法律施行前に整備計画の認可を受けた特別経理株式会社の決定整備計画に定める事項の実行については、第六条、第二十九条の三及び第二十九条の四の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。但し、決定整備計画に定める事項を改正後のこれらの規定に従つたものとするため、当該特別経理株式会社の特別管理人が企業再建整備法第二十条第一項の規定により決定整備計画の変更の認可を申請することを妨げない。