閉鎖機関令
平成23年6月24日 改正
第1条
1
この勅令において閉鎖機関とは、その本邦内における業務を停止し、その本邦内に在る財産の清算をなすべきものとして大蔵大臣及びその業務に係る行政の所管大臣(以下所管大臣という。)の指定する法人その他の団体をいう。
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参照条文
第3条 第8条 第11条の2 第19条の20 第20条 第23条 第28条の2 第29条の2 会社経理応急措置法第1条 企業再建整備法第36条 企業再建整備法施行令第18条 旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律第6条 旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令第2条 旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の施行に関する命令第5条 金融機関再建整備法第25条の2 第58条 金融機関再建整備法第五十八条の規定に基く閉鎖機関の旧勘定の整理等の特例に関する政令第1条 昭和二十二年総理庁令、大蔵省令、外務省令、商工省令、運輸省令、農林省令、厚生省令、司法省令第一号(閉鎖機関に対する債権の申出等に関する命令)第1条の2 昭和二十二年総理庁令、大蔵省令、外務省令、商工省令、運輸省令、農林省令、厚生省令、司法省令第三号(閉鎖機関の未払込株金等の払込に関する命令)第2条 昭和二十二年総理庁令、大蔵省令、外務省令、商工省令、運輸省令、農林省令、厚生省令、司法省令第四号(閉鎖機関の債務の弁済等に関する命令)第7条 ドイツ財産管理令第2条 閉鎖機関に関する債権の時効等の特例に関する政令第1条 閉鎖機関の引当財産の管理に関する政令第1条 連合国財産である株式の回復に関する政令第2条
第2条
1
閉鎖機関の本邦内に在る本店、支店その他の営業所に係る債権及び債務は、これを本邦内に在る財産とし、閉鎖機関の本邦外に在る本店、支店その他の営業所に係る債権及び債務は、これを閉鎖機関の本邦内に在る財産以外の財産とする。
2
閉鎖機関の本邦外に在る本店、支店その他の営業所に係る債権及び債務のうち左に掲げるものは、前項の規定にかかわらず、これを本邦内に在る財産とみなす。
第6条
1
閉鎖機関となつた法人その他の団体の役員又は職員の地位に昭和二十年八月十五日以後在つたことのある者は、大蔵大臣の定めるところにより、その氏名、住所その他必要な事項を、第9条に規定する特殊清算人に通知しなければならない。
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参照条文
第7条
1
指定日において閉鎖機関の本邦内にある営業所以外の場所で、閉鎖機関の所有に属する財産(帳簿及び営業又は事業に関する書類を含む。)又は閉鎖機関の保管に属する財産を所持する者は、その旨を第9条に規定する特殊清算人に報告し、特殊清算人の要求があるときは、他の法令又は契約にかかわらず、これを遅滞なく特殊清算人に引き渡さなければならない。但し、担保権に変更を及ぼし又は訴追若しくは民事上若しくは刑事上の訴訟手続を阻害する場合においては、この限りでない。
第11条
1
閉鎖機関の債務の弁済その他債務を消滅させる行為については、第11条の2の規定に該当する場合を除く外、他の法令にかかわらず、その方法、金額、時期及び順位について、財務大臣の指示に従わなければならない。
第12条
1
双務契約(指定業務となつた業務に関するものを除く。)について、閉鎖機関及びその相手方が、指定日において、まだ、ともにその履行を完了していないときは、特殊清算人は、その選択に従つて、契約の解除をなし又は相手方の債務の履行を請求することができる。
2
前項の場合において、相手方は、特殊清算人に対して相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をなすか又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。特殊清算人がその期間内に確答をなさないときは、契約の解除をなしたものとみなす。
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参照条文
第14条
第19条
1
閉鎖機関のうち昭和二十年八月十五日現在においてその本邦外に在る本店、支店その他の営業所に係る債務(第2条第2項の規定により本邦内に在る財産とみなされた債務を除く。以下在外債務という。)を有していたものについては、特殊清算の目的である債務を弁済し、及び当該債務のうち異議のある債務、条件付の債務その他不確定の債務について、財務大臣の定めるその弁済に必要な財産を別除した後において、当該在外債務の総額が当該閉鎖機関の財産(債務を除く。)のうち本邦内に在る財産以外のもの(以下在外資産という。)の総額をこえる場合にはその超過額(当該閉鎖機関につき政令で一定の金額を定めたときは、その金額を加算した額)に相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)を、その他の場合において当該閉鎖機関につき政令で一定の金額を定めたときはその金額に相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)を、財務大臣の承認を得て、それぞれ留保した後でなければ、残余財産の処分をなすことができない。
第19条の3
1
株式会社(これと同種の外国会社を含む。)である閉鎖機関については、その発行済株式の総数の十分の一以上に当る株式を有する株主は、当該機関の株主に対し新たに払込又は出資をさせないで株式を引き受けさせることにより当該機関の本邦内に在る財産(第19条第1項に規定する閉鎖機関については、在外債務の総額が在外資産の総額をこえる場合にはその超過額(当該閉鎖機関につき同項に規定する政令で定める金額があるときは、その金額を加算した額)、その他の場合において当該閉鎖機関につき同項に規定する政令で定める金額があるときにはその金額にそれぞれ相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)を留保した後の財産に限る。)をもつて株式会社を設立すべきことを特殊清算人に対して申し立てることができる。
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参照条文
第19条の4
2
特殊清算人は、前項の規定による承認があつたときは、その承認に際し財務大臣の指定する日(以下計画基準日という。)以後当該閉鎖機関の債務(財務大臣の指定するものを除く。)の弁済を停止し、その承認のあつた日から三月以内に申立書の趣旨に従つて新会社設立計画案(以下計画案という。)を作成し、これについて株主総会の決議を経なければならない。
第19条の5
3
第1項の規定により株主総会を招集する場合には、会日から二週間前に、株主に対し株主総会の会日及び会議の目的である事項を通知する外、財務省令の定めるところにより、これらの事項を公告しなければならない。
5
特殊清算人は、第3項の規定による公告をする場合においては、計画案の外、閉鎖機関の計画基準日の午前零時における財産目録及び貸借対照表、指定日から計画基準日までの収支計算書並びに債務の弁済及び残余財産の分配に関する一覧表をその主たる事務所に備え置き、株主の閲覧に供しなければならない。
第19条の7
1
特殊清算人は、前条の規定による認可を申請したときは、遅滞なく、閉鎖機関に対して債権(本邦内に在る財産に限る。)を有する者(以下国内債権者という。)に対し、当該申請に係る計画案及び新会社の設立により当該債権が当該新会社に移転することについて異議があるときは一月以内に事由を具して財務大臣に申し出るべき旨を公告し、且つ、知れている国内債権者には、当該期間内に各別にその旨を催告しなければならない。
第19条の9
特殊清算人は、前条の規定による計画案の認可があつたときは、遅滞なく、その旨を公告し、且つ、認可を受けた計画案(以下決定計画という。)をその主たる事務所に備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
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参照条文
第19条の17
第19条の8の規定による計画案の認可があつた後、決定計画の遂行の見込がないことが明らかになつたときは、財務大臣は、特殊清算人若しくは利害関係人の申立により又は職権で、新会社の設立の手続の廃止を命ずることができる。
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参照条文
第19条の21
2
前項の場合においては、特殊清算人は、財務省令の定めるところにより、遅滞なく特殊清算事務が終つた旨及び利害関係人が特殊清算事務に異議があるときは、一箇月以内に事由を具して財務大臣に申し出るべき旨を公告し、且つ、決算報告書及びその附属書、閉鎖機関の帳簿並びに営業若しくは事業及び特殊清算に関する重要書類を、その主たる事務所に備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
第19条の22
1
特殊清算が結了したときは、特殊清算人は、前条第1項の承認があつた後遅滞なくその旨を公告し、本店又は主たる事務所の所在地においては二週間、支店又は従たる事務所の所在地においては三週間内に、特殊清算結了の登記をしなければならない。
第19条の24
特殊清算が結了した場合においては、財務大臣(閉鎖機関の新会社が成立した場合には、新会社)は閉鎖機関の本店又は主たる事務所の所在地において特殊清算結了の登記があつた後(登記がなかつた場合においては第19条の22第1項に規定する公告があつた後)十年間、当該閉鎖機関の帳簿並びに営業若しくは事業及び特殊清算に関する重要書類を保存しなければならない。
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参照条文
第19条の25
1
特殊清算人は、閉鎖機関の債務を弁済した後でなければ、当該閉鎖機関の財産を株主又は社員その他の構成員に分配することができない。ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。
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参照条文
第19条の26
閉鎖機関又は閉鎖機関に対して債務を有する者で財務省令で定めるものは、金融機関再建整備法第37条の9又は企業再建整備法第29条第2項の規定にかかわらず、財務省令の定めるところにより、金融機関再建整備法第37条の2の規定により金融機関から調整勘定の利益金の分配を受ける権利(以下調整勘定受益権という。)又は企業再建整備法第26条の規定による仮勘定利益額の分配を受ける権利(以下仮勘定受益権という。)を譲渡することができる。
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参照条文
第19条の27
閉鎖機関が、調整勘定受益権、仮勘定受益権及び財務大臣の指定する債権並びに信託報酬に充てるべきその他の資産以外の資産を有しない場合において、財務省令の定めるところにより、その有する調整勘定受益権、仮勘定受益権及び当該財務大臣の指定する債権のすべてを信託したときは、当該機関は、その債権者に対する債務及び残余財産を分配すべき義務を免かれるものとする。
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参照条文
第19条の29
第20条
2
第19条第1項に規定する閉鎖機関については、特殊清算の目的である債務を弁済し、及び当該債務のうち異議のある債務、条件付の債務その他不確定の債務について、財務大臣の定めるその弁済に必要な財産を別除した後において、在外債務の総額が在外資産の総額をこえる場合にはその超過額(当該閉鎖機関につき同項に規定する政令で定める金額があるときは、その金額を加算した額)に相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)を、その他の場合において当該閉鎖機関につき同項に規定する政令で定める金額があるときには、その金額に相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)を、財務大臣の承認を得て、それぞれ留保した後でなければ、前項の規定による指定の解除をすることができない。
第20条の2
2
第19条の21第2項から第5項までの規定は、前条第1項の規定による指定の解除があつた場合に、これを準用する。この場合において、第19条の21第2項中「特殊清算事務が終つた旨」とあるのは「指定の解除があつた旨」と、「決算報告書」とあるのは「清算状況報告書」と、同項及び同条第5項中「閉鎖機関」とあるのは「指定解除機関」と読み替えるものとする。
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参照条文
第20条の6
指定解除機関の特殊清算人であつた者は、当該機関の清算人が選任されたときは、遅滞なく、その清算人に、第20条の2第1項の規定により財務大臣に提出した清算状況報告書の写、当該機関の帳簿並びに当該機関の営業又は事業及び特殊清算に関する重要書類を引き渡さなければならない。
第23条
1
財務大臣は、第1条の規定による指定があつたときは、当該閉鎖機関につき、直ちにその本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所の所在地において、閉鎖機関である旨及び指定業務の指定があつたときはその指定業務の登記を嘱託しなければならない。
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参照条文
附則
6
第五条第一項乃至第三項、第九条の二、第十一条の二、第十八条及び第十九条中「指定日」とあるのは、旧昭和二十年省令第一号別表に掲げる銀行その他の機関中、第一号乃至第二十九号に掲げる機関については「昭和二十年九月三十日」、第三十号及び第三十一号に掲げる機関については「昭和二十一年二月十三日」、第三十二号乃至第四十四号に掲げる機関については「昭和二十一年四月四日」、第四十五号乃至第四十七号に掲げる機関については「昭和二十一年十月四日」、第四十八号乃至第五十一号に掲げる機関については「昭和二十一年十一月十八日」、第五十二号に掲げる機関については「昭和二十一年十一月二十五日」、第五十三号に掲げる機関については「昭和二十一年十二月十日」、第五十四号に掲げる機関については「昭和二十一年十二月十八日」、第五十五号に掲げる機関については「昭和二十一年十二月二十三日」、第五十六号に掲げる機関については「昭和二十二年一月十六日」と読み替えるものとする。
7
閉鎖機関である朝鮮銀行又は株式会社台湾銀行(以下朝鮮銀行等という。)は、その特殊清算の目的である債務を弁済し、及び当該債務のうち異議のある債務、条件付の債務その他不確定の債務について、大蔵大臣の定めるその弁済に必要な財産を別除した後において、在外債務の総額が在外資産の総額をこえる場合にはその超過額(第十九条第一項に規定する政令で定める金額があるときは、その金額を加算した額)に相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)を、その他の場合において同項に規定する政令で定める金額があるときはその金額に相当する本邦内に在る財産(債務を除く。)をそれぞれ留保した後の財産の額に、朝鮮銀行法第二十七条又は台湾銀行法第二十条の二の規定により納付すべき納付金のこれらの規定に規定する利益金に対する割合を乗じて得た金額を、大蔵大臣の定めるところにより、政府に納付しなければならない。
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朝鮮銀行等については、前項の規定による納付金を政府に納付した後でなければ、第十九条の規定による残余財産の処分、第十九条の三から第十九条の十九までの規定による株式会社の設立及び第二十条の規定による指定の解除をすることができない。
附則
昭和23年8月21日