入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律
平成23年5月2日 改正
第2条
【定義】
2
この法律において「入会林野整備」とは、入会林野である土地について、その農林業上の利用を増進するため、入会権を消滅させること及びこれに伴い入会権以外の権利を設定し、移転し、又は消滅させることをいう。
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この法律において「旧慣使用権」とは、地方自治法第238条の6第1項に規定する権利をいい、「旧慣使用林野」とは、旧慣使用権の目的となつている土地で主として木竹の生育に供され又は採草若しくは家畜の放牧の目的に供されるものをいい、「旧慣使用権者」とは、旧慣使用林野につき旧慣使用権を有する者をいう。
第3条
【入会林野整備の実施手続】
第4条
【入会林野整備計画の内容】
1
第5条
【関係権利者の同意及び認可の申請】
3
第3条の認可の申請は、農林水産省令で定めるところにより、申請書に、入会林野整備計画書のほか次に掲げる書類を添附してしなければならない。ただし、第5号に掲げる意見書は、当該入会林野の所在する市町村が農業委員会等に関する法律第3条第1項ただし書又は第5項の規定により農業委員会を置かない市町村である場合には、添附することを要しない。
第6条
【審査及び公告等】
1
都道府県知事は、第3条の認可の申請があつたときは、当該申請に係る入会林野整備計画につき詳細な審査を行なつてその適否を決定し、その旨を当該申請をした入会権者の代表者(以下「申請人代表者」という。)に通知しなければならない。
第11条
【認可及び金銭の供託】
1
都道府県知事は、第7条第1項の規定による異議の申出(第9条第5項の規定によるものを含む。)がないとき、又は当該異議の申出があつた場合において、そのすべてについて、第7条第4項において準用する行政不服審査法第47条第1項若しくは第2項の規定による決定をしたとき、若しくは第7条第2項の協議がととのつた旨の同条第3項の規定による報告があり若しくは第8条第2項の調停が成立したとき(当該協議がととのい又は当該調停が成立したことにより入会林野整備計画の変更を必要とするときを除く。)は、第3条の認可の申請に係る入会林野整備計画(第9条第1項又は第2項の規定による変更の申請があつた場合には、当該申請に係る変更後の入会林野整備計画。以下この条において同じ。)の認可をしなければならない。
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都道府県知事は、前項の規定により認可をしようとする場合において、当該認可をしようとする第3条の認可の申請に係る入会林野整備計画において入会権者が入会権者以外の者に対し当該認可につき次項の規定による公告のある日の翌日までに金銭を支払うべきこととされているときは、当該申請人代表者に、当該入会権者以外の者ごとにその支払うべきこととされている金銭(当該入会林野整備計画において当該入会権者以外の者が入会権者に対し当該認可につき同項の規定による公告のある日の翌日までに支払うべきこととされている金銭がある場合には、その額を控除した額の金銭)の供託をさせなければならない。ただし、当該申請人代表者が当該入会権者以外の者から供託をしなくてもよい旨の申出があつたことを都道府県知事に届け出た場合は、この限りでない。
第12条
【入会林野整備の効果】
前条第3項の規定による公告があつたときは、その公告があつた入会林野整備計画の定めるところにより、その公告があつた日限りすべての入会権及びその他の権利が消滅し、その公告があつた日の翌日において、所有権が移転し、又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が設定される。
第14条
【登記】
3
第12条の規定により所有権又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を取得した者からその取得に係る権利の全部又は一部の出資(その者が、第11条第3項の規定による公告があつた入会林野整備計画において定められている出資計画を実施するために行なうものに限る。)を受けた生産森林組合又は農業生産法人が、第11条第3項の規定による公告があつた日の翌日から起算して二十日を経過する日までに、農林水産省令で定めるところにより、当該出資をした者の氏名及び住所、当該出資の目的たる権利の種類、当該権利に係る土地の所在、地番、地目及び面積並びに当該権利が所有権以外の権利である場合には、その存続期間、対価その他の条件を都道府県知事に届け出たときは、都道府県知事は、遅滞なく当該法人のために当該権利の取得に関し必要な登記を嘱託しなければならない。
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第11条第3項の規定による公告があつた後においては、その公告があつた入会林野整備計画に係る土地に関しては、前二項の規定による登記がされるまでは、他の登記をすることができない。ただし、登記の申請人が確定日付のある書類によりその公告前に登記原因が生じたことを証明した場合は、この限りでない。
第15条
【入会権者の地位の承継】
第11条第3項の規定による公告があつた場合において、その公告があつた日までに死亡した入会権者でその公告があつた入会林野整備計画において権利を取得し又は金銭の支払をし若しくはこれを受けるべきこととされていたものがあるときは、その者の地位は、その相続人が承継する。
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参照条文
第16条
【処分、手続等の効力】
第3条の認可を申請しようとする入会権者の代表者、申請人代表者若しくは第11条第1項の規定による認可を受けた者の代表者の変更があつた場合又は第3条の認可の申請があつた日以後において入会林野整備計画に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件の所有者その他これらの土地若しくは物件に関し権利を有する者の変更があつた場合には、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により又はこの法律の規定に基づいてする行政庁の処分により従前のこれらの者がした手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者に対してしたものとみなす。
第19条
【旧慣使用林野整備の実施手続】
第20条
【旧慣使用林野整備計画の決定手続及び内容】
1
市町村長は、前条の旧慣使用林野整備に関する計画(以下「旧慣使用林野整備計画」という。)を定めるには、その対象とする旧慣使用林野に係るすべての旧慣使用権者の意見をきくとともに、それらの者が当該旧慣使用林野を旧慣使用権以外の権利の目的としていないことの確認を得なければならない。
2
旧慣使用林野で所有権及び旧慣使用権以外の権利(電線路施設用地に係る権利その他の権利で農林水産省令で定めるものを除く。)の目的となつているもの並びに処分の制限がある旧慣使用林野で農林水産省令で定めるものについては、旧慣使用林野整備計画を定めることができない。
第21条
【議会の議決等及び認可の申請】
1
市町村長は、第19条の認可を申請しようとする場合には、当該認可の申請に係る旧慣使用林野整備計画につき当該市町村の議会の議決を経るとともに、当該旧慣使用林野整備計画において定められた事項のうち所有権又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を取得させるべき旧慣使用権者に係る部分につき、それぞれ、それらの者の同意を得なければならない。
2
第5条第3項(同項第1号を除く。)及び第4項の規定は、第19条の認可の申請について準用する。この場合において、第5条第3項第2号中「入会権に係る慣行」とあるのは「旧慣」と、「書面」とあるのは「書面並びに旧慣使用林野の一部が第20条第2項の農林水産省令で定める権利の目的となつている土地である場合には、当該権利の種類及び内容を記載した書面」と、同項第3号中「第1項に規定する者」とあるのは「第20条第1項の意見の内容を記載した書面及び同項の確認を得たことを証する書面並びに第21条第1項の当該市町村の議会の議決があつたことを証する書面及び同項に規定する旧慣使用権者」と、同項第4号中「入会林野の所在地」とあるのは「旧慣使用林野の全部又は一部が当該市町村の区域外にある場合には、当該旧慣使用林野の全部又は一部の所在地」と、同条第4項中「第1項の入会権者の代表者」とあるのは「第19条の認可を申請しようとする市町村長」と読み替えるものとする。
第22条
【認可及び金銭の供託等】
1
都道府県知事は、第19条の認可の申請があつたときは、当該申請が次の各号の一に該当する場合を除き、当該申請に係る旧慣使用林野整備計画の認可をしなければならない。
第23条
【旧慣使用林野整備の効果等】
1
前条第4項の規定による公告があつたときは、その公告があつた旧慣使用林野整備計画の定めるところにより、その公告があつた日限りすべての旧慣使用権が消滅し、その公告があつた日の翌日において、所有権が移転し、又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が設定される。
第24条
【地方自治法の適用除外等】
2
旧慣使用林野整備計画について当該市町村の議会が第21条第1項の議決をしたときは、当該旧慣使用林野整備計画において定められている旧慣使用林野に係る権利の設定又は移転については、更に地方自治法第96条第1項第6号及び第8号に掲げる事項についての同項の規定による議決(同法第295条の規定による議決を含む。)をすることを要しない。
第25条
【測量、実地調査及び簿書の閲覧等】
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都道府県又は市町村の職員は第1項の入会林野整備又は旧慣使用林野整備に関し、当該入会林野整備を行おうとする入会権者の代表者は当該入会林野整備に関し、当該入会林野整備若しくは旧慣使用林野整備に関係のある土地の所在地を管轄する登記所に対し、又はその他の官公署の長に対し、無償で必要な簿書の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書の交付(以下「簿書の閲覧等」という。)を求めることができる。